
分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
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54-1 復習
無茶苦茶な解法で点数が激減する人をなんとかしなければならないという使命感で書いています。
時間内に書くことができない問題について簡単に復習しておきましょう。
時間内に・・・・と考えた場合、スピードが大切になるので、慣れでなんとかなるのではないかと考える人がいるかもしれません。
スピードが速ければ、間に合う、間に合わないのは、慣れていないから
そして、
慣れるには練習だ!と考える人がいてもおかしくありません。
しかし、
スピードが遅いのは慣れていないことが原因というわけでもありません。単に障害があるだけ・・・ということの方が圧倒的に多いのです。
障害とは、「できない原因」です。
◆分析できない原因
◆考えることができない原因
◆書くことができない原因
これらが、障害にあたります。
これらの内容が改善されると、ノンストップで書くことができるので、書くことに困らないのです。
従って慣れる必要はなし。
※私が慶應SFC特化クラスのページや、「慶應小論文合格Bible」に書いているイシューツリーをブレークダウンしたものが、52章に書いた内容です。
実際に私も慶應大学受験時には、過去問題を2回ほどしかやっていません。
正確には1回ほどです。
やってみて、
あっけっこう時間厳しいね。
という感じで、SFCだけ受けて、一発ダブル合格です。
なぜこんなことをお話しているのかと言いますと、大事なポイントを把握しなければ大損するからです。慣れなど必要ないことが多いということです。
慣れてどうするの?
(ほとんど影響ないよね)
という感覚があったので、最初から慣れることなど一切考えませんでした。そもそも毎年違う問題が出るのに、慣れようがないのです。 また、ワンパターン解法で解けば、設問の要求を無視することになるし、思考力は落ちるし、非論理的になるし、そもそもほとんど意味がないし・・・
ということで、最初から一切考える必要はありません。
そうではなく、
何を書こうかしら・・・・
なんてことしか私は興味がありません。
そして、
どう書こうかしら・・・・
ということに私は興味がありました。
つまり、私は、こうでした。
慣れ・・・無し
障害・・・ほぼ無し
ここで、もしかしてあなたは、(最初からできる人には、できない人の気持ちは分からない・・・)
などと考えてしまっていませんか?
そうではありません。
ここで、大事なことは、できない時に慣れようとするのではなく、「障害を克服する」ということが大事だということです。
少なくとも、当塾で、ダントツの成果(全国1位など)が出ているのは、このような障害を取り除いているからだと考えられます。
そして、
「書くことができない各種障害」をテキトーに、構文で書くことで乗り越えようとしないことが大切です。
うまくいくものも、うまくいかなくなってしまいますから。
もちろん、一番いいのは、
慣れ・・・あり
障害・・・完全に無し
こういう状態でしょう。
ただ、大事なことは、同じ比重で問題が存在していないということです。
慣れの比重が50%あるわけではありません。
現実には、障害が全体の8から9割を占めます。
この障害を克服するために、楽をしようとして、構文に走ると痛い目を見るのです。
この点については、いつもお伝えしている通りです。
あっそうか・・・じゃあ、障害となっている書くことができない原因について、全部問題を解決していけばいいのだぁ・・・
と、考えるべきではありません。それをやってもいいのですが、それだけでは非力です。だから私は、この点については、時間を書けずに問題を解決するための「30段階授業」(書くことができない原因を全部潰していきます。)を用意しますが、これはあくまでもオマケ的な位置づけなのです。
原因至上主義的な思考は、左脳偏重的思考と言えます。
非常にやっかいなのは、物事は、言葉で定義できる世界と同じ認識の中で成立してくれていないということです。そもそも言葉というのは便利な道具ですが、私達が住む世界について、無限の概念軸で切り取ったものを規定しているだけだからです。
従って、30個の原因があったとして、だからなんなんなん・・・となってしまいかねないということなのです。
私が運営する塾で、2年連続で全国1位が出ているのも同じ理由です。私は個別の原因について、対処することはあっても、それ以前から、成果が出ています。
なぜかと言いますと、「対処法が戦略的なインパクトを持つから」です。
54-2 原因があるということと、問題が解決するということは別次元の問題
