~全国模試小論文1位の報告を3年連続でもらっている牛山の過去問題解説ページです。~
このページでは、慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。
2024年度 慶應大学文学部 小論文過去問題の解説
こんにちは。
牛山です。
この年はこんな問題が出ました。
この文章を300字以上、360字以内で要約しなさい。
毎年ちょっと変わったパターンで、要約や説明を求めてきますね。
この年は話があっちにいったり、こっちにいったりしている文章なので、やりにくさを感じた人がいるかもしれません。
問いが骨子になりますので(全体的に文章の流れから判断する必要はありますよ。)その点を中心に文章展開 していくといいでしょう。
【設問1 解答例】
競争の対象とは、希少な財・サービスと機会である。競争を通じて社会をよくするという考え方には二つの限界がある。ニーズや生きがいといった無形価値を利得に置き換えてしまうということである。第二に人間の相互依存関係が見えなくなることである。競争の領域を広げるという考え方により、争いを避けて競うことはできるだろうか。勝敗の判定基準の多元化や競争に負けた人の処遇を検討できる。戦争のような競争の副作用が重傷化することを未然に防ぐ工夫はあるか。競争の基準や対象を顕在化させるか、あるいは顕在化させずにおくという情報の操作がこれにあたる。競争が争いへと転化しないようにするには競争によって可能になると考えられてきた自立や効率といった価値観そのものを見直さなくてはならない。
それでは、設問Ⅱはどのような問題が出たのでしょうか。以下のような問題が出ました。
設問2
競争について、この文章をふまえて、あなたの考えを320字以上400文字以内で述べなさい
課題文は、競争は最終的に戦争にもつながることがあるよねというような内容だったのですが、この場合どのように考えることができるでしょうか。
競争について、あなたの考えを述べよ・・・とありますので、基本的には競争についてなんでも述べてOK・・・と考えると、点数が下がるでしょう。
競争の害や有害性に対する問題意識が書かれているわけですから、この点をどのように考えることができるかを考察した上で、自分の意見を述べましょう。
課題文の著者は以下のように述べていましたね。
―――引用開始―――
競争が争いへと転化しないようにするには競争によって可能になると考えられてきた自立や効率といった価値観そのものを見直さなくてはならない。
―――引用終了―――
従いまして、競争を争いへ転嫁しないようにするにはどうすべきかという問いを中心に考察を展開していくのが王道です。
【解答例】
競争を争いへと転化しないようにするにはどうすべきか。かつてある聖人が「有名な教えは間違っているのですか」と問われた際に、議論をしないと述べた。その理由は、議論の勝利は自分の人生に関係がないというものである。課題文で著者は競争の対象は財とサービスと述べている。これらの内容を「欲」と言い換えることができる。欲が苦しみを生んでいるとする聖人の意見は筆者が述べる能力観が意味をなしていないことを意味する。このような見解の違いはどこから生まれてくるのか。著者は現象を見たままで世界を認識しており、この世界を快楽と見ている。一方で聖人はこの世界を洞察した上ですべては苦しみと見ている。見方を変えれば財とサービス・機会は、欲の象徴であり、これらを手放さないことが自分の苦しみを生んでいるということになる。従って世界認識を検討することが、競争を争いへと転化しないようにする一つの解決策となりえると私は考える。
この世界は快であふれているので、著者の考えが正しいと思う人もいると思います。つまり、私たちが暮らす世界が、どのようになっているのかについての認識によって、何が妥当なのかは変わるということです。
世界で起こる現象の厳しさの基準(快楽だらけの世界が苦しみだらけの世界へと変わるなど)が変わることで、私たちの認識は徐々に変化していくでしょう。
例えば、財を築くことこそが正義と考えている人がいたとして、自分が置かれている状況がなんらかの理由により厳しくなった場合、何の意味もなかったのだなと気づくことがあるかもしれません。
