慶應大学 小論文対策 第二十九章 意味のない練習と意味のある練習

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第二十九章 意味のない練習と意味のある練習


29-1 多くの人が信じている間違った考え方とは

 多くの人が「小論文の対策」で、空回りしてしまう理由は、小論文の勉強を数学の勉強のように考えてしまうことです。言い換えれば、「答えが一つ」の科目と同じように考え、答えを出す練習をしてしまうことが、根本的な間違いです。
 そもそも、小論文試験の根本的な理念とは、受験生の思考力や判断力、発想力、文章力を見ることにあります。従って、見られているのは常に「程度」であり、程度が高ければ合格であり、程度が低ければ不合格です。



29-2 間違った考え方から導かれる成果の出ない練習とは

 間違った考え方を持っていると、対策も間違います。小論文の対策は、とにかく答えを出すことが求められているのであるからして、答えを出すことができる「解法」を使って、その「解法どおりの答え」を、過去問題を使って導くことができるようになればいいはず・・・と考えると、よくありません。このようなことが仮に求められているのであれば、小論文試験はそもそも必要ありません。大学側としては、このように自分の頭で実質的に考えることができない人を不合格にするために小論文試験を用意していると言えます。
 ここまでにご紹介した典型的な間違った考え方と、過去問題至上主義的な宗教のように、過去問題をやれば受かるはずという誤った信念が一緒になった時、(そうだ!過去問題に慣れると受かるんだ)という最悪な不合格一直線の考え方が生まれます。
 このように考える人は、自分の実力ギャップは「慣れ」であると強く信じています。とにかく解法を用いて答えを出すという慣れの部分が自分にはないのだから、慣れさえすればきっと合格できるだろう・・・なぜならば、過去問題というのは、出ている問題なのだから、過去問題が神っている最強の参考書ということであって、この神ってる参考書をやるということがすなわち合格することが同然というか、もうコレ以上出ることが間違いがないやつでやっているので、この問題が時間内に解くことができるということは、すなわち受かるということだから、どんどん過去問題で練習するぞ!という非論理的極まりない考え方をしてしまいます。
 こういう考え方を見ていますと、「この単語帳が最強なんです。」と力説し、私が何を言っても、「この英単語帳が最強なんで、これだけやってれば早慶は受かるんです。これは間違いないんです。他のはいらないんです!」と不合格者から会社に電話がかかってきて力説されたことを思い出します。こんな風に人は何かを明確な論拠なく、強く信じ込んでしまうのだなと、恐ろしく感じたことがあります。
 どんなところに、考え方として不適当な部分があるのかを順番に確認してみましょう。


◆【慣れれば受かるという考えは非論理的】
 そもそも、小論文の点数は、過去問題にどれだけ慣れているかで決っているわけではなく、構成、表現、発想、内容等の程度について点数がつけられている。従ってこの「程度」を気にしていない時点で、全く無駄な練習が行われている。

 

◆【文字数を書くことができれば受かるという考えは非論理的】
 そもそも、小論文の根本理念は、受験者の思考力、判断力、発想力、表現力等を総合的に評価することにあり、これらの「程度」を引き上げることが考慮されていない場合、無駄な練習が行われている。

 

◆【解法を使えば受かるという考えは非論理的】
 そもそも、小論文試験とは、数学のようにたったひとつの正解を出す科目ではない。

 

◆【過去問題をやれば受かるという考えは非論理的】
 過去問題をやれば受かるというのは、運転免許などの資格試験や検定試験の暗記型試験の話であり、小論文のように、非暗記型のテストにはまったく当てはまらない。出る問題をやると受かるというのは、出る問題を覚えていれば受かる試験についての話。歌のテストでは、何が出るか分かっていても実力が無ければ受からないのと同様に、論文テストでは、実力を評価されているので、何が出るのかが分かっても、実力をつけていなければ受からない。歌の実力をつけるのに、過去に試験に出た曲さえガンガンに歌っていれば基本も何も何の関係もないなどと考えてしまうような、全く非論理的な考え方になってはいけない。

 

