慶應大学SFC:環境情報学部学部 2019 年小論文過去問題の解説

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・本ページ解説の講師牛山は、SFC一発ダブル合格。
・慶應SFCダブル合格者6年連続輩出。
・総合政策学部、環境情報学部共に全国模試1位輩出。
・国立長崎大学博士後期課程において、2時間で6000字の試験で完答し、9割程度の点数で合格。
・現在東工大博士後期課程在学中。
・私は大学院在学中に、東大卒、東大院卒、東大医学部卒、東大博士課程修了者、京大卒、旧帝大卒の医師、国立大学出身の医師、ソウル大学卒業者などが在籍するクラスで成績優秀者になりました。


2019年度 慶應大学環境情報学部 小論文問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2019年、慶應大学環境情報学部小論文問題解説です。

 

今年はどんな問題が出たかと言いますと、一言で言えば、問題を発見して解決する問題です。

 

今年の課題文では、観察をテーマとした課題文が最初に紹介されています。

 

事例1:交通用カード
Suicaやlcocaのような交通系ICカードが登場するまでは、切符を買って電車に乗るのが一般的だった・・・というような話が課題文で紹介されており、同様に、「本来であれば、こうであるのが自然」という着眼点から、発見された発明的ビジネスがいくつか紹介されています。個人が部屋をホテルのように貸し出すサービスや、自家用車をタクシーの代わりに使ってもらうサービスなど、海外で大きくヒットしたビジネスの事例を紹介しつつ、潜在的なニーズを発見することの重要性が課題文で述べられています。

 

事例2:直観的な操作と商品開発の話
その後、課題文の内容は、「直観的な操作」の話に移るのですが、例えば、紅茶を飲む際に、ティーパックのヒモをコップの取っ手にぐるぐると巻き付けたり、地下鉄通路のボコボコしたブロックが、人を正しい方向へ直観的に導くなどの話が紹介されています。

 

事例3:ちょっとズルい広告宣伝の話
課題文では、3つめの観察をテーマとしたお話が紹介されていました。自転車の荷台の部分にかごを置き、その中に広告宣伝のポストを置くことで、2階にあるお店の宣伝をしてしまっている事例が紹介されています。非常にしたたかな広告宣伝と言えるかもしれませんね。
このような広告宣伝は、法的に問題が無いというお話が紹介されていました。

 

このような文章が紹介されたのち、以下のような問題が出題されていますよ。

 

問題1

 現在広く使われているものについて、それがなかった時にどのような問題があり、どのようにその問題が解決されたのかを具体的に書きなさい。(320文字)

この問題は、そのまま解いてもいいのですが、それではあまり点数が高くならない可能性があります。慶應SFCの出題でよくあるパターンですが、問題1~3までが実質的につながっていることがあるので、問題2と問題3を先に見てみましょう。


 

そうすると、問いの2と3は以下のような問題でした。

 

問2:課題文の内容から、慶應SFCに存在する問題点を3つ書きなさい。
問3:問2で発見した問題の一つを解決する方法を考えてください。

 

こんな問題ですね。
ということは、問題を発見して解決することを求められているわけですが、問2や3に書く内容によっては、問1の内容を変えた方がよさそうです。
なんでも思いついたことをポンポン書かないのは、大事なコツです。

 

今回の解答例紹介では、私が問2や3で解いた内容から考えた問1の解答例を先に紹介してしまいましょう。

 

思い出してほしいのですが、問1では以下のような問題が出ていましたよ。
------------------ここから---------------------
現在広く使われているものについて、それがなかった時にどのような問題があり、どのようにその問題が解決されたのかを具体的に書きなさい。(320文字)
---------------------ここまで--------------------

 

問題1 解答例
 現在広く使われているものとして、コワーキングスペースがある。コワーキングスペースとは、オフィス共有の新しい形である。従来は、特定の企業は、独立した事務所を借りて営業を行うしかなかった。しかし、独立して事務所を持つ場合、多くの費用がかかる。この問題を解決するために生まれたのがシェアという発想である。コワーキングスペースは一つのオフィスを複数の企業で活用することで、常時使用しなければならないわけではない問題を解決した。多くの企業は事務所を十分に活用していない場合でも経費を支払っている。このような無駄なコストを削減できることがコワーキングスペースの利点である。企業はコワーキングスペースを活用することで、利益をあげやすくなった。

 