それは重い病気にかかることや、大切な人を失うこと、死が目前に迫ること、あるいはそれ以外の、自分が全く予想もしなかった出来事に遭遇した際に、勝利は敗北に変わり、自分の認識が誤っていたことを強く後悔する・・・
そういうことがあるかもしれません。人は何らかの行いをする際に、自分には関係がないと思い込んだり、何の問題もないと物事を軽んじてしまうことがよくあります。
このような認識の違いは、多くのケースで、考え方の問題である・・・と思われがちであり、現代では、そのような価値観や考え方の多様性によってすべてが成り立つという考えが流行中です。
先日私の父は77歳となり、お祝いの食事の席で「あっという間だった」と話しました。そして「幸せだ」と言いました。
欲が苦しみを生むというのは、塩水でのどを潤そうとするようなものです。もっともっとと、財やサービス、地位を望んだところで、欲が起点になっている場合、限りがあり、決して満たされることはありません。精神的な優越感は、まさに著者が述べる解釈論であり、仮に事実であったとしても、苦しみの元となります。欲は執着となり、執着が苦しみを生みます。財や機会の獲得が勝利という認識が間違っている可能性を私たちは疑うことが難しいことがあります。それはあまりにも自明であり、考える余地がないと考えるから・・というよりも、単にそう執着してしまった心があるからというケースもあるでしょう。世界的な大富豪が「私は快楽を得るために大金をはたいて人生をすごしてきたが、私の人生はまったく幸せではなかった」と告白することがあります。なぜなのでしょうか。
私なりの考えを言えば、それはこの世界の半分しか見ていないからです。いいえ。本当はもっと狭い範囲を限定的に見ている、そして、目に見えるままの世界を、その疑う余地のない合理性の中で、認識し、どんどん視野をせばめていき、最終的には、世界の4分の1も見ておらず、10分の1程度も見ていないということになっているとしたら、ちょっと、損をしているように思いませんか。
言うまでもなく、私が上記のように書いた内容は、一つの「解釈論」にすぎません。
あなたはどのように考えますか?5年後、あなたはどのように考えているでしょうか。
過去問題解説者 牛山恭範
・慶應義塾大学合格請負人
・スキルアップコンサルタント
・株式会社ディジシステム 代表取締役
・慶應大学進学専門塾『慶應クラス』主催者
慶應大学に確実かつ短期間で合格させる慶應義塾大学合格請負人。慶應義塾大学合格の要である、小論文と英語の成績を専門家として引き上げる為、理系を除く全学部への合格支援実績がある。(学部レベルだけに留まらず、慶應大学法科大学院へ合格に導く実績もある。)短期間で人を成長させる為の知見を活かし、教え子の小論文の成績を続々と全国10以内(TOP0,1%以内も存在する)に引き上げる事に成功。12月時点で2つの模試でE判定の生徒を2ヵ月後の本試験で慶應大合格に導く実績もある。技術習得の専門家として活動する為、英語力の引き上げを得意としており、予備校を1日も利用させずにお金をかけず、短期間で英語の偏差値を70以上にして、帰国子女以上の点数を取らせるなどの実績が多い。慶應大学合格支援実績多数。自分自身も技術習得の理論を応用した独自の学習法で、数万項目の記憶を頭に作り、慶應大学SFCにダブル合格する。(その手法の一部は自動記憶勉強法として出版)同大学在学中に起業し、現在株式会社ディジシステム代表取締役。より高い次元の小論文指導、小論文添削サービスを提供する為にも、世界最高の頭脳集団マッキンゼーアンドカンパニーの元日本、アジアTOP(日本支社長、アジア太平洋局長、日本支社会長)であった大前研一学長について師事を受ける。ビジネスブレークスルー大学大学院(Kenichi Ohmae Graduate School of Business)経営管理研究科修士課程修了。(MBA)スキルアップの知見を用いることで、牛山自身の能力が低いにも関わらず、同大学院において、『東大卒、東京大学医学部卒、京都大学卒、東大大学院卒(博士課程)、最難関国立大学卒、公認会計士、医師(旧帝大卒)、大学講師等エリートが多数在籍するクラス』(平均年齢35歳程度)において成績優秀者となる。