◆【時間内に解けば受かるという考えは非論理的】
 時間内に書いても内容の程度が低ければ受かりません。



29-3 なぜ意味のない練習になってしまったのか

 ここまでにご紹介した間違った考え方は、なぜ意味のない練習になってしまったのでしょうか。どこに問題が存在しているかということがきちんと論理的に定義されておらず、実力ギャップについての仮説が適当すぎるからです。
 小論文試験で、合格することができないという問題を、問題解決学的な目線で問題を見た場合、どのようなことが言えるでしょうか。
 図式化すると以下のようになっています。





 実力のギャップを埋めるからこそ合格します。実力のギャップが埋まらないなら、合格できる道理はありません。ここまでにご紹介したように、合格できない実力ギャップは、「基本」「知性」「各種スキル」にあります。
 上記の配点表を見ても分かるように、現実の点数はあなたの実力で決まっています。必殺解答法でもなければ、解き方でもありません。また、慣れでもありません。

 今一度、配点だけではなく、あなたの身に起こる問題という観点から見てみましょう。

 ここまでで、どこに合格できない実力ギャップが存在するのかについてご説明しました。今度はもう少し細かく見ていきましょう。「合格できない実力ギャップ」のうち、基本の力は「論理」と「感性」に分けることができます。図式化すると、以下のようになります。



 この図のようになっています。

 

 「時間が足りない問題」も、「考えることができない問題」も、「配点」もすべて現実です。このように現実の問題から考察する思考ステップが大切です。うまくいかない原因が全部「慣れ」というように、漠然かつ曖昧に考えられていると、現実に起こっている問題を正確に捉えられなくなってしまいます。

 

 ここでご紹介した2つの絵は、あなたが慶應大学の小論文試験で高い点数を取ることができない「本質的な問題点」になっています。
 この現象を逆から見れば、この本質的な問題点の裏返しの対策と、大きなアップサイドが見込める領域に対する対策案の2つこそが、問題解決学的に導かれた戦略軸ということになります。
 問題が解けたか解けなかったかというように2つに一つの考え方で捉えてはいけません。予備校の解答例と大体同じだと思うなどと、あたかも正解が一つであるかのように考えてはいけません。内容の程度、論理の程度がどれだけ高いのか、低いのかを気にする必要があります。

 

 勘のいいあなたならば、もうおわかりだと思いますが、徹頭徹尾この点をやりあげているのが、私が運営する塾になります。

 

・論理を本格的に日本の小論文指導に持ってきたのは私です。私は論理的に読む読み方と、感性的に読む読み方を指導しています。
・私は論理的に考える方法論と、感性的に考える方法論を指導しています。
・私は論理的に書く方法論と、感性的に書く方法論を指導しています。

 

・私は速読で知性を最大化させる方法論を細かく指導しています。多くの受験生は、多くて10冊程度の本しか読みませんが、私の教え子の中には、年間500冊の読書をする子もいます。(法学部合格者の星さん)
・書籍は数百冊程度年間に読むのは当たり前、自分の研究分野なら全部読むのが当たり前です。

 

・上記のイシューツリーに描かれている各種問題を発生させている不足スキルを強化しています。

 

