慶應大学SFC:総合政策学部 2005年小論文過去問題の解説

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2005年度慶應大学総合政策学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2005年度 慶應大学総合政策学部小論文過去問題解説です。

 

 

今回の問題は次のようなものです。

 

設問1

 

学校での国旗・国家はどのようにあればよいと思いますか。できるだけあなたの体験も交えて述べてください。

 

 

与えられた資料を見ると、国歌斉唱を強制したことを問題視する資料がいくつか並んでいます。

 

従って、論点は、強制するべきか、しない方がいいのかという論点になります。

 

きちんと論争に参加していくことは小論文では大切になりますので、大枠から外れすぎないように気を付けましょう。

 

 

解答例

 

 学校における国旗・国歌はどのようにあればいいのだろうか。私は、教員とその他を分けて考察することが望ましいと考える。学校教員は、国旗や国歌について強制されたとしても、事実上の職務命令であり、その職務命令は強制ではない。強制とは、手や足を羽交い絞めにし、本人の意思に反した行動をとらせるような措置のことを指す。一方で、式に参列する来賓や生徒は、強制の対象となってはならない。
 私が上記のように考察する理由は、大きく3つある。第一に自由と責任の原則である。自由と責任は裏表の関係にあり、責務だけを強化することができないのと同様に、自由だけを強化することはできない。自由を際限なく認めれば、組織運営は破たんする。少なくとも都立高校の教員に志願したのであれば、何が教育で何が教育ではないかを決める全権限が自分に無いことは理解して応募したと考えられる。一定の職責は果たさなければならず、今回のケースでは、職責とは国家の意向に従うことを指す。
 第二の理由は、妥当な範囲を超えた措置ではないことである。国家が国旗・国歌の扱いについてある程度具体的に正規の式典におけるルールを指示したからといって、たちまちそれが行き過ぎた指示ということにはならない。問題は程度の問題であり、場所や方向性を統一することにはそれなりの意味があると考えられる。
 第三の理由は私の経験である。私は自分自身の経験を振り返り、楽しくも苦しかった学生生活の最後のけじめとして、なんらかの厳かな式典があることを望ましいと考える。ごく一部の生徒やごく一部の教員が、生理的かつ思想的にこれらの式典を好ましく思わないことは仕方がない。しかし、一部の人間の権利意識が肥大化し、その影響を他の生徒も受けるのであれば、そのことこそ、問題視されなければならない。個人の権利だけではなく、式典に関わるすべての人物の自由な選択や幸福の最大化が考慮されなければならない。
 以上の理由から、学校における国家・国旗の扱いは、教員とその他を分けて対処することが望ましいと私は考える。

 

 

【ポイント】

今回の問題のポイントは、国家斉唱を強制するかどうかという議論がざっくりと進みすぎていることです。

 

従って誰には強制してもよいのか、誰にはいけないのかというように、具体的に細かく見ていくことが大切です。

 

資料の内容に引きずられすぎないようにしましょう。

 

 

設問2

 

学校から一歩広げて、日本社会において、国旗・国歌はどのようにあればよいと思いますか。あなたの考えを述べてください。

 

解答例

 

 学校から一歩広げて、日本社会において、国旗・国歌はどのようにあればよいのだろうか。日本社会における国家や国旗の扱いは、「適度な愛国心を育む自発的なもの」であることが望ましい。
 海外に目を転じれば、北朝鮮やクーデーターで成立している軍事色の強い国家では、為政者のポスターを全ての店が掲示しなければならない決まりがあることが珍しくはない。このような事例は、行き過ぎた愛国心教育・愛国心政策の事例である。このような国では、子供が真顔で「今の豊かな生活ができるのは、すべて○○国王様のおかげです」などとインタビューに答えることもある。一歩間違えれば、度を超えた愛国心政策は、異様な国民を作り上げる。
 しかし一方で、国家という概念を持たない教育政策は脆弱な国民を作り上げる。アイデンティティーが欠落した国民意識は、国家の側からも、国民の側からもあまり都合の良いものとは言えない。インドでは頭脳の海外流出が深刻な問題となっている。そもそもこのような議論が起こる以前は、国家としてのアイデンティティーを持つか持たないかという議論は成されなかった。黒船が我が国に到来した際には、攘夷か、攘夷ではないかの意見の食い違いはあったが、他国への帰属意識や、過度な自由を求める声は無かった。別の見方をすれば、生存できるかどうかが問題になる時代においては、自分たちが生存するために重要な程度のアイデンティティーが国民の側にも必要になるということになる。
 国家や国旗は、当該国家の国民意識を育て、当該国への帰属意識や連帯感を育てる。この点において、幾ばくかのメリットがあり、そのメリットは全ての我が国の国民は何らかの形で享受しているだろう。一方で道義的に見ても、憲法解釈の観点から見ても、度を超えた愛国心政策は望ましいとは言えない。従って、スポーツ観戦現場で見られる感情的な昂揚感を全ての国民が持つように、自発的な愛国心を育てる国家・国旗のあり方が望ましいと私は考える。

 

 

【ポイント】

大学側の問題意識をくみ取りましょう。

 

慶應大学は、大学への帰属意識を高める教育で有名です。今回の設問で問題になっているのは、愛国心等が背景になっている式典のあり方を社会に転じた際の考え方です。

一般的に見れば、異様に思われることがあるかもしれない組織人員の帰属意識のあり方についても、広く考察することを考えてみるといいでしょう。

 

従って、「良いか悪いか」を問題にすべきではありません。
同時に、課題文の論点である、「強制すべきかどうか」という大まかな方向性が完全にずれた論考を披露するのも好ましくありません。

 

出題意図を推し量りましょう。

 

大味な論述ではなく、最初から程度の問題を考察することが重要です。設問を見てみましょう。わざわざ、「あり方はどのようなものが望ましいか」と聞いてきています。

 

従って、程度の問題を考察する事例や一般原則を整理して述べた上で、自説へと話を進める展開が大切になってきます。

 

構成についての考え方は上記のように考えましょう。

 

次は立論についてです。

 

理由はもれなく、重複なくが基本です。

 

論理に漏れがあるようでは、妥当な論考ができたとは言えません。

 

従って、複数の重要な指標から今回の問題を考察することが大切です。

 

この点については、マイケルサンデルの正義論が参考になるでしょう。

 

自由、最大多数の最大幸福、道義的観点などから、今回の問題を考察しましょう。
その上で、今回の論争の的は「程度の問題」ですので、程度の問題を論じる際の重要判断基準が述べられている必要があります。

 

  1. 程度の問題を考察する重要判断基準
  2. 自由な選択・権利
  3. 最大多数の最大幸福
  4. 道義的観点

 

上記のような代表的な理由の軸を過不足なく盛り込む立論ができれば、高い点数を狙うことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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