牛山です。
本日は、環境情報学部の問題解説です。
受験した方は、いかがだったでしょうか。
【1】問題1
(1) 問題概要
設問1はユニークな問題でした。
去年と流れがやや似ていますね。
A~Hの資料が出題されまして、この文章をグイグイ読んでいくんですね。
わりとボリュームがありますね。
速読ができれば、ここで時間がかかり・・・・時間切れ!ということは、ないと思います。
ただ、読むのが遅い人は、やや苦しんだかもしれませんね。
このように、ある程度大量の文章を素早く読む力をつけるために、私が運営する「慶應SFCクラス」では、速読を学んでいきます。
問題にお話を戻しますと、やることは簡単ですね。
文章を読み、素直にタイトルをつけるだけです。
ただ、サブタイトルについては、魅力的に表現することを求められていますので、表現力が大切になりますよ!
◆タイトル・・・分かりやすく
◆サブタイトル・・・魅力的に
ここで、注意点を挙げますと、社会に与えた影響を
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
表現する分かりやすいタイトル
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ということですね。
ここ、注意が必要です。
それでは、解答例をご紹介しますね。
(2) 【設問1 解答例】
A 自転車が普及するまで ~自転車が社会を変えた~
B 始まったばかりのインターネット ~全ての人によって作られるウェブ社会~
C ノーベル物理学賞を受賞した半導体ヘテロ構造 ~レーザーが社会を変える~
D 全てを作り出せる3Dプリンター ~自己再生産の可能性~
E リサイクルの概念を変えたクリエイティブリユース ~次世代の美意識と美しさ~
F 食を豊かにし、オゾン層を破壊したフロン ~世界を変えたフロンの力~
G 公開鍵暗号が変えたEコマース ~公開鍵暗号発明の真相~
H 任せる経営 ~巨大インド地方市場~
【2】設問2
(1) 問題概要
今回の問題では、あなたが重要だと考えている
「課題領域」
これを書いてくださいということになっています。
そして、
その課題領域における「未解決の具体的な問題」
これを書いてくださいということになっています。
要するにですね、何らかの問題を解決すると考えているのであれば、それを書いて、そして、その問題というのはどんな問題なの??
ということを聞いてきているだけですね。
私が、SFCを受験する人は、大学に媚びなくていいと言っていたのは、実はこういうことだったりします。
どういうことかと言いますと、今回の問題を見てもはっきりわかると思いますけども、大学までの人はあまり要らないというメッセージがビンビン伝わってきますね。
あなたは、何を成し遂げようとしているのか?
ということをズバリ質問されています。
従順で、ロボットのようで、教えてもらったことしか、考えられない人ではなく、もっと面白い人が欲しいと言ってもいいかもしれません。
問題の最初にズバリ書いています。
----------------------------------
問題が与えられて、正解を教わる教育ではなく、何が問題なのかを考え、解決する方法を創出する人材の育成を目指している
----------------------------------
ということなんですね。
ですから、どの型で書けばいいですかとか、どの構文に当てはめるのですかとか、どの本を読めばいいのですか?
という類の質問をしても、あまりSFCには合格しにくいですよ、、、、
と私は言っていたんです。
そうではなくて、原理的に存在する問題解決の原理原則をしっかりと理解することが大切です。
先日お送りした総合政策学部のメルマガはもう読んでいるでしょうか。
あのメルマガでご紹介した解答例のように、原理原則をうまく使うことを考えてみましょう。
ここに書く内容は、問題3を見て、つながりを意識して、書くことが大切なのは言うまでもありません。
(2) 設問2 解答例
《課題領域》
学校教育現場におけるモラルの破壊
《未解決の具体的な課題》
今現在、日本だけでも、年間約200人の若者がいじめを苦にした自殺を図っている。この数字は減少しておらず、長年続いている。
また、海外でも同様の問題が起こり続けている。近年ではSNSを用いたいじめや、ネットを用いた誹謗中傷がエスカレートし、問題が深刻化する傾向も見受けられる。
【3】問題3
(1) 問題の解説
恐らくほとんどの人が気づいていないと思いますけども、SFCの場合、本当に受かる解答って、けっこうギリギリのラインで攻めているものもあるんです。
もちろん、いかにも、エリートですよという雰囲気を醸し出そうとするタイプの答案でも受かりますけど、面白い答案も受かる。
このギリギリのラインを出すために、実を言うと、非公開にしている解答があるんですね。
そもそも、理解されないです。
その理解されないところを理解してくれるラインというのがどういうところにあるのか(ややこしいのですけど)ということを、塾などでは非公式的に話していたりします。
ところで、今回の問題では、今、あなたが、2045年の未来社会にいると仮定して、話をすることを求められていますね。
相当ユニークな問題です。
