慶應大学経済学部 2014年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2013年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

今日は慶應大学経済学部の過去問題の解説です。

 

【1】目次

 

1.設問A
2.共通点と異なる点を問う意味・・・解答例
3.ディベート・・・解答例
4.構造議論チャートを使いこなしていると得意になってくる
5.最終的にはデータの質と量、論理への関係力

 

【2】設問A

 

今年の経済学部の問題は、テーマは脱原発論でした。


意見の対立から自分の意見を述べるというオーソドックスな問題です。


きちんと小論文の勉強をしている人は、書きやすかったのではないかと思います。


原理原則を学べば、怖くはありません。


大学側は対策を嫌いますから、あの手この手で、問題を変えてきますが、小論文の書き方ばかりに目を奪われずに、素直に問題を解くことが大切です。


そして、論理の原理を抑えればどんな問題が出ても必ず書ききることができますので、テクニックや表面的な書き方や、ネタばかりを仕込むのではなく、本質的な部分をマスターすることが大切です。問1の方は問題ありませんね。


共通点と異なる点を述べさせる問題です。


1.安全基準の策定
2.規制委の人選


の2点について言及できていればOKです。このように、ブロックやキーワードで、合格点を確保できるパーツを拾っていくことが大切です。


異なる点はどこでしょうか。以下のような立場の違いです。


【Ⅰ】安全確保すべきだ。(再稼働容認派)
⇒失墜した規制機関の信頼を取り戻すことが重要だ。


【Ⅱ】原発をゼロにすべき。(脱原発派)
⇒厳格な安全基準の策定が重要であり、原発をゼロにすべく、全原発の仕分けをすべきである。

 

【解答例】
両者の見解の共通点は、原発の安全基準の策定と、規制委の人選を慎重に行うことを提案していることである。異なる点は、再稼働を容認するとしても、長期的な展望が異なる点である。【Ⅰ】の課題文では、安全確保を重視しており、【Ⅱ】の課題文では、原発をゼロにすることを目指し、仕分けを行い、最小限の稼働を提案している。以上、両者は、原発再稼働容認派と、脱原発派という点において大きく立場が異なっている。

 

【3】ディベートタイプのオーソドックスな問題


 

(1) 考え方

 

今回少し厄介だったのは、問2の方だったのではないかと思います。


問題を解いた人はいかがだったでしょうか。


あまりにも、書き方にこだわっていた人は、逆に苦しんだのではないかと思います。


テクニックや書き方ではなく、出題意図を読み、本質をつかんで対処するようにと、私はいつも言っていますし、ネット上のウェブブックにも、型ばかりにこだわりすぎないようにと書いていましたが、今回は全くその通りの問題だったかと思います。


今後も、このように、決まりきった型にはめないように問題を設計するパターンは増えていくかもしれませんし、来年もそうかもしれませんね。


こんな問題にいかに対処すればいいでしょうか?


テクニックを覚えたり、決まりを暗記しない事です。自分の頭で考える事です。


そして、きちんと論理の原理原則を理解することが大切です。


反論に対する再反論の方法はどうするのだったでしょうか?


このメルマガをずっととっているひとや、私が書いた本を読んだ人はもう十分お分かりだと思いますが、


大きく二つあります。


1、論理の前提を覆す
2、相手の論拠をたたく


この2点です。


もちろん、


http://www.skilladviser.com/base/brogteki/sr_merumaga/kako_hou.html

のページでご紹介したようなテクニックもあります。ただ、スタンダードな方針としては、上記の2点なんですね。


ちょっと先に解答例(牛山作成)を見てみましょう。

 

(2) 賛成の立場の解答例

 

 私は原発の再稼働に賛成であるが原発の再稼働に反対する声もある。再稼働否定派の主な根拠は原発の危険性である。また同じような事故が起こった際に福島の事故のように悲劇的な事故となる可能性からの反対だ。私はこのような反対意見を乗り越える為に、第一にその根拠となる事故の発生可能性と対策可能性について言及する。
この度の福島第一原発の事故は人災であり、厳密に言えば天災ではない。人災であれば、その問題点を解決することが、脱原発論の焦点となる。
このように前提を覆し相手の根拠に対する誤解を解く事で、双方の合意形成を行う。二つ目の合意形成のポイントは目的の共有である。そもそも脱原発論の議論とは我々日本国民のエネルギー政策及び経済政策、安全保障上の問題である。病院の停電を防ぎ人命を確保し、経済の混乱を防ぎ、国民の安全と生活を守ることを目的とした場合の判断を相手に問い、対立を乗り越えたい。

