慶應大学 小論文対策 第三十三章 論文の妥当性

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第三十四章 論文の妥当性



34-1 論文の妥当性が考察される観点
 一般的にどのような論文が妥当かについては、語られる事が多くありません。場合によっては、「小論文のルール」「小論文のやってはならないこと」などと、ハウツー化された書籍が店頭に並ぶことがありますが、その中に書かれているルールがそもそもはちゃめちゃということは少なくありません。
 論文はどのように評価されるのでしょうか。学術の世界では、一般的に特定の研究者が審査員となり、ダブルブラインド制など、誰が論文を審査しているのかが分からない状態、誰が投稿したのか分からない状態で審査が成されます。
 ところが、このような評価システムが十分にどのような論文評価のシーンにおいても機能しているかと言えば、そうではありません。現実の社会では、もっと不適当な評価が横行していることも少なくありません。あまり突っ込んだ内容は、ここには書くべきではないと判断しますので、発言は差し控えますが、大学やその他の場所でどのような人物評価が行われているかについては、想像に難くないでしょう。
論文の妥当性については、明確な評価基準が数値によって定義できるわけではないので、全体の論理性がゆるやかに評価され、新規性や進歩性などとあわせて総合的に評価されるのが一般的です。
 従って、(1)不文律(2)論理性(3)新規性・進歩性(着眼点)などが実質的には明確な評価軸と配点を用意しても、ふんわり評価されるのが実情です。この評価が不満である場合、大学における点数などについては、異議申し立ての後、第三者委員会、もしくはそれに準ずる機関が内容を審査するという手順を取ります。

 

34-2 非論理的なものは評価できない
 論文の評価が仮にふんわり行われているとしても、明確な評価軸が一つあります。非論理的なものは評価できないということです。
 ここで私がお話していることは、論理至上主義であればよいということではありません。支離滅裂な思考は論文としての価値がないということです。論理とは常に程度の問題ですので、精緻に論理を組むと言っても限界があります。また、どの対象を論理的に考察すべきかという問題も常にありますから、論理的でありさえすればよいというわけでもありません。
 しかし、非論理的なものは評価されません。問題は論理の程度です。(まあそのくらいいいだろう)と思うのか、(これは論理的に問題を抱えている)と思うのか、その程度は評価者によって違います。
 従って、ここまでにお話したことをまとめれば、非論理的な程度が大きいものは評価されないということになります。そして、「非論理的な程度が大きいからダメだ・・と頻繁に評価する教員」は一般的に厳し目の点数をつけるとも言えるでしょう。

 

 

34-3 小論文試験は相対評価
 小論文試験は、試験の性質上相対評価です。従って、東大や慶應などの受験生は厳しく論理を評価しなければ試験が機能しなくなることが予想されます。受験生が書く論文の内容がそれなりである場合、より一層論理の評価軸については、厳しく見ていく必要がでてきます。
 極端な話、ゆるゆるに評価していけばよいということになれば、論理の評価軸というものが仮にある場合、Aさん99点、Bさん97点、Cさん96点などということになってしまいます。分かりやすくするために極端に表現しましたが、こんなことをやってしまえば、試験を用意する意味が全く無いということになってしまいます。よくお笑いのバラエティー番組で、クイズの企画があり、最初の4問は、点数が10点なのに対して、最後の5問目だけ、異常に点数が高く、「この5問目の問題に正解した方には、1万ポイント差し上げます。」などと司会者が述べ、全員こける・・・というアレと同じになってしまうということです。ゆるゆるに論理を評価するのは、言ってみれば、このクイズと同じです。そんなことをするなら、1~4問目まではいらないということになります。従って必然的に、難関校では、厳し目に論理を見ていくことになるでしょう。
 仮に支離滅裂な思考でいいなら作文試験でいいのです。大学が作文試験を用意するのも悪くはありません。しかし、知性が高い人は確実に取れなくなるでしょう。その場合、知性以外の別の能力に秀でた集団になるのは否めません。


 

34-4 妥当性とは一般的に論理性の程度
 特定の考えが妥当かどうかは、一般的に論理性の程度で決まります。小論文指導の場で一般的に大きく無視されてしまっている点は、この「程度」の問題です。どの程度の論理性であれば、評価が低くなるのかという点についての認識は人によって違います。仮に人によって、「評価の厳しさ」が違ったとしても、だからこそ論理の程度を高めていくことが必要ということになります。ゆるゆるにすべてを評価してもらうことができると期待してかかっても良いことは何一つありません。

 

34-5 論理を卑近な例で解説
 論理についてまったくイメージできない学生に対して、私がよく解説するのは、卑近な例です。
 あなたのクラスに田中さんという男の子がいて、この田中さんがもてるのか、もてないのかということについて、議論をする場合(よく女子は3人~5人くらい集まり、あの男の子はいいとか、悪いとか、話していますね。良いことかどうかは別として。)、どんな意見なら論理的でしょうか。
 「私は、田中さんはもてると思います。なぜなら、髪の毛がさらさらで、そして、髪型がかっこよくて、そして髪がとてもいいにおいがするからです。」という意見があったとして、この意見は論理的でしょうか。
 あまり論理的とは言えませんね。




 このように、何が論理的で何が論理的ではないのかについては、常識的に考えることもできますが、論理的に考察対象を分解できているかどうかでも、妥当性を考察することができます。
 例えば、「田中さんはもてると思います。なぜなら、田中さんは、外見がクールで、性格がよく、大変家柄がよくお金持ちだからです。」このような話を聞くと、確かにモテるのかもしれないなぁ・・・と少し思えるでしょう。
 もちろん、データが無ければ説得力はないのですが、さきほどよりずいぶんましです。その理由は、外部要因・内部要因・背景要因というように、考察対象がもれなく考察されている度合いが高いと考えられるためです。

 

 例えば、こちらの私が運営する慶應SFC対策の塾の図はどうでしょうか。高い得点という概念を、その「高い得点」を取ることができない問題に分解しています。





 このように、問題に分解している図のことをイシューツリーなどと言います。この図も、対象をもれなく考察することを試みています。「もれなく・重複無く」が論理思考の一つのキーワードです。

 

 こちらの図は、配点ごとに分解し、何が高得点なのかを考察しています。





 このように、論理思考を行う際には、「自分が思ったこと」や「個人的な推測」ではなく、事実に基づいた対象の分析が重要になります。論理思考の程度が高いかどうかは、考察対象をもれなく考察しているかどうかで一般的に判断されます。
(まあこれくらいいいじゃないか)という考えを持たず、厳し目に論理を評価する癖をつけておきましょう。


 

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