理知的に考えれば、原因があるということと、問題が解決するということは、そもそも同じ次元の問題だと捉えられがちです。しかし、本当にそうか?と一度疑ってみましょう。
問題は原因があるから起こるのである・・・というのは、因果論なのですが、その問題と規定した内容が、どのような性質を持つものなのかということが、ここで問題視されなければなりません。
その問題というのは、定量的な指標で評価できる問題なのか、仮にそうであったとしても、一定のGOALが定められており、そのGOALに到達した時点で、問題が解決したと認識すべき問題なのか、例えそうであったとしても、そう認識することがそもそも妥当なのかという問題があるのです。
つまり、慶應大学合格という問題を解決したい人が、慶應大学に合格したという地点をもって、問題が解決したとみなすことが妥当かということです。
その問題は、当事者にとっての問題であって、原理的に実態を観察した場合に、言葉によって定義付けされた問題事態に大きな意味がなかったということはないでしょうか。もっと言えば、もっと上位の成績で合格できる方がよく、ギリギリ合格したとしても価値があるとは言え、本質的には、その程度が問題になっているということはないでしょうか。程度というのは、あなたの成績が伸びる程度のことです。
本当に問題なのは、合格できるかどうかということですが、それはあくまでも結果論であって、あなたが目標にすべき問題は、どの程度伸びるのかということなのではないですか。
もっと言えば、「合格した人がいた」などという事実は、ある意味でかなりどうでもいいということです。どれだけ伸びたのかということしか、気にする必要がありません。
54-3 原因に対処しなくても問題は解決する
問題を解決する方法は、原因に対処することだけではありません。原因は、対処してもいいというだけであって、本来目指すべき目的論から言えば、原因などどうでもいいのです。
モテたいと思っている若者がいたとして、(なんで私はこんなに不器量なのかしら)などと思っても意味がありません。(そうだわ!遺伝子に問題があるんだわ!)などと思うだけ時間の無駄です。ジャスティン・ビーバーと友達になった途端に急にモテはじめた・・・なんて人がいてもおかしくはありません。また、現実とは奇妙なことに、このようなものなのです。
原因を書く構文を使う人の答案を見ると、悲しいほどに原因に思考が縛られており、自由な発想がまったくできなくなってしまっています。原因を書けばよいと指導された人は、原因を考えれば点数も高い上に、一段レベルが高いことをやっていると思いこんでいるようですが、そんなことは全くありません。頭がいい子が、頭を悪くさせられてしまっているように私は感じてなりません。何も考えられなくなってしまっているからです。構文の中だけで考えるようになると、自由な発想ができなくなります。何が問題なのかを発見する力が大切です。原因が何かということは、100人も人が集まれば、簡単に見つけることができます。しかし、問題は何かということは、1000人集まっても、1万人集まっても、1億人集まっても、たったひとりの知性がある人物にかなわないのです。ここが、論文テストで、問題発見能力を見られる理由と言っても過言ではありません。世の中の研究者はこれをやっているのです。論文をたくさん読んでいくと、ゾッとするような知性を発揮し、問題を切り分け、解決していく研究者がいることに気づきます。
54-4 時間軸を含めた思考法
問題が起こる原因は何か?と問うのは間違いではありませんが、大きな弱点もあります。それは、未来を見る力が弱いということです。
以下の内容は、イノベーションに関しては世界的な権威の言葉です。
------ここから-----
意思決定をするためには、データに基づかなければなりませんが、そのデータは過去のものでしかありません。将来を見る時、そこにデータは存在しないのです。だからこそ、そこでは理論が必要となる。つまり、今起きているのはこういうことだからこうなるだろう、という視点です。
こうすれば成功するだろうというビジョンを描き、理論に基いて行動を起こす重要性を何度でも強調しておきたいですね。
クレイトン・クリステンセン
-----ここまで-----
私がFACTベースや論理を重視しつつも、思考方法と書き方を構文化せず、イノベーションやゼロベース思考を教え、基本を大事にしているのもここに理由があります。
特に慶應SFCを受験するような人は、原因至上主義的な考えはまずいのです。そして、その他の学部を受験する人も、思考力が制限される考え方を金科玉条とすべきではありません。
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