慶應大学 小論文対策 第十章 小論文の思考法

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第十章 小論文の思考法

 


10-1最も多い不合格思考法とは
 不合格になってしまう人に最も多い思考法とは、「自己完結型」の思考法です。自己完結型とは、結局何を教えてもらっても、自分が考えたいようにしか考えない思考法のことです。そんな考え方をする人っているの?と思う人もいるかもしれませんね。結構多いです。これは、表面上の態度が素直かどうかではありません。表面的に素直にするのは、3秒で誰でもできます。でも、心の中で、無駄に反発せずに何でも教えてもらうことができる人は、意外と少ないんですね。
 小論文試験の最中にどのように物事を考えれば合格するかを考える前に、自分の思考の癖のようなものを知ることが大変重要です。なぜならば、自分にこの手の思考の癖があれば、まったく成長しないからです。
 もう一つ危険な思考方法は、「他罰的思考法」です。要は、自分に責任があるのではなく、何事も悪いことが起これば、他の人に責任があると考える思考法です。親が悪かった、環境が悪かった、先生が悪かった、採点した教員が悪かった・・・というように、何らかの望ましい結果が出ないときに、自分ではなく、他の人が悪いと考えます。これをやっても、自分が変わらないので、成長しません。また、このような考え方は、癖のようなものなので、持っていると自分で不合格を引き寄せてしまいます。

 

10-2 教えてもらうとは、「方法」を教えてもらうことではない
 失敗する人は、何かを学ぶということは、すなわち「方法」を学ぶということだと解釈しています。したがって、何かうまくいかない場合、うまくいく方法を学び、その手順を踏めば解決すると信じます。このように、要素還元主義的に考えるとなぜ失敗しやすいのでしょうか。何度もメルマガやウェブブックでお伝えしているように、世の中は方法だけで成り立っていないからです。状況が変われば自分もやり方も変えなければなりません。したがって、方法に頼るのは最後の手段だと考える必要があります。物事の考え方まで、手順化していくのは、NGではありませんが、いつもその通りにやればよい結果になるわけではありません。学んだ手順を自分が使いこなすから結果が出るのであって、その学んだ手順をそのまま再現すれば、いつも必ずハッピーな結末があるわけではないと考えることが大切です。

 

10-3 まず柔らかくする
 うまくいかない人の特徴は、堅いことです。思考が堅いんですね。これは体の堅さに似ています。物事を方法だけで捉えようとするのも、堅い考え方です。こんな風に言えば理解してもらいやすいと思いますが、「異性とお付き合いするのに、なかなかお相手ができません、どうしたらいいでしょうか。」という質問があってですね。何らかの方法だけで対処しようとするのは、チョット気持ちが悪いですよね。方法で異性に近づき、方法で口説き、方法で相手の関心を引くんですよ。チョット気持ち悪いのは、なんとなくイメージできると思います。この感覚的に物事をとらえていくさまが、直感的な思考法ですよ。そんなに難しいことではないんです。ところが、小論文で政治のお題などを出されると、途端に難しい気がしてしまいますよね。難しく考えるからです。カチンコチンになってしまっているんですね。これが堅い状態です。堅い状態で考えると、物事をうまく考えることができません。例えば、異性とお付き合いしたいなら、出会う場所を増やして、自然に話をして、気があえばデートをすればいいでしょう。デートを重ねていくうちに、お互いが必要だと感じれば、きっとお付き合いすることになるでしょう。これって、堅くは考えていませんよね。そして、方法至上主義的に近づいているわけでもないので、臨機応変に普通に接することができます。ところが、恋愛マニュアル本を読みまくった人なんてのは、カチンコチンです。最初の会話が不自然になるともうダメ・・・みたいな状態です。例えば、小論文を書いて、「これ以上何も書けません。」なんて相談はわりと多いのですが、ここのカチンコチンのお話と似ていますよ。最初に教わった方法がうまくいかないと、すぐにもうダメ・・・となってしまうわけです。
 柔らかく考えるコツについては、拙著「小論文技術習得講義」がお勧めです。簡単に書いた本です。この本を読んだある子は、慶應大学に現役合格し、世界一の理系大学と言われるマサチューセッツ工科大学の博士課程に進学しました。

 

