慶應大学SFC:総合政策学部の2015年小論文の解説

慶應大学絶対合格情報
ここでしか手に入らない慶應合格・不合格情報、暗記法、思考法小論文対策を無料提供!

~メールマガジンについて~

メールマガジンでは、慶應大学に特化した情報をお届けします。小論文の点数を上げる秘訣や、記憶量を増やすコツなどの情報です。メールマガジンではサービス・役務のご案内もあります。その為に無料提供となっています。プライバシーポリシーはこちら・メルマガ解除はこちら

慶應大学SFC 総合政策学部 小論文解説 2015年

こんにちは。
牛山です。

さて、先日実施された試験を受験した方は、いかがだったでしょうか。

【1】問題1

問題1では、データを収集し、分析することの利点と難しさについて要約する問題ですね。

全般的に、大事なことはいろいろと述べられていますので、出題者の問題意識などをイメージしながら、ポイントとなる部分を抜き出すイメージで課題文を眺めてみましょう。

ポイントは、

より一層重要な部分を探すように
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
文章を見ることです。


中核的な部分を列挙しましょう。
と言っても・・・

『データを分析することの利点およびその難しさ』を要約することを求められていますので、そこをまとめることが大切です。

【問題1 解答例】
資料2
統計データ分析と情報処理の関係がより密接となった。
(1)様々な分野のデータを組み合わせた結果、ビッグデータなどと呼ばれる新しい知識を得られる可能性が生まれた。
(2)学校教育の現場に、統計が導入された。
(3)コンピューターシミュレーションによる、ベイズ統計の応用が行われるようになった。
データを扱う人間の判断の限界もあり、司法という特殊環境における確率統計の取り扱いについては、様々な意見が存在する。

資料4 
統計学の対象となる数字データは、直ちに対象の量的性格を表すわけではない。それは観察や分類というような、ある意味で人為的な操作を加えて作られたものであり、そういうものとしての存在理由と限界を持っている。
統計学は、データが示す事実に関心を持つ学問的性質を有する。このような過程志向的と呼べる性質は、科学的法則等を見出さない特性につながる。換言すれば、統計学は没理論的であるという限界を有している。

【2】問題2

(1) 問題解説
さて、設問2では、実質的にデータを収集し、分析し、問題を解決してね・・・・
というような問題になっていますね。

簡単な人にとっては、大変簡単な問題だと思います。

基本的な知識が無い人からすると、わりと苦労するかもしれませんね。
このメルマガを丹念に読んでいた人からすると、楽勝かもしれませんね。
ずいぶん前になりますが、相関関係等について解説するメルマガを配信しています。

覚えていますか??

ん、覚えていない?


メルマガを後から、全部くださいとか言われることがあるのですが、できませんので、なるべく、継続的に読んでくださいね。
(2) 【問題2 解答例】
①【関心のある課題】
(4)外国人観光客の誘致による雇用促進

②【定量的な指標および、その指標の定義】
A:失業率(%)=失業者数/労働人口×100(U/W)
・失業者数・・・U
・労働人口・・・W
B:相関係数:国別、(訪れる)地域別の観光客数と失業率の相関
C:重要改善事項:追調査によるアンケートの数値換算

本問題を解決するための現状と課題を示すことができる定量的な指標は、「失業率と国別の観光客数の相関係数及び相関」である。
以下に指標の詳細を記載する。失業率は、失業者数を労働人口で除することで計算する。ここで得ることができた失業率と、年度ごとの外国人観光客数を国別、地域別に分け、国別、地域別の観光客数を把握する。その上で、項目ごとの観光客数と、失業率の相関を探り、項目ごとの観光客が失業率に与える影響について相関係数を算出する。

③【資料やデータの収集方法】
本課題を克服する上での、データとして、失業者数は、官公庁配布のデータを活用する。労働人口及び、失業者数については、政府の統計情報を活用可能である。また、観光客数については、官公庁データを活用する。
上記の方法で、国別、地域別にもっとも経済効果が大きい国と地域を特定する。その上で、それらの地域に訪れた観光客にアンケートを行い、最も大きな消費欲求を追調査する。重要調査項目は、購買決定要因、主要購買対象商品カテゴリ、希望予算平均、日本における購買行為時の悩みである。これらの項目ごとのアンケート結果を、5段階で数値評価し、重要国家、重要地区における重要改善事項を明らかにする。
(3) 解説
外国人観光客の誘致による雇用促進という課題に関心があります!と選んだとしますね、、、
外国人観光客にどんどん来てもらい雇用を促進しよう!という場合にですね、これを問題としようということですね。
これを問題とした場合に、どうやれば、この問題を解決することができるでしょうか?
これを考えていくわけですが、そのためには、具体的に当てずっぽうではなく、データを取っていく必要がありますよね。
上から順番に見ていきますよ。

