慶應大学SFC:総合政策学部 1997年小論文過去問題の解説

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1997年度慶應大学総合政策学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、1997年度 慶應大学総合政策学部小論文過去問題解説です。

 

 

今回の問題は次のようなものです。

 

設問1

 

以下にあげた資料について、各資料の論点ならびに、資料間の関連を述べながら、国家の役割はどうあるべきかについて論じなさい。

 

 

 

資料の内容を端的にまとめると以下のようになります。

資料1 君主は法律や規則にあわせてことを処理するのがもっともよい。
資料2 名君は、民に余裕を持たせる。(可処分資源を見極めよ。)
資料3 もっとも豊かな国は人口も少なく、小さい国である。民が満ち足りる。
資料4 福祉国家の理想的な形は地方分権化した状態である。
資料5 中央政府の官僚の不正を監視せよ。
資料6 政府、市場、ボランティアないしは非営利組織、インフォーマル部門の四部門すべてが、社会政策においてそれぞれ積極的役割を果たすべき。

 

上記を踏まえて、問題に対応していきましょう。

 

国歌の役割はどうあるべきでしょうか。
資料の内容から出題者の問題意識をくみ取ることが大切です。

 

言い換えれば、出題者が現状の問題に対して、難しい部分があると感じていることについて、問題解決策を提案することが重要ということになります。

 

この手の問題は、原因を深堀しても解決しません。
なぜならば、原因の裏返しの先に、解決策が見えないことが多いからです。

 

その理由は、問題が構造的に存在していることです。

 

不正に手を染める官僚がいるのであれば、その官僚を処分すればいいというほど、問題は単純ではありません。

 

また、問われているのは、「国家の役割」という巨視的な視点ですから、ミクロな視点でいくら対策案を立案しても、それでは国家の役割という大きなテーマへの答えにはなりません。

 

問題解決のアプローチを、問題の解き方として金科玉条とする考え方があるようですが、そのような考え方は、むしろ逆説的で皮肉ですが、本当に問題解決にはなりません。

 

答えを用意する考え方が、既に問題解決の原理原則から外れているのです。
言ってみれば、ゼロベース思考の方法を教えるようなものであり、ゼロベース思考は、方法化した時点で既にゼロベース思考ではないのです。

 

同様に、問題解決は、問題解決の方法を教えた時点で、真に問題解決の力があるかと言えば、問題解決の力を失っています。

 

解き方や考え方と考えた時点で、発想が陳腐化し、適応力が無くなります。

 

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今回のケースでは、資料1~6で述べられているような構造的な問題に対処する大きなインパクトがある方向性を考えてみましょう。

 

解答例

 

 国家の役割はどうあるべきだろうか。
 私は戦略的な公共投資を継続的に実施できる道州制のモデルを一つの国家体制として提案したい。この際に、重要な福祉政策などは中央政府が実施する。地方分権と中央集権の二元論ではなく、地方には、徴税権と立法権を与え、中央政府は教育政策と社会福祉を担う。同時に、重要な国策についての判断を行い、向こう50年から100年の長期戦略を実現できる体制が望ましい。
 私が上記のように考える理由は、大きく3つある。(1)インド、中国などの成功事例、(2)世界における我が国の役割、(3)公的部門に対する適切なインセンティブの設計の3点である。
 第一の理由はインド、中国などの成功事例である。インドは教育政策により、IT立国に成功した。また中国は、自国の国民を世界の労働力に見立て、国富を蓄積し、大幅に経済成長することに成功している。これらの例は、世界で果たすべき国家の役割を明確化し、戦略的に投資することで成功した事例である。資料2、3は要するに所得の再分配の問題であるが、所得が生まれなければ仕方がない。適度な成長を見込み、慎み深く国家運営を行うことは重要であり、その際に戦略的な投資を実行できる仕組みが重要である。その投資を担うのが、道州制および、中央政府による政策立案である。
 第二の理由は、世界における我が国の役割である。国家の役割とは、巨視的な視野で見た場合、「世界における我が国の役割」ということになる。従って柔軟な投資を迅速に実行できる道州制や教育政策が重要政策課題となる。
 第三の理由は、公的部門に対する適切なインセンティブの設計である。資料1、4、5、6は、広義的に見た場合、組織論の考え方についてのものである。過度な中央集権を避け、地方の生存本能に任せた運営を行うことにより、適切な公共投資が行われる蓋然性を引き上げることを期待できる。
 以上、戦略的な公共投資を継続的に実施できる道州制のモデルを一つの国家体制として私は提案する。

 

 

 

 

 

 

 

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