慶應大学 小論文対策 第四十ニ章 慶應SFC小論文にオススメの書き方(ピッチ論法)

慶應大学絶対合格情報
ここでしか手に入らない慶應合格・不合格情報、暗記法、思考法小論文対策を無料提供!
~メールマガジンや著書について~
慶應大学に絶対レベルで合格するには、どうすればいいのかについての理論的な解説をしている書籍をこのウェブサイトではご紹介しています。また、メールマガジンでは、慶應大学に特化した情報をお届けします。小論文の点数を上げる秘訣や、記憶量を増やすコツなどの情報です。メールマガジンではサービス・役務のご案内もあります。その為に無料提供となっています。プライバシーポリシーはこちら・メルマガ解除はこちら

第四十ニ章 慶應SFC小論文にオススメの書き方(ピッチ論法)



42-1 原因→解決策ではなく、問題点→解決策

 何らかの問題を解決する際に大事になるのは、第一に状況分析です。状況分析は問題点の把握のために行われるのが一般的です。つまりこういうことです。

 問題点の把握は、問題解決の一手段であり・・・

 状況分析は、問題点把握のための一手段であり・・・

 原因の推測は、状況分析のための一手段である。


 このような全体像を把握していない人は、とにかく原因を書けば評価されると考えてしまいます。そうではありません。問題解決の全体像を把握することが大切です。


42-2 大きな枠組で捉える

 原因を書き、対策案を述べるやり方で多くの人が失敗する理由は、前の章で述べました。言葉で物事を考えることにより、原因は数多く存在するのに、一部の原因が大きな影響を与えていると勘違いしてしまう失敗があります。また、そもそもこの思考プロセスそのものが、根拠がないことについて、自分が確信してしまうわけですから、勘違いに陥りやすい思考プロセスであり、解法だと言えます。加えて、原因推測は状況分析の一手段にすぎないので、いくら原因を考えても、他の前提が見過ごされると判断を誤ります。

 このような失敗をしないためには、大きな枠組みで問題を捉え直すことが大切になります。言い換えると、「部分最適で物事を考えるとほとんどのケースで失敗する」「全体最適で物事を考えると、多くのケースで妥当な思考へ至りやすい」とも言えます。

 問題を解決するには、大きく2種類のアプローチがあるのでしたね。ここで復習してみましょう。


1) 大きなアップサイドが見込める領域への対策

2) 本質的な問題点の裏返しの対策


 この2種類があります。

 原理的には、「問題解決の方法」は、この2種類になると考えてもいいでしょう。それでは、(2)「本質的な問題点の裏返しの対策」というのは、原因に対策することなのでしょうか。そうではありません。

「本質的な問題点」と私は書いていますね。これは、特定の原因に対処すれば何でも問題が解決するということではありません。それらの複数の原因や、状況を分析すると、何が問題だとみなすことができるのか・・・という部分が本質的な問題点です。

 このように、大きな枠組みで問題を捉え直すことが、問題を解決する上で大事になります。


42-3 「伝える力」の重要性

 一般的に、世の中に存在する多くの問題が解決しない理由は、伝わらないからだと言われています。例えば、みなさんが書く小論文の答案については、全体の8割程度の答案は、何を言いたいのかが分かりません。

 そんなはずない!と思った方がいるでしょうか。しかし、現実には、8割程度の答案は、何が言いたいのか分からない状態で、点数が下がってしまっています。

 ハーバードなどのトップスクールが、学生を選抜する際に、アピール能力の有無で選抜すると言われているのはこのような事情と無縁ではないでしょう。世の中では圧倒的に物事を伝える能力が秀でている人が活躍します。