失業率は分かりますね。雇用が促進されるかどうかについては、雇用者数を調べても良さそうですが、実質的に政府が把握している失業者数を調べる方が現実的です。

労働人口というのは、給与を得て働いている人口です。

失業者数/労働人口という形で計算し、失業率が出ます。
失業率がどのように推移しているかを表であらわすと・・・

2000年 失業率◯◯◯ 観光客数◯
2001年 失業率◯◯◯ 観光客数◯
2002年 失業率◯◯◯ 観光客数◯



という形で表せます。
※観光客数は、縦列に国別に取ります。
失業率を分数ではなく、数字で表記すれば、相関係数の計算をやりやすいですね。
失業率と、外国人観光客数との間にどのような関係があるのか?
観光客が増えると、失業率が低下するかな・・・どうかな・・・と考えてみましょう。
どの国からの観光客が失業率に大きな影響を与えているのかが分かれば、その国からの観光客を増やすためのPR活動を効果的に行うことができるでしょう。
なぜこんなことをしているかと言いますと、インパクトが無いところを改善しても、見込みが無いことが予想されるからです。
経済効果が全くない地域からの観光客を増やしても、失業率は改善しません。
今回の問題について大切なことは、


▼ここかなり重要▼

本当にその問題を解決し切る
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
つもりで、指標を作り、同時に、一次情報を取得することです。
今回の試験の直前に、私がメルマガを出していたのを覚えているでしょうか。
~STAP細胞に学ぶ一次情報の重要性~
というメルマガでしたね。
一次情報云々ということが、今年は関係する問題が出そうだなぁ・・・
と思っていた所、その点では、ズバリ的中しました。
一次情報の取得方法をズバリ聞かれてしまっているわけですからね。

----------------------------------
ウルセー!一次情報なんか、関係ねぇんだよ!! ネタ本読もう♪
----------------------------------
(;^_^A

と思っていた人は苦しんでしまった
のではないかと思われます。
自分が何らかの問題を解決するとか、自分の頭で考えるということは、一次情報を得て、問題解決を図るプロセスでもありますからね。
ここを学んでいくことがとても大切です。

ちなみに、5段階評価というのは、例えばこういうことです。↓
『モチベーション管理分析シート』
▼こちら▼
http://www.skilladviser.com/book/oya-kixyouiku/kagaku/management-sheet.pdf
こちらのシートは、こちらのウェブBookの内容です。
無料ウェブBook『やる気を科学的に捉え、学際的アプローチで解決する』
http://www.skilladviser.com/book/oya-kixyouiku/kagaku/1.html
余談ですが、、、、、

対面形式の塾に通って、やる気が出ずに困っていた方のやる気の問題を私は解決するお手伝いをしています。
一日に、10時間以上勉強できるようになると、自然と合格していきますからね。
これは理屈不要の部分だと思われます。

理屈をこねくり回して、ああだ、こうだと言うよりも、実際に10時間以上勉強してもらうようになり、結果を叩き出すことって大切だとあなたは思いませんか?

私は東大受験生や、医学部受験生、東大卒の方をたくさんサポートしてきましたが、その理由は、ここにあります。
理屈うんぬんではなく、結果として行動改善をしてきたからですね。


念の為に・・・・一応今回の解答例の方向性を説明しておきますと、日本に既に経済的なインパクトを与えている国を相関係数を算出することで仮に特定して、対策を練るということです。

例えば、全く過去20年間で日本に何の影響も与えていないところに対して何らかの施策を行っても、あまり良い成果は期待できません。

そこで、先に特定しているわけですね。

そこで、国別、地域別に、商業効果が大きなところを特定した上で、彼らが何に興味を持ち、ここに訪れているのかを明らかにした上で、対策案を考察する・・・・ための情報収集内容を答案に書いているということになります。
ここまで説明するとわかった人もいると思いますが、ここでは単に指標を設定することだけが問われているのではありません。
本当にこの問題を解決するための、指標と、そのためのデータ収集について質問されているということです。
設問をもう一度確認しますよ。
---------------------------------
問題の現状と課題を示すことができる定量的な指標を・・・
---------------------------------

と書かれています。
つまり、指標を書いてください、ではなく、課題も示すことができる指標を書いてくださいというのが、設問の要求なんですね。
あなたが、これらの問題を解決することを期待されています。
(4) 統計情報に接していますか?
インターネットで勉強してはダメ・・とかよく分からない意見が時々あるのですが、私はずっと前から、ネットで勉強してねと伝えていました。

正確には、ネットでも勉強してねということですね。

本も他の受験生の100倍くらい読んでいるのが理想です。
ネットでの勉強を継続していた人からすると、政府の統計情報はよく拾っていたのではないかなと思うのですが、そういう人も今回は、かなり解きやすかったのではないかと思います。

ネットで情報収集をしていると、時間が無くなるのは、自明という言説も見たことがありますが、その反対が自明です。

なぜならば、検索機能があるからです。
検索すれば一発。

その上で、必要な資料や文献については、蔵書を調べるといいでしょう。
さらに、ネットでの学習の場合、ノートも短時間でさくさく作ることができます。
さらに、それを構造ノートなどのクラウドノートに記録しておけばサクサク復習できます。
構造ノート
http://structure-notebook.com/login.php
ですから、3倍のスピードでノートをつけ、10倍のスピードで情報を集め3倍のスピードで復習するようなことが簡単にできるんですね。
ネットは速いです。
(5) 何を知ることができれば、問題は解決するのか?