10-4 自然な状態に柔らかさを加える
 ここまでのお話大丈夫でしょうか。まず物事を考えるときは、フラットな状態で中立に物事を見ることが大切です。「自己完結思考」をする人や「他罰的な思考」をする人は、これができていません。適切なマインドに、適切な思考がありますよ。この話は精神論ではありません。私は大学院で思考を研究していますからね。思考力が低い人というのは、まずマインドが適切ではありません。他の人を見下している場合や、自分が考えていることは絶対に正しいのだという認識が先にある人、こういう人は何を考えても、思考力が低下します。要は自分が正しいと思い込むバイアスが、自分の目を曇らせているわけです。方法論に頼る前に、自分の目の前にモヤがかかっていないかを確認することが先です。
 そして、その上で、物事を柔らかく考えます。皆さんは、堅いイメージが好きですか?堅い学部が好きでしょうか?堅いイメージにかっこいいイメージなんて持ってしまっていませんか?真面目ぶったことだけ言っていれば評価されるなんて思っていないでしょうか。そつがないことだけが、知的であるなんてイメージがないでしょうか。堅い人はかっこいいなんて思うと、もう完全にアイデンティティーレベルでカチンコチンになりますからね。

 

10-5 直感的に考える
 なぜ直感的に考えることが大切なのでしょうか。その理由の一つは、私たちは常に、情報不足の中で意思決定しなければならないからです。
 皆さんがどの学部を受け、どんな問題を解く場合でも、考えるということは、何らかの意思決定をしているということです。何かの解決策を提案する場合でなく、なんらかの妥当性について、論じる場合、あるいは、選択肢の中から、何かを選ぶ場合、このような場合も意思決定をしています。
 それでは、私たちが意思決定するプロセスとはどのようなものなのでしょうか。私が大学院で学んでいたのは、この「考える作業」です。考えることのプロに一流の考え方を丁寧に学んでいました。数時間で学べるような雑なやり方ではありませんよ。問題発見という科目だけで約半年ほどかけて学んでいきます。何かを意思決定する際に、理想的なことを言えば、情報はあればあるだけあった方がいいですね。しかし、私たちはコストの問題や物理的な問題、時間の都合などで、常に万全の状態で意思決定ができるわけではありません。もしも理想的な状態で意思決定するなら、どんな判断でも100年くらいかけて情報収集をしなければならなくなってしまいます。そんな馬鹿なことはありませんよね。したがって、私たちは常に情報不足の中で決断しなければなりません。一方で、情報収集も意思決定には必要です。そこで、どのような情報を集めればよいのかについて、検討を付ける必要が出てきます。つまり、無限に情報を集めることができない代わりに、重要な情報だけでも集める必要があるということです。この際に、何が重要かを判断するわけですが、直感的に考えるのは一つのやり方です。そもそも、小論文試験で皆さんが書く論拠とは、その論点を考察する上での重要判断基準でなければなりません。何が重要なのかについて、直感的に分かる人は、弁論技術も高いんですね。直感を働かせない人は、ここが弱いです。

 

