慶應大学経済学部 2007年小論文過去問題の解説

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2007年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2007年度慶應大学経済学部小論文問題解説です。

 

【1】問題A


(1) 問題概要

今回の問題では、課題文を読み、あたえられているグラフを読み取ることを通して、あなたの解釈を述べることが求められています。

 

以下のような内容が出題されています。

 

資料1で示されている実験の方法、および、その結果を示した三つの図から1969年と1979年の間で、子供の脳の発達過程に関してどのような変化がおきたかを説明しなさい。(300字)

 

それでは、早速資料の方を見てみましょう。

 

(2) 資料1の内容

資料1では、3つの「脳の発育状況」を調べるための実験が紹介されています。

 

GO/NO-GO実験という名前の実験です。

 

この実験は以下の様なことを被験者に伝えて、行われます。

 

【第一段階(一つ目の実験)】

赤いランプがついたら、ゴム球をにぎってください。そしてすぐに離してください。

 

という約束事を子どもたちに理解させた上で、赤いランプをつけます。

 

【第二段階(二つ目の実験)】

今度は、赤、黄色の二種類のランプがつきます。赤いランプがついたらゴム球を握ってください。黄色いランプがついたら、握らないでください。

 

【第三段階(三つ目の実験)】

今度は逆です。黄色いランプがついたらゴム球を握ってください。赤いランプでは握らないでください。

 

上記のような約束事をした後に、今度は、赤いランプや黄色いランプをつけたり、消したりするわけです。

 

そして、このような実験で、子供の大脳活動の発達状況が分かると書かれています。

 

上記の3つの実験は、以下の3つの発達段階が分かるテストなのだとか。

 

【不活発型】
【興奮型】
【活発型】

 

不活発型とは、大脳の発達が不十分な幼児期に多い状態。

 

興奮型とは、赤いランプでは正しく握っているけれども、黄色は握ってはいけないということを知っていながらついつい握ってしまう状態。

 

活発型とは、どの実験段階でもほとんどミスをしない状態で、大人によく見られる状態。

 

こんな紹介がまずあります。

 

その上で資料がグラフで3つ与えられており、その分布状況を見て何が言えるのかを述べるという問題になっています。

 

で・・・ここで少し大切なポイントがあります。

 

今回の問題では、さらりと次のようなことが述べられています。

 

-------------ここから-------------
通常は不活発型から活発型へと型を変えながら紆余曲折を経て大人になっていく過程を踏むとされています。
-------------ここまで-------------

 

ここが大きなヒントになりますので、頭の片隅に入れておく必要があります。

 

逆に言えば、今回の資料では恐らくそうなっていないのだろうな・・・

 

と予想しながら見ていくことが大切です。

 

(3) 解き方

 

この手の問題では、おおまかに資料を読み取ることが大切です。

 

いきなり細かいところを見ようとすると、わけがわからなくなりますので、注意してください。

 

それでは、結論からお見せしますね。

 

今回のグラフを読み取った内容がこちらです。

 

http://structure-notebook.com/premium/public.php?id=7345

 

こんな風に、一言で言うと、何が言えるのかを抑えていくことが資料問題のポイントになります。

 

今回は表にしてみました。

 

 

(4) 解釈(何が言える??)

今回の問題の場合、ここからさらに考える必要があります。

 

ここがチョット大変なところです。

 

設問で問われていることは何だったでしょうか。

 

ちょっと見てみますと、

 

-------------ここから-------------
1969年と1979年の間で、子供の脳の発達過程に関してどのような変化がおきたかを説明しなさい。
-------------ここまで-------------

ということだったのですね。

 

ということは、

 

落とし所はどこでしょうか。

ちょっとだけ考えてみましょう。

 

 

(5秒でもいいですよ)

 

 

落とし所は、脳の発達がどうなのかというところですよね。

 

つまり、活発型の脳が、1969年と、1979年で比べるとどうかというところが大切なはずです。

 

するとどうでしょうか。

 

1969年は、年齢とともに活発型がきちんと増加傾向にあります。

 

ま、普通そうですよね。

 

年齢と共に、ランプがついたり消えたりして、握って離すだけのことをやっているわけですから、できるようになっていくはずです。

 

 

そうじゃないとまずいです。

(;^_^A

 

ところが、1979年の実験では、この活発型が年齢とともに増えていっていないんです!

 

まあ!

