
分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
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慶應SFCの入試では、「問題解決」を志向する慶應SFCが問題解決力のある人材を選定するために小論文試験が用意され、問題解決力が入試において、評価されていると言われています。
なぜならば、問題発見・問題解決ができる人が、今後の社会で活躍すると考えられているためです。それでは、問題発見とはどのようなものであり、どのように考えていくべきものなのでしょうか。
ポイントをお話しますと、「(特定の問題について)何が問題か」という点については、解釈論になります。人によって、何が問題かについては、意見が分かれます。
今の日本社会を見て、何が問題かについて、知人に意見を聞いてみてください。皆意見が分かれます。
人によって、重視するものが違うからです。何が問題かという認識は、何が重要かという認識です。
問題解決というものは、原因を考えて対策案を考えるものだと教えてもらった人は、何が問題の原因なのかを考え、その原因の原因を考えようとします。このような考え方は、原因の原因を考えると問題が解決するという理論に立脚した考え方です。
しかし、そもそも、今の現代社会で起こっている問題と、未来の社会で起こっている問題は、発生原因が違います。
従って、原因の原因を考えても、未来の問題を解決することはできません。
また、同時にもう一つ大事なことがあります。多くのケースで私たちにとって大切なことは、今この瞬間の問題ではなく、長い期間における問題の方です。例えば、この授業を聞いている若い人の場合、今晩のおかずが、ハンバーグなのか、ラーメンなのかという問題よりも、20~40年の間で、自分がどのような仕事をして、どんな役割を社会の中で果たしていくのかという問題の方が大きな問題ではないでしょうか。
「いや、ボクにとってはハンバーグか、カレーライスかの方が重大な問題だ!」という人も中に入ると思いますが、レアだと思います。
従って、真の意味で、何が問題なのかを考察する際には、過去から未来にかけてどのような「流れ」があるのかを見抜いていくことが大切になります。
何が原因なのかを推測すると「鋭い」と思われるわけではありません。もちろん、そういうことも稀にあるかもしれませんが、基本的にそうはなりません。原因は誰でも推測できるためです。むしろ、状況の分析では、「他の人が見えなかったもの」をロジカルに見ていく力がある人が鋭いと思われます。
例えば、化石燃料の取引量推移を見て、そこから何が言えるかというような解釈や、アンケート調査から、何が起こっているのかを推察することが「他の人が見ることができなかったものが見えること」になります。もう少し言いますと、さらにメタ化できて、今後の世の中がどのように変わっていくのかを見ることができると、評価が高まります。ただし、このような次元になると解釈論なので、「お前はメタ化しているつもりなのか」と、必ず批判する人が出てきます。
問題が発生する原因を考察したい場合、もれなく、重複無く考察することが大切になります。しかし、原因の原因を考えていくやり方は、この「論理思考の原理原則」に反することにつながりがちです。
要は、もれがありまくりの考察になりやすいということです。
物事を考察する際に重要な前提は大きく3つあります。目的、価値観、事実です。
なぜ原因発見ではなく、「問題発見・問題解決」なのでしょうか。世の中に存在する問題は、放っておいても解決する問題があります。目の前の、気にしている問題は、勝手に消えて無くなり、新しいより大きな問題が発生することもあります。そのような状態になった時には、問題視していたことは問題ではなくなり、より大きな問題の方が問題ということになるでしょう。
今目の前にある問題を見た時、あなたは何を問題であるとみなすのかということは、問題解決学において重要な視点です。
言い換えれば、自分なりに現状の問題について、問題点を定義し直すことが重要になるということです。
それでは、今みなさんの関心が高い内容で考察してみましょう。あなたが慶應大学の小論文試験対策を行う上で、何が問題なのでしょうか。
例えば、「練習量が足りない」と考えた人の場合、練習したのに不合格になっているのであれば、練習が少なかったから落ちているわけではない可能性が高いと言えます。