個人の能力とは無関係に「思考・判断力」「多くの記憶作り」等で結果を出すことができるスキルアップコンサルタントとしてマスコミに注目される。(読売新聞・京都放送など)他の「もともと能力が高い高学歴な学習支援者」と違い、短期間(半年から1年)で、クライアントを成長させることが特徴。慶應合格のためのお得情報提供(出る、出た、出そう)ではなく、学力増加の原理と仕組みから根本的に対策を行う活動で奮闘中。現在、東京工業大学大学院博士後期課程在学。
執筆書籍
・「小論文技術習得講義」(改訂版あり。)
・「自動記憶勉強法」(改訂版あり。)
・「なぜ人は情報を集めて失敗するのか?目標達成論」(改訂版あり。)
・「勉強法最強化PROJECT」(弁護士・医師との共著)
・「慶應大学絶対合格法」
・「慶應小論文合格BIBLE」(改訂版あり。)
・「機械的記憶法」
・「クラウド知的仕事術」
・「小論文の教科書」
・「速読暗記勉強法」
・「難関私大対策の急所」
・「AO入試対策とプレゼンテーション合格法」
マスコミ掲載事例一部
・読売新聞(全国版)学ぼうのコーナーにて8回掲載(週間企画)
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 会社紹介 平成23年10月7日
・京都放送 TV番組ポジぽじたまご 平成23年11月4日放送
・産経関西 20年前とは変わった受験事情 平成23年12月9日
『慶應大学に我が子を確実に合格させる教育法』プレジデントFamilyClub様(メディア掲載)
クライアントの実績の一部
・三田の学部でも小論文全国1位輩出。(偏差値87.9)
・慶應4学部合格者(法・経・総・環)2年連続輩出。
・慶應SFCダブル合格者6年連続輩出。(記録更新中)
・慶應大学3学部合格者ほぼ毎年輩出。
・慶應SFC総合政策学部全国模試小論文1位輩出。
・慶應SFC環境情報学部全国模試小論文1位輩出。(偏差値85以上)
・英語全国1位(2度)輩出、現代文全国1位輩出。
・慶應大学の小論文を1万点以上添削した経験あり。
・慶應関連書籍出版数日本一。 約30冊 (自社調べ)
・慶應関連メディア掲載数日本一。(自社調べ)
外部講師活動
VIDEO
全国の高等学校で外部講師として活動(紹介動画)撮影許可を頂いて撮影しました。2008年7月の映像です。
牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説
「慶應に合格する英語勉強法」誰でも慶應の英語試験で合格点を再現できるにはどう勉強したら良いかを書きました
「小論文技術習得講義」分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。 詳しくはこちら
「慶應小論文合格バイブル」「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース 詳しくはこちら
「牛山慶應小論文7ステップ対策」どんなに過去問題を解説してもらっても、感覚的にいつまで経っても解けない・・・そんなお悩みを解決(慶應SFC受験生必読 データサイエンス系問題の練習・解説あり。) 詳しくはこちら
「小論文の教科書」「東大、京大、東大大学院、医師(東大卒)、会計士、博士(東大)、難関国立大出身者、旧帝国大学卒の医師、会計士」が集まるMBAコースでTOPの成績優秀者になった秘訣を伝授! 詳しくはこちら
「慶應SFC小論文対策4つの秘訣合格法」慶應SFCダブル合格の講師が運営する「慶應SFC進学対策専門塾」で、指導してきた秘訣を公開。慶應SFCダブル合格5年連続輩出、慶應SFC全国模試全国1位輩出、慶應大学全国模試2年連続日本一輩出の実績を出してきた著者が、その経験からどのような小論文対策が有効なのか、慶應SFCの小論文対策はどうやるべきかについて詳しく解説。
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