慶應大学経済学部 2017年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2017年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

 本日は、2017年の慶應大学経済学部小論文問題解説です。

 

 

問題A

 

 ソクラテス的論者とは、どのように議論をする人なのか。200字以内で説明しなさい。



 課題文を見ると、ソクラテス的論者について、ズルズルと説明があります。これをまとめなさいという問題です。課題文をよく読むと、ソクラテス的論者の特徴について、大きく3点言及されていますので、これをまとめます。

 以下のようになります。

 

問題A 解答例

 ソクラテス的論者の特徴は、以下の3点である。第一の特徴は、伝統や権威を盲信するのではなく、自分自身で考え議論する点である。このような反権威主義的な態度を持つ人物が重視するのは、議論の中身である。第二の特徴は、議論の優劣を数でつけず、少数派の意見も尊重することである。第三の特徴は、批判的思考力を持ち、自分の考察についても、常に注意深いことである。

 

 今回の問題は、抜き出しでは対応できないので、自分の言葉で端的に課題文の内容を言い換える必要があります。端的かつ具体的に課題文の内容を説明しましょう。

 

 

設問B

 

 ソクラテス的なやり方で議論をすることができる人は、組織において、どのような活躍ができるのか、また、そのためには、組織は、どのような条件を備えることが必要か、課題文のみにとらわれず、あなたの考えを論じなさい。

 

 

 今回の問題のポイントは、①2つのことが問われていること、②論じることを求められていることの2点です。

 

 

 問われているのは、以下の2点です。

 

(1)ソクラテス的なやり方で議論をすることができる人は、組織において、どのような活躍ができるのか
(2)ソクラテス的な議論をするために組織は、どのような条件を備えることが必要か

 

 この点について論じるので、2段落構成がいいでしょう。

 

 論じなさいという要求なので、論拠・根拠を加えて述べていきます。それでは、解答例をご紹介します。

 

(2) 解答例

 ソクラテス的なやり方で議論をする能力を持つ人材は、どのような活躍ができるだろうか。思考の独立性を持つ人材は、先入観に押し流されず、実態を高い力で推し量ることで活躍すると私は考える。言うまでもなく、高い推論能力を有している人材は優秀である。私が上記のように考える理由は、推論能力の研究結果にある。人の意見に同調しやすい人物は、推論能力が低いというデータがある。
 上記のような議論の条件を整えるためには、議論を先導するリーダーが少数派の意見を尊重し、群れないように指導することが重要であると考えられる。イエスマンをよしとせず、勇気を持って発言した人物をリーダーが讃えていけば、理想的な文化を形成しやすくなる。成功したエンターテイメント企業として知られるディズニーでは、リーダーが理想的な行動を起こした人物にメッセージカードを送る制度が、理想的な文化形成に役立っている。

 

 

【議論についての脱線的お話】

 余談ですが・・・
 議論を理想的に行うことは大変むずかしいことです。何を言うかよりも、誰が言うかの方が大切でしょう?という考えの人は大変多いです。このような状況になると、議論というのは、「やってるだけ」になりやすいのですね。
 要は、お茶を濁してしまうわけですが、「議論をやっているようなポーズ」だけうまい人が、たくさん集まり、議論チックな作業をするような形になると、議論は形式だけのものになってしまいます。
 こうなると、議論の生産性は低くなります。理想的な議論が行われるためには、どのような議論が理想的なのか、どのような議論をする人が評価されるのかについて、しっかりと説明されていることが大切です。
 また、誰が言っているかしか見ていない人が評価者の場合も議論の生産性は下がります。
 (あの人の社会的な地位は高そうだから、良い評価だな)などと考えて人の意見を聞く人が評価を下している場合、何を言おうと、評価は高いわけですから、議論など最初からする必要は全くありません。このようなケースでは、全てが万事、茶番です。しかし、現実にはこのような先入観が議論の場では働いていることがほとんどです。
 議論をする際には、議論の文化のようなものがあり、その議論の文化が議論の精度を決定づけます。議論を深めていくことに興味がない人が集まると、皆が意見を述べるだけで終わります。
 理想的な議論の文化が無い場所では、各人が好きなことを述べ、司会者が聞きたいことを聞いて議論の時間が終わり・・・というように、議論が表面的なものになってしまいます。こうなると、声が大きい人の意見が通り、何かが決定されてしまうということも少なくありません。多くの組織でよくあることです。

 

ここまでのお話は、私の経験や勘所です。
 今回の問題を解く際には、いろいろな意見があって然るべきですから、あなたが考えるところを自由に述べ、論拠・根拠を加えて述べましょう。

 

【解法のポイント】
 2つのことを問われた時は、順番に答えていきましょう。

 

この場合の答案構成は、

 

問題設定⇒意見提示⇒理由・データ⇒結論(一つ目の問いについて)
問題設定⇒意見提示⇒理由・データ⇒結論(二つ目の問いについて)

 

という形になります。

 

 ただ、これはあくまでも設計思想のお話なので、必ず問いや、結論が必要というわけではありません。およそ、このように構成していくことができれば、評価されやすいということです。その理由は、多くの生徒は設問の要求をスルーしてしまうため、採点者は、点数を与えてもいいかどうか、探すように答案を見ているためです。

 

※3つのことを設問で問われた場合も上記のように考えます。

 

問題設定⇒意見提示⇒理由・データ⇒結論(一つ目の問いについて)
問題設定⇒意見提示⇒理由・データ⇒結論(二つ目の問いについて)
問題設定⇒意見提示⇒理由・データ⇒結論(三つ目の問いについて)

 

【考え方のポイント】
 何らかの解決策を考えるときには、以下の2つのアプローチで解決策を見つけます。

 

  1. 1)本質的な問題点の裏返しの対策
  2. 2)大きなアップサイドが見込める対策

 原理的にこの2つが、効果的な解決策を見つけるための手段になります。

 

 今回の問題では、

 

  1. 1) 理想的な議論を行うことができない本質的な問題点は何か?
  2. 2) 理想的な議論を行うための大きなアップサイドが見込める領域はどこか?

