慶應大学 小論文対策 第五十八章 過去問のポイントと評価の真相

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第五十八章 小論文の練習論


58-1 高校までは答えがあり、大学以降は答えがない
 高校までの勉強は、授業を通して教えられます。答えがあるものを教えるので授業ということになります。大学以降の学問は、講義です。講釈を教えるので講義ということになります。
 この意味では、正確には小論文は講義になるのですが、難しい雰囲気になってしまうので、私は「授業」ということが多いです。
 書籍のタイトルは、正確性を重視することもありますが、簡単に言えば、こういうことです。

 

 ◆高校までは答えがあることを教えてもらう。
 ◆大学以降は、答えがないことを教えてもらう。

 

 研究者は、まだその学問領域における未解決の問題に取り組んでいる人たちなので、本来は、(先生もわからないんだよね)ということが多いのですね。ただ、もちろん学生よりはるかに詳しいわけです。

 

 小論文はどうかと言いますと、原則としては、「答えはない」と考えるべきものです。ただ、説明問題や要約問題には理想的な答えがあると考えて差し支えないでしょう。ここが現代文と小論文の違いです。


58-2 小論文以外の科目と小論文の違い
小論文と、小論文以外の科目には次のような違いがあります。

 

〈取り組み方の違い〉
1)小論文以外の科目:答えの確認→解答の再現→解答できなかった部分の覚え込み
2)小論文:パフォーマンスのための重要事項のマスター→パフォーマンスを見せる→添削を受けて改善点を洗い出す

 

  1. 1)は覚えれば良いので、練習すれば上手になりますが、2)は覚えればいいわけではないので、練習ではうまくなりません。

 

 技術は、「覚え込む段階」と「実践する段階」があり、覚え込む段階が一般的には練習になります。バイオリンやピアノはこれにあたります。

 

 一方で、実践する段階では、自分のパフォーマンスが模範的なパフォーマンスとどのような違いがあるのか、その違いの性質を理解させてもらうというステップが必要です。

 

 一般的に天才と呼ばれる人は、親やコーチが横から見て指導された人、あるいは、自分で改善点を見出して改善できる人です。天才のマネはあまりやらないようにしましょう。

 

 実践の回数を増やせば、増やすほどうまくなるかと言えば、なりません。覚え込みが重要な技術の場合、アウトプットを通して、インプットできるので、その行為がそのまま練習になることはありますが、何も考えずに実践の回数だけ増やせば、不適切な内容が頭のなかに刷り込まれ、逆に成長しにくくなってしまうこともあります。私はこのような事例をたくさん見てきました。ネットの無料情報で小論文を学んだ学生の点数が異常に低いのです。

 

 だからこそ、小論文の添削は、学生のアルバイトではなく、見ることができる人に見てもらう(診てもらう)必要があるのです。なんでもいいので、指摘されまくればいいというわけではありません。その学生の方向性を決定づけることですから、どう指導するかについては、言うまでもなく、非常に慎重な姿勢が大切です。指導は、内容次第で、学習成果にプラスにもマイナスにもなります。また、仮にプラスの成果を与える指導内容にも副作用が含まれることがあります。また、マイナスの内容にも、逆の効果が働き、良い結果につながることがあります。 従って、これらのバランスを調整するということが指導において重要になります。正しい指導と間違った指導、上級指導と、下級指導という短絡的な理解では、うまく指導効果を働かせることは難しいでしょう。このような調整作業は、指導者が多くのケースで感覚的に行うことであり、マニュアル化すると、指導品質が一般的に低下します。生徒は生身の人間であり、工業製品のロボットではないためです。

 

 一般的に、小論文の添削回数は、月に3回で十分です。慶應SFCを受験する人で、月に5回で十分です。

 

 このような事情から、「練習しまくる人」よりも、「適切に練習する人」の方が、上達するという逆説的な現象が起こります。しかし、このような現象は言ってみれば当たり前のことであり、逆説的というほどのことではありません。単に適切に学んだ人が上達しているだけなのです。練習だけが成長のためには必要という練習至上主義的な考え方の弊害は、練習さえやっていれば上達するという間違った認識が頭に固定化してしまい、より一層良い指導とは何か、何が考えるということなのか、よりよく考え、より良く書くにはどうすればいいのかという、肝心要の中核的な技術から目がそれてしまうことにあります。

 

 練習も不要というわけではありませんが、それよりもはるかに、何が妥当なのかという問いの方が、小論文の成績上昇に大きく関係があります。
 何を教えてもらうのか、どう教えてもらうのかということが、結果に大きな影響を与えます。