この内容については、フーンと思っておいてください。
どうせここでは差がつきません。

 

問題は差がつく問題なのか、差がつかない問題かです。



もっとそのあたりは勘所的に考えていいところです。

 

私が総合政策の解答例にせよ、環境情報の解答例にせよ、どのようにして点数を取りに行っているのか、そこに注力して、このページを学んでください。

 

私がここでこの内容を書いた理由について、あまり赤裸々にはここでは語れないので、少しだけヒントを話しておきましょう。

 

まず、採点者の方に、自分がこれから問2や3で書く内容を理解してもらうことがここでの目的の一つになっています。

 

ここで(はぁ?)と思った人のために補足説明を書いておきます。

 

多くのケースで、受験生が書いた内容はほとんど伝わっていません。理解もされていなければ、納得もされていないことがほとんどです。これらの障害を少しでもクリアするために、最善の方法を私たちは考える必要があります。

 

また、読んだ後の読後感も、点数に大きな影響を与えます。

 

それでは、どうやって、読んだ後の読後感をより良いものにしていくのか・・・という部分は、非常に一般的に軽視されているポイントです。

 

この問題を解決するために、あえて問1の解答例を上記のような内容に、今回はしました。

 

それでは、問2を見てみましょう。
以下のような問題が出ました。


問題2

SFCを見学に来たA君とB教授のやり取りを見て、問題を3つ発見して解答しなさい。

※会話や写真に直接関係ある問題について書くこと。
※表面的な問題ではなく、なるべく根本的な問題を書くこと。

 

この問題は、苦戦した人が多かったかもしれません。なぜなら、資料と言っても、ほとんど分量が無いのですね。

 

資料では、A君とB教授が話している内容が話口調で紹介されています。

 

この問題をどう解くか・・・・なのですが、一番いいのは予想が的中していることです。
今回、私が冬期講習で扱っていた2019年度版の予想問題がズバリ的中しました。

 

私が用意していた問題は以下のようなものです。

 

 

 

------------------ここから---------------------
【問題1】
あなたが考える大学教育の意味と問題点を考察した上で、自由に論じなさい。
(500文字以内)

 

【問題2】
慶應SFCの改革案を自由に論じなさい。
(2500文字)
---------------------ここまで--------------------
※太字は牛山によるもの

 

ほとんど、問2と問3そのままやん!


 

という話です。

 

的中もいいところです。
こんな風に、あらかじめ考えていた内容があると強いですよね。

 

もう考えちゃってるわけですから。

 

このように、受験前にきちんと準備することの大切さを説いた本がこちらの本です。


 

慶應大学SFCを受験するのにこの本を読んでいないって、完全にリスクでしかないと思います。
この本は、慶應SFCにダブル合格した牛山が、慶應SFCにダブル合格した辻本さんと対談して、どうやれば受かるのかを紹介しているだけではありません。(辻本さんは表紙の子ね。慶應経済に進学して在学中に公認会計士試験に一発合格しました。)私が慶應SFCの小論文を過去約30年分ほど丸ごと解答例を作り発見した内容を書いています。どうやれば受かりやすいのかについて紹介している本なので、SFCを受験する人は必ず読みましょう。SFC対策本になるので、この本を何としても読ませたくないという教育業界の妨害工作が、かなりせこい形であったりしますが、気にしないことです。このページを見て、他の過去問題解説の内容を見て判断してください。

 

で・・・・考えていなかった人はどうすればいいのですか?

 

ということなのですが、当然、考えていなかった人は、その場で考えるしかありませんね。
しかし、他の対策もあります。

 

適用できるコンセプトを学んでおくという方法です。
どういうことかと言いますと、例えばこちらの本で、私はチェックしておくべき知の巨人として3人の人物を挙げていました。一人はマイケル・サンデル、もう一人はトマピケティー、もう一人は、大前研一氏です。

 

 

この本を読んでいたでしょうか。
そして、素直に大前研一氏の本を読んでいたでしょうか。

 

例えば、今回の問題にそのまま使えるのはこちらの本です。



アイドルエコノミーとは、使われていないものの有効活用です。

 

例えば、今年の環境情報学部の課題文では、個人宅の貸し出しや、自家用車のタクシー代わりの利用などの新ビジネスが紹介されていましたね。

 

このようなニュービジネスの特徴は、「使われていないものの有効活用」です。
空いているものを使えということなのです。



私がかつて研究計画書を書きましょうと受験生にアドバイスをしたとき、多くの人が笑いました。しかし、次の年、研究計画書を書くような問題が出ました。

 