 

この2点が、大切になります。

 

詳しくはこちら↓でご紹介しています。

 

 

 幸いにして・・・と言いますか、
 今回の場合、設問Aで問題点の整理が既に行われています。

 

 ちょっと確認してみましょう。

 

------ここから----------------
 ソクラテス的論者の特徴は、以下の3点である。
 第一の特徴は、伝統や権威を盲信するのではなく、自分自身で考え議論する点である。このような反権威主義的な態度を持つ人物が重視するのは、議論の中身である。

第二の特徴は、議論の優劣を数でつけず、少数派の意見も尊重することである。

第三の特徴は、批判的思考力を持ち、自分の考察についても、常に注意深いことである。
-----ここまで------------------

 

この3つに共通することは何でしょうか?
他者及び自分から、影響を受けないことと言えます。

 

 つまり、議論がうまくいかない本質的な問題点は、自分と他人から影響を受けてしまうことと言えます。

 

 自分から影響を受ける・・というのは、ややおかしな言い方ですね。厳密には、自分の先入観などにより、判断を誤ると考えていいでしょう。

 

 上記の3つの議論の特徴から本質的な問題点を定義するプロセスは、考察が大変荒いですね・・・このような考察に加えて、分析をさらに行い、より良い、本質的な問題点を定義することができるようにがんばりましょう。

 

 ただ、慶應経済は、最初の問題の部分や、課題文の中に、設問Bを解くためのヒントが隠されていることが多いので、ここでご紹介したように頭を働かせることも大切ですよ。

 

 

 議論がうまくいかない本質的な問題点は、自分と他人から影響を受けてしまうことだとすれば、どのような対策により、この問題を解決することができるでしょうか。

 

 一般的な議論の場では、他の人と意見を戦わせると評価が下がります。評価が下がるというのは大げさな表現ですが、それなりの年齢なのだから、相手が言うことに反論しなくてもいいじゃないか・・・とか、議論を交わすのは格好がわるいので、ボソボソッと発言だけしておくのが、格好がいいのだ・・・とか、議論を交わす相手のランクを気にしているのですよ・・・とか、議論を交わしていると、なんだかムキになっているみたいで格好が悪いのだ・・・とか、理由はいろいろです。評価が下がるというよりも、必要以上に空気を読んでいたり、自分流のこだわりを通しているのですが、全部議論をするには邪魔なものばかりです。

 

 逆に評価されるように組織を構成すると、活発な議論が行われるようになります。一番手っ取り早いのは、リーダーが、上記のような連中は全員無能だとはっきりと言うことです。その瞬間に組織文化ができます。

 

  1. 1,議論に参加しない人は(ここでは)評価できない
  2. 2,必要以上に空気を読む人も(ここでは)評価できない
  3. 3,人の顔色ばかり伺う人も(ここでは)評価できない
  4. 4,役職や世間体ばかり気にして会話相手を選ぶ人も(ここでは)評価できない
  5. 5,お茶を濁して本質に迫る好奇心も気概もない人は(ここでは)評価できない

 

 ただ、これはあくまでも一例なので、もっと他にいろいろな手段があります。それらの、他の手段や方向性を考えてみましょう。

 

 今回出題されていた内容は、メルマガで「思考の独立性」などの言葉でご紹介していた内容だったので、メルマガをとっている人は考えやすかったかもしれませんね。

 

 あなたはどうだったでしょうか。

 

 



過去問題解説者 牛山恭範

  ・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者 

 

 人を成長させる事が専門。決して頭がいいわけでもなく、勉強が得意ではなかったが独自の学習法を使うことで小論文試験が難関で知られる慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部にダブル合格する。

 

 2009年、技術習得の理論・原理(成長の原理)を「目標達成論」(エール出版社)で発表。その他高速学習(どんな人でも大量の記憶を形成させる)を可能にする、プロフェッショナルとして、年間約3千のメールサポート・電話サポート・直接指導をクライアントと行い、累積数1万を超えるサポート実績がある。慶應義塾大学総合政策学部在学中にパソコンの家庭教師などを経て店舗経営で起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。技術の習得に関する周辺と、それを可能にする頭脳に関して研究を重ね現在に至る。(大学院では、思考力の研究を行い、研究は成功した。)現在は研究の成果を活かし、需要の多い分野で教育カリキュラムを構築し、技術を提供。

 

 より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長より、BBT大学大学院にて問題解決思考の思考について師事を受ける。

 

 ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者(写真)となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

 

 マッキンゼーの問題解決思考を上記大学院の学長である大前研一氏から直に師事を受け、各種技術習得、及び,問題解決型の 学習コンサルティングに活かした活動を行っている。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日

クライアントの実績の一部

・教え子がダブルE判定から慶應大学に合格。
・教え子の成績がTOP0.1%に引き上がる。
・全国3位に急成長→慶應大学A判定に。
・北海道大学法科大学院次席合格。
・女子高生が2時間で速読を習得→名門津田塾大学に合格。
・医師の国家試験、公認会計士試験、薬剤師試験、弁理士試験など、難関国家試験にクライアントが合格。
・国立私立、資格試験、国家試験問わず、希望の試験に合格。
・全国模試で英語で二度日本一。
・慶應大学4学部(法・経・総・環)合格。
・大阪大学大学院主席合格。
・上記の他に、名門大学院、最難関大学院、京大、東京大学大学院などに合格実績がある。

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



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