慶應大学 小論文対策 第七十六章 あくまでも知性+論理が評価の中核

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第七十六章 あくまでも知性+論理が評価の中核



76-1 評価の中核
 前回は、感情で点数が決まっているという少しショッキングな内容でしたね。あれはあれで、実態の一側面です。少しショッキングな話からしてみただけです。それでは、大きく評価が決まる正当なポイントはどこかと言えば、一言で言えば、知性+論理と言えます。書かれている内容が知性的かどうかということです。この点については、何をもって知性とみなすかについては、人によって大きな違いはあるでしょう。それぞれの評価者の思考様式に一定程度癖があるからです。
 ある東大の教員は、論文の評価ポイントは何かと問われて、「きらりと光るものがあるかどうか」とだけ述べています。このキラリという部分が知性です。そして、論理というのは、共通の合意形成のための手段です。書かれている論文を評価してもよいでしょうという、暗黙の共通合意を形成するための手段として一般的に論理は非常に有効です。


76-2 分かる人は分かっている
 しかし、一方で、論理一辺倒のやり方が、学問の世界でも批判の対象になることがあります。非常に有名な事例では、トマピケティーなどは、近代的な経済学の在り方そのものを批判しました。彼はMITで博士号を取得しているような人物ですので、数学はダントツにできるわけですが、現代の学問は、数式をクルクル使うことによって、学問らしく見せることに腐心しすぎていると彼は批判します。数式を使えば、論理性が担保されるので、その数式が正当性を誇示する手段に使われすぎているということです。そのせいで肝心かなめの実態を把握して見抜くという作業や、現実の世界に役立てるという部分がおざなりになってしまっていないか・・・・こんな危機意識を持っている学者もいるのですね。また、ピケティーがかっこよい部分は、彼は誰よりも数学ができる類の人間であるというところです。その彼が、見せかけだと言い放っているわけです。そうとう辛らつに批判しているので、興味がある人は読んでみるといいでしょう。
 妙にペダンチック(学問ぶった態度)に、文章を書いてみたり、そういう風に書かれた文章をありがたがってみたり・・・ということに気を取られないようにしましょうと私が言う理由の一つはここにあります。トマピケティーは学問の在り方について問題意識を提示しましたが、学問の方向性について、問題意識を提示する学者もいます。ゴシャールなどは、その事例のようですね。経営学のあるべき方向性に警鐘を鳴らしたという意味で、非常に大きな貢献を果たした人物だと私は感じました。従来の経営学が業績を重視しすぎていると彼は述べます。その上で、業績を引き上げるための理論やモデルを作成するだけでなく、倫理的な側面を重視することを彼は提案しています。
 このように、論理そのものが、単なる正当性を誇示するための手段に成り下がっている傾向はあるのですが、仮にそうだとしても、論理は評価を得るためには、やはり非常に重要な手段と言えます。
 なぜならば、論理性が担保されていない物言いは、誰の賛同も得られないからです。



76-3 知性とは何か
 知性とは、雑多に広がった論理を統合して捉えなおす能力と言えます。単に論理的な物言いだけなら、誰でも言えます。また、考察の範囲をダラダラ広げれば、それをもって、統合的な知性があるとは言えません。なぜならば、単にいろいろと考えてみましたというだけだからです。その広がった考察対象をどのように捉えなおして意味づけをしなおすのか、そして、その時の妥当性は何かということが問題です。従って、いろいろ考えましたというのは、原則として、評価にはつながりません。
 雑多に広がった論理とは何でしょうか。世の中には、部分最適な論理があふれています。部分最適な論理とは、例えば、食べる量を減らせば痩せることができるという理屈のようなものです。今の時代肥満人口が激増しているわけですが、これに対する対策は・・・となった時に「食べる量をみんな減らせばいいと思います。」というのは、部分最適な論理の代表格です。このように、一見すると正しい意見であっても、まったく機能性を持たない構想というのは、たくさんあります。世の中にはこのような原理原則や数式、モデルがあふれています。それらの部分最適な論理をただ単に、かき集めて合体させました・・・・というのは、知性的とは言えません。いろいろ合体させて膨れ上がって大きくなったので、私が考えていることは適切であり、妥当だと思います・・・・という具合にもなりません。また、加えて言えば、そこで合体させた各種論理やモデルを自分なりに解釈して、一見すると正当な雰囲気を持つような、解釈を導き出したとしても、やはりそれは知性的とは言いにくいでしょう。その理由は、現実の世界にインパクトをもたらす程度が十分に考慮されているとは言い難いからです。


