このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。
2024年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説
こんにちは。
牛山です。
今回は、慶應大学経済学部の過去問題について解説を行います。
こんな問題が出ましたよ。
【問題A】
自然科学と哲学・文学との違いがなぜ起こるのか、課題文に即してその理由を200字以内で述べなさい。
慶應大学経済学部は、毎年説明的な問題が出ています。この問題は、拙著『高得点小論文解法集』でご紹介した解法で対処しましょう。
【問題A 解答例】
哲学や文学の領域では古典がいまでも生きている。自然科学の場合、どうしてその事実が確立されたかということを、あとから来た研究者がたどってみる必要はない。哲学や文学の場合、作者の個人的な経験と、作品はからみあっている。シェークスピアも完全にほかのだれのものにもならない。自然科学の知識は、「私」に関係していないので自然にだけ関係している。哲学者の知識はその「私」に関係している。
はい。このように解答例を作成してみました。
問題Bはどのような問題だったかと言いますと、研究に関するお話の課題文が出ており、あなたが社会学者だったらどういう風に問いを立てるのか?とか、どういう風に調べていくのか?というようなことが問われていますね。
牛山のこういう本を読んでいなかった人はきつかったかもですね。
拙著『総合型選抜は研究力が9割』という本があります。
この本では、研究力が現代的に大学受験の合否を決めていますよということを紹介しました。
【問題B】
社会科学者が下線アのような読書傾向を有する理由について考え、説明しなさい。その上で仮にあなたが社会学者で、歴史上や現代のできごとを研究対象とする場合、どのような問いをどのように立て、どのように検証していくあるいは探っていくと考えられますか。具体的な問いを一つ挙げながら、課題文に即してあなたの考えを400字以内で記しなさい。
課題文の中では、マックス・ウェーバーなどについても言及されていますね。私も実は大学院で改めて、読みなおしました。また読もうかなと思っているくらい。
ちょっと自分がやる研究と関連するのですよ。
その場合、代表的な研究、関連性が高い研究、研究史上重要だと考えられる研究は、一応目を通し、どのような系譜があるのかについては、チェックしておかなければまずいケースがあります。
なぜかと言いますと、先行研究の体系化が、一つの作法・マナーのようになっているから・・・という理由もありますが、論文執筆の際に、文字数制限というルールを守りながら、やるべきことはきちんとやる必要があるのですね。
このあたりについては、学士課程の論文とか、修士課程の論文ではかなり発表されている論文に目を通しても、ズルズル(つまり、ほぼ厳しく要求されない)のことが難関大学でも多いように思われます。
言い換えれば、だから出題された・・・と考えるべきでしょう。
例えば、『総合型選抜は研究力が9割』という本のタイトルですが、語弊があるのは、私も分かっています。つまり、この本は、実質的に総合型選抜は研究力が9割なのです。
もう少し言えば、なぜ研究力がある程度ある人に、論文指導してもらうべきかについては、今年の慶應経済がよい証拠になったのではないかと思います。
過去問題の練習ばかりやって、研究力を高めようとしなかったでしょう。おそらくですが、99%の学生はそうだったと思います。過去問題か、過去問題ではないかを議論しているのではありません。
小論文と言っても、本質的には、学術的研究となんらかのつながりがあるところもあるということ。
大学では、大事にされている価値観や考え方が存在するということ。
学生は練習信仰を持ち、書くことこそ価値と広告宣伝をすっかり信じ込んでしまい、学問をやらず、研究をやらず、論文を読まず、本を読まず、問題意識を持たず、問いを発さず、考察せず、議論せず、場当たり的に、与えられた構文に、文章をあてはめるまるで小学生の作文教室の入門コースでやってもいいような、「難関大小論文対策」をやってしまっていることがあるものの、それは、学習機関の宣伝文句でしょ?ということにさっさと気づいた方がいいと思います。
もう一度言います。
学生は練習信仰を持ち、書くことこそ価値と広告宣伝をすっかり信じ込んでしまい、学問をやらず、研究をやらず、論文を読まず、本を読まず、問題意識を持たず、問いを発さず、考察せず、議論せず、場当たり的に、与えられた構文に、文章をあてはめるまるで小学生の作文教室の入門コースでやってもいいような、「難関大小論文対策」をやってしまっていることがあるものの、それは、学習機関の宣伝文句でしょ?ということにさっさと気づいた方がいいと思います。
無論、若い学生なのですから、全員研究者になるわけでもないでしょう。学問を学び、社会に出て、実務家として活躍するのであれば、そこそこ学問をかじればいいでしょう。
若いなりの、素朴な問題意識や、これから学ぶ学問に対する関心を持ち、それ以上に、社会に存在するあまたの「社会問題」に共感し、何が大切かを考え、その上で、自分で調べ物をして、ネット検索で済ませるのではなく、きちんと本を読み(できればいくつか論文を読むことにチャレンジしてもいいと思います。)自分のアタマで考えるということをやりましょう。
これって、今牛山は、自分でも言ってて恥ずかしいくらいに当たり前のことを言っているんですよ。なぜこんな当たり前のことを言わなくてはならなくなってしまったのか。
あのね、他のところでも紹介したことがあるけど、定量研究で練習の効果は限定的という報告があります。意味ないの。
