慶應大学SFC:総合政策学部 2017年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。


2017年度慶應大学総合政策学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2017年度 慶應大学総合政策学部小論文過去問題解説です。

 

 

今回の問題は次のようなものです。

 

問題1

 

因果関係と相関関係はどう違いますか。また、相関関係から因果関係に迫るにはどうすればいいですか。資料を読み、自分の言葉で要約しなさい。

 

 

 こんな問題が出ていますね。
 この問題のポイントは2つあります。
 一つは自分の言葉で要約することを求めている点です。従って抜き出しはやらない方がいいでしょう。
 また、厳格な説明ではなく、あくまでも資料の要約を求めている点です。従って書かれていることを説明すればOKです。専門的すぎる内容が求められているわけではありません。

 

【ポイント】

  1. ① 抜き出さない
  2. ② 書かれていることを説明すればよい

 

 

問題1 解答例

 相関関係と因果関係の違いは、必ず因果関係が存在するか、そうとは言えないかの違いである。相関関係は、因果関係を必ず含むとは限らない。具体的には、相関関係であると評価可能な現象には、「現象を表す変数」と「現象を導く変数」の2変数について共通の因子が存在する場合がある。また、非共通因子が影響を結果に与え、偶然相関現象が生じるケースも存在する。一方で、因果関係は、文字通り「現象を表す変数」と「現象を導く変数」の間に因果関係が存在する。
 相関関係の中から因果関係を発見するには、いくつかの手法が存在するが、可能な場合は、「結果に影響を与える因子の条件」を揃えた上で、現象を表す変数が変化するかを観察するという方法がある。

 

設問2


 設問2では、ユニークなことが質問されています。
 都道府県の成人男性(65歳以下)の糖尿病死亡率(人口10万人あたり死亡人数)と平均年収(百万円)を散布図にしたものです・・・

 

 というような前置きがあり、下を見ると散布図があるのですね。

 

 ちなみに、散布図とは、以下のようなものですよ。

 

 

都道府県別にデータを落としていくとこんな図になりますね。

 

※各都道府県の年齢構成は同一になるように、調整済みです。
※上記の図は現実のデータに基づくものではないという想定です。

 

 なんだかもう難しい感じがしてきましたか?
 簡単に説明します。

 

 必要に応じて様々な要因を加えて、「平均年収」と「糖尿病の死亡率」の間の関係の構図を図示してください・・という問題です。

 

 因果関係を示す時には、

 A(原因)→B(結果)という形で記載するように指示があります。
 相関関係を示す時は、A←→Bという形で記載するそうです。

 

 Aが増える時、Bも増えるならプラスマーク
 Aが減る時、Bも減るならマイナスマーク

 

 をつけるそうですよ。

 

 問題を解決する際に「イシューツリー」などと呼ばれる問題発生の構造を記述した図を書くことがあるのですが、それをやりましょうという問題ですね。

 

 私が主催ししている慶應SFC対策専門塾のトップページにも、似た図があります。




慶應SFC特化クラス(慶應SFC進学対策専門塾)

 

 この図を見てもらうと分かると思うのですが、いくつかの問題に分解していますね。対象を論理的に分解するのが、発想のコツです。

 

 このあたりについては、拙著「小論文の教科書」などにも発想法を書いています。今回の問題を解くことができなかった人は、論理的に発想しなかった可能性を疑ってみましょう。

 

(テキスト解説だけではなく、動画解説も見てください。考え方などをご紹介しますよ。)

 

 この問題については、早速ですが、解答例をお見せします。その方がイメージしやすいでしょう。

 

 要はこんな形です。

 

 

 

 プラスマークは、矢印の根っこの部分が増加すると、矢印の先の部分が増加する場合ですね。

 

 この図は、気づいた人もいるかもしれませんが、広げようと思えば、無限に広げられます。そこで、今回は、「平均年収」と「糖尿病の死亡率」の間の関係に限定して書いています。

 