こうしましょう。ああしましょうと私がアドバイスする背景には、このような事情があります。

 

例えば、今年の環境情報学部の問題について言えば、「使われていないものの有効活用」として、どのようなことを考えることができるでしょうか。

 

このような思考方法は、一つのコンセプトを触媒として考えを発展させるものであり、単にうーん、うーんと考えるよりも100倍効果的です。

 

試験会場で何も思い浮かばなかった人や、陳腐なアイディアしかでなくて悔しい思いをした人は、「単に悩む」ということをやってしまっている可能性があります。

 

私が運営する塾である慶應クラスでは、考え方をこのようにアドバイス、指導することで、受講生の思考力を高めていきます。

 

ただ、素直に、学んでいかないと、こうしますよ、ああしますよと教えても、結局そこを吸収しにくくなってしまいます。

 

適切な指導を選び、素直に学んでいくことが大切です。



私が慶應SFC3つの宿題と言っているものは、総合政策で今年はかすりましたし、研究的な精緻な論理思考も、総合政策でかすりました。今年は大論述が出る可能性があると、私は予言していましたが、環境情報学部では、

 

文字数制限なしの問題が出題されました。

 

これも的中です。
このページで直前講習の予想問題をご紹介していましたが、2500文字の制限文字数になっているのを確認できます。今年は大論述がきそうだなと思っていました。だからこれを用意していました。そして、大論述で点数を取るポイントを教えています。SFCで特に指示がないなら、解答用紙の裏面まで書いても合格できるでしょう。文字数に制限はないと書いているわけですからね。


 

何が??
とよくわからない人もいるかもしれないので、お話ししますと、今回のような問題が出た場合、ある程度「書いたもん勝ち」になる可能性があります。

 

ほとんどの受験生は、何を書いているのかよくわからない答案になるでしょう。
そのため、きちんと自分のアイディアを伝えることができただけで受かる可能性があるということです。

 

それでも、(事前の準備は何もなしなんだよ~)という受験生にも、助け舟を出したいと思います。はっきり言って、受験に際して準備不足なのは、自殺行為なのですが、私がそう言ってしまえば、(そりゃあんたが悪い)というように聞こえてしまうかもしれませんし、別に私の仕事は受験生を責めることではなく、受かっていただくのが仕事ですから、何にも準備なしに、受験会場にあなたが行っていたとして、それでも受かるためのアドバイスも一応しておきます。

 

今回の問題に関して言えば、大学教授が困っていることを考えてみることです。

 

大学を利用しているのは学生だけではありません。大学教員も大学を利用しています。彼らは何について悩み、苦しみ、つらい思いをしているのかを考えてみることです。

 

このように、ユーザーニーズに注目して、発想を行うことでイノベーションにつなげていくというお話が簡単に課題文の中にあったと思います。

 

大事なのはユーザーのイライラです。


 

なぜかと言いますと、大学教員がイライラしていないことについては、いくら書いても、魅力的には見えないからです。



あなたは、こんな風に考えていましたか?

 

採点するのは受験生ではありません。大学教員やそれに準ずる人でしょう。
彼らにとってのイライラを考えることが大切です。

 

間違ってはならないのは、「単なる解決策」はなかなか興味を持ってもらえないということです。

 

このあたりの考え方、やり方は、私が書いた以下の本に書かれています。




SFC受験生には、何気に特におすすめの本です。
あなたは読んでいたでしょうか。

 

文字通り、「単なる解決策」だと、魅力的でなくてつまらない可能性がありますよね。

 

魅力的でなくて、つまらない解決策で受かるでしょうか。
受かりません。

 

つまり、今回の問題は、書かれていませんが、

 

「あなたの解決策を魅力的にアピールしてください」
という問題です。


 

環境情報学部は、昔からプレゼンの力を見るわけですが、今回の問題は、プレゼンの力を見られているという理解が非常に大切です。

 

従って、あなたが答案に書いた内容が、わからない、つまらない、解決できそうにないという場合は、点数が低く、

 

理解できる、興味深い、解決できそうだという場合は、点数が高くなります。

 

