
分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
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15-1 もともと違う
小論文の実力は人によってかなりの個人差があります。よく「特に勉強していないけど受かった」などと言われることがありますが、これは個人の力量がものを言っています。それでは、勉強してもどうしようもないのでしょうか。そんなことはありません。実際問題、小論文が書けなければどうにもならない慶應SFCに両方不合格になったのに、私が運営する塾に入塾し、1年間勉強をがんばり、慶應SFCに、ダブルで合格した子もいます。
15-2 応用レベルは、知性と知恵
小論文試験は、基本と応用というように考えられることがあるようですが、この考え方は少し妥当性を欠くと私は考えています。もともと応用的な力を発揮するには、基本事項+アルファなのではなく、別次元の力をつける必要があるからです。数学や物理とは違いますよ。
小論文試験では、答案の中にキラリと光るものがあるかどうかを見られています。そのキラリと光るものとは、知性や知恵です。
知性も知恵も、才能だけではありません。育むことができます。小論文は才能なんだとあきらめる必要はまったくないということです。ただし、一つ条件があります。その条件とは、この知性や知恵を軽視せず、育もうとしているかどうかです。言い換えれば、「適切な努力」をしているかどうかということに尽きます。
15-3 感覚を大切にしている度合いと知見の広さがカギ
知性というのは、実態を推し量る能力のことです。例えば、ケンブリッジ大学でノーベル賞を受賞した物理学者がいたとしましょう。なぜ彼はノーベル賞を受賞したのでしょうか。実態を推し量る能力に秀でていたからです。
実態を推し量る能力は、知見の広さや、感覚に依存しています。知見の広さと知識の量は同じようで、少し違います。知見の広さとは、物事を知っているかどうかであって、覚えているかどうかではありません。白紙再生できる記憶(思い出すことができる記憶)ではなく、見て思い出したり、何かのきっかけで思い出したりする記憶でいいのです。
また、単に知識を詰め込んでも、知見は拡大しません。自分の興味に応じて、自分が知りたいことを知っておく必要があります。自分が知りたいこととは、自分が何かについて実態を推し量りたいと考えており、その周辺事項ということです。自分が興味関心を持っているものは、問題意識を持っているものです。この問題意識が極めて重要です。問題意識がない人は、「何を覚えたらいいですか」「どこを覚えたらいいですか」と質問してしまいます。これでは実態を推し量る力は強化されません。
知識さえあればなんでも考えることができるというのは、間違いです。このような考え方は、知識信仰に似た考えですが、実際には、知的好奇心がある人の方が実態を推し量る力が強いことが分かっています。知的探求心や好奇心が無い人は頭に知識を詰め込むばかりで、推論能力が低いということです。
もう一つ知性を発揮するために大切なものがあります。それは感覚です。
15-4 感覚とは、「どうすれば」と問わないこと
推論能力が低い人は、物事を感覚的に捉えていません。感性やセンスを働かせずに物事を考えてしまっているということです。そのため、思考に広がりがなく、物事を認識することができなくなります。断片的に物事を考えるので、フレームワークに物事当てはめて考えてそれで終わり・・・ということになりがちです。
小論文については、どうすればいいでしょうかという質問がよくありますが、中にはあまり理想的ではない質問もあります。例えばエンドレスに続くこのようなやり取りです。
「〇〇するにはどうすればいいですか」→「それでは、〇〇してください。」→「〇〇してみましたが、できません。どうすればいいですか。」→「そうですか、それでは、今度は〇〇が問題かもしれませんので、〇〇してみましょう。」→「〇〇してみましたが、できません。どうしたらいいですか。」→以下エンドレスに続く。
どうすればいいかを聞けば、なんでも物事は解決するはずなのに、どうして方法を聞いても問題は解決しないのでしょうか。私がよくお話しする内容ですね。物事は方法だけで成り立っていないからであり、意思の力が欠落しているからであり、物事を感覚的に捉えて対処する力を失っているからです。言い換えれば、感性が死んでいるからです。
【ハウツーレベルであなたの問題が解決しない理由】
例)特定の参考書ルートをたどり、慶應に受かるはずの参考書ルートをこなしたのに、慶應に合格できなかった。→人によって物事の到達度は違うという前提を無視して方法に頼ってしまった。複雑な背景要因を理解することが大切なのに、情報や方法に依存することで、情報を得た段階で安心してしまい、思考力を失い、失敗した。
ここで大切なことは、ハウツーがいけないわけではないということです。何かを学ぶときになんでもハウツーレベルの低い次元で物事を捉えようとする態度や考え方が現実に対処できないという風に理解してください。小論文試験対策はまさしくこの事例に当てはまります。ハウツーレベルで小論文を学ぼうとする人は失敗しやすい人です。学びが浅くなり、学ぶ対象を軽視してしまい、対策もいい加減になりがちです。
15-5 知見の広さは速読がカギ
知見を広げるには、速読が有効です。本をたくさん読めば、どんどん知見が広がります。
ただ、速読と言うと、抵抗がある人もいるようです。(そんなにたくさん本を読むことができない)と感じてしまう人はいるようですね。
小論文については、速読に限らず、様々な先入観を取っていくことが大切だと私は思います。速読について、神経質になる必要はありません。できなくても構いませんが、短期間で学べるスキルなので、まず習ってみることが大切です。
最終的には、本を一ページ1秒程度で見ていくように読んでいくことができるようになれば、大変大きな威力を発揮するようになるでしょう。
15-6 だから〇〇するには2種類ある
自分には小論文の才能がない、だからダメなんだと考える方法もあります。しかし、自分には小論文の才能がない、だから強化するんだと考える方法もあります。
小論文の勉強はある程度二人三脚でやっていくことが大切です。がんばってもうまくいかない人は、たいていやっていることがズレてしまっています。
15-7 必ず評価される
知性は必ず評価されます。自分の意見の新規性や、理由の発想について、新規性があるかどうかを考えてみましょう。
着眼点や発想については、大学側が評価すると教えてくれています。もともろ論文試験とは、その受験生の知性を推し量るためのものです。数千年の歴史がある中国の役人登用試験も同様です。
どうやって知性を強化すればいいのかを今日はお話ししました。いじけずに、コツコツやっていきましょう。不安は努力することでしか解消できませんからね。
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