 色分けをすると、もっと分かりやすいかもしれませんね。
 色分けをすると、こんな感じです。

 


 ここではあえて緑色の数値を強くイメージしてみましょう。緑色の矢印の力によってわりと平均年収や糖尿病死亡率はクルクル変わります。

 

 イメージしやすいかもしれないので、こんなお話をしましょう。

 

 私がかつて読んだ本では、(科学誌のジャーナリストが独自に行っていた研究なのですが、)その本の中では、糖尿病患者の増加は、経済発展によって引き起こされているという結論がありました。今回の問題では、日本だけを見ていますが、アメリカ、イギリス、インドネシア、タイなど、西欧諸国やアジアなどを複合的に調査すると、安価に市場に低価格の炭水化物商品が出回ると、肥満人口が増加しているそうですね。もちろん、平均年収が高い人も、低い人も、経済発展する前に、存在していますよ。ずっと糖尿病患者の数は変わらなかったのに、市場に安価に精製された炭水化物食品が流通するようになると、肥満者が爆発的に増加しているそうです。

 

「なぜ人は自滅的な行動を取るのか」という本では、双極割引曲線というものが紹介されています。人は将来の価値(将来美しい状態や、健康的でいる状態の価値)を割り引くので、目の前のケーキの誘惑に負けるのだとか。 理性的であり、かつ知性的な人物であったとしても、太っていることがあるのはここにも理由がありそうです。

 

 このような事例を知っていたかどうかは別として、巨視的な視点で物事を俯瞰してみると、平均年収という変数よりも、社会的な環境因子の変化の方が、結果に大きな影響を与えているように思われますね。
 もちろん、早計な判断は危険ですから、慎重に考えていく必要がありますが、頭の片隅に置いておいてもいいでしょう。

 

 この手の問題はテクニック潰しにもよく使われます。要は、小論文試験突破のテクニックが機能しないようにするということです。

 

 例えば、譲歩構文を潰すには、賛成した後に反論を加えなさいと問題を作れば、受験生全員が賛成した後に反論を行いますので、「確かに~しかし」とやっても加点を狙えません。

 

 同様に、「原因を書け」と問題を作れば、原因を書いて対策案を書くように教わった学生は、差をつけることができなくなります。受験生全員が原因を書くからですね。

 

 原因を考えて、対策案を書くという考えは多くの点で問題点があると私は言っていたのを覚えている人はいるでしょうか。

 

 もしも、まだ見たことがない場合は、こちらの「考え方の教科書」を読んでみてもいいかもしれません。

 

なぜならば・・・今回の問3では、まさしくこの点が問われているかもしれないからです。

 

問題3


 問題3では、問2で書いた内容を文章で説明してくださいというものです。今回は3種類の解答例を作りました。


 

 なぜなのか。

 

 読んで確認してみましょう。

 

問題3 間接的に説明する場合の解答例

 

 図の中では、矢印に負の相関関係を示すマークを付けているが、この「負の相関関係マークのマイナス」は、あくまでも相関図を描いた場合の現象に対する説明であり、A(原因)が増加した場合にB(結果)が減少することを示しているわけではない。理由は大きく3つある。第一の理由は、糖尿病の死亡率が全体から計算されていることである。この死亡率は、年収別の死亡数を計測したものではなく、人口あたりの死亡数から計測されている。従って、全体における「年収ごとの人口比率」を考慮に入れなければ、大きく判断が狂ってしまう。第二の理由は、平均年収が低いという事実からは相関に対する意味付けを行いにくい点である。中央値がある場合は、比較的信頼に足るデータとなるが、平均値では、年収別の人口比率という見えないデータが分からない。第三の理由は、図に示した通り、2つの変数に影響を与える要因は複数あるばかりか極めて複雑な点である。何百何千の因子が存在しており、負の相関に見える現象は偶然起こっているだけなのかもしれない。

 

 