10-6 手順化の怖さを知りつつ、手順化する
 物事を方法に落とし込むことには一定の意義や価値があります。皆さんもこの授業を聞きながら(さっさと方法教えろ)と思う人もいるかもしれませんね。しかし、小論文のような複雑な技能系のスキルとなると、方法化や手順化で失敗する人が大変多いです。ここまでにお話ししてきたように、「原因から書く」「具体例から書く」「確かに~しかし・・・と書く」というように、何らかの手順で解答を作ろうとしている人の答案は、35点くらいであることが珍しくありません。ボクシングやバスケと同じように、複雑な技能を手順化しても、現実には全く対応できないわけです。
 一方で、アプローチは手順化できることが少なくありません。アプローチとここで呼ぶものは、思考のアプローチのことです。思考のアプローチには原理原則があるからです。例えば、論理的に物事を考察する、分析的に思考し、その分析の精度が高くなるようにする・・・などの考察アプローチには厳然と原理原則が存在します。
 例えば、皆さんが、イオンモールやイトーヨーカドーの店長だったとしましょう。慶應大学の経済学部を出て、これらの大型ショッピングモールの経営をいつか任されたとしましょう。売り上げが落ちたとして、何が原因だと思いますか?どうやれば、適切にこの問題を分析できるのでしょうか。ここで適当なやり方というのは、原因を推測するやり方です。観や憶測だけで物を言ってはいけません。花屋がいけてないからかな・・・近くに大きな店ができたからかな・・・人が減ってるんじゃないか・・・今時ショッピングモールはそんなにはやらなくなったってことさ・・・などなど、細かい原因を適当に推測していくと、何百何千という原因群があるでしょう。原因の原因をたどったところで、お店の数だけでも数百あるのに、その個々のお店の売り上げが低下した原因まで探っていけば、また一つの店につき、何百何千と売り上げ低下の原因があるでしょう。店の陳列が悪い、店員の対応が悪い、品ぞろえが悪い、景気が悪い、清掃が行き届いていない・・・などなど、きりがありません。このようなとき、あなたはその超大型ショッピングモールの総店長です。さて、どうしましょうかね。何が原因なのか適当に考えますか?それはだめです。できません。観に頼るのもいけません。どうするのか?これがリアルな問題解決です。慶應大学の小論文試験で問われているのは、このような分析的な思考の延長線上の話であることが珍しくありません。雄弁に立論すること、分析的に推論すること、問題の真因を見極めること、プレゼンテーションすること、説得的に人を動かすことなど、どれもこのようなリアルな問題解決の場で必要な能力です。だからこそ小論文試験を用意されているという理解が必要です。小論文試験は書く試験なので書いていればいいなどということはありません。書く前に考える試験です。いかにして考えるかということが大切です。考える力を伸ばせば、慶應大学に合格しやすくなります。
 意思決定を行う際に、考察する手順とは、すべからく状況を分析することが重要になります。状況を分析するには、第一に、「事実と解釈を分ける」ことが大切です。このあたりのことは、拙著「小論文の教科書」(エール出版社)などに詳しく書いています。まだ読んでいない人は、読んでみましょう。事実と解釈を分け、事実をグルーピング化することで、論理的に何が起こっているのかを把握します。この点については、練習問題が拙著「牛山慶應小論文7ステップ対策」に掲載されているので、取り組んでみましょう。適当に考えてはいけませんよ。そして、統合的な思考力によって、事実をまとめあげていき、「本質的な問題点」を定義することを試みます。物事が発生するメカニズム、仕組みに基づく本質的な問題点と、単なる原因は同じようであり、全く別物です。原因に対処(対策を講じる)しても、問題は解決しないからです。ここまでの思考プロセスは、拙著「慶應小論文合格バイブル」でお見せしています。慶應大学の小論文試験にどのように対処すればよいのかについて、問題解決学的にアプローチした場合、何が言えるのかを書いています。参考にしてみてください。また、ここまでにご紹介した大まかな思考アプローチは、イエスかノーかを考察する場合も同様です。人が何らかの意思決定を行うには、必ず状況分析から入らなければ、論理的な考察ができないためです。この点については、拙著「小論文の教科書」にいじめ問題の練習問題がついているので、取り組んでみるといいでしょう。本質的な問題点は、物事の妥当性を論じる場合には、必ずしも定義する必要はありません。解決策を提案することを求められているわけではありませんからね。この場合、重要な前提を明らかにするように、問題を分析していきます。

 

10-7 「方法」の手順と原理的手順の違い
 ここまでの解説は、速足すぎて、なんのことかさっぱりという人も多いと思います。まだ私の本を読んでいない人の場合はそうなるでしょうね。ところで、方法の手順と、原理的手順の違いに、ここで気づいている人はいるでしょうか。もしもいれば、大変優秀です。私は思考プロセスを手順化するなと言いましたね。ほとんどのケースで現実に対応できない思考になってしまうためです。みなさんが超大型ショッピングモールの総店長だったとして、適当に原因を考察してもへんてこな対策しか打てませんよ。皆さんは優秀な店長にならなければならない。適当で間違った考察をしてしまう人と、妥当で効果的な考察ができる人ではどちらがいいですか?もちろん、適切に考えることができるキレキレの人の方がいいですよね。「方法」で考えるとキレキレにはなれません。必ず間違います。小論文の考察をする際に、→で問いを連結するのも間違う思考プロセスです。A→B→C→D→したがってEというような思考を小論文でやってしまう人がいます。これも思考を深堀りしているのではなく、『恣意的に考えているだけ』です。深くなど考えてはいません。最初から最後まで、適当に深く考えているだけです。ショッピングモールの例で言えばこんな感じです。

 

 客足が遠のいた→近くにショッピングモールができている→そのほかにもお店が増えた→来店客が減少した

 