小論文の勉強ということになると、なんだか特定の構文に文章を流し込んで、これでいっちょあがり・・・という具合に気絶するほど安易に考えている人もいるようですが、そういう考えはまずいということです。もちろん、大安売りの塾というのはあるので、大量の生徒がほとんど全滅しても、大安売りで多くの生徒がいれば、合格するわけで、そういう塾が、合格数を伸ばしても、実質的には非常にまずい指導が行われているということが少なくありません。

 

このプレゼンの方法を、詳しく解説したのが以下の本です。

 

 

私が書いたAO対策の本なのですが、このように一般入試でもプレゼンの技術は求められるので、一般入試の受験生も必読です。

 

不合格になってしまった受験生は、AO入試でリベンジすることも考えてみましょう。
すぐに合格できる可能性もあります。当塾はAOもサポートしていますよ。

 

このように、プレゼンの技法を用いれば、今回の問題もイライラに注目することが一つの方法だということに気づくでしょう。

 

それでは、解答例をご紹介しますが、いくつか注意点がありましたね。

 

------------------ここから---------------------
※会話や写真に直接関係ある問題について書くこと。
※表面的な問題ではなく、なるべく根本的な問題を書くこと。
---------------------ここまで--------------------

 

そして・・・今回は自由形式で書いてよいのでしたね。
ラッキー!と思えるかどうかがポイントです。
自由形式で書いていいのであれば、これらの設問の要求を満たしながら、わかりやすく伝えることができます。

 

例えば、どのように書くことができるのかという点も含めて、解答例を見てください。

 

※資料の内容は、SFCを見学に来たA君とB教授がSFCのキャンパスを歩くというものでした。

 

それでは、問2の解答例をご紹介します。

 

問題2 解答例

 課題文を読み、私は以下のような問題を3点発見した。以下に挙げる問題点は、表面的な問題点である。

 

〈表面的な問題点〉
問題1:敷地が広すぎる
問題2:活用されていない施設がある。
問題3:バスがあまり来ていない

 

 上記の問題点について、より根本的な問題点を挙げると以下のようになる。

 

〈根本的な問題〉
問題1:土地代が安いところに建物をつくるという発想が時代にマッチしていない
問題2:大学運営のために大まかに施設が設計されている。
問題3:人の移動量が少ない。

 

 上記の問題群を一言でまとめると、「共有」という発想が無いことが挙げられる。純粋な研究設備に関しては、必要なものだけを残すことで、土地や資源を有効活用することができる可能性がある。例えば、東京工業大学大学院の田町キャンパスのビル(キャンパスイノベーションセンター)には、日本中の大学の施設が下位層に入っている。1階~6階までは、全国各地の国立大学、私立大学の利用スペースがあり、このビルの運営費は他の大学によって賄われていることが推察できる。7~9階は、東京工業大学大学院のスペースであり、学生室や研究室、講義室、設備などがある。このように、限られた資源を有効に活用するために、知恵と工夫で、東工大は財源をねん出している。課題文ではバスが来ないなどの問題が指摘されているが、乗車人口が増えればバスの便を増やすことができる可能性がある。
 果たして慶應大学の財源を土地代や、広大な施設の運営に充てることが理想的な大学運営だろうか。大学教員の給与を増やし、よりよい仕事をした大学教授には、潤沢な研究費と、給与、ボーナス、休日を支給する、あるいは学生が本当に望んでいるような教育サービスにあてる、このような資源の有効利用が十分にできていないことが問題である。
 言い換えれば、上記のすべての問題点は、「資源の無駄遣い」という問題に集約することが可能である。
 以上の理由より、私は「資源の無駄遣い」という本質的な問題点(言い換えれば、共有という発想がないこと)と、根本的な問題3点(問題1:土地代が安いところに建物をつくるという発想が時代にマッチしていない。問題2:大学運営のために大まかに施設が設計されている。 問題3:人の移動量が少ない。)を提言する。

 

文字数に制限はありません。

 

それでは、問3を見てみましょう。

 

問題3

問2で発見した問題ひとつを解決する方法を考えてください。

 

ここも、先ほどご紹介したように、ド的中していましたね。

 

今回の問題も自由形式なので、できればタイトルを書きましょう。
その方が伝わります。



 

ところで、解決策と言ってもすぐに思いつかないという人がいるでしょうか。

 

思考がストップしてしまう・・・・という人もいるようです。



そこで、一つやりやすい方法をご紹介しましょう。

 

既に成功したモデルを考えることです。

 

例えば今回は東工大のモデルを挙げています。
だからこれを考えればいい・・・というのは、一つのやり方です。

 

