慶應大学 小論文対策 第四十一章 具体的な失敗事例(センス不要の書き方)

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第四十一章 具体的な失敗事例(センス不要の書き方)



41-1 才能不要の書き方についてどんな失敗があるか

 先日塾の生徒さんの答案を添削していると、「原因を書いて、対策案を書く」という流れの答案がありました。チョイチョイ見かけます。別に原因を書いて対策案を書くのは悪いわけではありません。問題は、そのような便法を解法のように考えてしまい、この書き方、考え方で書けばスラスラ書ける上に、点数がうなぎのぼりになるという考え方が問題です。このような「考え方・書き方」を、「慶應に受かる小論文の書き方」「特に慶應SFCに受かる」などと信じてしまい、書いていると、大変な答案になることがほとんどです。

 先日見かけたのは、ゴミ問題について、自分の考えを述べるという問題の答案です。大変優秀な子だったのですが、どこかで無料情報を見て、勉強してしまったのでしょう。「自分が推測した原因」を書いて、対策案を書くという内容の答案になっていました。

 その答案の内容は、端的に言えばこうです。「ゴミ問題の根本的な原因はゴミが出ることなので、家庭や企業から出るゴミの量を規制し、違反した者には罰金を課せばよい。」このような意見の何が問題かと言いますと、この対策を実行すると、一般家庭は生活できなくなり、企業は事業を運営できなくなるということです。家庭と企業ではゴミが溢れ、物の置き場がなくなり、社会は大混乱するでしょう。

 「ごみ問題は、根本的にゴミが出ることが原因だ」という考え方は、解釈論ですが、間違っていると断言はできないでしょう。解釈の問題なので、正解とも言い難いですが、間違っていないとみなすことはできるでしょう。そんなわけで、と・・・いうことはすなわち正解に違いないと考え、ここまで100%OKと「このような考え方を教わった人」は考えてしまいます。しかし、ここまでに述べた理由で、この時点で大きく評価が下がってしまっています。その後、「従って、罰金を課し、ゴミの量を制限すれば確実にゴミ問題は解決する。」と続けると、さらに評価が下がります。



41-2 なぜ大きく評価が下がったのか

 物事の考察は、言葉で考えれば万事うまくいくというわけにはいきません。原因を考えて、対策案を考えるというのも、一種言葉による失敗と考えていいでしょう。方法化するからまずいのです。言い換えると、基本ができていないということになります。

 ここでご紹介した子は、大変優秀な子です。それにもかかわらず、なぜこのような失敗をしてしまったのでしょうか。私は原因を考えて対策案を述べれば点が上がるとは教えていません。しかし、多くの生徒は熱心にネットで勉強するので、ここで不適当な情報を学んでしまうことがあります。

 無料情報で不適当な考えを学んでしまったために、不適当な考え方が頭にしみついてしまう子が少なくありません。失敗の原因は物事の考察を方法レベルで学んでしまったためとも言えます。また、商業教育の論理を素直に受け止めてしまったということも、問題の一つでしょう。素直であればよいというのは、適切な指導を受けている場合であり、不適切な指導を素直に受けていると、グングン点数が下がってしまいます。

 原因について考察することは、ダメというわけではありません。このような思考プロセスを問題解決の方法だと信じることがまずいということです。本来は、考察ステップにおいて、質の高い情報を集め、状況分析をするという考えが基本としてなければなりません。原因について考察することはダメなわけではありません。しかし、そのような考察は、あくまでも状況分析の一手段にすぎないという考え方が大切です。その上で、勘や憶測で物事を考えるのではなく、事実に基づき、その推測を確認していくというステップが大切になります。原因について考察しているのに、考察ミスをしてしまう理由は、重要な前提が見過ごされていたからです。ゴミを出さなければ問題が解決するとしても、ゴミを出さなければ社会生活を送ることができません。言葉の上では間違っていないことが、現実の社会に通用しないのは、「言葉遊び」になってしまっているからです。言葉と理屈を頭の中でこねくり回しても現実には通用しません。だからこそ、「感性・センス」を活かした思考が必要になります。頭の中でイメージすれば回避できる問題と言えます。

 このように、「センス不要の方法論」を使用すると、本当に点数のアベレージが大きく下がります。これで受かるということは、ラッキーか才能に恵まれていたか、知識などで受かったかのどれかであり、方法が優れていたからではありません。不利な戦いになっているということです。しかし、安売りの塾などでは、月謝の安さに魅力を感じて多くの塾生が集まるということはあるでしょう。大量に不合格になっても一部は必ず受かります。



41-3 無料情報が怪我の元

 今の時代、ネットの情報はどうなっているかと言えば、基本的に「情報薄め合戦によるリライト記事」によって成り立っています。どういうことか知っておくことには価値があります。「情報薄め合戦によるリライト記事」とは、複数の人間が、ネットの情報を見て、記事を書いていくことにより、内容がどうでもよくなっていく現象のことです。

 先般、DeNAが、この問題で大きな批判をあびたことをあなたはご存知でしょうか。DeNAが運営するキュレーションメディアが大きく注目されました。その理由は、ネットユーザーが無料情報に群がる仕組みを逆に利用していい加減な内容の記事を量産して荒稼ぎしていたためです。

 キュレーションメディアとは、ネット上に存在する様々な情報を取捨選択し、ネットユーザーに見せるサービスのことです。グノシー、ヤフーニュースなどが有名です。DeNAは、自社で用意した記事を読者に見せ、多くの検索ユーザーを確保し、広告や商品を販売していました。