プロサッカー選手になれた人と、プロサッカー選手になることができなかった人を調査した結果、重要なのは練習の量ではなく、上質な指導の量だったんだってさ。
当たり前だよね。
でもなぜ練習信仰カルト宗教みたいなものを信じてしまうのかと言うと、
(コストがぜんぜんかかっていないことに無邪気に気づかない人もいるのは本当にかわいそうなんだけど)
なんとなくがんばる感じが雰囲気としてあって・・・
つらくないんだよね。自分が書きまくるのって。
つらいことを避けるにはどうすればいいんだろう。
本を読むのはつらいかな。
論文を読むのもつらいよね。
先生の話をじっと聞くのもつらいね。
論文について指摘を受けて、未熟さを実感するのもつらいね。
そういうつらいことをぜーんぶなしにしちゃえば、非常にらくちん勉強ができるね。
ムズムズしてきて・・・
あ、これいいかも・・・
楽じゃん。
書いてればいいんじゃん
近道じゃん。
最短距離じゃん
コスパいいじゃん
って。最近の子がすっかり見落としているのは、コスパという言葉の裏にある、リスク増大です。
かわいそうなんだけどね。
信じちゃったんだよね。
牛山が書いた小論文の本をしっかり読んで、対策していきましょう。
それでは解答例のご紹介です。
【問題B 解答例】
課題文では、社会科学は次の時代の仕事に完全に吸収されず、自然科学は進歩の形として一時代の知識が次の時代の知識に含まれると述べられている。その理由について著者は、哲学や文学については、古典が現代でも生きている点を指摘した。同様に、例えばバーナードの組織論(『経営者の役割』)など古典的な名著の中には、現代的な学問領域の系譜において未解明の議論が多数存在し、体系的なレビューが必要なことがある。仮に私が現代の出来事を研究対象とする場合、私は先行研究で未解明の論題でかつ、それらの中でも実務上、学問的価値上重要であると考えられるテーマを先行研究から導出する。その上で、定量研究を行う場合、尺度開発を行うか、内的妥当性などを検証的に調査された尺度を用いて、データを取得し、解析作業を行う。考えられる問いは、例えば組織市民行動に影響を与える組織能力とは何かなどである。
【教訓】
・きちんとした書き方を学ぼう
・指導品質にこだわろう
・牛山の本を読もう
・本を読もう
・研究もがんばって勉強しよう
※慶應クラスでは研究指導も行っています。牛山がサポートして東大合格などの実績があります。
過去問題解説者 牛山恭範
・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者
慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。現在、東京工業大学大学院博士後期課程在学。
執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部
・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日
『慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法』プレジデントFamilyClub様(メディア掲載)
クライアントの実績の一部
・三田の学部でも小論文全国1位輩出。(偏差値87.9)
・慶應4学部合格者(法・経・総・環)2年連続輩出。
・慶應SFCダブル合格者6年連続輩出。(記録更新中)
・慶應大学3学部合格者ほぼ毎年輩出。
・慶應SFC総合政策学部全国模試小論文1位輩出。
・慶應SFC環境情報学部全国模試小論文1位輩出。(偏差値85以上)
・英語全国1位(2度)輩出、現代文全国1位輩出。
・慶應大学の小論文を1万点以上添削した経験あり。
・慶應関連書籍出版数日本一。 約30冊 (自社調べ)
・慶應関連メディア掲載数日本一。(自社調べ)
外部講師活動
VIDEO
全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。
牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説
「慶應に合格する英語勉強法」誰でも慶應の英語試験で合格点を再現できるにはどう勉強したら良いかを書きました
「小論文技術習得講義」分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。 詳しくはこちら
「慶應小論文合格バイブル」「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース 詳しくはこちら
「牛山慶應小論文7ステップ対策」どんなに過去問題を解説してもらっても、感覚的にいつまで経っても解けない・・・そんなお悩みを解決(慶應SFC受験生必読 データサイエンス系問題の練習・解説あり。) 詳しくはこちら
「小論文の教科書」「東大、京大、東大大学院、医師(東大卒)、会計士、博士(東大)、難関国立大出身者、旧帝国大学卒の医師、会計士」が集まるMBAコースでTOPの成績優秀者になった秘訣を伝授! 詳しくはこちら
「慶應SFC小論文対策4つの秘訣合格法」慶應SFCダブル合格の講師が運営する「慶應SFC進学対策専門塾」で、指導してきた秘訣を公開。慶應SFCダブル合格5年連続輩出、慶應SFC全国模試全国1位輩出、慶應大学全国模試2年連続日本一輩出の実績を出してきた著者が、その経験からどのような小論文対策が有効なのか、慶應SFCの小論文対策はどうやるべきかについて詳しく解説。
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