慶應大学SFC:環境情報学部学部 2017年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2017年度 慶應大学環境情報学部 小論文問題解説

 

※問題解説メルマガ(牛山の慶應小論文過去問題解説)の内容をご紹介します。

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2017年度 慶應大学環境情報学部小論文過去問題解説です。

 

今回の問題は次のようなものです。

 

問題1

 

あなたが大学入学後に、解決を試みている課題、あるいは発見しようとしていることについて、200文字で説明してください。

 

 

 研究計画系の問題がでましたね。
今年も上記の意味で、的中したといっていいと思います。

 

 入試の日には、『スラスラ書くことができました。』などの嬉しい報告をいただきました。

 

 慶應SFCを受験する人には、3つの宿題を私は塾で出しています。(必須ではないのですが・・・)
 慶應SFCの入試では、今回の問題のように、何をやりたいのかをズバリ問われることがあるので、予め考えておくように、いろいろな場所で情報発信をしています。3つの宿題とは、①政治により世界をどのように変えたいか②革新的な商品・サービスのアイディア③研究計画書の3つです。

 

 この3つを合わせて、『SFC対策3つの宿題』と名付けましょう。

 

 塾では、『SFC対策3つの宿題』について、私が添削作業やアドバイスを行い、より良いものに仕上げていくというSFC合格法も実施しています。

 

 1年間かけて、じっくりとアイディアを育てていきますよ。

 

 ただ・・・私は今回の問題を見て、3分程度で解答例の内容を考えました。慶應大学の過去問題の解答例は、100年分以上作成してきましたが、大体トータル10分程度で作成してしまうことが多いです。こんな風に瞬発力で問題を解いてしまうこともできます。今回の問題では、思いつかなかったという形で苦しんだ人も多いかもしれませんが、思いつくためのテクニックはたくさんあります。また、速読などで多くの知見を得ておくと、今回のような知識を用いた解答例(問3の解答例)も作りやすくなります。参考にしてみてください。



【問題1 解答例】

 私は入学後、第二言語習得用アプリケーションソフト「自動復習」(以下自動復習)を開発し、効果を検証したい。私が構想する「自動復習」は、自分が日本語で話をした際に、会話内容を「英語の音声とテキスト」に翻訳し、眼鏡のモニターにテキストを英語で表示し、イヤホンから英語の音声を流すというソフトである。本ソフトは学習用であるため、表示されたテキストはアプリ内に保存されており、復習も可能である。

 

 

 この解答例は、要は研究計画書に書く内容とほとんど同じです。自分は何を研究したいのか、なぜそれらを研究する意義があるのかなどを書く形で、今回の解答例は作成しましたよ。こういう内容がスルスルと思い浮かぶのはなぜかと言えば、研究計画書の書き方を私が把握しているからです。

 

 今回の問題は、研究計画書と志望理由書を合体させた文章を分解し、設問1~4で、細切れで述べさせるような問題です。

 

 もちろん、研究計画書の書き方は大学に入ってから学ぶものです。しかし、慶應大学は仮説検証型の思考力養成に力を入れており、かつ、SFCでは受験生の情熱等も評価しているようなので、研究計画書の書き方を知っていると答案を作りやすい問題が度々出題されています。

 

 はっきり言って、今回の総合政策学部も、研究計画書の書き方を知っていれば、かつ、習熟していればやりやすい問題です。精緻な論理思考を要求されていますよ。研究計画の段階で、どのような仮説をどのような手段により検証しようとしているのか、そのために取得する一次データは何であり、なぜその問題意識に至ったのか、どのようなエビデンスや先行研究があるのかなど、研究計画を作る際に必要な頭の働かせ方、能力というものがあります。

 

 中には、「いや、そんなことはない、研究計画書を書くことができたからといって、やりやすくなんてならない」という人はいるでしょう。いない方がおかしいと思います。特にアカデミックな世界では、感情的な反応も大きいので、研究とか、論文ということになると、一家言あるという人は多いのです。ですからいろいろな情報が出てくると思います。特に受験対策論については、塾の経営者はいろいろ言うでしょう。言わない方がおかしいわけですから言うのは当たり前です。

 

 すべてが万事このような状況なので、無料情報だからといって、なんでも鵜呑みにしないことです。安い情報ほど、それなりにリスクがあるのも世の常です。

 

 