【解説】

 それでは、第一の理由である、「糖尿病の死亡率が全体から計算されていること」について、説明します。ほんのちょっとだけややこしいかもしれませんが、やさしく話すので、がんばって読んでみましょう。

 

「平均年収が低い人口比率が高い我が国」では、糖尿病死亡率に限らず、人口あたりの数を計測すればどのように切り取っても平均年収が低い層の値は大きくなる傾向があると考えられます。
 ※ただし、平均年収ごとの死亡者数を計測し、その数値が(年収ごとに)何%なのかを計測すれば、年収と糖尿病死亡率の関係について考察を深める際に有効な判断基準の一つを手に入れることができます。

 

嫌になってきました?

 

 

 

 大丈夫。簡単に話しますよ。

 

 極端な事例を思い浮かべると、イメージしやすいかもしれません。

 

 例えば、年収300万円の人が9万9999人、年収100億円の人が1人いる村があるとします。この村で、糖尿病で亡くなった人が10人いたとします。死亡しているのは、全員年収300万円の人でした。この事実から言えることは、すなわち、年収が低いことが、糖尿病で死亡する原因であると・・・言えるでしょうか。

 

 このような判断ミスは、グループごとの数値を比較していないことによって生まれます。しかるべき検定方法を用いると正確な数値を出すことができるのですが、上記のような判断は、意味がありません。部分的な確率の問題と、全体としての確率の問題を同列に扱ってしまっているからです。
 例えば、年収◯◯円以上のグループと、年収◯◯円以下のグループで被験者を分けて、それぞれ何%の糖尿病死亡率なのかを分けた場合は、この限りではありません。
 つまり、相関関係があるかのように見えるからといって、数字の性質を考えずに言葉だけで因果関係があるかどうかを判断することはできないということです。
 よく私が「多面的に質の高いデータを取っていかなければ、判断はできませんよ~」「原因を考えてもいいですが、それが主因と、勝手に考えてはいけませんよ~」と言っているのはこういうところに理由があります。

 

 


 それでは、2つめの、平均値と中央値の違いについて説明しますよ。
 中央値というのは、数値が高い方から順番に並べて、真ん中の値という意味です。平均値は、集団を形成する数で割るのですね。
 例えば、クラスメートの平均身長を計測すると、だいたい信頼できる数値が得られます。なぜならば、大きすぎる背の子がいたとしても、身長が100メートルもあるような巨人ではないからです。(進撃の巨人という漫画がありましたが、あれはマンガですので。)一方で年収は違います。平均年収300万円の人もいれば、毎年30億円ほど稼ぐ人もいます。このような極端な数値を外れ値などと言います。この外れ値を回避する方法はいくらかあるのですが、中央値という数を使うのは一つの方法です。年収が高い人が計測対象に存在しても、集団の半数もいないですから、ごく一部の例外ですね。こういう人は中央値の場合、計測対象になりませんので、ある程度集団を形成する人々のなまなましい現実のデータを取ることができるわけですね。仮想のデータで理解を深めてみましょう。ここに5人の人がいて、それぞれ以下のような年収だったとしますよ。

 

 

 この5人について、年収の平均を取ると、平均年収2224万円になります。

 

(全員医者かっ!というツッコミはなしです。)

 あれ?なんだかあまり実態を反映しない数値になっている感じがしますね。その理由は、Eさんの年収が桁外れで、平均値の数値を大きく引き上げているからです。

 

 一方で、この5人の中央値を計測する場合、以下のように5人を並べ替えますよ。年収が低い方から順番に並んでもらうと次のようになります。





 この場合、中央値というのは、真ん中のBさんの値になります。なんだかこの方が、グループの平均的な性質を示しているような気がしませんか?いわゆる例外的な数値を除外することができるためです。
 今回の問題は、年収の平均値をもとに、死亡率との因果を探るような考察をすることになっていますね。年収のような大きなばらつきがある数値で、平均値を用いると、実態を反映しない考察になりがちなので注意が必要です。今回の場合中央値だと少し安心できる数値になりましたね。