 

恐ろしいですね。

 

資料を見ると、

 

不活発型は、1979年の方が多いのですが、

 

興奮型は、1979年の方が幼少期に多いです。優っているイメージがあるかもしれませんね。

 

活発型も幼少期は、1979年の方が多いです。

 

幼少期はというところがポイントです。

 

幼少期は脳の発達が1979年の方がいいようにも見えるのですが、フタを開けると、活発型の割合が年齢と共に増えていかないんです。

 

従って最終的にこうならないとまずいだろうという点について、1979年の方は、問題を抱えていると言えそうです。

 

ここまでの内容をまとめて説明することを今回の問題では求められています。

 

(5) 解答例
 図1(不活発型)が示す実験結果で は、総じて1979年の方が、不活発型が 多い。図2(興奮型)が示す実験結果 では、1969年では、概ね興奮型は年齢 と共に減少傾向にあるが、1979年で は、増加傾向にある。図3(活発型) では、1969年には、年齢と共に活発型 が順調に増加しているが、1979年で は、中学生になっても活発型があまり 多くない。従って脳の発達過程に起こ っている変化とは、かつてより、1979 年は早熟であるが、一方で脳の発達が 遅れている人も多いことである。また 従来の「不活発型、興奮型、活発型」 という過程変化から「不活発型、活発 型」という順番である別の発達過程が 発生しつつあると考えられる。

 

【2】設問B


(1) 問題概要

資料2を読んだ上で、1969年から1979年への変化の傾向は現在でも同様に続いていると思うか

 

ということが問われています。

 

さらに、

 

この傾向に対してなんらかの対策が必要であると考える場合は、その対策を述べなさい

 

ということが書かれています。


(2) 資料2について

 

資料2には、どんなことが書かれているかと言いますと、概ね以下のようなことが書かれています。

 

・近年人とのふれあいが減少した。
・私達の生活が便利になった。(家電製品が充実するなど。
・便利な現代化が日本の子供の前頭葉をますます運動不足の状態にしてしまっているのではないか。

 

(3) 考え方

 

今回の問題は、論理思考ができるかどうかを見られています。

 

資料2の内容を土台として推論を展開し、その上で論理的に妥当性が高い対策案を述べることを求められています。

 

資料1では、必ずしも1979年での被験者が、低い能力ではないことが分かっています。

 

1979年に伸びている能力もあります。

 

これらを総合的に考えて、矛盾の少ない推論をすること、応用力を見せることが求められています。

 

前頭葉とは、大脳新皮質の中でも、意欲や創造を司る部位であると言われています。

 

従って前頭葉が十分に活用されていなければ、意欲がなくなり、創造的な活動も難しくなることが予想されます。

 

頭のなかでいろいろなことをイメージする部位が、前頭葉なのです。

 

TVゲームをすると、自分が何かを想像しなくても、キャラが動いてくれますね。

映画を見れば、登場人物が動きます。

 

TVをつけると、同じく登場人物が動きます。

 

見ている人は、ボーッとしていてもいいですね。

 

頭をあまり使いません。

 

ところが、小説などを読むと、細かな猫写はたくさんありますが、自分で想像しなければなりません。

 

(そこが楽しいのですが、、)

 

いろいろなことを考え、感じ取りながら、頭のなかでイメージするわけですね。

 

絵を描くときも同じです。

 

頭のなかで想像する必要があります。

 

そろばんも同じです。

 

頭のなかでそろばんをはじく必要があるわけです。

 

将棋も同じです。

頭のなかで(ああやって、こうやって・・・)と、コマを動かします。

 

想像することが必要です。

 

しかし、現代は想像する必要に迫られないことが多いかもしれませんね。

 

今回の解答例では、その点について言及しています。

 

(4) 解答例

 1969年から1979年への過程変化の傾 向は現代でも続いていると私は考え る。当時と、現代を比較した場合、生 活環境の大きな違いは、子供が過ごす 環境に単純な刺激が増えたことであ る。TVやゲームは脳の発育を促す側 面もあるだろう。しかし、課題文で指 摘されているように、児童が前頭葉を 用いて何かを想像する機会は近年大き く減少している。
 脳の発達過程が変化したことについ て、どのような社会的方策が望ましい だろうか。私は義務教育に想像的な思 考を導入することを提案したい。アプ リやTVゲームでは刺激することがで きない脳の活動領域を効果的に刺激す るためには、読書や想像性を育む美術 などの科目が望ましいと考えられる。

 

 

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