問題2

 

あなたは、これから資料で紹介するいくつかの研究会を用いて、課題を解決することになります。10個紹介する中から、4つを選んでください。


 

【問題2 解答例】

1)今井むつみ研究会
2)Takashi Iba研究会
3)鳴川肇研究会
4)小熊英二研究会

 

 ここでの選び方ですが、考え方は志望理由書と同じです。将来の自分の目標、その目標に必要なリソースが不足しているからこそ、この大学を受験していることを考えて、目標達成に必要なリソースを得られる研究会を選ぶといいでしょう。

 

 逆に言えば、後で問われる図式化の部分で、このように考えていることを伝えることができれば、情報が伝わりやすくなります。

 

 それでは、問い3を見てみましょう。

 

問題3

 

 なぜ上記の4つの研究会を選びましたか。4つの研究会をどのように履修し、あなたの目標を達成しますか。それがどのように課題解決・課題発見につながりますか。

 

 説明のコツをお話します。
 ここでは、どのように履修し、目標を達成するのかを問われています。どのように履修するのかを説明すると言っても、何をやろうとしているのか、背景に何があるのかが伝わらなければ、トンチンカンな内容になりがちです。つまり、書いても(ん?なんのこと?)(で?なんなんなん?)(何の話?)となりがちです。
 こうなると、大変不合格になりやすくなってしまいます。

 

 話が伝わらなく理由は、共通認識が不足していることにあります。

 

 例えば、友人と会話をする際に、「いやー、いきなり空から大きな岩が落ちてきてびっくりしたよ」と言えば、友達にびっくりされるでしょう。(何のこと?)と思われてしまいます。そうではなく、「昨日映画を見たんだ。」「古代遺跡を学者が探検するっていう映画なんだけどさ、ピラミッドが舞台で、最後のシーンではピラミッドが崩れるわけよ。」「外に脱出しようとしている時に、いきなり空から大きな岩が落ちてきて・・・・びっくりしたよ」と言えば、何の話なのかは分かります。

 

 ほとんどの受験生は、伝える力が不足しているため、半年から1年かけてみっちりこの点を鍛えていく必要があります。

 

 それでは解答例を見てみましょう。

 

 

【問題3 解答例】

 必要なリソースを必要な量だけ短期間に集めることが、課題の解決には不可欠である。私が解決しようとしている課題は、第二言語の習得難易度を低減させることであり、そのための手段は研究である。
 言語学者のStephen Krashenは、1977年にインプット仮説という興味深い説を発表している。理解できる内容を繰り返しインプットすることで、人の言語能力が増強するという仮説がインプット仮説である。1885年、心理学者のエビングハウスは、学習直後(特に20分以内)の再学習は、記憶形成に関して節約率が高いことを実験によって示した。
 そこで、上記の「自動復習」というソフトウェアを用いて、このソフトの利用者の学習を支援することを構想した。「発話者(被験者)が会話中に何らかの日本語を発した後に、(会話の後で)繰り返し英語(会話内容の翻訳)のみのフィードバックを受け続けるという機能」(日本語表示機能付き)を本ソフトは実装している。被験者が特定の人物と会話し、その後会話をせず、どこかへ移動している間や一人で食事をしている間に、会話内容の英語音声だけが、繰り返し、少なくとも50回程度英語で「直前の会話内容が自動的にフィードバックされるという機能」により、本ソフトは自動的な復習を可能にする。本ソフトが機能するのであれば、英会話レッスンは不要となる可能性がある。研究会は本構想のために活用する。
 上記の仮説を検証するには、以下の4つの研究会が有効であると考えられる。①今井むつみ研究会では、研究スキルを向上させることができる。②Takashi Iba研究会では、課題解決の精度を高めることを期待できる。③鳴川肇研究会では、私が構想したメガネモニターの精度を高めることを期待できる。④小熊英二研究会では、先行研究調査の勘所を学び取りたい。
 上記の仮説を検証することで、第二言語の新しい習得方法を広く世界に知らしめ、私もしくは、私以外の人物によって製品開発が進められれば、人類の第二言語習得に貢献することが可能である。

 

 以上が解答例です。

 

 

問題4

 

【問題4 解答例】

問3で答えた内容を模式図にしなさい。




 

