慶應大学 法学部 2022年小論文過去問題の解説

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2022年 慶應大学法学部過去問題解説

 

 

こんにちは。
牛山です。

 

今回は以下のような課題文の問題が出ましたね。

 

早速ですが、要約が求められているので、要約部の解説です。

 

【要約部解答例】
 戦争が悪だというのは絶対主張である。単なる感情論に固執するのではないのであれば、戦争を告発し、断罪するこの主張を思想法廷に移して反対の弁論とともに対質させなければならない。道徳とは、他を非難するための手段として利用されるにすぎない。戦争が悪ということは、それだけで道徳の問題にはならない。我々が無事でいられるのは、正邪の考えが独立の拘束力を持っているからであり、この場合にのみはじめて道徳が意味を持ってくる。この道徳は、正邪を空名と考える彼らの思考の内にあることである。戦争の不幸と悪を取り除くには、罪人を探すことよりも、薬や治療法を求め施設を整え経済政策を研究することが肝要だ。法は人間の幸福、社会の善に奉仕する得、正義と善の統合が法廷弁論とは逆の積極的な意味を持つことになるのではないか。このような政治の本来性が世界平和へのもっとも有効な努力になるだろう。

 

今回の要約のポイントですが、
著者が述べたい内容がよくまとまっているポイントの文章を書くことを考えましょう。

 

要所要所を抜き出していくと要約になるわけですが、文章によって、どの部分が要となるかは、当然変わります。

 

何が大切で何が大切ではないかですが、基本的に、著者が強く否定している部分が重要となります。

 

今回のケースで言えば、道徳を大切にするか、そして、誰が悪い、あれが悪いと、告発し、断罪すること、このような部分について著者が感情的になっているのが見て取れます。

 

そこで、この部分が、著者の主張の骨子となることが分かります。

 

その意味で非常に分かりやすい文章です。

 

著者の意見は、戦争は悪であるということは、それだけでは道徳や倫理の問題とはならない・・・というように、議論が展開していくのですが、その文章の中で、

 

「思考のうちにあること」という部分が大切です。

 

つまり、道徳について、著者は、普遍性のある原理というよりは、いろいろな考えがある考えの問題だと認識しています。

 

つまり、道徳について、単なる考えの問題なのか、そうではなく、そもそも重要性が普遍的に存在するのか(ここでは結果としてはどちらにしても解釈じゃないかと言うのは意味のない議論で、つまりは道徳に価値があるのか無いのか、善に価値があるのか無いのかと言い換えることが可能です。)というところが、議論の前提としては重要になります。

 

ここは、まぁまぁ断定的に議論が進んでいるところですが、慎重に読み取りましょう。

 

後は特に難しいことは書いていませんし、読み取りに苦労することはあまりないでしょう。

 

それから、出典もきちんと確認しましょう。昭和46年ということですから、大昔です。その後サンデル教授の『これからの正義の話をしよう』なども出版されていますし、その意味で、学術上の正義や政治哲学に関する議論も進んでいます。

 

ということは、それらを踏まえて、議論を展開してもよいのですね。

 

その上で、あなたの考えを述べると、議論を適切に展開しやすいでしょう。

 

気が向いたので、2つ解答例を作ってみました。

 

 

【著者の意見に肯定的な解答例】
 戦争が悪だというのは絶対主張である。単なる感情論に固執するのではないのであれば、戦争を告発し、断罪するこの主張を思想法廷に移して反対の弁論とともに対質させなければならない。道徳とは、他を非難するための手段として利用されるにすぎない。戦争が悪ということは、それだけで道徳の問題にはならない。我々が無事でいられるのは、正邪の考えが独立の拘束力を持っているからであり、この場合にのみはじめて道徳が意味を持ってくる。この道徳は、正邪を空名と考える彼らの思考の内にあることである。戦争の不幸と悪を取り除くには、罪人を探すことよりも、薬や治療法を求め施設を整え経済政策を研究することが肝要だ。法は人間の幸福、社会の善に奉仕する得、正義と善の統合が法廷弁論とは逆の積極的な意味を持つことになるのではないか。このような政治の本来性が世界平和へのもっとも有効な努力になるだろう。
 以上が著者の見解である。著者の考えは妥当だろうか。私は著者の意見に概ね賛成である。具体的には、共通善に基づいた立法および法体系の再構築を提案する。本稿において重要な論点は3つある。
 第一の論点は、倫理相対主義的思想は平和へとつながっているかという問いである。ロシアは、自国の正義を掲げてウクライナへと軍事侵攻した。正邪の考えは独立の拘束力は持っていなかったと考えられるが、解決策に目を向けよという著者の思想は理解できる。第二の論点は、憲法に道徳が必要かというものである。現代の日本国憲法では、主に権利が規定されている。一方で、聖徳太子の時代において、定められた十七条の憲法には、道徳的な内容が含まれており、あらためて法的に道徳が必要かという議論が不要であった。現代的には政治に道徳が必要か不要かという手段と目的の錯綜した議論が行われる状態があり、権利の衝突を政治的に解決する力を世界各国が失っている。権利の問題は分配とセットで議論されなければ、国民の利益にはならない。第三の論点は、安全保障上の問題を社会構造的に解決することの意義である。先般の安全保障理事会の会議中にロシアは宣戦布告を行った。この事件は、安全保障理事会のメンバーに対する攻撃的な姿勢であり、中には侮辱と見なす代表者も見られた。解決策は強く望まれている。
 以上の議論を踏まえて、共通善に基づいた立法および法体系の再構築を私は提案する。