 別の言い方で表現すると、次のようなことが言えます。どんなに頭がいい人でも、「伝える力」が無い人は、私達が暮らす社会では、活躍できないことが少なくありません。

 まだあまり多くの経験が無い人の場合、とにかく(日本語を書いてるんだから、伝わらないわけないだろう)と思いがちです。しかし、現実には、日本語が分からないということではなく、話す順番や話す内容、まとめ方などによって、伝わる力が全く変わってきます。多くの学生が勘違いしがちなのは、表現の評価です。小論文は格式が高い雰囲気の文章を演じていけば点数が高くなるのだから、ムンムンに無理してでも難しい雰囲気を醸し出していき、教員の目をあざむけば、点数が高くなる・・・と考えてしまう人が少なくありません。しかし、このような無理をした文章は、文法的にも不適当な文章が多く、論点もぼやけたものになりがちであるため、何が言いたいのか分からない・・・ということになりがちです。文章の規範を軽視して、難しい雰囲気だけを醸し出そうとしている態度そのものが低評価につながってしまうことも珍しくありません。

 小論文指導の世界では一般的にあまり重視されませんが、このように多くの学生が「伝える力が無い」という点で評価を大きく落としています。



42-4 話が伝わるピッチ論法

 このような問題を解決するための論法があります。いわゆるピッチ資料などと呼ばれる投資家向けの資料の制作手順に沿った話の展開にする方法です。慶應SFCを受験する人に本当の意味でオススメできるのは、このピッチ論法と言えます。(ピッチ論法という言葉は私が作ったものです。)


 一般的に投資判断が行われる場では、一つの案件に多くの時間をかけることができません。そこで、何よりも大事になるのは、「分かりやすさ」です。わかりやすさを重視した場合、その資料について具体性や、使いやすさ、細かさが犠牲になっていることも少なくありません。しかし、仮にそうであっても、何よりも「分かりやすさ」が企画については重視されることが多いので、一般的にピッチ資料では、以下のような流れが大切であるとされています。


1) 問題点(自分たちは何を問題であると見なしているのか)

2) 解決策(自分たちが考えた解決策は何か)


 非常にシンプルにするとこの2段階です。本当は、7~10段階ほどあるのですが、投資を促すための資料なので、受験生には必要ありません。中核的に重要な部分を抜き出すとこうなります。


 少しパソコンを扱うことができるようになった子は、パワーポイントなどを使うことができると、(レベルが高い)と思いがちです。しかし、ビジネスの現場では、きれいに作成された60枚のパワーポイントは、(うっとおしい)と思われます。

 その理由は一つです。分かりにくいからです。60枚のパワポで詳しく説明するヒマがあったら、これをまとめて7枚で持って来い!と投資家は思っているということです。きれいな資料は自己満足に近いものがあります。自己満足に近いきれいさを相手は求めていないということです。「この資料はきれいに作られていますね。あなたは優秀ですね。しかし、頭がいいからといって、ビジネスでは通用しませんよ。」と言われます。


 同様に、エグゼクティブ・サマリーなどと呼ばれる資料は、要点をまとめた資料になります。研究者の教授に見せる資料、自分の会社の重役に見せる資料、取引先の重役に見せる資料などは、何がポイントなのか、ひと目で分かるようにまとめられていることに大きな価値があります。なぜでしょうか。(こんなに忙しいのに、全部目を通せと言うのか!)と思われるからです。詳しいことが価値なのではなく、まとめられていることが価値なのです。


 同様に、ソフトバンクの孫正義氏は、天才経営者と言われますが、右腕の社員には、「A4用紙一枚に案件をまとめろ」と常に指示していたそうです。また、アップルのCEOであったスティーブ・ジョブズ氏は、分厚い契約書をゴミ箱に捨て、「1枚の用紙にしろ」というようなことを述べたことがあるそうです。どんな重役も、忙しいので、まとめられており、分かりやすいものに価値を感じます。


 ピッチ論法は以下のようなものです。


【ピッチ論法】

1) 私達はこれを問題だと見なしています。

2) 私たちはこの問題を解決するために、このような解決策を提案します。


 これだけです。気絶するくらいにシンプルです。シンプルだから伝わります。伝わらないものは、何も言っていないのと同じです。

 具体例が述べられているのが正解ではありません。社会背景がダラダラ述べられているのが正解ではありません。詳しいのが正解ではありません。どんな点で優れていても、現実の価値は、次の通りです。