以下は私が書いた本の一節です。


------ここから-----
 小論文についての根本的な勘違いの一つに、なんらかの「考え方」を知れば、高い点数を取ることができるというものがある。
 小論文の世界に、「考え方」を持ってきたのは、私が初めてとも言える。従来の小論文指導は一般的に、「書き方」メインの指導であり、どのような文章の型にはめて書けば良いのかを指導するものが中心であった。このような状況の中にあって、2007年に「小論文技術習得講義」(エール出版社)で、私が初めて、ブレインダンプなどの考え方のテクニックと、樹形図を用いた思考法で点数が上がると説いたのである。このようなテクニックを小論文の業界で指導されることはそれまで無かった。2012年に上梓した「慶應小論文合格バイブル」(エール出版社)では、日本で初めてピラミッドストラクチャーを小論文の本で紹介した。論理の原理原則である基本の帰納や演繹について、詳細に解説した。従来は、何が論理的な文章なのかについてすら十分に解説された本が存在しなかった。そこにきて、論理とは何かという点から、根本的に指導する小論文本は画期的であった。また、同書で、世界トップのマッキンゼーなどのコンサルティングファームで使用されるフレームワーク思考を紹介し、より一層質実剛健な思考をするためにはどうすればいいのかを解説した。いい加減な思考法が多い中で、『どのように考えることが、妥当な考察に至りやすいのか』を解説した。2013年には、「小論文の教科書」(エール出版社)を上梓した。この本では、議論の前提を整理する方法論、より一層妥当な思考を行うための思考手順、注意点などについて、詳細に練習問題を題材に解説した。いわゆるマッキンゼーなどのコンサルティングファームで行われる思考ステップを具体的に学ぶことができる本として、小論文の本としては画期的であった。また、論理の原理原則から、物事を分析する際の、フレームワークの種類を一覧で紹介し、受験生が小論文の問題を解く際に使用する分析用のフレームワークを紹介した。もちろん、このような本も従来は存在しない。
 私が小論文の業界でやってきたことは、「考え方」の紹介と見ることもできるかもしれないが、これは勘違いだと私は言いたい。考え方というのは、ハウツーである。何らかの思考ステップが、あなたの頭を良くするわけではない。そんなに考えるということが簡単なら、誰でも1時間も講習を受ければ、「小論文の正解」が書けるようになるだろう。より良い思考をすることができるようになるためには、考え方だけでは不十分である。ハイレベルな思考のためんは、スキルアップが必要であり、そのためには、理解が必要だ。あなたは、自分の技術レベルを強化する必要があると考える必要がある。
-----ここまで-----



29-4 説明を受けている場合でも安心はできない

 教育というのは、何を教えても教育と言われます。そこが怖いところでもあります。何を聞いても、教育効果があったと思われてしまうためです。
 ところが、現実には、常に正しいことが教えられているとは限りません。小論文に関しては、やっていることは、サイン・コサイン・タンジェントでもなければ、解の公式による解法でもありません。そのように一つの答えを導く科目ではなく、どのように考える方がより一層妥当性が高いのか、なぜかということを学ぶのが小論文の勉強です。物事の考察プロセスの妥当性が低いということはすなわち、即レベルの低い思考プロセスということになってしまいます。レベルが低いということは、あなたがアウトプットする小論文の答案の程度も下がってしまうということです。
 このようなことが十分に考慮されず、単にムンムンに難しい雰囲気が醸し出されているかどうかだけが、小論文指導の評価基準なのだと思いこんでいる人は、ムンムンに難しい雰囲気を醸し出したものがいいと思いこんでおり、私が簡単に書いた本を批判することもあるようです。しかし、私の塾の生徒は、私が本に書いている通りに指導し、その内容を深く塾で学び、指導を受け、日本一になっています。そして、日本一が2年連続で出ています。偏差値は87,9です。ムンムンに難しい雰囲気を出したり、中身のない議論でペダンチックに振る舞うことだけをやるようなことは一切私はやりません。意味がなく、価値がないからです。


29-5 まとめ

【意味の無い練習】
・実力ギャップを埋めることができないもの。

 

【意味のある練習】
・実力ギャップである「基本」「知性」「スキルアップ」について理解を深め、記憶し、これらを効果的に練習するカリキュラムの中で練習するもの。
※慶應SFCに関しては、「3つの宿題」と私が読んでいる対策についての練習。
(この点が大きなアップサイドが見込める領域に対する対策案になる。)