あと、わかりやすいですしね。
わかりやすさって大切です。

 

 

で・・・

 

解決策については、今回のように、特定の成功モデルを思い浮かべることができないケースもあるでしょう。

 

(こんな場合も助けて!)という声が聞こえてきそうなので、考え方を紹介します。

 

 

問題を解決するには、原理的に二つの方法しかありません。

 

方法1:本質的な問題点の裏返しの対策を行う。
方法2:大きなアップサイドが見込める領域の対策を行う。

 

このどちらかで考えてみましょう。

 

例えば、今回私が発見した問題は以下のようなものでした。

 

〈表面的な問題点〉
問題1:敷地が広すぎる
問題2:活用されていない施設がある。
問題3:バスがあまり来ていない

 

 上記の問題点について、より根本的な問題点を挙げると以下のようになる。

 

〈根本的な問題〉
問題1:土地代が安いところに建物をつくるという発想が時代にマッチしていない
問題2:大学運営のために大まかに施設が設計されている。
問題3:人の移動量が少ない。

 

そうしますと、本質的な問題点は何だったかと言えば、「資源の無駄遣い」ですね。この短い一言に問題点を集約することが可能です。

 

もちろん・・・こんなのは単なる解釈論ですから、これが唯一の正解というわけではありません。あなたが発見した問題でいいんです。

 

問題発見のプロセスは、表面的な直接的な問題点を考察し、その背景にあることを考えるというやり方です。それらを統合的に見て、メタ化(俯瞰)してみると、本質的な問題点が浮かび上がってきます。

 

あるいは、事実を集約させて、何が起こっているのかを考えてもOKです。

 

ところで、この「資源の無駄遣い」という本質的な問題点の裏返しの対策ってなんでしょう。
無駄があるなら、無駄を省くというのが、一つの方向性案です。

 

従って、ここまでの思考プロセスから考えられる方法は、コストカットです。

 

もう一つ解決策を考える方法があります。

 

それは、大きなアップサイドが見込める領域に対する対策を考えてみることです。
資源の無駄・・・ということを頭から除外して、飛躍的にSFCが、今抱えているキャンパスの老朽化などの問題を解決する方法はないか・・・と頭を働かせるということですね。

 

そうしますと、大きな収益源として考えることができそうなのは、タイアップです。ではどうやって・・・ということなのですが、今回の問題では、課題文で、SFCのキャンパスが紹介されているわけですから、これらを使って、大きな収益源が無いかな・・・と考えるのは一つのやり方です。

 

もちろん、考えを収益に限定する必要はありません。

 

教育効果を高める・・・でもいいですし、大学教員や学生の健康増進などでもいいでしょう。

 

要は頭の働かせ方の問題です。

 

今回は、SFCのキャンパスが紹介されているわけですから、これらを使えないかなと考えるのは自然な頭の使い方でしょう。

 

ここまでにご紹介したような、

 

  1. 1)本質的な問題点の裏返しの対策
  2. 2)大きなアップサイドが見込める領域の対策

などは、考えたかの一つの方法として覚えておくといいでしょう。

 

それでは、解答例をご紹介します。
自由形式なので、タイトルをつけていますよ。

 

タイトルなんてつけていいの?と思う人もいるかもしれませんが、タイトルがある方がわかりやすいです。

 

自由形式ですから、タイトルはつけたもん勝ちです。

 

せっかく論文試験ですし、タイトルは論文風でいきましょうか。

 

問題3 解答例

-東京工業大学モデルによる施設の有効活用の可能性-

牛山 恭範

 

 
1.事業背景
 私が問2で取り上げた3つの問題点は、より一層本質的な問題点である「資源の無駄遣い」という問題に集約することが可能である。言い換えれば、「共有」という考えが無いとも表現できる。そのため、本稿では、「資源の無駄遣い」を解決するための解決策を提案する。

 