 

 

【折衷案的な内容の解答例】
 戦争が悪だというのは絶対主張である。単なる感情論に固執するのではないのであれば、戦争を告発し、断罪するこの主張を思想法廷に移して反対の弁論とともに対質させなければならない。道徳とは、他を非難するための手段として利用されるにすぎない。戦争が悪ということは、それだけで道徳の問題にはならない。我々が無事でいられるのは、正邪の考えが独立の拘束力を持っているからであり、この場合にのみはじめて道徳が意味を持ってくる。この道徳は、正邪を空名と考える彼らの思考の内にあることである。戦争の不幸と悪を取り除くには、罪人を探すことよりも、薬や治療法を求め施設を整え経済政策を研究することが肝要だ。法は人間の幸福、社会の善に奉仕する得、正義と善の統合が法廷弁論とは逆の積極的な意味を持つことになるのではないか。このような政治の本来性が世界平和へのもっとも有効な努力になるだろう。
 以上が著者の議論である。果たして私たちはどのように考えるべきだろうか。ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏は、ロールズが展開した正義論を受けて、公共政策の議論に道徳が重要であると説いた。彼の議論の骨子は、従来の正義論は、権利と自由を土台として議論されてきたが、何が正しいのかという問題を考察する場合、美徳に関する議論が重要となるというものである。なぜならば、自由や権利の問題は、公共の福祉を考察する上で分配に関する理想的な基準を与えないからである。その上で、サンデルは共通善に基づく政治の重要性を説いた。ところで、課題文の著者が考察したのは、戦争を前提とした正義や政治の在り方である。この場合、問題は分配ではない。戦争行為を悪だと非難するのは、気分が高揚するからだと著者は述べているが、問題はそれほど単純ではない。疑い深い人間には理解できない誠実さを心に宿す人間もいる。加えて述べれば、我が国でも問題となったように、「やっても意味が無いからやるべきではない」とか、「非難するなら戦争に行け」などの極論も言っていることはおかしい。悪に反対することに意義があるのは、その行為そのものが善だからである。国際政治にしても、国内の政治にしても、道徳や善悪の基準を考察する倫理が重要となるのはこのためである。
 以上の議論より、私は政治において共通善を土台とした活発な議論および、その議論に基づいた「著者が述べる議会活動」に基づいた平和実現への努力を重ねることを提案したい。

 

 


過去問題解説者 牛山恭範

  ・スキルアップコンサルタント
・専門家集団Allaboutスキルアップの担当ガイド
・ヤフー(Yahoo)知恵袋 専門家回答者 
 

 慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。現在、東京工業大学大学院博士後期課程在学。

 

 マッキンゼーの問題解決思考を上記大学院の学長である大前研一氏から直に師事を受け、各種技術習得、及び,問題解決型の 学習コンサルティングに活かした活動を行っている。

 

執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部

・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日


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クライアントの実績の一部

・三田の学部でも小論文全国1位輩出。(偏差値87.9)
・慶應4学部合格者(法・経・総・環)2年連続輩出。
・慶應SFCダブル合格者6年連続輩出。(記録更新中)
・慶應大学3学部合格者ほぼ毎年輩出。
・慶應SFC総合政策学部全国模試小論文1位輩出。
・慶應SFC環境情報学部全国模試小論文1位輩出。(偏差値85以上)
・英語全国1位(2度)輩出、現代文全国1位輩出。
・慶應大学の小論文を1万点以上添削した経験あり。
・慶應関連書籍出版数日本一。 約30冊 (自社調べ)
・慶應関連メディア掲載数日本一。(自社調べ)

外部講師活動

全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。



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