(よかった、よかった。)


 それでは、具体的に都道府県別にどのようなばらつきが平均値と中央値の値についてあるのかを見てみましょう。下のグラフは私が作成しました。都道府県別の平均年収(青色)と、中央値(茶色)のグラフです。左から順番に高い方から並べています。神奈川・東京あたりがトップです。



 青色の数値(年収の平均値)と、茶色(年収の中央値)の数値が大きく離れているところもあれば、そうではない部分もありますね。

 

 これは、格差があるかないかとも言えます。総じて都会と田舎には、大きな格差があるようですね。
 平均値というあまり(年収の場合)意味をなしにくい数値をもってきても、その数値と他の数値を突き合わせて、因果がどうかなぁ・・・と考察するのは大変危ういと言えます。例えば今回の事例では、年収2224万円のグループが形成された形になりますが、この年収は高いのか低いのかと言えば、高いですね。それでは、この平均年収が高いグループから糖尿病患者が生まれた場合は・・・生まれない場合は・・・と考えてみてもあまり仕方がないですね。

 

 原因を分析するというのは、原因を想像することではなく、質の高いデータを取ることだと普段から私が言っているのはこういうことです。ここでは、多少質の高いデータの一例として中央値を挙げましたが、他にも重要な指標はたくさんあるでしょう。

 



 今回の問題では、別の見方をすれば、質の高いデータを取ることができる素養があるかどうかを見られていると解釈することもできます。例えば、平均年収という結果に影響を与える因子として「外れ値としての極端に大きな年収」などと表記してみても面白いかもしれませんね。

 

 それでは、最後の3つめの理由です。解答例には、以下のように書いてありましたよ。
 ------ここから-----
 第三の理由は、図に示した通り、2つの変数に影響を与える要因は複数あるばかりか極めて複雑な点である。
 -----ここまで-----

 

 原因の原因を考えていくと無限に広がります。無限です。

 

 ところで、例えば、特定の糖尿病疾患による死亡者が、非常に学歴が低かったとして、その割合が全体に占める割合が高かった場合、学歴の低さと糖尿病の死亡率には関係があると言えるでしょうか。これも、判断ミスの一例です。現実には、学歴の低さは、単に我慢強くないという因子の結果かもしれません。我慢強くない人は、目の前にお菓子があれば、いくらでも食べてしまうでしょう。また、我慢強くない人は、勉強をがんばらないでしょう。特定の政府の政策によって、賃金が安くなる人が出てきたので、そういう人が糖尿病になり、学歴が低いので糖尿病になるのだ・・・・という考えは、間違いかもしれません。単に共通の因子があるだけかもしれないということです。また、この場合「年収が低い人はジャンクフードばかり食べているに決まっているのだ」という発想は、学歴の低さと糖尿病死亡率の因果関係を説得的に考えさせるために無理やりひっつけられた後付の論理かもしれません。
 かもしれないだけですから、実際にそうかもしれません。答案に書いた人はショックを受けなくてもいいですよ
 ここで私が問題にしているのは、以下にご紹介するような思考プロセスはまずいということです。

 

仮称「原因を想像する人」さん
 だってね、学歴が低いとね、あのね、職につけないでしょ。つまりそれはジャンクフードばかり食べるようになるっていうことであって、だからつまり糖尿病で死亡するってことにつながるのさ

 

と言う人がいたとしても、何のデータからそう言っているの?という質問をしなければなりません。

 

仮称「原因を想像する人」さん
 だってね。死亡している人の割合から言うと、学歴が低い人の割合が多いんだよ。

 

 という答えが帰ってきたら、共通の因子がある可能性は考えましたか?

 

 と質問する必要があるということです。

 

 もっと端的にストレートに言えば、

 

 何の関係があるん?

