慶應大学法学部 2011年小論文の問題の解説。

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慶應大学 法学部 小論文問題解説 2011年

こんにちは。
牛山です。
本日は2011年度の慶應大学法学部の問題の過去問題解説を行います。

【1】慶應大学 法学部 2011年 小論文

(1) 読みにくかったとの意見が多い
この年の問題は、受験生の意見を聞く限りでは、ずいぶん読みにくかった人が多いようです。

ここでちょっと注意点があるのですが一般的に小論文では、読みにくくなると問いがシンプルになり、論旨も明確になることが多いです。

どういうことかと言いますと、使われている用語が難解になっても、論理構造がハッキリしている文は、論理的に読むことができるので、やさしくなり得るということです。

一方で、例えば宮沢賢治の作品で、「クラムボンはカプカプ笑ったよ」などという表現があると、逆にこの方がいろいろな読み取り方ができて、さまざまな可能性を考慮する必要が出てくるということも試験ではあり得ます。ある程度評価の対象となる有効な解答の方向性が存在することが試験の特徴ですので、何が難しいかは、解の方向性をどれだけ限定できるかで決まってきます。

言葉が表面的に見た場合、難しいかどうかということにばかり気を取られないようにしましょう。
(2) 知識は与えられている
今回の課題文では抵抗権についての著者の見解が述べられています。抵抗権について高校で習うわけではありませんので、難しいと感じるのは分かりますが、ここで安易に、法律を勉強していれば有利になるのだと考えないことが大切です。

少し見方を変えると、法律の知識を得ている受験生を取ることができる試験を設計するのは簡単ですが、(慶應大学は日本でも屈指の法科大学院を擁していますしね。)そんなことをしても慶應大学は長期的に得をしません。
なぜならば知識がどの程度定着するかを見るには英語や歴史の科目がその役割を果たすからです。

論文テストでは、知識力を評価しますとは書かれておらず、構成、内容、表現、発想で評価すると問題文に記載しています。

仮に知識がある人が有利になりすぎる問題を設計すれば、思考力がある人がどんどん入試で脱落していくことになり、知識豊富だが論文テストには弱いとか、実社会で考えることが苦手というタイプの人材を多く抱えることになることが予想されます。

この状態を避けるために慶應大学は論文試験を日本の大学の中でももっとも重視する入試体制を敷いているのかもしれません。
(3) 知識はあるにこしたことはない
知識はあるにこしたことはありません。知識を得ることを止めましょうと言っているわけではないので、極論で解釈はしないでくださいね。
(4) 合格に直結する勉強のアプローチ
大事なことは、素直に問題を解くということです。

素直に問題を解くというのは、余事記載をしないということでもあります。昔から法律系論文の世界でもよく言われることですが、論文テストは素直な人や謙虚な人が合格しやすいと言われています。

どういうことかといいますと、しっかりと勉強して自分の知識や知性に自信がついた人ほど、(この知識を入れこめば、誰も知らないことを自分だけが知っているので、高く評価されるだろう)と考えて、設問で問われていないことを書いてしまいがちということです。

素直ではない人は、そこを指摘されてもなかなか直りません。
そして本試験で減点されて不合格になります。

東大法学部卒の弁護士と一緒に私は本を執筆しましたが、その中にこのことを石原弁護士が記載しています。
『勉強法最強化PROJECT』という本です。

また、弁理士試験に合格している瀬川先生という方とも一緒にお仕事をさせていただいているのですが、同様に、弁理士でも余事記載をする人は極めて合格しにくいと言われているようです。
(5) 解答例
今回の問題では、設問の要求の一つ目で、筆者の抵抗権の捉え方について、整理することを求められています。
その部分の解答例を記載します。

 抵抗権とは文字通り抵抗する権利のことである。抵抗権には大きく二通りあり、一つは、超実定的な抵抗権であり、もう一つは、実定的な抵抗権である。
 超実定的な抵抗権とは、実定法があるにも関わらず、その実定法に抵抗するために行動をする権利である。一方実定的な抵抗権とは、本来の意味での抵抗権とはいえないが、合法的な争議権等抵抗の要素を含んでいるものであると言える。歴史的に考えれば、抵抗権が自然法と同じように幅広く実定化されるようになったことは、高く評価すべきである。いかなる民主体制でも超実定的抵抗権の可能性と意義は失われることが無い。
 また、抵抗権により、行政の不当な慣習が改められることになる。これは評価すべきことである。
(6) 全体の論旨を整理する
最終的に筆者が最も言いたかったことにたどりつくように、前提となる部分を盛り込むことが大切です。
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