58-3 何を練習しているのか?
 ここまでお話してきたように、小論文試験には答えが無いので、解答を覚えこむような練習方法はできません。(それができると考えている場合かなりまずい練習をしているということになります。)
 解答を覚え込むのではなく、教えてもらった内容をアウトプットする練習をすることが大切です。
 その内容と・・・いうことは、何を教えてもらっているかで、8割点数が決まってきます。

 

 そもそも、教えてもらっている内容を見せるのが小論文試験なのですから、最初に教わっているものが評価されないものであれば、練習すればするほど悪くなるということです。

 

 このような状況は、言ってみれば、ダンスのコンテストに似ています。
 もっと言えば、フィギュアスケートに似ているとも言えます。

 

 ダンスがうまくなるにはどうすればいいのでしょうか。
 ダンスのコンテストで出題された歌に合わせて、踊る練習をすれば、ダンスのコンテストで優勝できるでしょうか。過去に出題された内容なので、それで練習すれば、優勝間違いなし!となるでしょうか。なりません。
 ダンスが下手な人が、どんなに過去に出題された歌で練習しても、ダンスが下手ならダンスのコンテストで優勝はできません。

 小論文も同じです。
 小論文が下手な人が、いくら過去問題が出たものだからといって、過去問題で練習してもあまり意味はないのです。

 

 ところが、言葉で考えると大変恐ろしい状況になります。
 傾向が大体同じなので、過去問題で練習すれば、本番もバッチリ・・・・これは、言葉で物事を考える弊害です。
 ダンスコンテストの曲の傾向が同じであっても、だからなんなんなん?というほど関係がないのは分かりやすいですね。ダンスは目で見えるからです。しかし、人の思考力や執筆能力は、目で見えないので、「たくさん練習」とか、「傾向にあわせた練習」とか、「過去問題で練習」と言われると、大変意味があるように思えてしまうのです。
 小論文の過去問題をやるのは、悪いことではありません。まっとうな勉強です。しかし、そこで勝負が決まっていないということです。


58-4 技能はインプット段階の暗記とアウトプットが大切
 人は物事をインプットしたからといって、思ったようにアウトプットできるわけではありません。インプットとアウトプットは別です。ただし、インプットが無ければ、アウトプットはありません。
 最初に学んだ際に、しっかりと、ポイントを暗記し、その内容を忘れないようにしつつ、指導された内容を参考にしつつ、アウトプットするという流れが大切です。
 従って、そもそも3分間だけ学んで終わりのようなインプットを教わっている場合、本来学んでいることが相当ズレていると言えます。
 小論文の指導が実質3分で、あとはすべて過去問題解説というのでは、実質的に3分しか何も学んでいないということです。
 それでも、過去問題を練習しているのだから大丈夫というのは、言ってみれば、ダンスコンテストの過去の出題曲の解説を講師がしていれば、その内容を200時間聴講したので、ダンスコンテストは大丈夫だと思っているようなものです。そんなわけがありません。

 

 ところが、小論文の指導はこのようなものが非常に多いのです。
◆ 小論文の書き方は10分で終わり、後はひたすら過去問題解説
◆ 小論文の書き方は10分で終わり、後はひたすら背景知識の解説

 

 これでは、勉強気分になるだけで、まったく小論文の点数が上がらない授業ということになってしまいます。

 

 例えば、ダンスコンテストの曲について、次のように講師が解説しているとします。

 

「この年は、Tom Jones の If I Only Knewが出題曲でしたね。」「この曲のはじまりは、イエェーーから始まります。」「このイェーの部分は高い音なので・・・」

 

 こういう話を何時間やっても、ダンスはうまくなりません。



58-5 過去問題解説は簡潔に
 可能な範囲で過去問題は簡潔に解説することが大切だろう・・・ということで、私は慶應大学の小論文の過去問題解説を行っていますが、これらの授業は端的に行い、塾の授業でのみ、やや詳しい内容を話すようにしています。

 

 このような体制を取っているのは、技術論だけでは対応できないケースもあるためです。

 

58-6 リライトも一切せずに2年連続日本一輩出
 当塾は、リライトもさせません。繰り返し同じ問題を解いてみたり、たくさん説明文を書いても、いくらかは成長するでしょう。しかし、それももっともらしい練習の一つです。なぜならば、書く時に成長が起こっているわけではないからです。そして、答えを暗記しているわけではないからです。



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