 

今回の解答例はあえて、賛成派で作っていますが、どちらの立場だったら点数が高いのか?という話ではありませんので、立場の違いにはあまり神経質にならないことが大切です。(反対派の解答例は最後に作っています。)


どちらの立場で答案を作っても合格できます。


重要なことは、相手の論拠をたたくことです。例えば、危険だからと思っている相手をなだめるには、その危険性が無いことを説いたり、あるいは、原発を稼働させない方が、人命への害が大きいことを示すデータを見せるというのも一つの方法です。


平たく言えば、危険ではないし、他の方法を選ぶ方がはるかに危険であるという内容。これをを現実のデータを見せて分からせることは、一つの大きな説得の方向性です。

 

原発の再稼働に反対する立場の人は、

1.核廃棄物の問題
2.地震の問題(地理的な問題)


などが根拠としてあるかもしれませんね。これらの反論材料を持たれている場合には、さらに別の反論も重要になってきます。


この脱原発論は、地理的な問題や危険性の問題だけではなく、実は地政学的な問題でもあり、安全保障上の問題でもあるので、安全か安全ではないかだけでは、結論を出せないんですね。


高度に政治的な問題だということです。国の方針を考える時には国全体の事を考えなければならず、部分最適ではどうしようもありません。

話が何十倍にもなってしまうので、ここは今回は深入りしません。塾で話しましょう。


(脱原発論は慶應クラスでも取り扱いがありました。小論文の添削を多く受けていた人は受講しています。)


いずれにせよ、正解が無いとも言える問題ですから、どちらの立場であったとしても、感情的にならずに意思決定を下し、反論に対して再反論を行うようにしましょう。


重要な事は、冷静になることです。


ここでカッとなってしまったり、自分の気持ちがたかぶったりすれば、自分が思う事を書きまくるようになります。


こういうケースはたいてい高い点数につながりません。


自分の思っていることを書いてはダメです。


今回の設問の要求では、どのようにしてその対立を乗り越えようと考えるか?対立の乗り越え方について書くことを求められていますね。


これが正解なのに~!!チクショウ!


と思っている人は、多くの場合点数が低くなってしまいます。仮にあなたと反対の立場であったとしても、いかにしてその対立を乗り越えるか?ということを問われているということ。


(これが正解だ!脱原発についてはこうなんだ!


こうに決まっているんだ!こうしなければならないんだ~!)


と思いながら書いてしまうと、まずいのですが、このような思い込みを元にした乱暴な論調や文章については、改善する場合少し小論文の修行が必要です。


小論文の通信制の塾では、論理の構築の方法や、自分が正解だと思えるような知識を持っている時の対処方法、今回のように型にはめて書くと痛い目を見る問題への対処方法、論理の原理原則などを学んでいきます。


最後に反対の立場の解答例も書いておきましょう。

 

(3) 反対の立場の解答例

 

 私は原発の再稼働に反対の立場をと るが、原発の再稼働に賛成する声もあ る。原発再稼働容認派の論拠は、安全 基準の設定によるリスク回避である。 私はこのような反対意見を乗り越える 為に、そのリスク回避可能性の問題で はなく有事の際の被害の大きさを述べ たい。脱原発論の本質は、議論の目的 である国家のエネルギー政策による国 民の安全と経済発展である。第一義は 安全であるが、諸般の国家リスクを勘 案した場合に、安全保障及び経済政策 及び、地震による甚大なる被害等を検 討し、最も悲劇的な事故とは、地震列 島日本における大型直下型地震による 大規模災害である。発生確率は低くと も、有事の際の被害は東日本に壊滅的 なダメージを与える可能性もある。従 って基準を満たすかどうかで意思決定 を行うべき問題ではないことを前提に 火力発電所をフル稼働させてのリスク 回避可能性の代替案を提案し、電力確 保、リスク回避を含む方向性を説きたい。

 

【4】構造議論チャートを使いこなすと得意になる

 

今回のような問題は、構造議論チャートを日々使っていた人はかなりやりやすかったのではないかと思います。


反論する方法は大きく二つあります。


1、論理の前提を覆す
2、相手の論拠をたたく


この2つです。構造議論チャートでは、このような論理の構造そのものを落として学ぶことや考えることができます。


過去の法学部の問題の解説もありますので見てみましょう。
http://www.skilladviser.com/base/brogteki/sr_merumaga/kako_hou.html


構造議論チャートを使って日頃から勉強していれば、自然と論理の力が身に付きやすくなるでしょう。

 

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