 今回の解答例のポイントは、「わかりやすさ」にあります。おそらくですが、今回の入試については、受験生が書いた文章の意味がよく分からないという事態がかなり起こったのではないかと思います。

 

 その理由の一つは、読み手と書き手の双方で重視している内容にギャップがあるためです。

 

 読み手は、研究について、こういうことを大切にしている・・・ということがわかっていればわかっているほど分かりやすく伝えることができます。

 

 研究計画や、研究について理解を深めておくと、問題をやりやすくなります。過去問題に慣れることを考えていた人は、とにかく過去問を解きまくったかもしれません。私はそういう対策をお薦めしていません。今年の問題は過去の傾向と全く違った部分もあり、過去問題に慣れることを重視していた人は戸惑ってしまったかもしれません。

 

 上記の文章は、多くの研究者が、学生が書いた研究計画について理解しようとする順番で書かれています。従って研究者以外の人にとっては分かりにくいことがあっても、研究者やそれに準ずる人にとっては比較すると、分かりやすい文章です。

 

 小論文を書く時に自分の目線を大切にしてはいけません。一般論としての「わかりやすさ」をなぜ気にするべきではないのでしょうか。その理由は、一般論としての「わかりやすさ」は人が物事を理解する時のわかりやすさにつながらないからです。

 

 例えば、あなたが携帯ショップで、プランの説明を受けているとします。非常に分かりにくいプランの説明をする人がいます。もちろん、一つ一つの言葉が理解できないわけではありません。ショップの店員が述べる言葉は、全部日本語であり、細かく述べているので一般論的に言えば分かりやすいのかもしれません。しかしこの人のプランの説明はよく分からないな・・・と感じたことがある人は少なくないでしょう。その理由は、自分が聞きたいことからショップの店員が話をしていないからです。

 

 例えば、あなたが「このAのプランと、Bのプランでは何が違うのですか?」と聞いたとします。

 

 この時に分かりにくい説明をする人は、AのプランとBのプランについて、詳細な説明をやりはじめます。「Aのプランは、◯◯コースと◯◯コースに分かれていまして、この◯◯コースというのは、◯◯が◯◯な場合に、何が大切かと言いますと、具体的には◯◯ができるということでありまして、例えばお客様が夜寝る前に電話をかけたいなと思った時に、5分以内であれば何度でもかけ放題なコースです。そういうことってありますよね。次に、プランAのもうひとつのコースについて具体的にお話をしますね。こちらのコースは、5分以内であればかけ放題というサービスがない代わりに、Wi-Fiの通信ができる容量が多いコースになります。例えばお客様が外出されている時に・・・・」

 

 もうここまで聞くと、(よく話がわからんな・・・)となる人が多いでしょう。細かく具体的に説明すれば、話は分かりやすくなるわけではありません。

 

 分かりやすい説明をするためには、「Aのプランと、Bのプランの違いは◯◯です。」と一言で述べた後、それだけでは何のことなのかが分からないので、その背景を説明する必要があります。「この2つのコースが分かれているのは、インターネットのコンテンツを見ることを重視する人にお得なBプランと、ビジネスマンが仕事に利用することを想定したAプランに分けて、お客様のニーズにあったサービスをご提供するためです。」と言えば、分かりやすくなります。

 

 背景を説明した方がいい理由は、質問をした人物は、①この2つのコースの実質的な違いは何かという情報に加えて、②なぜ分かれているのかという情報も実質的にほしいからです。質問をしているということは、分からないということです。分からない理由は、いろいろな情報が欠落しているからです。従って、わかりやすくするためには必要な情報を提供する必要があります。問われたことにだけ答えると、分からない説明になるということです。自分ではかなり分かりやすく伝えたはずなのに、実はまったく伝わっていないということが現実社会では頻繁に起こります。



【余談:補足説明】



 

 研究者が、学生の研究を理解するプロセスは特殊です。上記のようなお話だけが大切なわけではありません。要するに、(このような手続きや学習が研究上どのような位置づけにあり、なぜ重要なのかが分からないな)と感じられてしまうことがよくあるということです。研究者は研究をすることが仕事なので、研究のやり方についても、何が大事なのかについても当然に熟知しています。しかし、受験生はほとんど何も知りません。従って研究者が何を重視しているのかを知らず、受験生は答案にいろいろな情報を詰め込んでしまいがちです。そうすると、(よくわからないな)と、なりやすくなります。さらに、(知らないだけで)ネガティブに評価されることが一般的です。

