慶應大学経済学部 2003年小論文過去問題の解説

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2003年度慶應大学経済学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2003年度慶應大学経済学部小論文問題解説です。

 

【1】問題1

 

(1) 設問の要求

 

20世紀において家族生活がどのように変化したのかを、80字以上、100字以内でまとめなさい。

 

それでは、まず課題文の要約をご紹介します。

 

(2) 課題文要約

 

 20世紀における日本経済の発展は、人々の生活に大きな変化をもたらした。20世紀の100年間で、人口は3倍近くに増加し、1人あたりの実質的な個人消費支出は、20世紀はじめの5倍以上に達した。
 19世紀末の日本社会の過半が「下層社会」と言い表されていたことを思い起こすと、1960年代」までの生活の変化は、多くの人々にとっては貧しさからの脱出の過程でもあった。主として、世帯主の収入に基いて、構成員が協力して生活水準の向上を目指すという家族としての生活を志向するものであった。
 このような家族生活のあり方は、それなりに根拠があった。20世紀前半のライフサイクルは、ほとんどの男女が結婚し、家族を形成し、多くの女性は出産と子育て、男性は働くことに終始した。
 しかし、20世紀後半から出生児数の減少と平均寿命の伸びは、それまでのライフサイクルを変容させはじめた。子育てを終えた後の期間が次第に伸長して、1980年代に入ると、男女にとって婚姻後の生活の半分かそれ以上を占めるようになった。男女ともに、子育てを終えた後の生き方が課題として浮かび上がる。夫婦のライフサイクルが、子育て中心の家族生活に収まらなくなるのである。それまでの家族生活のあり方では、構成員それぞれの自己実現やキャリア形成などと、必ずしも合致しない事態さえ生じることになる。
 こうして、家族としての生活は誰もが目指すべき目標ではなくなり、結婚するかどうか、子供を産むかどうか、産むとしたら何人産むか、そして家族生活を続けるかどうか、これらのことが選択の対象として受け止められるようになる。生涯未婚率が上昇し出生率が低下し、離婚数は増加した。このように、多様な選択が行われるようになった結果、平均的なライフサイクルを描く意味が不明確になり、家族生活が揺らいでいるのである。
 かつては4人世帯が中心であったが、1990年には初めて1人世帯に分布の中心が移り、2000年には1人世帯が27.6%、2人世帯が25.1%で両者を合わせると半数を上回っている。
 結婚し、子供を産み育てるという家族生活のあり方が近年これほど揺らぎ不確かになったことはない。
 近未来の日本において、家族生活はどのように展開していくのであろうか。家族生活が再び人々の共通の目標として構築される(シナリオ1)のであろうか。個々人を基盤とした、家族に代わる社会関係が構築される(シナリオ2)のであろうか。それとも異なった展開がみられるのであろうか。20世紀における生活の変化がもたらした新たな問いかけである。

 

(3) 考え方

 

課題文の中から該当する箇所を把握し、文章を再設計しましょう。

 

(4)解答例

 

 家族としての生活は、誰もが目指すも のではなくなり、結婚や子供の人数が 選択の対象として受け止められるよう になった。平均的なライフサイクルを 描く意味が不明確となり、家族生活観 が大きく揺らいだ。。

 

 

【2】問題Ⅱ

 

(1) 設問の要求

 

20世紀後半からの社会状況が家族生活の揺らぎにどのような影響を及ぼしているのかを、高学歴化と性別役割分業という2つの用語を使って説明しなさい。

 

(2) 考え方

 

課題文の中に答えはありません。

 

無いパターンです。課題文の内容を読み、理解した後に、考えられる内容等を書きましょう。

 

普通に考えればいいのですが、課題文の内容や、一般常識からどのようなことが起こっていると考えられるのかについて、推論しつつ述べることが求められています。

 

(3) 解答例

 

 社会構成員の高学歴化や性別役割分 業という考えが希薄化したことが従来 の家族観が揺らいだ一因であると考え られる。平均寿命の伸びは、個人のキ ャリア形成や生き方を多様化させた。 女性の社会進出に伴い性別役割分業と いう考えが希薄化し、実力主義の仕事 観が支配的になった。このような諸現 象は、多くの人々の生き方観を変え、 その結果、離婚率の上昇や、晩婚化、 婚姻率の低下などの影響を家族生活に 与えていると考えられる。

 

 

【3】問題Ⅲ

 

(1) 設問の要求

 

近未来の家族生活の展開について、2 つのシナリオに言及しながら、あなた の見解を述べなさい。

 

(2) 考え方

 

比較的よく出題される未来予測問題です。

 

課題文の中に書かれていることをふまえて、無視せず、さらに、自分が知っていることも含めて考えてみましょう。

 

大切なことは、何の理由もなく持論を展開しないことです。

 

出生数や婚姻率に影響を与えるものは何でしょうか。

 

それらの因子が今後の社会でどのように変化していくのかをイメージしつつ未来における家族生活の変化について考察しましょう。

 

いつものように、少しだけ考えてみましょう。

 

考えてみたでしょうか。

 

 

 

解答例をご紹介します。

 

(3) 解答例

 

 私は近い将来ゆるやかに、従来の家 族生活を中心としたライフスタイルが 増加するのではないかと考える。
 古来より、家族生活が人々にとって 重要となるのは、生きていくことに大 きな困難を抱える場合である。生物と は本来個体として見た場合、生存に困 難を抱える個体ほど、子孫を多く残そ うとする。ひるがえって人類の歴史を 見ても、貧しい時代には、子供を多く 作り、飽食の時代には子供は少なくな る傾向が強い。近年日本の貨幣価値は アベノミクスの影響で大幅に下落し た。しかし一方で、今後日本経済が 大きく下降しても、生活コストが下が った現代社会では、個人を基盤とした 生活スタイルも根強く残っていくと考 えられる。
 従って家族生活を中心としたライフ スタイルだけでもなく、個人を基盤と した生活スタイルだけでもなく、その 中庸としての生活スタイルが定着して いくと私は考える。

 

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