2. 提案事業概要
 私が提案するのは他大学、他企業との施設の共有である。東京工業大学の田町キャンパスでは既にこのような取り組みが行われており、非常に成功している。本事業計画は、未使用のキャンパスの施設を中心に、貸し出しを行い、収益の向上を図るというものである。未使用の施設を取り壊し、新しく施設を作ることも検討したい。ただし、この場合、赤字の事業となってしまう可能性があるため、事前に本企画の事業提携大学を募集し、一定の数が集まった後に、建設を行うべきである。地方の大学にオフィスをキャンパス内に構えてもらう場合、毎月の事業収益を見込むことができる。この事業収益は永続的なものである。また、貸し会議室などの事業に関しては、慶應義塾のブランドを生かした事業展開が可能である。慶應義塾のOBによる積極的な施設の利用も見込むことができる。加えて、本企画を実施した場合、様々なイベントをキャンパス内で行うことが可能である。単に事業収益のためではなく、文化の発信拠点としてのキャンパス利用により、新しい価値を生み出すことが可能である。

 

3.予想される反論
 東工大のモデルをそのまま適用することは難しいかもしれない。なぜならば、東工大特有の大企業との関係性や、田町という立地を生かした施策が東工大の事業だからである。しかし、慶應義塾大学には、独自のネットワークや地理的なメリットも存在する。東工大のモデルを神奈川を中心として展開することには地理的な優位性も存在する。産学官連携の場として、企業や日本各地の大学と提携すれば、慶應SFCの広大な敷地を生かした新しい事業を実現できる可能性がある。地方の大学が駅前のビルを借りて駅前キャンパスを作りたがることがある。このように、地方の大学は、交通の便の良い場所で、事業を行うことを希望しているケースも少なくない。無論上記の企画は、あらゆる大学に校舎を提供するというものではない。各大学が利用するスペースは、講義用のスペースだけではない。地方大学の関東圏の大学の拠点として、一部のスペースを提供すれば、そのスペースを喜んで使用する大学はあると考えられる。東工大と提携している大学はその好例である。課題文の中で触れられている広場も同様に、企業や音大などとの共有を模索可能である。
 また、その他の予想される反論として、未使用のキャンパススペースはないというものも考えられる。しかし、本企画で必要とされる施設はそこまで大きくはない。問題は施設が使用されているのか使用されていないのかではない。24時間の実際の利用率が数値で何%あるのかや、キャンパスで使用されている施設の移動可能性、統合可能性、使用状況と将来の使用可能性についての見直し可能性があるかないかである。言い換えれば、本企画は、ゼロベースでキャンパス利用を考えることができるかどうかでもある。例えば、仮にスペースが無い場合、先に本企画で計画したタイアップ先を募集してしまい、建造物の増築をするだけでも本企画は実現可能性が十分にある。一般的にいかなる大学であっても、施設の実質稼働率を限界まで高める余地が完全に残されていないということは極めて考えにくい。

 

4.実現可能性と収益予想
 慶應義塾は財界に屈指のネットワークを持ち、日本屈指のブランドを有する大学である。従って本企画と慶應大学の親和性は高いと考えられる。50~100大学との事業提携が実現できた場合、事業収益は年間で数億円を確保できる可能性がある。この収益に加え、各種イベントの実施、貸し会議室による収益を合わせれば、同様に年間数億円の事業収益を見込むことができる。

 

5.事業収益の有効活用
 事業収益はさらなる教育、研究の質の向上のために役立てたい。老朽化したキャンパスの修繕はもちろん、研究費、学生に対する学習支援、研究者の給与の増加(より優秀な研究者の獲得にもつながる)、一流講師の招致などに、本事業の収益を充てることが可能である。

 

6.結論
 以上の理由より、私は慶應SFCの「資源を有効活用できていない」という問題を解決するための解決案として、「貸し出しも含めたキャンパスの有効利用」を提案したい。

 

 

補足

今回の解答について、注意点があります。

なるべく提案内容は、コストがかからないものにしましょう。
コストがかかりすぎる提案は、評価が下がる可能性が大です。

つまり、実際に導入ができないからですね。



お金ばかりかかって、まったく回収できない提案は評価があまり高くありません。

もちろん、今回の提案内容は何もビジネスの内容にしなければならないわけではありません。

教育成果を高めるような提案でも、別の提案でも構いません。

いずれにしても、得られる効果に対して、かかるコストがみあっていることは、大事なポイントです。

このように、当塾では、現実に点数を取ることができる牛山が、あなたの小論文の点数を大きく引き上げていきます。ここが一般的な塾との大きな違いです。小論文を多面的に学び、総合的に高い実力を養成していきましょう。

 

 



塾では、大論述の書き方、作図のポイント、プレゼンの方法や極意など、様々な角度から慶應SFCの合格力を高めていきます。

 