 

 (そんなこと言われても困る!)と受験生は思うかもしれませんね。高校までに研究について指導があるわけではないからです。しかしながら、研究というのは自分で勝手にやっていくものと一般的には考えられているので、自分で分かる範囲で学習を進めていないのであれば、それは自分の責任だとみなされることが一般的です。
 なかなか厳しいですね。また、表向きには大学は専門的なことを問うているわけではないと必ず返答するでしょう。

 

 これ以上の内容は、いわゆる評価論になってしまいます。何が評価され、何が評価されないのかについては、相当デリケートな内容を含みますので、ここで私がいろいろと書くことは適当ではないでしょう。塾で指導を行い、場合によっては、電話相談などを通じてしかお話できないこともたくさんあると思います。

 

もしも、総合政策学部で同じような問題が出ていたらどのように書くのか?


 ここで、仮に総合政策学部で同じような問題が出たら、どのような内容を書くのかについても、オマケで解答例をご紹介します。


 なお、以下の解答例は、あくまでも、この年の環境情報学部の入試問題について理解を深めるためのものです。総合政策学部と環境情報学部では、書くべき内容が違うと言っているわけではありませんし、総合政策と環境情報をあらゆる意味で分けて考えるべきと言っているわけでもありません。


 SFCに両方合格していない指導者の場合、片方に受かれば両方受かると表現しがちです。そのため、「なんでも同じ」という論調になりがちですが、現実には違います。何もかも同じであれば一つの学部で構いませんが、2つに分かれており、アドミッション・ポリシーで明言している求める学生像も違います。


 以下の解答例はさり気なく、総合政策学部と環境情報学部で求められる違いに配慮したものになっています。全く同じだと述べる人は、どのように違いを作っていくべきなのかを理解していないと思われます。総合政策はどちらかと言えば、分析的な知性が必要であり、環境情報はどちらかと言えば、創造的な知性が必要です。

 

【設問1 解答例】(総合政策で同じような問題が出た場合)
 戦略設計の原理と呼べるモデルが存在するという仮説を私は持っている。私の頭のなかにはその雛形となるアイディアがあり、これをXモデル(仮称)と名付けた。私は事業について標準理論のようなすべての現象を説明可能な「戦略設計の原理」と呼ぶことができるモデルが存在する可能性があると、先行研究および考察、独自に行った質問紙調査の回答から考えた。このモデルについて実証実験を通じて検証し、論文としてまとめたい。

 

【設問2 解答例】

1)今井むつみ研究会
2)Takashi Iba研究会
3)鳴川肇研究会
4)小熊英二研究会

 

【設問3 解答例】
 私は以下のような前提から設問1で答えた仮説を導いた。①ノーベル経済学賞を受賞したサイモンは1947年「Administrative Behavior」で、人の意思決定には合理性の限界があることを説いた。②1992年にハーバード大学のキャプラン教授とノートンによって発表されたBSCの理論は、手堅い戦略設計として紹介されることがある。③同様に雑多な戦略モデルが多数乱立している。しかし、②も③も、総じて総花的であり、全体として非論理的である。統計学で扱われるのは、何らかの指標や尺度だが、なぜその指標や尺度が重要なのか、あるいは、一定の条件下で部分的に発見された有意差に本質的にはどのような価値があるのかが検討されないことが多い。上記の考察から私は問1で述べた仮説を導いた。この仮説を検証するには、以下の4つの研究会が有効であると考えられる。①今井むつみ研究会では、研究スキルを向上させることができる。②Takashi Iba研究会では、現実に存在する問題を抽象化するプロセスを学ぶことで、私が考案したモデルの精度を高めることを期待できる。③鳴川肇研究会では、私が構想している対照実験に不可欠となる高度な図をデザインするスキルを高めることを期待できる。④小熊英二研究会では、先行研究調査の勘所を学び取りたい。
 上記の課題について、目標を達成するために不足しているリソースは①各種スキル②学術に詳しい教員③課題解決に際して必要となる情報(勘所を含む)の3点である。上記の研究会を、課題解決に不足したリソースの補充に活用する。
 仮に私がいくらかの実験を通じて、すべての現象を説明可能な標準理論(言うまでもなく厳密には違う)のような「戦略設計の原理」に関する理論を構築し、検証を試みたとしても、その仮説検証の試みは、現象の部分的な証明の試みに過ぎない。従って、この内容を論文としてまとめ、公表することで、反証を試みた事例を世界から集め、意味のある議論を重ねることを通じて目標を達成したい。