今回の問題では、具体的にどのような情報を知ることができれば、問題が解決するのかを述べてみよ!

という問題になっています。ですから何らかの指標を述べるだけでは、大変不十分と言わざるを得ません。
なぜこのような問題が出題されているのかと言えば、あなたの問題解決能力を見たいからです。

今回の問題を難しく感じてしまった人は、基本的な部分の力が不足していた可能性を疑ってみましょう。

受験対策で頭がいっぱいではありませんでしたか?

私がいつも言っていたのは、てっとり早いテクニックではなく、根本的な対策をしましょうということです。

第5回「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」
http://presidentfamily.com/juken/4025

論理思考や、統計の知識、問題発見思考や、問題解決思考、クリエイティブシンキングやゼロベース思考、これらのスキルが総合的に試される問題になっています。

過去問題ばかりやり、基本的な力を養成することが軽視されてしまっていないでしょうか?
日々の勉強や読書、問題意識を育む勉強が軽視されてしまっていないでしょうか。

ここを意識しましょう。

ずっと私が言っているのは、本物の力を養成することです。

なんちゃっての対策でも、合格することはあるでしょう。
それはラッキー合格に近いものです。

一つ一つコツコツ地道に、本流を勉強すれば、大きな力がつきますよ。

( ^ ^)

【3】問題3

(1) 解説
意思決定を行う上で、どのような限界があると思うかについて述べる問題ですね。


こちらは、拙著『小論文の教科書』と『慶應小論文合格BIBLE』を読んでいた人は、かなり解きやすかったのではないでしょうか。

問題解決のアプローチは大きく二つありましたね。
思い出せますか?
(2) 解答例
【問題3 解答例】
 提案した指標を用いての問題解決において、大きく二つの限界が存在する。仮に失業率を算出し、雇用促進に有効な対策案を特定することができたとしても、研究の対象外の対策案については、検討を加えることができない。また、雇用状況が悪化している本質的な問題点を明らかにせず、考えうる対策案だけを行った場合、問題に対する対策が有効に機能せず、同様に対策が空回りするリスクがある。
 提案した指標を用いて問題解決を実行する際に存在する限界とは、このように、問題解決における重要判断基準が別に存在する可能性に起因すると考えられる。

(3) 解説
データ重視の問題解決は、質実剛健だが、欠点も存在する・・・・
というお話を私が本の中でしていたのを覚えている人はいるでしょうか。

未来予測等の問題解決の時に、困ることがあるのでしたね。


なぜか。

演繹的に、原理原則から、重要判断基準を頭の中に作ることができないから・・・

というような事例もご紹介していましたね。

----------------------------------
将来、電子マネーが普及すると思いますか?
----------------------------------

という質問に対して、どのように頭を働かせればよいのか、この点を本の中で勝間さんの事例などをご紹介しながら、お伝えしていました。


問題解決を図るには、大きく二つの方向性案があります。
----------------------------------
(1)本質的な問題点を定義し、その本質的な問題点の裏返しの対策を行う。

(2)大きなアップサイドが見込める領域について、対策を行う。
----------------------------------

この2つですね。
これも私の本に書いていますよ。

私の本をしっかり読んでノートを作っていた人は、試験会場でピコーン!と思いついたかもしれません。

例を挙げますと、、、、

スティーブ・ジョブズが、大きく会社を立て直した時に使ったのは、大きなアップサイドが見込める領域についての対策でした。

当時もっとも売り上げがあった部門を切り捨てて、今後伸びるであろう分野に注力したんですね。


データをどのように考えるかについては、慶應クラスという私が運営する塾でも様々なワークや授業を通して説明してきました。

統計学の基礎や基本も含めて、狙われそうな部分について授業をしています。
(4) 論理思考も大切
今回出題されている問題は、はっきり言って、論理思考の問題でもあります。

論理思考で必要になる思考のポイントについても、前述の書籍にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
(5) 塾では個別に対応しています
今回の問題で分からないところがありましたか?
塾では、個別に一人ひとり、時間を取り、分からないところを、解決していきます。
電話やスカイプで対応する形です。

『慶應クラス』
http://www.skilladviser.com/base/sixyouron/sr-2/keiou-crass.html

【4】過去の掲載記事(プレジデントFamilyClub様)

『慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法』
第1回「従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる」 
http://presidentfamily.com/juken/2915
第2回「慶應大学合格に必要な要素と中核」
http://presidentfamily.com/juken/3466
第3回「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」 
http://presidentfamily.com/juken/3798
第4回「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)」  
~「受け身の学習」から「攻めの学習」に変化させる~
http://presidentfamily.com/juken/3988
第5回「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」
http://presidentfamily.com/juken/4025

資料請求・お問い合わせ

慶應クラスについてのご質問、お問い合わせについては下のお問い合わせボタンよりメールを送信ください。
慶應クラスの資料請求はこちらからどうぞ。


PAGE TOP
© 2010 - DIJI SYSTEM