29-6 余談
 今回は講義本として、このウェブブックを書いているので、少し余談も入れておきましょう。ところで、なぜ私はここでご紹介しているような対策案を分析できるのでしょうか。この分析の結果日本一が2年連続で出ています。
 小論文指導の世界では、一般的に過去のどの本を読んでも基本をやれというものはありません。お手軽な受験テクニック本が中心です。また、論理と感性が基本だと言い切ったものはありません。加えて、知識を入れろという指導はよくありましたが、知性を強化せよと説いた本はありませんでした。さらに、スキルギャップが問題を発生させていると説いた本も皆無でした。複数のスキルを強化すれば、問題は消失すると説いたイシューツリー紹介本など無かったのです。私はどんどん新しい知見を世の中に出しています。
 しかし、単に新しいことを何でもいいから言っているわけではありません。事実に基づいて、実態を紹介しています。イシューツリーは事実に基づいています。配点から実力ギャップを説いた本もありませんでしたが、これも事実に基づいています。事実に基づかない考察は夢想に近いものです。あの人がこう言ったとか、あの先生がムンムンに難しい雰囲気の一番高尚チックな権威性がすごーく感じられる本を出しているとか、私は気にしたことはありません。単に、私がおかしいと言っているだけではなく、筑波大学の名誉教授も言っているよと紹介するだけです。
 秘密というほどのことでもないので、いくつかコツを紹介していきます。第一に、私は最初から論理的にも感性的にも考えているからです。もし論理的にだけ考察するとどうなるかと言いますと、基本的に問題解決学的なアプローチや手順で問題を考察するようになるでしょう。それ自体は悪いことではありませんが、失敗する人は喜んでフレームワークやロジックツリーを書き、直接的な因子を分析して、何が言えるかを考え始めます。そういう単発の方法から導かれた対策というのは、非力であることが少なくありません。その理由は、論理的に考察する際に、もれが人間には必ずあるからです。もっとも多いのはどんなケースかと言いますと、部分最適な発想に陥りやすいということが言えると思います。感性的に考える最大のメリットは全体最適しやすくなることにあります。
 私がやっているのは、以下のようなことです。





 もう一つの理由は、私が現場を離れていないからというものだと思います。私の頭のなかには、今まで多くの生徒の小論文を見てきて、その内容が入っています。なぜ優れた答案を書くことができないのかという問にたいして、知識不足という答えはこのデータベースから返ってきません。「知性不足(読書不足、勉強法の不適当さが大きな要因)」なのです。本を読み、内容を抜き出しているような場合、知性は強化されていきません。物事の構造を把握していないからです。人が人に対して知性を感じるのは、物事に対する洞察が優れている時です。単なる組み合わせ発想や、個人的に思っただけの原因推察をいくら見せられても、知性を人が感じることはありません。そういう考察ゲームは、実態を捉えきれていないからです。
 実態を正確に捉えきるには、単に論理的なだけでは不十分です。自分の知見のデータベースにアクセスするように感性を働かせて考察することが大切になります。
 経営という観点から言えば、丸投げして私が小論文を見ないのは、合理化という点では良いのかもしれません。しかし、もし私がそれをやっていれば、何が生徒の成績を引き上げるポイントなのかを見抜くことが難しくなるでしょう。頭の中がスカスカになってしまうからです。ここについては、最初から狙っていたわけではありませんが、一人ひとりを大切にしていると、結果としてこうなりました。

 SFCの受験生なら気づいているかもしれませんが、私が言っていることとやっていることは一貫性があります。問題解決が大事だと言えば、SFCの入試について、問題解決学的に分析し、同時に戦略設計をしています。その戦略設計は、本質的な問題点の裏返しと、大きなアップサイドが見込める領域の対策です。これは問題解決の原理であり、この考え方が大切だと私は日頃から説いています。そう言って問題の解答例を作り、考え方を指導しています。その指導内容と解答例は当然理論が一致しているので、矛盾のないものであり、また、現実に直面している問題を解決するのも、やはり一貫して問題解決の実学なのです。加えて、これらの問題点について、ITの力を用いて解決していきます。



 リンク先で点数を上げる方法を詳しく解説しています。⇒「小論文添削ドクター

 小論文添削の問題点、なぜうまくいかないのかについて、本質的な問題点の定義、裏返しの対策案の立案、大きなアップサイドが見込める領域に対する対策、全部やっていることは同じです。徹頭徹尾問題解決です。

 戦略が一番無いのが、「がんばる」だけというアプローチです。これはあまりよくありません。成果につながりにくいからです。


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