現実の評価】

あなたが提示できた価値×伝わった率=評価


 この公式から考えれば、伝わったパーセンテージが5%なら、どんなに優れた企画も価値が無くなるということになります。



42-5 ド下手なプレゼンから、年商100億の社長に気に入られるようになった方法

 かくいう私も、昔はプレゼンがかなり下手でした。下手などというレベルではなく、冷や汗モノで、ひどいレベルだったのです。経験が無かったからです。試行錯誤してたどりついた方法は、分厚い資料を用意しない、しゃべらないという方法です。


 ここにご紹介したピッチ論法とは、違いますが、原理原則は同じです。シンプルにするという方法論になります。


 物事をシンプルにすると重役は理解します。私はいくつかのIT関連、SNS関連の特許を持っており、国際出願しています。そこで、提携先を探していたのですが、このプレゼン方法(そもそも私はプレゼンだと考えておらず、無理に話をまとめようとは少しも考えていないのですが)に変えてから圧倒的に話が伝わるようになりました。その結果、多くのケースで、相手が代表者である場合、ありがたいことに好意的に受け取られるようになりました。



42-6 特に企画型の問題に使える事が多い

 今回ご紹介したピッチ論法は、企画型の問題で使うことができるケースが多いと言えます。何が問題点なのかを明確化すれば、その後に述べる解決策が際立ちます。メリハリがきくようになるということです。

 原因→解決策という流れで話を組んだ場合、(それが原因の一つということは当たり前であり、たくさん原因があるのに、今の話とその原因となんの関係があるの?)と思われます。たくさん原因がある中では、真に結果に影響を与えているもの以外は、何の関係もありません。また多くの原因が存在するので、「これが原因の一つです。」と述べると、(だから何なの?)と思われます。加えて、その原因に対する対策案を述べると、(関係ないでしょ)と思われがちです。なぜならば確証が無いことを根拠に話を展開しているからです。


 一方で何が問題であり、なぜ問題なのかを述べた場合、一般原則と根拠が自説の土台になっています。さらに、メリハリが効きます。「たくさん存在する原因の一つ」と解決策には関係がなくても、問題点と解決策には、「対の関係」が成立するためです。この場合、聞き手は大変内容を理解しやすくなり、内容のレベルに関係なく評価が一般的に上がります。特に慶應SFCで企画型の問題が出題された時には、この構成を考えてもいいでしょう。(これでなければならないなどということはありません。手段の一つです。)

 

牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説


「小論文技術習得講義」

分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
詳しくはこちら

「慶應小論文合格バイブル」

「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース
詳しくはこちら

「牛山慶應小論文7ステップ対策」

どんなに過去問題を解説してもらっても、感覚的にいつまで経っても解けない・・・そんなお悩みを解決(慶應SFC受験生必読 データサイエンス系問題の練習・解説あり。)
詳しくはこちら

「小論文の教科書」

「東大、京大、東大大学院、医師(東大卒)、会計士、博士(東大)、難関国立大出身者、旧帝国大学卒の医師、会計士」が集まるMBAコースでTOPの成績優秀者になった秘訣を伝授!
詳しくはこちら

資料請求・お問い合わせ


 



 

いますぐ対策を検討したい方

 

小論文対策講座(単科)⇒7日間プログラム

慶應大学への進学を全面サポート(通信制塾)⇒慶應クラス

 

※慶應クラスは、一般入試はもちろん、AO・FIT・推薦入試の対策も含みます。

 

 

メルマガ以外にも、情報提供しています。

 

ツイッター↓↓

 

LINE(スマホで閲覧されている方)↓↓ 

友だち追加数

LINE(PCで閲覧されている方)↓↓

メルマガの内容と重複することもあります。予めご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

PAGE TOP
© 2007 - DIJI SYSTEM