 

【設問4】

 

SFCの受かり方について興味がある人へ


 

【SFC合格の秘訣『SFC対策3つの宿題』について】
以下の文章は、私が今回の入試の直前講習のページに記載していた内容です。

 

------ここから-----
慶應SFCを受験する際に、研究計画が必要かどうかと問えば、必要ないという結論になるのは当たり前です。問題は、研究計画を書くことができたり、研究を頭に思い描くことができれば受かりやすいかどうかです。答えはイエスです。

 

 速読が必要かどうかと問えば、必要ないという結論になるのは当たり前です。問題は速読ができる人がダントツに受かりやすいかどうかということです。もちろん答えはイエスです。

 

 読書が必要かどうかと問えば、必要ないという結論になるのは当たり前です。問題は読書をしている人が受かりやすいかどうかです。答えはイエスです。

 

 アイディアが必要かどうかと問えば、小論文に必ずしもアイディアは必要ないという結論になるのは当たり前です。問題は、アイディアがある人が受かりやすいかどうかです。答えはイエスです。

 

 全部同じことだと気付いたと思います。要は、ポジショントークがよく行われているということです。極論化のテクニックを使えば、相手が間違っていて、自分が正しいとなります。本当のことを教えてくれる人はあまりいません。

 

 過去問題を見れば分かりますが、特に慶應SFCは仮説検証型の思考回路が試されます。研究計画もない人は試験会場で考えようとします。

 

 時間切れで原稿用紙を埋めることができない人は、単に準備不足で不合格になっています。

 

 試験会場でキラリと光るかどうかを試されるわけですが、情熱を持って何かを学びたい、研究したいという人を選ぶ試験になっているわけですから、準備している方が合格しやすいのです。

 

 このことを知らずにあるいは、重要ではないと説かれて受験する人は本当にかわいそうだと思います。

 

 試験会場で考えるしかありません。

 

 試験会場で何も思いつかなかったとき、あ、牛山があんなこと言っていたなと、その場で思い出してもらうしかありません。

 

 しっかりと準備して試験会場に行きましょう。
-----ここまで-----

 

 生まれたてのアイディアというのは、どんなアイディアでも生まれたてのヒヨコのように弱々しいものです。アイディアの弱い部分は、大学の教員から『◯◯だからダメなんじゃないの?』『そんなんじゃうまくいかないでしょ?』と厳しく突っ込まれる部分ですので、私がアドバイスを行い、修正してもらいます。

 

 上記の意味で、アイディアなんて評価されない、なぜならばアイディアが出ても優れた結果につながらないからというよく分からない意見も不適当です。生まれたてのアイディアで勝負する必要などないのです。
 上記のようなことはどこの大学でもやっていることです。例えば、今回の研究会の問題もそうです。慶應大学には、他の大学に比べて、よりレベルの高い教員が一般的に集まっていると言っていいでしょう。名門校の強みです。そのような優れた指導教員は、研究力も知識も知性も飛び抜けています。そういう人に指導をしてもらうことができることの意味と価値を私たちは考える必要があります。他の教員では指摘できない統計上の誤りや問題点を指摘してくれることもあるでしょう。その分野に詳しくない他の大学の教員よりも、あなたに何らかの助言をすることができるかもしれません。「こうやってみればいいんじゃないの」「こういう見方ができるよ」「こういう事例があるよ」「こういう方向性で考えたことはないの?」いろいろと大学の教員はあなたにアドバイスをしてくれることになるでしょう。

 

 同じように、私が運営する塾では、『SFC対策3つの宿題』について、私があなたに助言をする修正作業を長い期間を通じてやり続けます。そして、入試に備えるということも、塾ではやっていきます。

 

 環境情報学部は、「構想一発で受かることもある。」と、私が言っているのはこのあたりに理由があります。

 

 AO入試と、一般入試を切り離して考えている人も多いようですが、『SFC対策3つの宿題』をきちんとやっていれば、SFCのAO入試にも対応できるし、SFCの一般入試にも対応できるのです。

 

