慶應大学経済学部 2016年小論文過去問題の解説

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2016年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

 

ところで、先日メルマガでご案内していた論点が出ていましたね。

 

公共政策を考える上での、「効率」か「公正」かという考え方をインプットしていた人は、課題文の理解も早かったと思います。

 

また、今回はマイケル・サンデルの文章が出題されていますが、「慶應小論文合格バイブル」を読んでいた人は、必読書として、「これからの正義の話をしよう」を提案されていたと思います。

 

きちんと読んでいたでしょうか。

 

この2点を把握していた人は、ずいぶんと内容を理解しやすかったのではないかと思います。

 

今回の問題は次のようなものです。

 

 

問題A

 

共和主義的政治理論の自由とは何か。リベラルな自由と対比しながら、300字以内で説明しなさい。

 

 

課題文の文章をまとめると、要は次のようになっています。

 

 

これをまとめていけばいいだけです。
まずは解答例を先にご紹介しましょう。

 

問題A 解答例

 リベラルな自由の概念は、政府は国民の道徳に関与せず、人々が価値観や目的を自由に選ぶことができるようにすべきだというものである。しかし、この考え方は自己統治を支えるための市民的資源が欠けている。我々が生きる指針としている公共哲学は、それが約束する自由をもたらしてはくれない。なぜなら、自由に必要な連帯感や市民参加の感覚を呼び起こすことができないからだ。一方で、共和主義的政治理論の自由は、道徳に関与するため、自己統治に適している。共和主義的政治理論の自由は、自己統治の分かち合いに支えられているという考え方であり、形成的政治、つまり自己統治に必要な特性を国民の中に培う政治を要求するものである。

 

※下線部は解説用。

 

今回の答案設計のポイントは以下のようなものです。

 

 

【ポイント】
・形式的に100点を目指そう。
・すっきり分からせるように簡潔に説明するにはどうすればいいかを考える。

 

形式的に100点を目指すというのは、問われていることにダイレクトに答えるということです。ダイレクトに答えず、間接的に答えようとすると、何がいいたいのか分からない、あるいは、端的に文章をまとめる力がないと思われますので、可能な限り問われていることに直接答えていきましょう。

 

今回の課題文の内容とは、要は道徳に関与する政治の重要性を説いたものです。

 

解答例の下線部を見てみましょう。

 

我々が生きる指針としている公共哲学は、それが約束する自由をもたらしてはくれない。なぜなら、自由に必要な連帯感や市民参加の感覚を呼び起こすことができないからだ。

 

要はこのような部分を批判的に見ており、だからこそ、共和主義的な考え方である、

 

「自己統治に必要な特性を国民の中に培う政治」

 

が必要になるわけですね。

 

自己統治に必要な特性とは、要は下線部の「自由に必要な連帯感や市民参加の感覚」と考えていいでしょう

解答例のように構成することで、対比関係を明確にすることができます。最後の部分に筆者が最も言いたいことを持ってきて、全体のロジックをスッキリ整理しました。

 

説明問題の解き方は、原則的な解き方はありますが、ケースバイケースで頭を働かせながら解いていくことも大切です。

 

 

設問B

 

例えば地球温暖化防止対策のように、次世代のために現在のわれわれがコストを払うことは、我々の自由と矛盾しないのだろうか。課題文の考え方を参考にして、自己統治、道徳などに触れながら、あなたの考えを300文字以内で論じなさい。

 

 

 まずは解答例から見てみましょう。

 

(2) 解答例

 将来へのコストの負担は、我々の自由と矛盾するのだろうか。私は矛盾しないと考える。
 なぜならば、共和主義的な観点からは、矛盾が起きないからである。リベラルの自由観から見た場合、公共選択の場で重視されるものは個人の権利や選択の自由であった。しかし、社会の構成員がコストの負担を権利の問題であると認識した場合、我々の社会はコストを負担することが難しい。従って、公共政策で考察されなければならない自由の概念は「自由は自己統治の分かち合いによって支えられている」という道徳に関与する考え方である。この自由の概念は、将来のコスト負担を権利の問題ではなく、よりよい市民社会を形作るための妥当な取り決めとみなす。

 

 

【ポイント】
・言いっぱなしをやめよう。(自分の仮説を支持する理由をきちんと用意すること。)
・資料に対する理解度を見られていることを忘れずに。単に自説をズルズル展開しても評価はされない。きちんと自分が理解していることを示すために、適宜、最重要のポイントだけを資料から抜出し、資料で展開されている議論に自分が参加する。
・設計思想は、問題設定→意見提示→理由・データ→結論。文字数が厳しいため、結論は省略。
・いずれにしても、論旨を明確に、伝えたいことを明確に、論文としての構成で全体のアウトラインをスッキリさせることが重要。何が言いたいのか良くわからない構成は取らない。また、同時に何の根拠があって自説を展開しているのか不明確な文章も書かない。(作文テストではなく、論文試験であることを忘れないようにしよう。)

 

一番よくありがちな失敗は最後の部分です。

 

