小論文全国1位事例
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65-1 書き直しをさせると、伸びていないのが本当
小論文の勉強をさせる際に、実際に過去問題などを解かせ、その後、書かれた内容について添削を行い、再提出(「書き直し」※リライト)をさせるという指導があります。
私はこのような練習をさせません。
理由については、動画で解説しているので、まだ見ていない人は必ず見ておきましょう。
小論文の実力を伸ばす秘訣が分かります。
動画解説:「書き直し」はなぜ無駄なのか
動画でも解説しているように、書き直しをしても、高い点数を取るための根本的な力は引き上がっていきません。野球少年に少しアドバイスをすると、翌日には、伝説のメジャーリーガーであるイチロー選手のようにならないのと全く同じです。
非常に簡単に言えば、
「そこじゃない」
ということになるでしょう。
しかし、このお話にはもっと恐い背景があります。
65-2書き直しで良くなっていない
私が長年の経験から言えることは、生徒は基本的に書き直しをさせるとダメになってしまうことが圧倒的に多いということです。そもそも、書き直しを希望する生徒は小論文を減点方式の試験であると、勘違いしていることが少なくありません。
そんなわけで・・・
ここと、あそこで指導されて減点されているわけですが、これで50点も減点されているのはおかしいと思う。ほかのどの部分で何点減点されているのでしょうか?
という質問をしてしまいます。
しかし、その質問は大事なことを見落としています。そもそも、小論文試験は、相対評価の試験にすぎないということです。
答案のどこに何点の配点があるのかという具合いにはなっていないということです。他の生徒と比較して、どのくらいの点数を与えるのが妥当なのかという判断によってあなたの点数はつけられているという理解が大切です。ですから、動画で私が解説したように「最初からこうなることが決っている」ということなのです。
本当はもっとこわい事情があります。
どういういことかと言えば、書き直しをさせても、一般的に答案は良くならないということです。
は?
何いってんの?
そんなわけないじゃない??
とあなたは思いますか?
こんな質問をすると分かりやすいでしょう。
野球少年を教えると、その直後から、プロ野球選手のような動きができるようになるでしょうか。
当然なりません。その野球少年が上達するには長い年月が必要です。
ここでのポイントは、私が、小論文指導をしても、生徒のスキルが上達しないと言っているわけではないということです。
そんなこと(書き直し)をやっても、成績は、上がりはしないということです。同じ問題も出ませんので、あまり意味がないという理由もあります。
書き直しをさせれば、よくなるに決まっていると思いますよね。なぜならば良くない部分を指摘されて、そこが直るわけですから、良くなるに決まっているでしょう。これは非常に分かりやすい理屈です。しかし、私が、「小論文の教科書」の中で、分かりやすいことがワナだと述
べているのを覚えている人はいるでしょうか。
本来複雑なものを無理やりシンプルに考えようとすることで、本当に考えなければならないことを考えることができなくなることがあるということです。
今回の事例はまさにそうです。
理由はいくつかあります。
【なぜ書き直しで、上がるはずの点数が上がらないのか】
⇒一日では改善できない力を養成することが大切なのに、そこには言及しな
いことであたかも大きく実力が向上したように錯覚してしまうという問題があります。
⇒点数に関係が無いところを指摘しているので、そこを直しても、点数が上がらないということがよくあります。中核的なポイントを見抜くことができないのは、経験不足からくるものであり、頭が良い学生であってもどうにもならない部分です。
⇒現実にそのようなことを述べている塾の経営者の話を聞いたことがあります。
要は、あなたが何を書こうが、最初はボロボロに添削されて、それが次には、べた褒めされるということが、最初から決っている可能性もあるということです。
何百人何千人添削を受けても、例外なく最初はボロボロに指導されて、次はベタ褒めされて、なんとなく短期間で一気に上達した感覚が得られるように満足しやすい状況が意図的に作られるような指導が存在するようです。