 今回の問題を見ればすぐにわかりますが、まるで志望理由書のような出題です。SFC対策についてはいろいろな情報が出回っているので、頭が混乱している人がいるようです。

 

 私は一貫して『SFC対策3つの宿題』を主張しています。その上で、AO入試を受けて、一般入試も受けることを推奨しています。この点については、「難関私大対策の急所」(エール出版社)や、「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」(エール出版社)でもお伝えしているとおりです。受験戦略を書いているので上記の本もSFC受験生は読んでおきましょう。特にSFC受験生は、併願先で困ることが多いと思います。上記の本を読んでおけば、併願先リストが掲載されていますので、うまく活用できるでしょう。

 

 一般入試はAO入試ではないので・・・とか、プレゼンはないので・・・などと考えて上記の本を読んでいない人も多いと思います。しかし、今回の問題は何かと言えば、要はプレゼンです。

 

 「あなたの構想を、私たちにこの用紙でプレゼンしてください」

 

 という問題です。

 

 『SFC対策3つの宿題』をきちんとこなしていた人は、今回の問題用紙を見た瞬間、何を書くべきかが頭のなかに電撃が流れたようにひらめき、えんぴつが止まらないほど書くことができたでしょう。

 

【アイディアについて】
 アイディアなど評価されないという意見があるようですが、無視することです。およそ大学という機関そのものが、アイディアに価値が無いなら存在価値がないと言っても過言ではない機関です。ノーベル賞を受賞するような研究者を輩出する学術機関は、世界から知性を求めています。独創性のない研究は無価値というのは、学問をやる人の間では共通了解事項です。研究者の価値も、独創性の有無で決まると言っても過言ではないほど、研究者自身も厳しく独創性を問われています。研究者の一生の評価はアイディアの質にかかっています。不幸にも評価されようのないテーマを選んでしまえば、ずっと光の当たらない業績を積むことになるとも言えます。言い換えれば、このような独創性を厳しく問われる機関で働く研究者は、仮に配点に着眼点が無かったとしても、着眼点が優れた学生を評価するでしょう。

 

 ポジショントークは溢れています。気をつけましょう。

 

 アイディアのことを低く評価したい人は決まってアイディアのことを(思い付き)などと表現してしまいます。しかし、残念ながら、私はノーベル賞を受賞した人や世界をひっくり返すような発明をした人が、アイディアに価値はないと言っているのを見たことがありません。その理由は、何らかの発明や発見、独創的な研究をする人は、単発の思い付きでひらめきを得ているのではなく、膨大な経験や貴重な経験、膨大な知識からインスピレーションを得ているからです。トーマス・エジソンが、発明は「99%の努力と1%のひらめきだ」と述べたところ、マスコミが美談としてこの言葉を取り上げたことについて、「そうじゃないんだ」と述べています。勝手に周りの人間が美談にしただけであり、本当は、一つの発明の背景に多くの作業があるということです。がんばって成果を出したのではなく、やるべきことをやり成果を出しているということです。天才は、隠れたところで努力をしています。しかし、その努力を知らない人は、(あの人には才能があるんだ)などと言いがちです。ノーベル賞を受賞する人に対抗するのに、100万人の人を集めてもかなわないのは、その分野について、同じだけの経験と知識を築くことができる人が一人もいないからなのです。この点を理解していないと、数を集めさえすれば、対抗できると考えてしまいます。

 

 SFCに合格したければ、アイディアに価値はないなどと考えるべきではありません。
 アイディアにしか価値がないと考えるくらいでもいいでしょう。

 しかし、そのアイディアとは、思い付きのことではありません。
 アイディアを評価するのに、不当に低く評価するための評価軸を用意する人はたくさんいます。
 そのような人は、どんな研究も、どんな構想も低く評価するでしょう。
 アイディアとは、エジソンが述べるように、そして、ノーベル賞を受賞している研究者の論文の中身が知性で光り輝いているように、99%は努力であり、その先にある「降りてきたインスピレーション」が、努力でまとめられたものです。その時に、その業績や成果物は、結晶化します。
 アイディアはある日突然降ってくるものです。しかし、その時はまだ生まれていません。お腹の中に小さな命が宿るように、そこから育む必要があります。生みの苦しみがそこから始まります。時間をかけて育てていく必要があります。
 もしも、研究なんかチョロイからさ、パパッとやってペッと論文書いて出してりゃいいんだよという研究者がいれば、きっとまともな研究者ではないでしょう。
 私はいつも言っています。「本を読んで下さい。」「勉強も必要です。」「知見を広げてください。」
アイディアが降ってこなければ、それは当たり前です。まずインプットして、ふわっとした着想だけでも、方向性だけでも自分の中に作ることです。
 まず本や論文を読むから着想が得られます。今回ご紹介した2つの解答例を読み直してみましょう。私が着想を得ているのは、先行研究を調査しているからです。
 インプット無くしてアウトプットなしです。
 大学入試は、頭の良さ競争ではありません。
 あなたの努力や情熱も見られています。
 アイディアは、その場の思い付きではなく、「学び・研究・努力」の結晶である成果物です。
 だからこそ、大学入試でもアイディアは評価の対象になります。

