慶應大学の小論文対策動画

原因と理由の混同を防ぐ

Ⅰ 前提
・理由と原因を混同している生徒さんがチラホラ見られる。

Ⅱ 理由と原因
・理由とは主張との因果関係に関する根拠
・原因とは自分の主張(仮設)を導く因子

 


・言葉で考えた場合、両方とも理由だが、因果関係の区間は全く違う。
・「自分がそう考えた理由」ではなく、「物事が当然にそうなっている理由」を書くことが大切。
・自分が導いた仮説の理由(自分の思考回路)を記述してもそれは論文にはならない。
・世の中の特定の現象をリサーチした結果、数学的にも計算した後に、どうやら○○という因果なり、実態があるということがわかったという場合にそれが論文となる。

 

Ⅲ 事例で学ぶ

※個人情報は伏せています。

 

【ある学生の答案】
現在世界の学力ランキングにおいて日本の順位が落ちてきている。この背景には日本の若者が発展問題に対応できないという問題があるからだ。ではなぜ若者は単純な暗記しかできないのだろうか。
私は、日本の教育と欧米における教育が正反対であるからだと考える。
上記のように考える理由は3つある。1つ目に、世界大学ランキングで上位30位まではほとんどが欧米の大学である。(以下省略し、設定した論理構造を以下に記載する。)

 

主張(仮説):日本は欧米と正反対だからだ。

  1. 世界大学ランキングで上位30位までは欧米の大学。
  2. 中国や韓国でも、ランキングが落ちている。(受け身の姿勢である。)
  3. 日本人は空気を読む文化があり、言いたいことを言えないという安定志向から英語を例に安定志向に走ってしまう。⇒(日本はチャレンジしない)

上記の1~3はどれも自分の仮説の説明になっています。つまり、区間Aの根拠ではなく、区間Bの因子、ないしは説明です。

 

Ⅳ 論理を学ぼう
・論理的であるかどうかということは、相当軽視されている。
・論理思考そのものをある程度学ぶ。
・「小論文の教科書」を使う。
・日常的に構造議論チャートを利用して学習を進める。

 

PAGE TOP
© 2007 - DIJI SYSTEM