 こういう考察は、何百種類作っても、どれも正しく見えてしまうでしょう。勝手気ままに深堀して考察しているだけなので、『テキトー思考』です。テキトーなのでいろいろな理屈が成り立ってしまいます。例えば次のようなことを考える人もいるでしょう。

 

 従業員のやる気がない→やる気がないのであいさつもほどほど→他のショッピングモールはあいさつがよい→来店客が減少した

 

 こんなのは何百種類作っても同じです。どれが正しいのかさっぱり分かりません。しっかり考えているので点数が上がるなどという考えは持たないようにしましょう。要は『その考察が、妥当かどうか』が問題です。

 

 方法を手順化するとなぜ危険なのでしょうか。それは、ここまでにお話ししたような『テキトー思考』になってしまうためです。テキトーな思考ができる状態で、皆さんは慶應大学を目指しますか。それとも、きちんと考えることができるようになって、慶應大学に合格しますか。どちらでしょうか。もちろん、きちんと考えることができるようにならなければなりません。
 この『テキトー思考』の反対、つまり『方法を手順化』することの反対が、『原理的手順』と私がここで呼んでいるものです。原理的手順と、私が呼んだアプローチは、原理的に、より一層適切に考察することができるアプローチです。私がマッキンゼー流の思考法を学び、MBAホルダーとして初めて日本の小論文の世界に持ち込んだ思考アプローチをここで、原理的手順と呼んでいます。原理とは、原理原則のことです。パズルを解くように、世の中の実態がどうなっているのかを調べ、明らかにする力が原理的な思考手順の先にはあります。多くの人は原理を重視しません。人の成長にも、妥当な考察にも原理原則が存在します。原則中心の考え方が大切です。
 筑波大学の名誉教授が市販の本の95パーセントは不適当な内容であると述べているのは、方法先行の指導だからでしょう。ハウツーは、一見するとすぐに役立ちそうでいて、応用が利かないんですね。

 

10-8 何か新しい構想を打ち立てるコツとは?
 ここまでで、考察アプローチについてお話をしてきました。何かを考える際の考察アプローチは上記のような形でいいのですが、何かを思いつくための考察アプローチとはどのようなものなのでしょうか。
 ここについては、普段の学習力がものを言います。普段からどれだけ勉強しているかで、何が言えるかが決まってきます。「どの本を読めばいいでしょうか。」と質問してしまう人は、あまり思いつくことが得意ではありません。最初から答えを取りに行ってしまっているので、発想を得る土壌を頭に作りにくいんですね。

 

10-9 何を書けばいいのか分からない
 上記は、書く前の考えるステップについて、思考法をご紹介しています。一般的な論述問題の場合、小論文の構成は、①問題設定②意見提示③理由・データ(論拠と根拠)④結論という流れで書きます。
 したがって、書く際の頭の働かせ方は、①論点が何か、②自分の意見は何か③自分の意見を支える論拠は何か、またその論拠を支える根拠は何か④結論は何かというステップになります。このような思考を一度にやるのは大変なので、下書き用紙にこれらの構成について簡単な下書きを行って書くといいでしょう。

 

10-10 なぜ思考法は暗記では対処できないのか
 思考はスキルです。したがって暗記では対処できません。勉強ができてもスポーツができないのは、暗記でスポーツは攻略できないからです。論文テストは、頭脳テストでありながら、暗記テストではないため、瞬間的な判断力が連続的に問われます。
 思考プロセスは、論理的な思考プロセスと直感的な思考プロセスの二つがあります。(推論の二重過程説)論理的に思考する精度は熟達度で決まります。感性的な思考のレベルは、センスの良さで決まります。感性をより働かせることができる人もいれば、まったく感性を働かせることができない人もいます。天才的な棋士の頭脳は、フル活動する際に右脳が優位に働いています。将棋は詰将棋などと呼ばれるゲームがあるほど、極めて論理的なゲームです。そのゲームに高度に対応できる人物は感性を使っています。言い換えれば、意思決定に感性が大きな役割を果たしているということです。棋士は、それまでの経験の蓄積から、直感的に手を絞り込むと言われています。観を働かせてうち手を広げるのではなく、無限に存在するうち手の中から、神の一手と言われる勝つことができる最適手を見つけるということです。高度な意思決定には、必ず感性・センスが関与しています。逆に言えば、感性を働かせなければ思考力はダウンするということです。これらの高度な意思決定プロセスについて、丸暗記で対処するということは、左脳だけで対処するということです。脳の中を流れる情報量は限界まで制限され、ほとんど何も考えることができずに雑な意思決定をしなければならなくなります。丸暗記では、技能系の論文テストでは、低いパフォーマンスしか発揮できません。

