慶應大学 小論文対策 第八十九章 根拠を書けば理由はいらないの?

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第八十九章 根拠を書けば理由はいらないの?


89-1 根拠を書けばいいと思っていませんか?
本日は、根拠を書くと理由がいらない のかどうかというお話しです。

 

結論から言いますと、根拠があっても 理由は必要です。

 

なぜならば、根拠だけがあっても、 なんのことか読み手は分からないから です。

 

少なくとも、根拠しか書かれておらず 理由が書かれていない論文には、5つ の欠陥があります。

 

1、読み手に論理関係を伝える力が 弱い

 

→分かりにくいので点数が下がります。

 

2、自分が根拠だと思っていることを 取りあげることで、書き手は論証でき たと思い込んでいるが、実際には、 単発の事例がどのような意味づけを 持つのかについて複数の解釈が成り立 つために論証の力が弱い。

 

→複数の解釈について、察してもらう 必要がある。

 

→そもそも、書き手の側で論理関係が どうなのかを理解できずになんとなく 書いていることが少なくない。この ような事情は採点する側にばれている。

 

3、論理関係を頭の中で整理して明示 することもできないのかと、能力面で 不審がられる。

 

→もしも論理関係を明示することがで きるのであれば、それをすればよいと ころ、事例の紹介などに逃げているた め、印象が悪化する。

 

4、「選択バイアス」などと言われる 事例選択に関する先入観があったので はないかと考えられてしまう。

 

→事例によって論証を試みる論文では 真っ先に「ケース型」の論文の弱点と して取りあげられるサンプリングの 問題について、疑問視される。一般的 に定性研究が説得力を持たないと思わ れている弱点について克服ができてい ないと考えられてしまいがち。

 

※定性研究:量的な指標によって論証 を試みず、質的な、非数量的な見地か ら論証を試みる研究のこと。

 

5、単発の事例から自分の中心命題に 論理をつなげると、ほぼ確実に大きな 論理の飛躍が生まれる。

 

データは、束ねられて、その結果何が 言えるのかが分かった時に初めて、 意味を持ちます。単発のデータは、 説得力がありません。あなたが慶應 大学合格支援で合格者がいるので、 よい指導ができていると言われても、 実際にはどの程度良い結果が出ている のかが気になるのと同じことです。

 

※このあたりは、かなり基本的な論理 の理解についてのお話です。もし理解 ができていない場合、牛山が書いた 小論文の本をしっかりと読んでおきま しょう。

 

※論証には帰納法と演繹法があります。 帰納法的に中心命題の妥当性を主張す る際には、データを束ねる必要があり ます。

 

それでは、上記のような結果何が問題 になるのでしょうか。

 

要するに、「根拠だけを書いて、理由 を書かない論文」は、上記のような 弱点があるので、

 

(一般的に) 説得力がない

 

ということになります。

 

説得力が無いので、点数もないという ことです。

 

従って、どんなにあなたに文章力があ っても、どんなにあなたが、頭の良い 人であったとしても、

 

理由を書かずに根拠や具体例だけを 書いていると、点数が非常に上がり にくいと言えます。

 

能力の問題ではなく、原理的に難しく なるということです。

 

89-2 具体例や対策案を書くとさらに点数が悪化してい
具体例を書くと、無条件に点数が上が ると思っている人がいるようです。

 

なぜなら、分かりやすいから・・・・

 

というのが理由なようなのですが、 これは一般的に反対です。 分かりやすいのではなく、むしろ非常 にわかりにくいと言えます。

 

研究者は、論文を論理的に読んでいま す。

 

字面に書かれている内容を理解できる かどうかなどという目で読んでいませ ん。

 

どう読んでいるのかと言えば、

 

※ここから極めて大切ですよ。

 

「批判的に」読んでいます。

 

これは、研究者に染みついた、学問的 態度と言ってもいいでしょう。 研究者というのは、学問のプロであり だからこそ、特に欧米では、博士号 取得者がリスペクトされます。

 

また、研究者は、何度も論文を書き、 ジャーナルにリジェクトされて、それ でもめげずに論文を書いて出して、 そしてジャーナルに掲載され、世間か ら認められたような人なので、そもそ も論文は批判的に読まれるものと、 体の芯から考えているような先生方 です。

 

私がよく受験生が書いている小論文の 8割は何を書いているのかまったく 分からない

 

と話していますが、それはこういうこ とです。

 

学生が書いている小論文の日本語が 分からないわけではありません。

 

論理構造が不適当であるために、中身 以前の問題を抱えている小論文が約8 割であり、実は「レースになっていな い」のが実情だということです。

 

しかし、このあたりの極めて深刻な 問題に、多くの受験生は気づいていま せん。(直前からでも間に合うかなぁ) などと考えているのが一般的です。 8割の受験生は常に慶應に合格できる 実力ではありません。

 

私が言っていることが大げさではない のは、当塾の実績を見れば分かると 思います。偏差値87.9という数値が 塾生から出ています。

 

以前テレビを見ていると、東大法学部 に主席で合格した子の最高偏差値が 90.1でしたので、東大主席に匹敵する レベルで、ダントツ化しているのが ご理解いただけると思います。文字 通り、レースになっていない状態なの です。

 

そもそも「批判的に」読まれているの で、読み手は論理関係を取ろうとして います。

 

