記憶術で失敗する理由
こんにちは。
牛山です。
本日の内容は、記憶術で失敗する理由です。なぜ多くの人は記憶術と呼ばれる技術を学び、学習がうまくいかないのでしょうか。
その理由は、「学習向きではない内容」を学んでいるためです。一般的によく知られている記憶術の方法は、中学生、高校生の勉強や、社会人の資格試験対策に向いていません。テクニック先行で、現実にどう覚えるのかという部分が、実践的ではないのです。
そのため、せっかく変わった技術を学んでいるのに、試験に使えないという結果になりがちです。
記憶術は、円周率の暗記、トランプの順番暗記、ＴＶショーの記憶技披露などの場で紹介されがちです。当然これらの「びっくり技」は、順番の暗記ですので、試験対策で求められる類の記憶方法とは全く異質なものです。そのままでは、試験対策に使えません。
私がかつて記憶術を知った際は、ある東大医学部生が強く推奨していました。彼は理系学部にだけ合格しているわけではなく、東大や京大、早慶の文系にも合格しているという変わった人物でした。（在学中に国家公務員試験第一種合格、薬剤師試験合格）文系の学部では、特に暗記力が重視されます。多くのことを記憶しておく必要があります。記憶術は丸暗記によくある度忘れを防ぎやすい技術であり、「絶対に必要」と彼は述べていました。
しかし、商業的な売り文句の教材が多い中で、どうしても記憶術は（あやしい）（うさんくさい）という印象を持つ人も多いと思います。加えて、世の中に出回っているいわゆる記憶術のほとんどが、実践的な内容ではないため、利用者がカスタマイズして使わなければ、試験対策には使えないのが実情です。ところが、この「カスタマイズ」は、多くの人ができません。そこで、多くの人が、記憶術の利用で失敗してしまうのです。
また、多くの人は記憶法や記憶術の実態や、効率的な試験対策にあまり詳しくないのに、（胡散臭い）などの批判的なメッセージに参加しておけば、無難という程度の認識で、この手の記憶法を強く批判しがちです。こうしてさらに、有効な記憶方法は、先入観でいっぱいの目で見られるようになります。
記憶術で失敗する理由は、実践的ではない内容を教えられている上に、試験対策の原理原則を踏まえない使用方法で試される点にあります。ハウツーとしての「方法」ばかりが注目され、勉強を技で攻略しようという考えが強いと、使いこなすことができません。
試験対策はあくまでも、有効な学習戦略にのっとり、なされなければなりません。短時間で成果が出るように勉強することが大切です。そのうえで、忘れないための記憶術をうまく活用することが大切になります。
記憶術は簡単な試験よりも、難しい試験で威力を発揮します。（こんなに多くのことを覚えておくなんて、無理だ）と感じる試験に、慎重に挑むために使いましょう。
学習する内容の中でも、特に思い出しにくい内容についてのみ、記憶術を使い、問題集の使い方を効率的にするだけでも、記憶術を有効活用しやすくなります。
しかし、多くの人は、「どの問題集を使うべきか」は、気にしても、問題集をどのように使うべきかについては、あまり関心がありません。そのため、「記憶する問題集の量」が減りがちです。試験に合格できない本質的な問題点は、記憶している問題集の量が少ないことにあります。
普通に勉強しても、頭に入りにくい内容を記憶術で覚え、他の範囲は効率よく問題種を使い、ＩＣレコーダーなども駆使して覚えこみましょう。
拙著「機械的記憶法」を読めば、効率よく記憶していく具体的な内容が書かれています。ぜひ参考にしてみてください。
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