 

10-11 解法VS「素質」「能力」「スキル」
 思考術に解法は存在しません。小論文は才能ではないと教わった人は、合格できる解法を教えてもらえると思っているのでしょう。しかし、残念ながらそのような『合格できる解法としての思考術』は存在しません。
 それでは、私たちはいったいどうすればいいのでしょうか。結論から言えば、答えはありません。どうやってもいいのです。私たちが住んでいる世界は、正解はありません。また、正解と呼べる結論は常に一つではありません。それどころか、悪いとみなされることが、良い結果を生むこともあります。例えば、中東にかつて存在していた独裁政治は、その例です。独裁政治はけしからんということで、独裁政権を倒した結果、イスラム国のようなテロ組織が幅をきかせるようになってしまいました。その結果、若者は生活ができなくなり、武器を手に取り、殺人に加担するようになっています。独裁政治は悪い、だから民主主義が大切だという論理は、一見すると正しいようであり、しかしこのような不幸を招いてしまいました。良いと思われることが悪い結果を導くこともあります。その逆もまた然りです。
 しかし、有効であると思われる手段はあります。本章でお話しした原理的なアプローチを用いることです。問題解決は学問の域まで昇華しています。問題解決の方法やテクニックではなく、原理的にいかに対処すれば、私たちは効果的に問題を解決することができるのか、意思決定ができるのかについては、様々な研究が成されています。その結果分かっていることを巧みに使い、その上で、各種方法やテクニックを使いこなせるようになることです。方法やテクニックは常に必ず悪いわけではありません。問題はほとんどの受験生は未熟で使いこなせず、大きく点数を落とすことです。テクニック先行で教えてもらい、その背景を理解していないからです。何も教わらないためです。テクニックやハウツーを使う時に多くの人が失敗してしまう原因は、その方法論を金科玉条としてしまうことにあります。なぜそのハウツーを今使うのか、その際の注意点は何か、どのようなメリットとデメリットがあるのか、などについて十分な理解があれば使ってもいいでしょう。しかし、そのような考察がなく、特定のハウツーを思考術として使うのは愚の骨頂です。時に思考のプロと呼ばれる人でさえ、この罠にはまっています。皆さんは、そうなってはいけません。
 小論文に解法が無いのであれば、何でしょうか。残念ながら「素質」「才能」「スキル」が大きくものを言います。これは運動神経と同じです。スポーツは運動神経じゃない、練習だとか、運動神経じゃなくてやり方だといくら言ってみたところで、オリンピックで3回転半の体操競技をしているのを見れば、床の上をあんなにクルクル回転することは誰にでもできることではないとすぐに分かります。しかし、合格できないのかと言えば、そうではありません。素質や才能はどうにもなりませんが、「スキル」はどうにかなるからです。小論文試験で勝つには、スキル(技術)を鍛えるしかありません。読解スキル、論述スキル、思考スキルなどの各種スキルを引き上げ対処できるようになります。
 皆さんのスキルのレベルを引き上げる際に一番大切になるのは、何でしょうか。強い意志の力です。謙虚な気持ちで、必ず自分の力を引き上げると誓い、自分と向き合う時間が必要になります。何かの方法に頼ってはいけません。力を引き上げる方法、簡単に手っ取り早く考えることができる方法、受かる考え方の方法などを夢見て、力が引きあがらない学生を私はたくさん見てきました。例外なく、自分と向き合うのが苦手な人です。成長するとは、自分が変わるということです。自分を過剰に評価したり、過小評価したりするのではなく、自分を変えていくことが大切です。自分が変わるには、謙虚でなければなりません。自分がすごいと思えば変わる必要がなくなるからです。自分の弱い部分を見つめずに、単に成長だけがボンボン起こるとは考えないことです。それは幻想です。自分が弱いところを見極め、自分を変えれば、その結果、皆さんの弱い部分は消えて無くなります。古今東西、方法で一流になった人はいません。必ず強い意志の力があります。方法は成長に役立ちますが、方法だけで人は成長しません。
 ここでお伝えしていることを大切に、私は指導を行い、日本一や日本トップ、受験大学の際にトップレベル(次席合格)で合格などの実績を作ってきました。強い意志を持ちましょう。

 

 

 

 

 

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