慶應大学 小論文対策 第十二章 小論文と知識強化

慶應大学絶対合格情報
ここでしか手に入らない慶應合格・不合格情報、暗記法、思考法小論文対策を無料提供!
~メールマガジンや著書について~
慶應大学に絶対レベルで合格するには、どうすればいいのかについての理論的な解説をしている書籍をこのウェブサイトではご紹介しています。また、メールマガジンでは、慶應大学に特化した情報をお届けします。小論文の点数を上げる秘訣や、記憶量を増やすコツなどの情報です。メールマガジンではサービス・役務のご案内もあります。その為に無料提供となっています。プライバシーポリシーはこちら・メルマガ解除はこちら

第十二章 小論文と知識強化

 

12-1知識だけでは小論文の点数は上がりにくい
 小論文を書く際に、「知識がないので書けません」というお悩みがよくあります。でも知識がないと書けないというのは、ちょっとおかしな言い分です。なぜならば、小論文試験では、知識を書くことを求められていないからです。小論文で求められているのは、皆さんが考えた考えや、その考えを支える論拠などです。

 

12-2 知識は(直接的な)得点源ではない
 知識は直接的な得点源ではありません。多くの受験生は、優れた意見を述べると点数が高くなると思っています。しかし、本当は、優れた意見というものは、小論文の世界ではありません。優れた意見ではなく、優れた視点や優れた論拠があるだけです。もっと誤解を恐れずに分かりやすく言えば、「あなたにはこの世界はどのように見えているのか」ということを小論文試験では試されています。だからこそ、着眼点は、大学側も明示しているように、大きな評価ポイントになります。キラリと光る知性も、結局は何が見えているかです。知恵があるのかないのかも、何を見ることができたのかということです。発明や発見をする人は、その人が見えたものを具現化しているだけだからですね。発明家は、ダイソンの掃除機のように、製品として具現化し、産業化します。学者は見えた世界を数式にして表します。知恵も知性も「見えること」が必ず先にくるこの仕組みをしっかりと理解しておいてください。学術の世界で最高峰の名誉であるノーベル賞なども、見えた人に与えられることが少なくありません。
 一方で知識とは、物事を見るための道具です。私たちは、この私たちが住む世界を言葉や数式で定義しているため、私たちが住む世界を理解するためには、言葉や数式を覚える必要があります。言葉でこのように世界を表していくことを「分節化」などと呼びます。新しい言葉を知り、物事を覚えれば覚えるほど、私たちは博識になっていきます。博識になれば、人より多くのことを知っているわけですから、他の人よりも、世界がよりよく見えてることは少なくないでしょう。
 ところが、小論文試験で問われるのは、知識によって見えた世界ではありません。知識によって見えている世界を説明させるのは、歴史の論述問題やマークシートの試験です。知識量を試すには、マークシートや歴史の科目が最適です。一方で、知っているかどうかではなく、「見る力そのもの」「考える力」を見るには、小論文試験が最適です。したがって小論文試験では、知識そのものが問われることはまずありません。そんな問題を作れば、教員の評価が下がってしまうでしょう。

 

12-3 知識の果たす(間接的な)役割
 知識があれば、その知識は考える材料になります。例えば、「本当の豊かさとは何か」ということが、小論文試験で問われたとしましょう。多くのケースでこの手の問題は、近代の批判です。現代社会が物質主義的であることを批判する文章はよく出題されます。このようなことを考察する場合に、本当に、物質的に豊かであれば、幸福になるのかどうかに関するデータを知っていれば、よりよく考察できるでしょう。例えば、ブータンという発展途上国では、国民のほとんどが宗教をしているのですが、物質的には豊かな暮らしではないにも関わらず、かつて幸福度アンケート調査で世界一になりました。この事例は、物質的に豊かであればあるほど人は幸福になるわけではないことを教えてくれます。ここでは、あくまでもこの知識が間接的に考察に役立っています。ブータンを書けば合格するわけではありません。このブータンという国は、その後グローバリゼーションの影響で物質的に豊かになっていきます。車や家を購入する人が増え、街は近代化していきます。すると、その後の調査で、当時95パーセントほどあった「幸福である」と答える人の数は激減し、50%程度まで下降してしまいました。このような事実を知っている人は、お金があり、物質的に豊かになることが、むしろ人を不幸にすることがある可能性について考察することができるでしょう。小論文試験では、このように、知識は間接的に役立ちます。

