このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。
慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。
慶應大学法学部 FIT入試 2015年度 小論文問題メルマガ解説(2014年実施)
こんにちは。
牛山です。
本日は、2015年 慶應大学法学部 FIT入試小論文の過去問題解説です。
【1】問題概要
(1) 設問の要求
グラフAとグラフBを見て、何が言えるかを考察し、論述するという問題が出題されています。
(2) 解答のアプローチ
それぞれのグラフから、読み取ることができる内容を、箇条書きにしてみましょう。
それらの解釈から、最終的に何が言えるのかを一言化します。
この全体像を頭の中に描きながら、書いていきます。
下書きは不要です。
何をやるのかを頭の中に描ければ、大きく減点されることはないでしょう。
いくつかの前提から、結論を導く形で文章を構成していきましょう。
(3) 解答例
グラフAでは、日本における世帯数
が近年増加傾向にあることが分かる。
同時に、一世帯あたりの平均人員数が
減少傾向にある。したがって、日本で
は、近年単独世帯が増加していると考
えられる。
グラフBは、単独世帯に属する人
が各世代に占める割合を示している。
1995年と、2010年を比較した場合、男
性は2010年度の方が各世代で大きく単
独世帯比率が増加している。また、女
性も同様に、2010年度の方が「単独世
帯に属する人の各世代に占める割合」
は大きい。この単独世帯数の割合増加
は、男女ともに全年代で共通してい
る。したがって、2010年度における日
本の単独世帯比率は、全体的に増加し
ていることが分かる。
グラフAおよび、Bから、単独世帯
の数と各世代における比率が、近年増
加傾向にあることが読み取れる。換言
すれば、総じて日本における単独世帯
化が近年進行していることを資料は
示している。
【2】問題2概要
(1) 設問の要求
今年10歳になる姪っ子があなたに質問
してきました。「民主主義のどこが望
ましいの?」彼女に理解できるよう
に、400字程度で説明してあげてくだ
さい。文体は必ずしも話し言葉にする
必要はありません。
(2) 考え方
噛み砕いて説明することを求められています。
したがって、より一層本質的な部分に対する理解があるかどうかを見ることが大きな狙いの一つになっていると考えられます。
(3) 解答例
民主主義の望ましい点は、国民一人
一人の民意が政治に反映される点であ
る。民主主義が各国に根付く以前の政
治は、為政者が独裁的に国政に携わる
統治体制であることが珍しくなかっ
た。そのため、もっぱら政治の方針
は、ごく一部の為政者にとっての利益
を中心に決定される傾向が強く、戦争
や非常識な重税が珍しくはなかった。
日本においては一揆などにより、国民
の不満が爆発することがあったが、武
力により制圧され、国民の意見は受け
入れられにくかった歴史がある。
一方で民主主義は、国民が選んだ代
表者が、時間の経過と共に十分な時間
をかけて議論を行い、立法が行われ、
行政権を行使することができる。こ
のような間接民主制による政治は、従
来虐げられてきた国民の意見が無視さ
れにくい。多くの民意を受けた政党が
国会及び内閣において影響力を行使で
きるため、一般的に民主主義は国民の
利益に資する政治体制であると考えら
れる。
【3】過去問題をチェックしておきましょう
慶應義塾大学小論文過去問題解説
http://www.skilladviser.com/base/sixyouron/sr-2/keioukakomon/kakomon.html