慶應大学医学部の2011年小論文解説

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慶應大学医学部の2011年小論文解説

こんにちは。
牛山です。

【1】問題概要


2011年度は以下のような問題が出題されています。

洪水で被災した途上国の衛生状態を調査するリーダーになったと仮定し、部下との関係について述べる。

その部下とどのように関わるかを述べる。

【2】出題意図

(1) ねらい
今回の問題では、あなたのリーダーとしての資質が見られています。

慶應大学では、以前のメルマガでお伝えしたように、実社会での活躍可能性も見られることがあります。

「他の人の力を借りる」ということも実力の一つとして見られ得るということです。

(2) 背景
近年医師であっても経営学の学位を取得する人が増加しつつあります。

いわゆるMBA(経営管理修士)をなぜ医師が取るのでしょうか。

私が大学院に在籍して際にも、東大や旧帝大、国立大学卒の医師が同期にいました。確か私の一期前にも、東大卒の医師がいたように思います。

医師がMBAを取る理由はいくつかあります。経営学の分野では、各種マネジメント手法が発達しています。

医師が医療活動に携わる際に、近年注目されているのが、『チーム医療』です。麻酔専門や、脳の外科手術の専門、医療機器の専門など、各種専門家が、それぞれの担当業務を高いレベルでこなし、これらのチーム活動におけるチームワークが高いほど、医療活動の効果は上がります。

また、医療と経営は切っても切り離せない問題です。良質な医療を提供するためには、放漫経営では、いけません。

何をどのようにどのような企業や組織と行うかによって、より一層価値の高い医療サービスを提供することができます。そのためには、医療のことだけを知っていればいいというわけではなく、経営学を学ぶことに価値が出てきます。

今の日本の医療が最高であり、もう進歩しないということであれば、このような勉強は不要かもしれませんが、医療を取り巻く環境は大きく変化しつづけています。

特に近年大きな変化が起こると言われているのが、「ビッグデータ」です。

従来は、医療情報が断片的に各病院に保存されており、患者の容態などについても、経験豊富な意思の経験値に基づく属人的な医療サービスが一般的でしたが、これが変わる可能性があります。

世界各地から、特定の薬に対する反応や、副作用についてのデータが集まり副作用の発見が早まるかもしれません。

また、効果的な治療についても、データが集まることで、発見される機会が増えるでしょう。オンラインで世界がつながる時代特有の医療技術進歩が期待されています。

【3】問題の考え方

(1) 状況の切迫感
被災地を想定していますので、状況はどちらかと言えば、救急医療に近い切迫感があると考えられます。

東日本大震災では、数万人の方が亡くなられました。これほど大規模な災害であるとは、仮に書かれていなかったとしてもそれなりの切迫感を持って、事態を考えることが大切です。
(2) 非常時に近い状況でのリーダーシップのあり方
非常時には、よくリーダーの力量が問われると言われます。切迫した状況ではない、平時には、リーダーの判断力は、ゆっくりしたものでも構わないこともあります。また、調整や主導というリーダーの役割においても、調整役が重要な役割となることも珍しくはありません。

ところが、一度非常時になった際には迅速に判断し、適切な行動が求められます。リーダーの判断次第で、事態はより一層悪化し、問題が大きくなることもあるからです。

問題が小さな内に対処すれば、どのような問題であれ、最小限の労力と対価で、対処できます。しかし、問題が小さな内に判断を大きく誤れば、その問題はどんどん大きくなります。

衛生環境などはその典型とも言えるでしょう。
(3) イメージしてみましょう
救急医療の現場では、どのような関係が部下との間にあるでしょうか。

医師をトップとした医療チームをイメージしてみましょう。

【4】解き方

今回のメルマガで解説してきたようなことを書くのは1つの方法です。

平時のリーダーシップと、緊急時のリーダーシップの違いについて述べ、状況を見極めた上で、緊急時のリーダーシップを取ることを記載してもいいでしょう。

リーダー自身が持っていない力を、チームメンバーが持っていることもあります。

このような優れたチームメンバーを信頼し、特定の仕事を任せるように関わっていくことが大切です。

個人の力で仕事をするのではなく、チーム全体が1つの生き物のように、活動できる状態が理想的な組織のあり方です。

そのためには、「信頼関係」「信認」が大切になってきます。

このような前提を整理しつつ、理想的な「非常時のリーダーシップ」をイメージして書く方向性もいいでしょう。
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