 

12-4 小論文が書けないのは知識不足だからではない
 小論文を書く手が止まると、(自分は知識が無いから書くことができないのだ)と考える人がいます。これは、知識を書こうとしているから生まれる考えです。知識が無いから書くことができないことはたいへん稀です。ほとんどありません。多くのケースは、考えることができないから書くことができないと考える方がいいでしょう。小論文試験は知っていることを書き、知っている量を競う試験ではありません。どれだけあなたが考えることができるのかを競う試験です。知っていることを書くのではなく、考えたことを書かなければなりません。筆が止まるということは、考えることができずにストップしてしまっているということです。考えることができない原因は、考えることを軽視しているか、まだきちんと学んでいないことにあります。

 

12-5 必要な知識は論理の前提
 小論文試験で役立つ知識は、多くのケースで論理の前提であることが少なくありません。何らかの結論を導く上での、重要な前提となる知識は、小論文で考察をする土台となります。しかし、多くの人は、何らかの意見をそのまま覚えようとしてしまいます。また、機械的に無関係な事実や、状況、何らかの見解を丸暗記しようとしてしまいます。このような知識は、自分が立論する際や、意見を述べる際にあまり役立ちません。
 ここで、(それではやはり知識がないと考えることもできないのだ)などと安易に考えないようにしましょう。知識がなければ考えることができない領域は存在します。しかし、そのような問題だけを作れば大学側は悪問を作ることになってしまいます。きちんと考える力が高い学生を取ることができなくなるからです。したがって小論文試験では、知識はそこそこ、一般的な社会的な知識があれば、十分に考えることができる問題が出題されます。

 

12-6 知識は判断のためにある
 知識は、判断のためにあります。皆さんが自分で判断を下さないのであれば、小論文試験を用意する意味がなくなってしまいます。小論文試験で問われそうなことに関する重要な判断基準や前提は、小論文試験対策として、覚えておくべき知識です。一方で、そうではないものは、小論文試験の対策としてはあまり役立たないことが少なくないでしょう。

 

12-7 知識の獲得法
 知識は本とネットで獲得しましょう。ネットで情報収集した場合、テキスト情報で保存された情報が多いため、記録が簡単にできます。個人で利用するだけであれば、(PCのコピー機能で)コピーして大事な部分だけを保存しておきましょう。あっという間にメモを作ることができます。
 小論文の勉強に時間がかかる人は、本や文字情報を読むのが遅いか、書きださなくてもいいことを、時間をかけて書き出しています。
 情報は最終的に活用することが目的です。したがってすべてを暗記する必要はありません。思い出すことができるようにならなくてはならない知識と、思い出せず、認識して復習すればそれで足りる知識を分けて考えましょう。

 

◆思い出すことができるようにするもの
◆繰り返しノートを見ればそれでいいもの

 

 情報をこのように分けずにメモをとっていくと時間が無駄になります。思い出せなければならないものはまとまっていなければ、勉強しにくいからです。

 

12-8 知識で合格するわけじゃない(気楽に)
 小論文の勉強で、知識の獲得にやっきになる人がいますが、それはやめましょう。知識で合格するわけではありません。以下の二つは、小論文試験対策の両輪です。

 

◆知識や知見などの勉強
◆小論文の勉強(小論文の授業、添削、振り返り)

 

 小論文の点数が上がらない時はどこかに問題があります。

 

12-9 速読力の強化と学習力の強化
 いくら本を読んでも、適切に学習する力が無ければ、あまり意味がありません。また、本を読むのが遅すぎるのも問題です。
 世間一般に言われる速読は、ある程度できるようになると、本一冊を30分程度で読むことができるようになります。速い人はもっと速く読むことができるようになります。スッと目線を動かせば、だいたい書いてある内容が分かるようになります。こういう力を強化して受験に備えれば、知識獲得の大きな力になります。

 

12-10 思い出すべき内容はカード、思い出さないものはデジタルノートとアナログノート
 思い出すことができなければならない知識は、カードで覚えこみます。暗記用のカードを、情報カードなどを用いて作りましょう。試験会場で思い出すことができなくてもいいもの(考える材料になればよいもの)は、2種類のノートにまとめます。インターネットの情報は、「構造ノート」「構造議論チャート」にまとめます。本から得た内容は、アナログのノートにまとめます。