 

 ということです。だいたい世の中の間違っているかもしれない言説というのは、部分的に論理的に見えて、全体的には非論理的というパターンが多いです。覚えておくと、詭弁を見抜きやすくなり、自分も判断ミスしにくくなりますよ。

 いつも言っていることですが、小論文の基本は論理と感性です。基本は応用がききます。基本は全体のパフォーマンスに影響を与えます。小論文の過去問題ばかりをやり、基本を軽視した人は、論理的に物事を考え、論理的に分析するという基本中の基本を軽視したことで、問題がよくわからなくなってしまったということがあるかもしれません。

 

 我慢強くない人と我慢強い人のグループで対照実験を行い、データを取り、そのデータと、学歴と糖尿病死亡率のデータを突き合わせた上で、我慢強くない人が高学歴になるかどうかを調べてみるといいでしょう。

 

 そうすれば、単に我慢強くないことが共通の因子なのかどうか、いくらか判定することができます。もしも我慢強くない方が、圧倒的に学歴よりも糖尿病の死亡に結びつき、かつ我慢強くない人が、勉強をがんばることができないのであれば、学歴は無関係だった可能性も考えなければなりません。

 

 今回仮称「原因を想像する人」さんは、なぜ妥当ではない考察をしてしまったのでしょうか。自分の先入観を優先し、因果関係があるかどうか不明な点について、短絡的に論理を結びつけて結論を導いているからです。事実に謙虚になる必要があります。

 

 質が高いデータを取るとはこのように実態に迫るアプローチのことを指します。

 

 ここでは、上記のような解答例をご紹介しましたが、以下のような解答例でもいいでしょう。

 

問題3 相関の意味に注目する場合の解答例

 与えられた資料では、負の相関が見られる。しかし、果たして本当にこの負の相関の中に因果があるのだろうか。
 相関図から読み取ることができることは、平均年収が低い都道府県は、糖尿病死亡率がどちらかと言えば高く、平均年収が高い都道府県は、糖尿病による死亡率が低い傾向にあるということである。このような現象が起こる可能性として、車による移動を行う人口比率が地方の都道府県では多いことが挙げられる。その他に、資金力、資金力から派生する医療、予防活動などが、死亡率に影響を与える可能性がある。「基礎的な因子が連続的に複数の結果を導き最終的な現象に与えるケース」のグループが、上記内容に該当する。ただし、図に描いた通り、平均年収を上下させる因子や、糖尿病死亡率を上下させる因子は多岐にわたる。そのため、負の相関が観察される散布図から、上記の仮説を安易に導くことは危険である。車の利用率や、一週間の運動量、一週間あたりの歩行量について定量的なデータを取得し、上記の仮説を検証しなければならない。作図した内容のような影響力が常に働くため、負の相関に見える現象は、単なる偶然等の可能性も十分に考えられる。

 

 読んでもらって分かったと思いますが、散布図の意味を先にきちんと把握することに注力し、ここに出題意図があると解釈する場合の解答例です。実際には、この後に紹介するものでも、前に紹介したものでもいいでしょう。どれかでなければならないということはありません。


問題3 直接的に説明する場合の解答例
 平均年収と糖尿病死亡率の間には、少なくとも以下のような共通の因子が存在する可能性がある。①健康についての知識量が多く健康に働くことができる人口の増加:高学歴な人物は勉強家であることが多く、年収が高いことも多い。②勘がいい人口の増加:いわゆるストリートスマートは社会的に成功し、リスクを避けることができる。
 平均年収が高いことが、基礎的な因子となり、派生する因子が糖尿病予防につながることがある。以下の事例が当てはまる。①治療にお金をかけることができる。②運動器具を買うことができる。③ストレスがたまりにくい。④食べ物が理想的:近年野菜の価格が高騰しており、むしろ食肉の方が質にこだわらなければ安く購入可能である。
 『「年収が高い」という因子の基礎的な因子』が複数存在しており、その潜在的な因子が「平均年収の高さ」「糖尿病死亡率」の両方に影響を及ぼしている可能性も存在する。
 死亡率には無関係だが、平均年収には影響を与える因子も存在する。不景気、好景気など景気の変動や、その景気の変動に影響を与える因子は、我が国の国民の平均年収に影響を与えている。