このような指導を私は満足主義指導と呼んでいます。一つの教育法と言えばそれまでなのですが、私の経験から言えば、非常に効果が低い方法論となります。
その理由はいくつかあります。
【満足主義指導の成果が出にくい理由】
このように満足主義指導を行えば、生徒は一時的に喜びますが、何が良くて何が悪いのかについて、合格しやすくなる方向性を一気に見失います。
満足主義の指導を行う場合、良くなくても良いと言わなければならないため生徒に媚びることになります。生徒に媚びる指導は、指導効果がありません。生徒をお客様扱いすれば、生徒は喜ぶでしょう。生徒が喜べば塾の収益は上がりますが、不合格になりやすくなるので、私はやりません。
ちなみに、私は「オレは客なんだぞ」というような雰囲気で電話をかけてこられた方は、入塾を永久にお断りしています。お金を払えば、入塾できるという考えの人に入塾して頂きたくはないと考えています。
テクニックで褒めていれば、生徒は分かります。バカではありません。
問題はここに挙げた内容だけではありません。さらに恐いことに、一般的に書き直しは生徒をダメにします。
生徒が書き直しでダメになる理由は、生徒は次のことを期待しており、その期待が満たされないと指導効果が得られないのだと勘違いを起こすためです。
生徒の期待1:書き直したからには、必ず良くなることを期待してしまっている。
⇒「◯☓テスト」と、スキルを混同してしまっていいます。この期待が満た
されないと、モチベーションがダウンしがちです。ここで指導者はウソで褒めるか、ダメだと指導するか、真実の瞬間に直面します。
生徒の期待2:自分が思ったとおりの書き方を認めてもらいたいと考えている。
⇒主張の連発を行い、自分が思ったように評論家のスタンスで物事を論じていくと、論文テストでは一般的に大きく点数が下がります。
つまり、言い換えれば、生徒が持っている不適切な期待を「合格しやすい適切な期待」に変更していけば、生徒はぐんぐん伸びるということになります。
しかし、「伸びる」と言うのは、どの企業も謳うので、現実には、受講生は受講まで何も分からないのが普通です。
当塾が「伸びる」と言っているのは、正確には「伸びた」であり、その事実、結果です。内容はこちらに掲載しています。
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そして、今年も全国3位、全国4位の報告をもらっています。また全国9位など、上位5%以内への成績上昇が珍しくありません。(2017年時点)
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そして、さらに恐いことに、この点については、勘違いと錯覚が氾濫しています。
事情は動画で詳しくお伝えしたとおりです。
動画解説:「書き直し」はなぜ無駄なのか
勘がいい人は気づいたかもしれませんが、自分を満足させたい受講生は、悪循環に陥りやすくなります。
そもそも、自分の主張を連発しまくればよいと指導され、自分の主張を連発しまくり、そこでどうなっていても高く評価されるので、大変受験結果を受け取るまで満足が続きます。
価値には、大きく2つあります。
1)感じる価値
2)実際の価値
あなたの点数を引き上げ、合格しやすくさせるのは、「実際の価値」です。
ところが、市場経済化では、感じる価値が引き上がると、物が売れるので商売上手な企業は、「感じる価値」を中心とした満足主義型指導を行いがちです。
要は、
実際の品質よりも、より多くの満足を与え、さも成果につながるように感じさせてしまうということが市場経済化では一般的によくあるということです。
この点については、あまり知らない人も多いと思いますので、知りたい人にだけお話する方がいいでしょう。
一生を通じて役立つ知識なので、興味がある人は読んでおくといいでしょう。
「実際の価値と感じる価値」
http://www.skilladviser.com/base/sixyouron/sr-2/keio-report/kachinokondoutml.html
65-5 予想される反論
私がこんな風にお話すると、今度は「褒めることが大切論」みたいなものが必ず出てくるでしょう。ここについては、また次回詳しくお話しましょう。
分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
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