例えば、「才能が問題」だと考えている人について、きちんとした対策を行っていないのに、点数が低いことをもって、才能が問題だとみなすのは早計だと言えます。
例えば、点数がメチャ取れる「スーパーマル秘テクニック書き方」のようなものが仮にあったとして、それを知らないから点数が取れないのだとするならば、そのスーパーなんちゃらの書き方を覚えた人が皆落ちているのはおかしいということになるでしょう。
どうでしょうか。
すぐに、何が問題なのかスッと出てくるでしょうか。
何が問題なのでしょう。どうであれば合格できるのでしょうか。
私はこのウェブブックで繰り返しお話してきました。要は3つです。
1) 基本
2) 知性
3) スキル
この3つが不足していることが、あなたが慶應大学の小論文試験で合格点を取ることができない問題点です。(中には、既に合格できる状態でこのウェブブックを読んでいる人もいると思います。)
言い換えれば、あなたが慶應大学に合格するには、基本と、知性と、スキルを高めればよいということになります。基本とは論理と感性のことです。
ちなみに、慶應大学の小論文試験で、あなたが点数を取ることができないとすれば、その原因を細かなものまで拾い上げていくと、数百、数千あるでしょう。そこに推測を加えまくっても問題は解決しません。
例)なぜ小論文が書けないのかな→そうだ!知識がないからだ→なんで知識がないんだろう→そうだ!時間がないからだ
〈導かれた結論〉
時間が無くても知識が増える対策を行っていくことが、根本的な原因に対する対策なのだ!
などと考えていると、対策を誤ります。このような思考プロセスは、原因分析などとかっこうよく説かれることがあったとしても、分析していないのですから、「原因推測」です。
ここでご紹介するのはロジックツリーです。
原因を掘るのではなく、(掘ってもいいですが)代表的な問題に分解しています。分析の第一段階は、分解だと考えてもいいでしょう。
ネタが無いから書けないに決っているという考えを上記の図にあてはめて見てみましょう。思いつかない原因の中の一因子であったり、読めない問題の一因子であったりすることがわかりますね。
また、文学部を志望するような人は、文章に対して美意識が感じられなければまずいと言えるでしょう。どのような文章が美しく、どのような文章が美しくないのか、もし自分が何かに対して審美性を感じたのであれば、それはなぜか、自分の感性を問い直すようなプロセスが必要になります。この意味で、知識が無いから書けないのだというのは、根本的な勘違いをしているとも言えるのですが、あまりまともにこのような点が注目されることはありません。
同様に、知識が大切なことは自明であったとしても、その知識の質があまり問題にされません。
もしかするとあなたはこのウェブブックを読み、違和感を抱いたかもしれません。(おかしいな・・・知識があれば絶対有利だと思うんだけどな。)と、考えた人もいるかもしれませんね。しかしながら、私は知識を一度も否定してはいません。考察プロセスがまずいと、分析ミスを犯すと言っています。上記の図を見て、私が言ったことを思い出してみましょう。私は、「基本・知性・スキル」だと言いました。知性は知見によって強化されます。言い換えれば、知性が育まれない知識はあっても、小論文試験ではほとんど役立たないと言えます。知識をネタとして入れ込むような勉強をしてはいけません。洞察力を磨きましょう。
◆知性を強化する勉強・・・洞察力が磨かれ、論理的に立論できるようになる
◆知識を強化する勉強・・・ネタをはめて非論理的な答案になる
この2つは同じようでまったく違います。知性を強化する勉強方法を私は本に書いていたはずです。塾でも知性を強化する方法を教えています。
何が問題なのかを正確に把握していない場合、対策が狂います。従って、「原因発見・問題解決」ではなく、「問題発見・問題解決」なのです。問題発見と問題解決は対の関係にあります。
何が問題なのか、それはなぜかを問いましょう。
何も問うことなく、テンプレート思考で、順番に手順通り考えると、何も考えられなくなってしまいます。
自分の目で見て、自分の頭で考えることが大切です。
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