 ビジネスをすることは問題ではありません。何らかの価値を提供しているわけです。しかし、問題は理念の方にありました。利益優先でユーザーのことはどうでもいいと取られかねない運営体制になっていたということです。

 例えば、自殺願望がある人に対するメディア上で発信する情報にもかかわらず、とりあえずアクセスさえ実現すれば利益が出るということで、格安のライターに適当な記事を書かせていることなどが問題にされました。お仕事発注サイトで、格安で仕事を受ける人物に記事を書かせ、自殺願望がある人向けに素人が書いた文章を見せていたということです。検索エンジンは、素人がネット検索して適当に考えた記事でも、検索にひっかかるようにしてしまうので、これらのページはネットユーザーに見られるようになりました。当然DeNAとしては、収益化できるようになります。

 このような話は、教育業界でも他人事ではありません。過去問題解答例もお仕事発注サイトで発注され、よくわからない人が格安で解答例を作り、その解答例が、模範解答として、ネットで配布され、本にされるような時代になりました。書店で売られる本も同様に、ゴーストライターが書いた記事によって成り立っているということがあります。

 この意味で、ネットでなければ安心という状態ではなくなっています。言い方を変えれば、有料の情報ならOKというわけではなくなっているということです。

 アクセスを稼いで現金化するというビジネスのモデルが行き着く先はどのような世界なのでしょうか。DeNAの事件によって浮き彫りになったのは、このような一つの終着点でした。問題はDeNAに限らず、多くの企業が同じような手法で現金化を行っていることです。簡単に説明しましょう。

 今の時代の情報は、どうなっているかと言いますと、どんどん薄まっています。

 Aさんという人が書いた記事をBさんが見て、大体真似して書きます。そしてそのBさんが見た記事をCさんが見て、記事を書き、DさんがCさんの記事を見て記事を書き、そして、Eさんが同様の記事を書きます。従って、一番物事を理解していたAさんから、B→C→D→E・・・というように、だんだんとオリジナルの情報から離れていけばいくほど、よく物事を理解していない人が、なんとなく聞きかじった知識で、全く同じ内容の記事を文句を言われない程度に書き換えていくという、オリジナルを薄め続ける行為が延々と無限に連鎖しているということがよくあります。

 あなたがネット検索して無料情報をゲットし、「これで情報の裏が取れた」「これで、質の高い情報にありつけた」と思っていると、その情報は、単なるカルピスの薄め続けた液のように、内容が無いものになっている可能性があります。特に上記のような理念のない情報が出回る際には、「売れればなんでもよい」という一貫した哲学があるケースが多いので、中身がかなり適当になっていることが少なくありません。

 学術の世界ではこれとは逆の行為が行われます。つまり、多くの人が書いた論文を参考にしても、自分が一次情報と言われる情報を現実社会から集め、実験などを行い、データに意味付けを行い、未解決の問題の発表として論文を社会で共有します。つまり、完全オリジナルはこの世にありませんが、情報を整理し、新しく問題を解決するという知の集積的な活動が行われているということです。

 ネット情報の怖いところは、誰でも情報発信ができるということです。また、基本的に商業の論理で回っているメディアなので、広告によって、おかしな情報がたくさん出回るようになります。

 情報化社会では、逆説的に、情報検索する人が大損をするという恐ろしい状態になりつつあります。



41-4 センスを働かせることで回避する

 センスは特別なものではありません。誰でも持っているものです。問題はそれを使うかどうかです。デートの時に相手が何を望んでいるのかを感じ取るものセンスです。お葬式の時に泣いている人がいたら気遣いをするのもセンスです。センスとは才能だけのことではありません。感性とセンスでセットで考えるべきものです。センスが良いから考えることができるわけではありません。センスが良いと思われている人は、一生懸命センスを働かせています。どうやればもっとセンスを働かせることができるのかを真剣に考えているのです。あの人は頭がいいからセンスがあるのであって、センスがない奴はダメなんだ・・・と思ってはいけません。私のお師匠さんである大前研一氏は、確かにIQが200を越えるそうなので、天才と言ってもいいと思います。しかし、彼もセンスを働かせる思考を大切にしていたようです。物事を考察する際に、下書き用紙に左下から書き始めるなど、意識的に右脳を活性化させる思考をしています。

 あなたは以下の反応の内、どちらで反応していましたか。



【2通りの反応】

・センスが物事に影響している→だからセンスが無いとダメ。
・センスが物事に影響している→だからこそセンスを働かせなければダメ。



 問題は、あなたにセンスがある場合も、無い場合も、下の考え方でなければ損をするということです。センス不要の方法論とは、ここでご紹介したように、間違った結論に至りやすい方法論です。問題は方法化してしまっているところにあります。方法は有効ですが、万能ではありません。方法である時点で弱いのです。方法であるということは、感性が死にがちということです。方法に頼った頭の働かせ方をすると、言葉だけに頼った頭の働かせ方をするようになります。多くのケースで方法化が感性を殺します。私は、小論文の基本は、「論理」と「感性」ですよといつも言っています。方法が悪いわけではありません。その方法を受かる方法のように考えてしまい、思考が狂ってくることがまずいのです。論理も感性も両方きちんと活用する「アプローチ」を私たちは学ぶ必要があります。

 

 

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