当然まだ何も実現していないのですが、実現したものとして、講演をすることを求められるという・・・・
(;^_^A
なかなかにぶっとんだ内容になっています。
当然、まだ実現していないことを、さも実現したかのように、話さなければならないところもあるわけですが、そのギャップについては、あなた自身の気概も見たいと思われているのでしょう。
まだ実現していないことを、実現しているかのように、述べることを求められていますので、
その点については、
(1)ツライ・・・・
と感じるか、
(2)うれしい・・・
と感じるか、
人によって分かれそうです。
若い皆さんの、気概をかってくれている問題だと解するのがいいでしょうね。
普通の大学だと、あまり大きなことを言うと、、、、
「馬鹿じゃないの?」
とか、
「実現してから言え」
などとね、(汗)
大変厳しい意見が飛んできそうなわけなんですけども、
SFCの場合、
「面白いこと言うね」
「その気概、いいね」
と、一定程度なりやすかったりするところもあります。
愛と受け止めるか、シリコンバレーのようなチャレンジ精神と受け取るか人によってそれぞれだと思います。
そのあたりのバランスが、どういう微妙なバランスの上にあるのかということについては、注意が必要なのですが、ある程度把握しておくことも、大変重要かなと思いますよ。
3-1では、告知文を作ることを求められています。
3-2では、講演内容を書くことを求められています。
両方共、実現していないことを、実現したという仮定で、書くことを求められているので、そういう想定で文を組むしかありません。
それでは、解答例を紹介します。
(2) 設問 3-1 解答例
世界で利用されるようになった、いじめを撲滅し、多くの人の命を救ったソフト「いじめ日記110番」についての講演です。行政、教育機関、司法関連機関、医療関連機関が連携し、ITサービスを普及させていく際の障害の乗り越え方について、事例を皆様と共有します。
(3) 設問 3-2 解答例
本日私が皆さんにお話する内容は、今世界の学校で使われているいじめ対策ソフトについてのお話です。このソフトはクラウドに置かれたノートソフトです。このソフトは今世界の小学校から大学までのあらゆる教育機関で利用されています。世界で数億人がこのソフトにアクセスし、必要な人のみが利用するソフトです。このいじめ対策ソフトには、簡単な記録機能に加えて、司法関係機関、行政関係機関、医療関係機関にボタン1つで連絡、通知ができる機能があります。さらに、どのようないじめ行為があったのかについて、詳細に記録することができる機能があります。このソフトが導入されるまで、世界ではいわゆる『いじめ』による自殺者が後を絶ちませんでした。当初このソフトウェアを作った時、宣伝方法に大変苦労しました。なぜならば、宣伝にはご存知の通り、大変大きなコストがかかるからです。
このようなコストの問題を解決するために、私が発明し、取得した特許があります。この特許は、複数の特許から成り立っており、一言で言えば、世界で最も安く、商品サービスを流通させることができるものです。ソーシャルネットワークサービス上におけるコンテンツ流通のハブになる各種機能を実質的に実装した情報流通システムです。このシステムは、企業の宣伝コストを抑え、情報を拡散していくことを可能にします。このシステムを要素技術として、関係者に収益が発生する独自の仕組みを新規に特許出願しました。
このようにして、コストの問題をクリアすることができました。大きなメディアを手に入れる過程には多くの障害がありました。1つはドリームキラーです。そのような夢は絶対に叶わないと声高に必要以上に反応する人たちの存在でした。二つ目は、営業妨害です。根拠なき事実無根の誹謗中傷を受けました。3つ目は自分自身でした。
どのような体験も、自分の糧として、受け止めるため、自分自身と闘う必要がありました。
前例が無いから不可能だという考えは世間一般に大変広く普及しています。しかし本当にそうでしょうか。前例が無いからこそ考える価値がありはしないでしょうか。前例が無ければ、実験してみよう、そのように、斜に構えず、ゼロベースで考えて、楽しく考えてきました。日々多くの方のご協力に感謝しています。
「今すぐ新しいことをしてみよう!GO!」ぜひこのように考えて、チャレンジしてください。ありがとうございました。
(4) 締めの言葉は?
締めの言葉は、メッセージや、謝辞も1つの方法です。
ご清聴ありがとうございました。
など、いろいろなパターンがありますね。
最後に結局何の話しだったの??
とならないように、中核的なメッセージを入れるようにしてみましょう。
このあたりについては、「AO入試プレゼンテーション対策と合格法」(エール出版社)に詳しいので、読んでみることをオススメします。
【4】編集後記
今回は、GO!というメッセージを強く打ち出すために、講演の最後に入れています
が、これを書いていて、
郷ひろみの、「ヒロミゴー!」を思い出してしまいました。
(;^_^A
ヒロミ GO!
ではありませんよ。
「郷さんみたいに、GOGOGOGO!!と行きましょう」
↑イントネーション大切。
みたいなことを講演だと言ってもいいのかもしれませんけども、それは解答には入れない方向で、今回は解答例を作ってみました。
うん、まあ、当たり前ですね。
失礼しました。