そこに来て、単発の根拠が出てきたか と思えば、その根拠に関連付けられた 具体例の話が出てくると、

 

(なんのための説得じみた話なのか)

 

と、拒絶反応が出てきます。

 

書き手は、得意に分かってもらえると 思って書いているのかもしれません。

 

しかし、

 

読み手にはこんな風に映っています。

 

(私が言っていることは正しい。こん な事例があるんだから正しい。この 事例を具体的に詳しく知ってほしい。 ではこれからその事例を説明します ので、読んでください。私が言ってい ることは正しいですから。事例がある から正しいのですよ。その事例を説明 しますからね。)

 

ここで拒絶反応が出てしまうのは、 論文に書かれている中心命題との関連 性が見えないだけではなく、今日ここ でご紹介している記事でご案内した 「5つの弱点」から、

 

こりゃ論理的じゃないわ・・・

 

と思われてしまっているからです。

 

事例の説明がいくらなされたところで 単発の事例から結論は導けません。

 

さらに、

 

何が言いたいのか、その主張は妥当か ということを中心に見られていくので、

 

原因を書いて対策案を書くというよう な主張のオンパレードの内容だと、

 

(何を言いたいのかわからないな)

 

ということになります。

 

いろいろと書いていくと、論点が散漫 になり、論証ポイントが増えていきま す。

 

そのため、主張を増やせば増やすほど、 何が言いたいのかが不明確となり、 内容も非論理的になります。

 

結論は一言で書きましょう。

 

例えば、今回私が書いている記事 (これは論文でも小論文でもありませ んが、)

 

について、一言化するなら、

 

理由を書きましょう。

 

となります。

 

もう少し具体的に言えば、

 

根拠を書けば理由を書かなくてもいい ということにはなりません。理由を 書きましょう。

 

ということになります。

 

根拠ではなく、論拠を書きましょう。 (根拠は書いてもOKですが、論拠が 優先)

 

ということです。

 

このように、一言化すると、何を伝え たいのかが明確になり、分かりやすく なります。

 

分かりやすくする方法は具体的に 述べることではありません。

 

それは、内容を分かりやすく伝えてい るだけであり、読み手は一般的に 内容に興味がありません。読み手が 関心を持っているのは論理構造です。

 

よくあるまじめな書き手が持っている 誤解は、(私が書いている内容は 正しい)とか、(表現が難しいので 点数が高いだろう)とか、(正論を 述べているから点数が高いだろう) などというものです。

 

現実はこうです。

 

1) 内容が正しいかどうかではなく、論理 的に妥当かどうか、伝える能力がある なら合格で、無いなら不合格。

 

2) 表現が難しいと学生が思っている表現 は、論文の評価軸から見ると、概念の 不明確さが目立ち、評価の対象になら ないばかりか、論理構造などの内容に 対する気遣いとのアンバランスが目立 ち、幼稚に見えてしまっていることが が少なくない。

 

3) 正論は論文では一般的に新規性の無い 面白みに欠けた文章であり、中心命題 との論理的な関係性が強いかどうか 構成概念が枠組みとして妥当かどうか などが見られている。

 

そして、加えて、次のように思われて いることが怖いのです。

 

この論理構成なら、読まなくても分か るから、表現もへちまもないし、 論理的に妥当かどうかも一目瞭然だし、 なにやら良いっぽいことを述べている つもりなのかもしれないけど、目を 通さなくても不合格だな・・・・

 

ということで、即刻不合格枠決定とい う状態になることです。

 

私の推測で述べているのではなく、あ る難関上位旧帝大の教授が現実に 述べていたことです。

 

「3行読んだら分かるから、あとは 読まないよ。へへへ。」

 

と彼は笑っていました。

 

彼は特定の学会で理事レベルのポスト についており、査読担当にもなってい るいわゆる「偉い先生」と言えるでし ょう。東大でも教鞭を何度も取ってい るような人です。

 

それでも、学生の側は、これなら よく書けている!と思っていることが 少なくありません。

 

本当は(読まなくても分かる)などと 思われてしまっていることが少なく ないということです。

 

なぜでしょうか。

 

理由を書かずに根拠や具体例を書いて いるからです。

 

それでもこのような無茶な書き方をし ても、合格者は出ます。

 

その理由はどこにあるのでしょうか。

 

理由は4つ考えられます。

 

ここまで点数が下がると考えられる 書き方で合格者が出るのは、

 

1、問題にたまたま恵まれた

 

2、能力が高い受験生だった

 

3、英語など他の科目の実力で無理 に合格して、小論文の点数は低かった

 

4、そもそも合格していなかった

 

※書籍に対する絶賛レビューなどが サクラとして書き込まれることが問題 になっていますが、その延長の話が 受験業界にはあり得ます。

 

問題に恵まれたとは、説明問題や 物語を作る問題など、論文執筆能力 や論考の力とはあまり関係のない問題 が出た場合、ほとんど何も考えなくて も勘がいい人から受かっていく現象が ありますので、そのような場合に、 それなりの作文能力と勘の良さ、ラッ キーで受かる人がいるということです。

 

SFCは特に、このように問題に恵まれる 度合いも大きい学部です。

 

法学部では考えにくいことです。

 

逆に言えば、当塾から毎年のように 法学部、経済学部、文学部合格者が出 るのは、このあたりの論文指導を細か くしているためです。

 

 

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