 

【SFC対策論について】
 私は、以下のように今回の解答例に書きました。

 

------ここから-----
 従って、この内容を論文としてまとめ、公表することで、反証を試みた事例を世界から集め、意味のある議論を重ねることを通じて目標を達成したい。
-----ここまで-----

 

 このような態度が、私自身大切ではないかと考えています。

 

 私が公表する慶應SFC入試対策の意見に対して、何が妥当であり、何が妥当ではないのかについて、意見を述べる人がいます。それはいいでしょう。受験生は、受かりたいから情報を欲しがっています。しかし、私の評判を落とそうとして、「牛山は本をたくさん書いているかもしれないが自費出版だ」というように嘘をついたり、(私が出版しているのは商業出版の本です。)「牛山が教えてもらった先生はすごいが、牛山はすごくない」などと自分流の解釈を無関係に述べてみたり、「牛山は自慢している」などと、実績を伏せた上で、適当な自分解釈を公言したりするのは、いかがなものでしょうか。

 

 あまりよくないでしょう。

 

 人の評判操作に明け暮れるのではなく、自分はどのように考えており、なぜなのかを述べることが大切だと私は考えています。

 

【メルマガで詳しく解説】
 ここでご紹介した内容以外についても、メルマガで細かい情報を随時発信していきます。さらに詳しい情報をしりたい人はメールマガジンに登録してください。

 

 

 



過去問題解説者 牛山恭範

  ・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者 

 

 人を成長させる事が専門。決して頭がいいわけでもなく、勉強が得意ではなかったが独自の学習法を使うことで小論文試験が難関で知られる慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部にダブル合格する。

 

 2009年、技術習得の理論・原理(成長の原理)を「目標達成論」(エール出版社)で発表。その他高速学習(どんな人でも大量の記憶を形成させる)を可能にする、プロフェッショナルとして、年間約3千のメールサポート・電話サポート・直接指導をクライアントと行い、累積数1万を超えるサポート実績がある。慶應義塾大学総合政策学部在学中にパソコンの家庭教師などを経て店舗経営で起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。技術の習得に関する周辺と、それを可能にする頭脳に関して研究を重ね現在に至る。(大学院では、思考力の研究を行い、研究は成功した。)現在は研究の成果を活かし、需要の多い分野で教育カリキュラムを構築し、技術を提供。

 

 より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長より、BBT大学大学院にて問題解決思考の思考について師事を受ける。

 

 ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者(写真)となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

 

 マッキンゼーの問題解決思考を上記大学院の学長である大前研一氏から直に師事を受け、各種技術習得、及び,問題解決型の 学習コンサルティングに活かした活動を行っている。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日

クライアントの実績の一部

・教え子がダブルE判定から慶應大学に合格。
・教え子の成績がTOP0.1%に引き上がる。
・全国3位に急成長→慶應大学A判定に。
・北海道大学法科大学院次席合格。
・女子高生が2時間で速読を習得→名門津田塾大学に合格。
・医師の国家試験、公認会計士試験、薬剤師試験、弁理士試験など、難関国家試験にクライアントが合格。
・国立私立、資格試験、国家試験問わず、希望の試験に合格。
・全国模試で英語で二度日本一。
・慶應大学4学部(法・経・総・環)合格。
・大阪大学大学院主席合格。
・上記の他に、名門大学院、最難関大学院、京大、東京大学大学院などに合格実績がある。

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説



「小論文技術習得講義」

分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
詳しくはこちら

「慶應小論文合格バイブル」

「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース
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