牛山 恭範 (著)
以下の文章は、「慶応大学絶対合格法」の改訂新版の一部である。
答えはスクロールしてみてほしい
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ところで・・・
突然だが、次の問題で1か2かを3秒以内に選んで欲しい。
リンダは31歳の独身女性。非常に知的で、はっきりものを言う。
大学時代は哲学を専攻しており、学生の頃は社会主義と差別問題に関する活動に深く関わり、核兵器反対のデモにも参加したことがある。
さて、リンダの今を推測する場合、可能性が高いのは次の1と2のどちらか。
(1)彼女は銀行員である
(2)彼女は銀行員で、女性運動で活動している
あなたの答えは・・・?
『常識・普通』を疑う力を!
(クリティカルシンキング・ゼロベース思考)
この問題では、多くの人が2を選ぶことがわかっている。1を選んだあなたはエライ。心理学の領域で有名なリンダ問題と呼ばれる心理テストである。答えを言おう。答えは1である。その理由は、数学を思い出して欲しいのだが、2は1の部分集合だからだ。したがって確率は必然的に数学的に必ず1の方が高くなる。このような人の誤判断を「代表性ヒューリスティック」と言う。「代表性ヒューリスティック」とは代表的な性質を過大に評価し、一般的傾向を感じられる推測をしてしまうことである。ところが、一方で次のような言説がある。(このような勉強法は合格者の誰もがやっていないのだから、やる必要がない。)これは非論理的思考の典型である。もちろん間違いだ。このような思考回路の裏側にあるものは、(このような勉強法は誰もやっていないので、効果が薄い)という考えだ。これこそが代表性ヒューリスティックである。多くの合格者がやっている勉強法が良い勉強法だと思い込んでいるがそのような証拠は実は無い。合格しているということ(現象)を過大に評価するからこそ、合格数、合格率に目が奪われる。合格数は生徒数が多ければ増える。合格率は前提条件によって変わる。
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まだピンと来ていない人も多いと思う。だがそれでいい。
まずは、人の判断がいかに危ういかということが実感できれば十分。
ここまで読みすすめてきた聡明な読者なら、合格者の方法ならば間違いないなどという
考えは持っていないと思う。合格者は
『勉強法がよかった』のかもしれないし、
『頭が良かった』のかもしれないし、『ラッキーだった』のかもしれないし、
『今の時代がいわゆる時代遅れで古いやり方になっている』のかもしれないし、
『数学選択者のケースだった』のかもしれないということである。
何が原因で合格しているのかは、正確にはわからない。したがって、合格者の勉強方法がいいとは
限らないということである。勉強道具、勉強環境、勉強アドバイスも同じだ。
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