76-4 定理や公理を見つけることができる人は知性的
 世の中の実態がどうなっているのかについて、見抜くことができる人は、知性的であると言えるでしょう。例えば天才数学者ラマヌジャンなどはその典型と言えます。知性とは、このように問題の捉えなおしの力であり、また、その際のバランスが優れていることと表現できるかもしれません。単に問題を捉えなおすだけなら、何を言っても、問題の捉えなおしと言えます。しかし、知性的な考え方ができる人は、単に問題を捉えなおすだけではなく、その際の精度、具体性、バランスが優れています。
 例えば、定理や公理の例はお話ししましたね。これは非常に具体的な例です。また、アインシュタインが、相対性理論を発表したように、具体的にまとめる力もやはり知性的と言えます。とは、言っても、定理も公理も、相対性理論も私たちには関係がないですよね。あなたは大学を受験するわけですから、そんなものの発見は関係ないと感じるかもしれません。ここではイメージだけつかんでもらえればそれで充分です。要は、世の中の実態がどうなっているのかを見抜くことができる人は知性的であるということです。


76-5 知性を発揮するスタートは自分の頭で考えること
 生徒の知性が一発で死んでしまう方法があります。小論文で言えば、構文で書くことを推奨すると、生徒の知性は死んでしまいます。何がどうなっているのか、自分の目で見て、自分の頭で考えなくなってしまうからです。また、必要以上に「正解がこれなんだ」「それは間違いだ」と言うのも、生徒の知性を殺すことにつながります。何が正解などどうでもいいと言ってしまえばそれまでですが、少なくとも、実社会ではなく、まだ学んでいる学生のうちは、いろいろな考え方や物の見方に触れて、知的な刺激を受ける中で、インスパイアされていくことが大切でしょう。
 ここでお話ししていることは、論文の書き方の適切さについてのダメ出しがよいとか悪いという話ではありません。私は慶應受験生の小論文を1万点以上添削してきましたが、考えが正しいとか、間違っているということは、原則として言いません。考え方のアプローチがまずい場合は指摘します。つまり、ここでお話ししているように、知性が死んでしまうような書き方、考え方をしている場合には、強く指摘します。自分の頭で考える力を失っている場合は、強く指摘しますが、そうではない場合は、何も言いません。
 教える側は、正しいとか、間違っているということを言うべきではないでしょう。数学や物理ならそれで構いません。しかし、現実の社会、現実の世界はどうなっているのか、教える側でも正しいかどうか分かりません。全知全能の宇宙の創造神というわけではありませんからね。
 私のお師匠さんの大前研一氏は、2年間の大学院生活の中で一度だけ、課題を全部やり直せ!と叱ったことがあります。それは、自分の頭で考えなかった時です。自己満足のためにそんなしかり方をしたわけではありません。唯一叱ったのは、自分の頭で生徒が考えることをやめたときです。その時に2年間で最も強く怒ったのです。なぜならば、自分の頭で考える力を無くした時、そこで学ぶ意味が全くなくなるからでしょう。一番大切なことを私はそこで学びました。一方で、何が正しいのかばかりにこだわった教授法もあります。このような指導法は、生徒が知性を発揮しにくくなってしまいます。



76-6 あなたがもっと伸びるために大切なこと
 あなたがもっと伸びるために大切なことは、知性を発揮するような学び方、考え方、心構えを学び、身に着けることです。私が運営する塾で、他の塾とは全く違うやり方なのはここです。言い換えると、だからこそ大きく伸びます。多くの人は構文を学ぶと安心してしまいます。(あっこれで過去問題に対応できる)なんて考えてしまいますね。ところが、それは何度もお話ししているように、対応できているのではなく、ワンパターンに反応しているだけです。ワンパターンに反応する人は、一般的に小論文試験では評価されません。

 

76-7 まとめ

 本日のまとめです。
・原則として、構文は使用しない。
・知性を発揮するための考え方、学び方、心構えを大切にする。
・部分最適な論理ではなく、全体として整合的な論理を大切にする。

 



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