 

◆ネットの情報・・・「構造ノート」「構造議論チャート」
◆本から得た情報・・アナログノート(小論文技術習得講義を参考にすること。)

 

 今はスマホで検索する人が多いのですが、さすがにコピー&ペーストなどの作業を繰り返して、素早くノートを作るには、PCの方が向いています。多少面倒でも、ガッツリPCに向き合って、作業をしましょう。一方で、作ったノートの確認は、スマホで十分です。

 

12-11 知識を書いて不合格になる人は多い
 知識を書けば評価されると思い込み、聞かれてもいないことを得意げにたくさん答案に書くと、評価が下がります。いわゆる余事記載です。この罠にはまる人は意外に多いので気を付けましょう。

 

12-12 勉強不足でなければよい
 小論文試験対策で知識を強化する際に、あまり神経質になる必要はありません。要は勉強不足でなければよいのです。もちろん、しっかりと勉強しているにこしたことはありません。一方で、細かすぎる知識をつければ合格できるというわけでもありません。大事なことは、自分の目で世の中を見ようとすることです。知識ばかりを頭に入れれば、頭でっかちになるだけです。自分が世の中を理解する必要があります。そのための知識です。したがって、勉強が目的化してはいけません。勉強は手段です。本を読むのが遅い人も、勉強を目的化してしまっている人です。本来本は、世の中を見るためのツールです。しかし、本が答えになってしまっている人がいます。大変残念なことです。本に答えが書いてあるのではありません。本を読み、他の人がどう世の中を見たのか、実態がどうなっているのかを、明らかにしていきます。世の中がより見えれば、それだけ、考える幅が広がります。世の中を見るように、知識を頭に入れ、覚えこみ、理解し、記録する必要があります。これは言い換えれば、情報を「構造化」するということです。情報を整理し、構造化せずに、実態を把握するのは極めて困難です。私がここで『勉強不足』と表現したのは、上記の意味で、小論文の問題を解く際に、必要なだけの理解力と、知識力を有していないことを指します。誰も知らない難しい言葉を使って満足する必要はありません。そんなことよりも、世の中の仕組みを勉強することです。
 『自分の目で見て、自分の頭で考えなさい』とは、私が大学院の入学式で学長に教えてもらったことです。「自分の目で見て、自分の頭で考えるための知識獲得」をしましょう。

 

 

 

 

 

メルマガ以外にも、情報提供しています。

 

ツイッター↓↓

 

LINE(スマホで閲覧されている方)↓↓ 

友だち追加数

LINE(PCで閲覧されている方)↓↓

メルマガの内容と重複することもあります。予めご了承ください。

 

 

 

牛山執筆の慶應小論文対策本と書籍の動画解説


「小論文技術習得講義」

分かるから『書ける』に変わるにはどうすればいいのかを詳しく書きました。
詳しくはこちら

「慶應小論文合格バイブル」

「早慶模試で全国1位」、「慶應大学4学部合格」、「慶應SFCダブル合格」、「全国模試10位以内多数」の「慶應小論文専用」対策書籍の最新版がリリース
詳しくはこちら

「牛山慶應小論文7ステップ対策」

どんなに過去問題を解説してもらっても、感覚的にいつまで経っても解けない・・・そんなお悩みを解決(慶應SFC受験生必読 データサイエンス系問題の練習・解説あり。)
詳しくはこちら

「小論文の教科書」

「東大、京大、東大大学院、医師(東大卒)、会計士、博士(東大)、難関国立大出身者、旧帝国大学卒の医師、会計士」が集まるMBAコースでTOPの成績優秀者になった秘訣を伝授!
詳しくはこちら

資料請求・お問い合わせ


 



 

 

いますぐ対策を検討したい方

 

小論文対策講座(単科)⇒7日間プログラム

慶應大学への進学を全面サポート(通信制塾)⇒慶應クラス

 

※慶應クラスは、一般入試はもちろん、AO・FIT・推薦入試の対策も含みます。

 

 

 

 

 

 

 

PAGE TOP
© 2007 - DIJI SYSTEM