論旨を明確に、伝えたいことを明確に、論文としての構成で全体のアウトラインをスッキリさせること

 

これができない人が多いです。
その理由はいくつかあります。

 

まず、自分の頭で普段から考えることを推奨されていないということ。
問題の解き方ばかりを教えてもらい、勘を働かせることや感性を働かせることを教えてもらわないと、どんどん人は知的に怠惰になっていきます。そうすると少しひねられた問題が出るだけで対応できなくなってしまいます。

 

今回の問題は、広げた自分の知見を土台として、頭の中で概念の操作を行い、問題文を理解した後に、自分なりにロジックを説明用や、考察用に展開できるかどうかが見られています。

 

基本軽視、論理軽視、感性軽視の小論文対策は、今回のような問題が出ても大きなしっぺ返しを受ける形になってしまいます。

 

二つ目の理由(全体のアウトラインを構成できない)は、最初から間違ったことを教えてもらっているためです。テクニック先行型の小論文指導は、テクニックがはまる問題にしか対応できません。より一層の高得点を目指そうとして、ちょっとしたスケベ心から(こう書けばより高得点)などと教えてもらっていると、足元をすくわれてしまいます。

 
今回の問題の場合、出題者の問題意識を考えることが大切です。出題者側にあった問題意識とは、現行の政治体制のままでは、持続的な成長が不可能となり、いつか地球は破滅へと向かうという問題意識です。

 

この問題意識の先にある、解決策としての考え方を端的かつシンプルに分かりやすく答案で再現することが極めて重要です。あなたの考えを述べなさいと言われているからといって、本当に自分の考えをとりとめもなく述べても、点数にはつながりません。

 

出題者側の意識にあったロジックは以下のようなものであると考えられます。

 

(1)現行の政治体制には、正義的な取り決め、とりわけ公共選択に関わる意思決定において、重大な不都合が存在する。

 

(2)市民の自由を重視する政策は、一見すれば個人の選択や権利を尊重しているため、何の問題もないようだが、政治に対する市民参加や道義的な価値観を重視しなければならない公共選択に必要な連帯感が欠けている。

 

(3)従って、公共政策で考察されなければならない自由とは、「自由は自己統治の分かち合いによって支えられている」という考え方が必要になる。そのためには、道徳に関与する政治が重要ではないか。

 

今回の問題については、自由に考える程度は少な目です。(自由に考えてよい度合は問題によります。)今回の問題では、考察の条件が限定されているばかりか、答案設計におけるキーワードまで指定されています。これは、問題文を理解したかどうかを見ることが狙いの一つであると考えられます。

 

経済学部は昔から論理を重視します。論理的な頭の働かせ方ができるかどうかをあなたは試験でチェックされます。

 

従って、あなたがやるべきことは、少なくとも出題者側が答案で再現することを求めたロジックを理解し、そのロジックを応用、発展的問題で、過不足なく展開することです。

 

質実剛健かつハイレベルな実力を養成する小論文対策をしていきましょう。

 

 



過去問題解説者 牛山恭範

  ・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者 

 

 人を成長させる事が専門。決して頭がいいわけでもなく、勉強が得意ではなかったが独自の学習法を使うことで小論文試験が難関で知られる慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部にダブル合格する。

 

 2009年、技術習得の理論・原理(成長の原理)を「目標達成論」(エール出版社)で発表。その他高速学習(どんな人でも大量の記憶を形成させる)を可能にする、プロフェッショナルとして、年間約3千のメールサポート・電話サポート・直接指導をクライアントと行い、累積数1万を超えるサポート実績がある。慶應義塾大学総合政策学部在学中にパソコンの家庭教師などを経て店舗経営で起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。技術の習得に関する周辺と、それを可能にする頭脳に関して研究を重ね現在に至る。(大学院では、思考力の研究を行い、研究は成功した。)現在は研究の成果を活かし、需要の多い分野で教育カリキュラムを構築し、技術を提供。

 

 より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長より、BBT大学大学院にて問題解決思考の思考について師事を受ける。

 

 ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者(写真)となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。

 

 マッキンゼーの問題解決思考を上記大学院の学長である大前研一氏から直に師事を受け、各種技術習得、及び,問題解決型の 学習コンサルティングに活かした活動を行っている。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日

クライアントの実績の一部

・教え子がダブルE判定から慶應大学に合格。
・教え子の成績がTOP0.1%に引き上がる。
・全国3位に急成長→慶應大学A判定に。
・北海道大学法科大学院次席合格。
・女子高生が2時間で速読を習得→名門津田塾大学に合格。
・医師の国家試験、公認会計士試験、薬剤師試験、弁理士試験など、難関国家試験にクライアントが合格。
・国立私立、資格試験、国家試験問わず、希望の試験に合格。
・全国模試で英語で二度日本一。
・慶應大学4学部(法・経・総・環)合格。
・大阪大学大学院主席合格。
・上記の他に、名門大学院、最難関大学院、京大、東京大学大学院などに合格実績がある。

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説



「小論文技術習得講義」

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「慶應小論文合格バイブル」

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・過去問題を書くことができない原因一覧表
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