 

 

 ここでご紹介したような内容は、論理や感性についてきちんと理解を深めておけば解くことができます。私は今回の試験の前に、指標を作る問題が出ているからといって、指標を作る練習だけをしても仕方がないと言っていましたね。その理由は、何のために指標を作るのかという全体の理解が欠落した状態で指標を作っても仕方がないからだと述べていました。そもそも、指標や尺度は問題を解決するために作るのであり、その問題を解決するためには、何が重要な指標であり、なぜ重要なのかが分からなければなりません。その全体の頭の働かせ方を学ぶ必要があるとお話していました。

 

 傾向に合わせた対策と言えば聞こえはいいでしょう。しかし、その傾向とは、形式のことではありません。出題形式ではなく、その問題の中で問われている能力こそが大事だと考える必要があります。過去問題は出ている問題だから、とにかくこれをやれば練習になる・・・という意見は、論理に飛躍があります。(何の関係があるん?です。)出ている問題だからといって、同じ形式で同じ能力を問う問題が出るとは限らない上に、採点基準が形式にあう解答を作ることができるかどうかではないからです。求められている力を引き上げることで、合格できます。

 

「研究計画書を作ることをやっても仕方がない」という批判を受けたこともありますが、今回の問題はどうやれば真実に迫ることができるのかという点において、研究計画書づくりとかなり似た頭の働かせ方をする必要があります。

 

 どのデータをとっていけばいいのか、それはなぜなのかということが問われていますよ。この意味で、拙著「小論文の教科書」「牛山慶應小論文7ステップ対策」を読んでいた人は、それなりにやりやすかったでしょう。

 

 しっかりと勉強していきましょう。

 

 

 

 

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慶應大学に合格する読解力強化法とは



過去問題解説者 牛山恭範

  ・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者 

 

 人を成長させる事が専門。決して頭がいいわけでもなく、勉強が得意ではなかったが独自の学習法を使うことで小論文試験が難関で知られる慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部にダブル合格する。

 

 2009年、技術習得の理論・原理(成長の原理)を「目標達成論」(エール出版社)で発表。その他高速学習(どんな人でも大量の記憶を形成させる)を可能にする、プロフェッショナルとして、年間約3千のメールサポート・電話サポート・直接指導をクライアントと行い、累積数1万を超えるサポート実績がある。慶應義塾大学総合政策学部在学中にパソコンの家庭教師などを経て店舗経営で起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。技術の習得に関する周辺と、それを可能にする頭脳に関して研究を重ね現在に至る。(大学院では、思考力の研究を行い、研究は成功した。)現在は研究の成果を活かし、需要の多い分野で教育カリキュラムを構築し、技術を提供。

 

 より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長より、BBT大学大学院にて問題解決思考の思考について師事を受ける。

 

 ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者(写真)となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

 

 マッキンゼーの問題解決思考を上記大学院の学長である大前研一氏から直に師事を受け、各種技術習得、及び,問題解決型の 学習コンサルティングに活かした活動を行っている。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日

クライアントの実績の一部

・教え子がダブルE判定から慶應大学に合格。
・教え子の成績がTOP0.1%に引き上がる。
・全国3位に急成長→慶應大学A判定に。
・北海道大学法科大学院次席合格。
・女子高生が2時間で速読を習得→名門津田塾大学に合格。
・医師の国家試験、公認会計士試験、薬剤師試験、弁理士試験など、難関国家試験にクライアントが合格。
・国立私立、資格試験、国家試験問わず、希望の試験に合格。
・全国模試で英語で二度日本一。
・慶應大学4学部(法・経・総・環)合格。
・大阪大学大学院主席合格。
・上記の他に、名門大学院、最難関大学院、京大、東京大学大学院などに合格実績がある。

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



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