慶應大学経済学部 2009年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2009年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2009年度慶應大学経済学部小論文問題解説です。

 

【1】問題A


(1) 問題概要

この年の問題は、課題文で職場における人材評価の方法と、支払形態についての文章が出題されました。

 

従来の日本でよく行われていた「年功制」(年齢が上がれば上がるほど給与が上がる)ではなく、欧米風の評価方法が増えてきているというお話です。

 

「年功制」ではなく、「年俸制」や、「能力給」が増えてきているということなんですね。

 

ところが、「能力給」や「年俸制」にすると、様々な問題が出てきます。

 

それらの問題を事例を加えて解説する文章になっています。

 

設問Aでは、以下のようなことが問われています。

 

企業にとっての年功制の長所と短所について、まとめなさい。

 

 

(2) 解答方法

この手の問題は、課題文の中で該当箇所を見つける問題です。

 

直接抜き出せる文章が無い場合もありますので、その場合は、適宜簡単に言い換える必要があります。

 

課題文の中では、「長所」だとか、「短所」などという言葉は使われていません。

 

従って、課題文の内容を把握しながら読んでいく必要があります。

 

大変簡単にお話しすると、課題文の中では以下のようなことが述べられています。

 

(1)人材評価には本来時間がかかる。

 

(2)人の力量を即座に推し量れないため、時間をかけて判別することが大切。

 

(3)年俸制や能力給は、長期的に人を評価しにくい。

 

(4)能力の構成要素が複雑であり、その力の測定が難しい職業ほど、能力給は不向き。

 

(5)能力給がひとたび導入されると有能であると評価されようと、職員が必死になるあまり、評価基準に合致した仕事にしか力を入れなくなることがあった。

 

(6)わりのいい仕事を優先するなど、恣意的に行動する職員が増えることにより、「評判」を含めた長期的利益が損なわれるようになった。

 

(7)能力の評価に時間をかけ、短期的な決着を避け、ゆっくりとした競争と選抜をできるのが、これまでの「年功制」の長所だった。

 

(8)年功制によって、個人も組織もリスクを取りながら、生産性を上げることができたのである。

 

以上のような内容が書かれています。

 

従いまして、これらを端的にまとめればいいということですね。

 

忘れてはならないのは、ピンポイントで、チラッと言及されていることです。

 

今回のケースで言えば、能力給を採用している事業所に職員が引き抜かれてしまう事例が紹介されています。

 

こういうポイントもめざとく解答に入れ込んでおきましょう。

 

解答例をご紹介します。

 

 

(3) 解答例

 

 年功制の長所は、能力の評価に時間
をかけ、短期的な決着を避け、ゆっく
りとした競争と選抜ができることであ
る。年功制は長期的な視点のもとで初
めて個人も組織全体も、リスクをとり
ながら生産性を上げることができる。
 年功制の短所は、短期的に評価を得
たい人物を評価しにくく、能力を数字
で評価しやすい分野の職務評価を行い
にくいことである。年功制を導入した
場合、他社の引き抜きによる人材流出
のリスクがある。

 

 

【2】設問B



(1) 問題概要

中学校の教員の給与を、年功制から、能力給に変えた場合、どのようなことが起こると考えられるか、課題文のみに捉われず、良くなる点と悪くなる点の双方にふれながら、能力給の是非についてあなたの考えを自由に論じなさい。


(2) 解答方法

 

 

設問の前半では、課題文のみにとらわれずに自由に発想することを求められています。

 

この部分については、発想の新規性や進歩性が大切でしょう。

 

一方で後半では、論理的に考えることが求められています。

 

従いまして、

 

今回の問題は、論理的に発想していくことも大切です。

論理的に発想するとは、中心命題である、「中学校教員の給与を能力給にすべきだ」という主張の判断基準を考察するということです。

 

言い換えれば、何が分かれば意思決定できるのかということです。

 

もっと言えば、意思決定の重要判断基準です。

 

あまり関係が無いことについて、いくら理由を述べてもあまり評価されません。

 

そこで、自分の主張と、論理的に関係が強いものは何か?と考えることが必要になってくるのですね。

 

ただ、こんな風に解説してしまうと分かりにくいですよね。

 

結局、どのように考えることが、論理的に発想することなのかが分からないからです。

 

論理とは、「もれなく、重複なく」のこと、、などとよく言われます。

 

論理に漏れがあるのはいけません。
論理に重複があるのもいけません。

 

漏れや重複があると、論理に飛躍ができてしまうのですね。

 

では、漏れや重複を減らすにはどうすればいいのか?

 

その一つの答えがフレームワークと呼ばれるものです。

 

このあたりについては、拙著「小論文の教科書」(エール出版社)が詳しいので、ぜひ読んでみてください。

 

ところで、今回の問題はもう少しシンプルな解き方でも解くことができます。

 

意思決定の手法の一つに、メリットとデメリットを並べて、その双方を比較し、メリットが大きければ、その案(アイディア)を採用し、メリットが少なければ、その案を採用しないというものがあります。

 

pros and cons(賛否)の、略で、プロコンなどと呼ばれることもある方法です。

 

始まりは、アメリカ紙幣にも印刷されている、ベンジャミンフランクリンであるという説もあるようです。

 

日本の紙幣には福沢諭吉が印刷されていますね。

ベンジャミンフランクリンは、福沢諭吉が日本で産業、経済の発展に大きく貢献したのと同じように、アメリカ経済の発展に大きく貢献した人物です。

 

大変頭のいい人です。

 

今回の出題内容を見てみますと、、、メリットとデメリットを並べさせていますね。

 

と、いうことは、、、、

この意思決定方法を利用するのがいいかな・・・

 

と考えてみるのも面白いでしょう。

 

その上で、課題文の中で言及されていた、ポイントを踏まえて論理を構築していきます。

 

経済学部は、論理的な頭を持った学生を大切にします。

 

支離滅裂な内容や、自分勝手な考えだけに基づく論述をしないように心がけましょう。

 

あくまでも論文試験ですので、論文試験の趣旨に合致した答案設計を大切にします。

 

どんな内容が課題文にあったかは、今回の解説の上の方をご覧いただければ見ることができます。

 

それでは、解答例をご紹介します。

 

 

(3) 解答例

 

 中学校教諭の給与を能力給に変えた
場合、以下のことが予想される。(1)
良い影響として学業成績の向上が考え
られる。(2)教師志望者が増加し、
有能な教師が増えることが予想され
る。
 一方で悪い影響として、以下のよう
な点が予想される。(1)数値評価し
にくい分野が手薄になることが予想さ
れる。集団生活の教育や、生活指導、
道徳的教育などである。(2)生活指
導を評価しない場合、生活指導を軽視
する教師が生まれるリスクもある。
私は、中学校教諭の能力給には反対
である。理由は三つある。中学校教諭
の仕事は、短期的な評価が向かないか
らである。課題文にもあるように、複
雑な能力が求められるため、時間をか
けて評価することが望ましい。第二の
理由は、仕事の性格上仕事の質を数値
化しにくいためである。数値化しやす
い成績等ばかりが重視されるリスクが
ある。第三の理由は、教育の趣旨から
考えた場合、メリットよりもデメリッ
トの方が、大きいためである。

 

 

 

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