2018年の慶應大学環境情報学部小論文も的中です。
2018年 環境情報学部 過去問題解説



SFC対策ブログもチェックしてみてください。

 




過去問題解説者 牛山恭範

  ・慶應義塾大学合格請負人
・スキルアップコンサルタント
・株式会社ディジシステム 代表取締役
・慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者


 

 慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。現在、東京工業大学大学院博士後期課程在学。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日


『慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法』プレジデントFamilyClub様(メディア掲載)

・第1回 ⇒「従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる」
・第2回 ⇒「慶應大学合格に必要な要素と中核」
・第3回 ⇒「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」
・第4回 ⇒「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)」~「受け身の学習」から「攻めの学習」に変化させる~
・第5回 ⇒「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」
・第6回 ⇒「信頼関係と素直な心で慶應受験に強くなる」
・スピンオフ編 ⇒今からでも時間がなくても国立大学、慶應大学に我が子を合格させる方法
・スピンオフ編 ⇒逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<前編>
・スピンオフ編 ⇒逆転合格を可能にする慶應SFC小論文対策<後編>
・スピンオフ編 ⇒【英語】我が子を慶應大学に合格させる英語教育法
・スピンオフ編 ⇒指導品質を高める「業界初の100%オンライン小論文添削システム」
・スピンオフ編 ⇒志望校に合格しやすい「小論文添削サービス」選びの注意点
・スピンオフ編 ⇒慶應SFCの小論文対策4つの秘訣合格法
・スピンオフ編 ⇒全国1位連続輩出講師が教える「小論文の型」と、慶應小論文対策のオススメ参考書
・スピンオフ編 ⇒医学部と看護学部の受験を成功させる小論文対策
・スピンオフ編 ⇒(第一回)~勉強しなくても受かる!?~慶應義塾大学法学部FIT入試対策のコツと勘所
・スピンオフ編 ⇒(第二回)~慶應義塾大学法学部FIT入試対策に学ぶ~合否を決める「志望理由書の書き方」
・スピンオフ編 ⇒(第三回)~慶應義塾大学法学部FIT入試対策に学ぶ~合格しやすい自己推薦書の書き方と勘所
・スピンオフ編 ⇒(第四回)~勉強しなくても慶應に受かる!?~ 慶應義塾大学法学部FIT入試A方式の対策に関するコツと勘所
・スピンオフ編 ⇒(第五回)~勉強しなくても慶應に受かる!?~ 慶應義塾大学法学部FIT入試B方式の対策に関するコツと勘所


クライアントの実績の一部

・三田の学部でも小論文全国1位輩出。(偏差値87.9)
・慶應4学部合格者(法・経・総・環)2年連続輩出。
・慶應SFCダブル合格者6年連続輩出。(記録更新中)
・慶應大学3学部合格者ほぼ毎年輩出。
・慶應SFC総合政策学部全国模試小論文1位輩出。
・慶應SFC環境情報学部全国模試小論文1位輩出。(偏差値85以上)
・英語全国1位(2度)輩出、現代文全国1位輩出。
・慶應大学の小論文を1万点以上添削した経験あり。
・慶應関連書籍出版数日本一。 約30冊 (自社調べ)
・慶應関連メディア掲載数日本一。(自社調べ)

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説



「小論文技術習得講義」

分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
詳しくはこちら

「慶應小論文合格バイブル」

「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース
詳しくはこちら

「牛山慶應小論文7ステップ対策」

どんなに過去問題を解説してもらっても、感覚的にいつまで経っても解けない・・・そんなお悩みを解決(慶應SFC受験生必読 データサイエンス系問題の練習・解説あり。)
詳しくはこちら

「小論文の教科書」

「東大、京大、東大大学院、医師(東大卒)、会計士、博士(東大)、難関国立大出身者、旧帝国大学卒の医師、会計士」が集まるMBAコースでTOPの成績優秀者になった秘訣を伝授!
詳しくはこちら

「慶應SFC小論文対策4つの秘訣合格法」

慶應SFCダブル合格の講師が運営する「慶應SFC進学対策専門塾」で、指導してきた秘訣を公開。慶應SFCダブル合格5年連続輩出、慶應SFC全国模試全国1位輩出、慶應大学全国模試2年連続日本一輩出の実績を出してきた著者が、その経験からどのような小論文対策が有効なのか、慶應SFCの小論文対策はどうやるべきかについて詳しく解説。
詳しくはこちら


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