慶應大学経済学部 2008年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2008年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2008年度慶應大学経済学部小論文問題解説です。

 

【1】問題A


(1) 問題概要

課題文は有名な旭川動物園についてのものです。閉園の危機に陥っていた旭川動物園がどのようにして、V字回復し、全国でも有数の有名な動物園になったのかについて、その裏側が紹介されています。

 

設問では、旭川動物園が行った施策を2つ取り上げることを求められます。

その上で、それぞれの対策の問題点を指摘することを求められます。

 

この問題点を指摘する点がややユニークです。

 

なぜならば、世間でもてはやされたものは、多くのケースでもろ手をあげ
て賞賛されるだけになることが多いからです。

 

賞賛するのではなく、ツッコミを入れろというのですから、これはユニークな問題ですね。

 

(2) 考え方

物事には必ずメリットとデメリットがあります。

 

どんな施策にも必ずデメリットがあります。

 

今回の問題では、物事を両面から見て総合的に判断していく力、論理的に考える力を見られています。

 

着眼点の良さも大切なポイントです。

 

従って、答えが一つしかないわけではありません。

 

今回の課題文では、旭川動物園が行った施策はいくつも紹介されています。

 

その中から自分が書きやすいものを選ぶことも大切です。

 

また、書きやすいだけではなく、一定程度説得的な内容になることも目指す必要があります。

 

(3) 解答例

 

 旭川動物園が行った一つ目の改革
は、見せ方の工夫である。動物本来の
動きを来園者に見せる為に、動物にと
って最も特徴的な能力を発揮できる環
境を動物に与えた。この施策により、
動物の魅力が来園者に伝わりやすくな
った。問題点として、投下コストの回
収期間が延びることが挙げられる。第
二の改革は教育改革である。動物園の
役割を4つに集約させ、希少動物の保
護・繁殖、教育の場、自然保護の場、
調査研究の場とした。この施策によ
り、従業員の自立性を尊重した意識改
革が行われた。問題点として、サービ
ス業としての側面が薄れ、顧客に満足
を提供しにくくなるリスクが上がるこ
とが予想される。

 

(4) 経営学の視点から大切な点は?

【消費者のニーズについて】

 

旭川動物園が行った改革の内、動物の見せ方を変えた点は、消費者のニーズに合致した運営体制を重視したということです。

 

どのようなビジネスも、ユーザーのニーズから乖離するとうまくいきにくくなります。

 

今回の問題で経済学部が重視した考え方は、二つの考えで説明することもできます。

 

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という考え方です。

 

「プロダクトアウト」とは、企業が商品開発や、生産を行う際に、作り手の理論を優先させる方法のことです。

 

一方で、

 

「マーケットイン」とは、ユーザーのニーズを優先し、顧客視点で商品の企画開発を行うことです。

 

多くの動物園が運営側の事情を優先してサービス提供している中で、旭川動物園は来園者のニーズを的確に捉え運営体制を用意することで大成功しました。

 

ただ、どちらの考え方がいいかは、一概には言えません。プロダクトアウトで大成功する企業もあるためです。

 

 

【コストについて】

 

動物園で動物の見せ方を変えるには、当然ですが、多くのコストがかかります。本当にうまくいくのかどうか、投下したコストを回収できるかどうかは、大変大切な視点です。

 

 

【2】設問B



(1) 問題概要

設問Bは、極めてトリッキーな問題が出題されました。

 

もしもあなたが市の職員だとしたら、あなたの市で市営の動物園を作ることになった際に、市民が賛成してくれるように、訴える文章を書く際に、どのように書くか

 

という問題です。

 

このような問題は他の大学ではまず出題されません。

 

大変珍しい問題です。

 

一般的な小論文の対策だけを行っていた方はやや面食らったかもしれません。


(2) 大切なポイント

 

出題意図を把握することが大切です。

 

今回の問題では、

 

あえて、市の職員という立場を設定。
あえて、訴えることを要求。
あえて、賛成してくれるように要求。

 

このような特徴があります。

 

「あえて」というキーワードで考えることがコツです。

 

なぜあえてこのような問題を作ったのでしょうか。

 

わざわざ市の職員という立場を設定する必要はないかもしれないですよね。

 

また、

 

訴えることを要求するのもあまり一般的ではありません。

 

また、

 

賛成してくれるように書くことができるかどうかも、一般的な大学ではそこまで大切なポイントではないかもしれません。

 

このような出題意図は、慶應大学が求める人材像に大きく関係しています。

 

慶應大学は現実の社会で活躍する力を重視します。

 

学力偏重にならないように、小論文を用意しているのもそのような考えがあってのことでしょう。

それでは、世の中で活躍する人とは、どのような人でしょうか。

 

一言で言えば、「人を動かす力」がある人です。

 

どのような活動も一人だけでは成し遂げられません。

 

従って、良い形で、良い意味で、人に影響力を与えることができる人は、実社会で活躍する力を持っているということになります。

 

市の職員として文章を書くことを要求したのは、出題テーマが動物園であったため、たまたまかもしれませんが公的な性格を一定程度有する書面を作成する能力を見ている可能性はあります。

 

慶應大学経済学部出身者は、官庁に勤める人もいます。

 

日本の官庁は、東大、京大、早稲田、慶應の4大学出身者が多いので、もしかすると文章を書く筆力を見ているのかもしれません。

 

このようにいくつかの視点からある程度出題意図について仮説を立てながら出題意図を多面的に考えていくことが大切です。

 

(3) 解答例

 

  市民の皆様へ、重要なご案内です。
多くの市民が待ち望んでいた市営の動
物園をこの度建設する計画が現在検討
されています。現在、市には動物園が
ありません。動物園が無いことで、今
の子供たちは自然や動物と触れ合う機
会が、他の市に比較して極端に制限さ
れています。1940年代~1970年代に生
まれた方は子供の頃大変豊かな自然に
囲まれて育ちました。ところが今の子
供たちは自然と触れ合う機会が大きく
減少しています。市営の動物園設立は
このような切迫した理由から設立を検
討されています。子供だけでなく、ご
年配の方にも日常的に憩いの場として
低料金で開放することが予定されてお
ります。ぜひ皆様のご理解とご協力の
程よろしくお願い申し上げます。

 

(4) 注意点

メリットのオンパレードにならないように気を付けましょう。

 

自説のメリットを強調しすぎると、印象が悪くなります。

 

物事を言葉だけで考えないようにしましょう。

 

メリットとデメリットを考慮することが悪いわけではありません。

 

メリットとデメリットを比べることは意思決定をする際に役立つことはあります。

 

しかし、それはあくまでも意思決定をする際に、功利的な価値観を重視して意思決定をすることが許される場合です。

 

従って法学部で出題されるような政治論でメリットばかりを考えることもよくありませんし、今回のように、説得的に文章を設計構築することを求められている際に、メリットばかりを並べることがいいわけでもありません。

 

言葉でしか考えないと本質を見失います。

 

ここに注意してがんばりましょう。

 

 

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