慶應大学 法学部 2009年小論文過去問題の解説

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2009年度慶應大学法学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2009年度慶應大学法学部問題
解説です。

 

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【1】問題
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(1) 概要
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2009年度は、要約問題と、論述問題で
す。

 

毎年法学部はこの路線の問題が多いで
すね。

 

要約問題については、中心命題である
筆者がもっとも言いたいことをつかま
え、その中心命題の前提となっている
重要な理由を列挙していく形を取りま
す。

 

以下の解答例を参考にしてください。

 

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(2) 注意点
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「政治的空間としての(公共空間)」
における責任と自由に関する著者の
主張をまとめなさい。

 

というように指示がありますので、こ
の点に注意する必要があります。

別の点についての主張を拾わないよう
に気をつけましょう。

 

課題文の中で何を前提として、筆者は
主張を展開しているかと言えば、古代
人の政治的発言のあり方です。

 

この内容を「自説を支える論拠のデー
タ」として取り上げつつ、一般原則を
述べています。

 

この古代人の事例を前提として、自説
を展開するという流れがあります。

 

ここを抑える必要があります。

 

論旨をまとめていけば、整理しやすい
ですね。

 

要約問題が出た場合は、論旨を実質的
に整理しなければならないのか純粋に
要約すればいいのか、ある程度見極め
ることも大切です。

 

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(3) 設問2
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「セキュリティー社会」についての
著者の見解に対して、その是非も含め
て、あなたの考えを述べなさい。

 

という問題になっています。

 

このように問われた場合は、前提と主
張に分けて考えると考えやすくなりま
す。

 

【著者の見解・・・前提】

今日到来しつつあるセキュリティー社
会は、公的空間で他者を気遣わず、不
安や不信、嫌悪等の人間的関わりを技
術によって解決する社会である。

 

【主張・・・著者の仮説】
しかし、そもそも不安はそもそも覚悟
を持たずに世界に属していることから
生じており、覚悟を持たずに世界に属
することを止めることが先である。

 

このように、分けて考えた後、この
仮説に対する賛成か反対(是非)を
述べて、自分の論拠を展開していくと
いいでしょう。

 

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【2】解答例
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 犯罪者を死刑にすべきである等の政
治的発言について、かつて古代人は、
政治的空間に属しつつ発言していた。
しかしながら、現代では、政治的空間
には実質的に属さず、自分の発言につ
いての責任をとらずに保護された空間
の中で発言することができる。この現
象は、かつての古代人が司法や防衛や
公的問題の管理などの重荷を進んで引
き受けていたのとは対照的である。今
日到来しつつあるセキュリティー社会
は、公的空間で他者を気遣わず、不安
や不信、嫌悪等の人間的関わりを技術
によって解決する社会である。しか
し、不安はそもそも覚悟を持たずに世
界に属していることから生じており、
覚悟を持たずに世界に属することを止
めることが先である。
以上が筆者の主張であるが、覚悟を
持たずに政治的空間に関与することは
適切だろうか。私は筆者と同じく、不
適切な行為であると考える。理由は大
きく三点ある。第一に匿名での政治的
発言をネットで行うことを擁護する一
般的論拠である、発言のしやすさは、
違法行為につながりやすいためであ
る。第二の理由は、公益性の低さだ。
恣意的な発言は、十分に公的な意義が
あるかと言えば、妥当性が低く非論理
的な物が大半であり、疑わしい。無責
任な発言がかえって社会を混乱させて
いることが多い。第三の理由は発言の
自由が人権により認められている一方
で被害者側の人権が著しく侵害されて
いることも多いためである。ネットで
の発言により多くの人権侵害がある。
このため、あるアメリカの州では、ネ
ットでの公的発言について匿名での投
稿を禁じた。
以上、私は著者の見解に賛成の立場
を取る。覚悟をもって政治的空間の言
説に参加することは、議論を行う際の
本質的な前提意識である。無責任な発
言を行わないことでより一層生産性の
高い議論ができるようになるだろう。

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【3】インターネットでの発言
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インターネットを利用した発言が、
大変いい加減なものであり、かつ
無責任であることが近年珍しくなくな
ってきました。

 

その結果本来は役立つはずの情報が、
かえって自分にとって役立たない情報
になることが少なくありません。

 

その理由の一つは匿名性です。

 

ネットの匿名性をフルに利用して、
違法な内容も含めて自由に私たちは
発言しやすくなりました。

 

今回の出題はこのような問題について
の問題意識と無縁ではないと考えられ
ます。

 

実名であるかのように見せかける
田中などの偽名も、同様に問題です。
近年は完全実名制の口コミでなければ
意味が無いということで、料理につい
ては、完全実名制口コミサイトという
ものも出てきているようです。

 

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【4】編集後記
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(1) 冤罪
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今ある韓国のドラマを見ているのです
が、このドラマ、ある登場人物が、
冤罪でとんでもないことになっていき
ます。

 

人生がボロボロ、刑務所に入れられる
のではなく、検察にはめられて、精神
病棟に何年も監禁された状態になりま
す。

 

法は社会秩序の安寧のためにあります
が、世界中で冤罪の被害者は存在しま
す。

 

場合によっては何十年も刑務所に入れ
られていた人が実は無罪だったなどと
いうこともあります。

 

政治的空間に自分が参与しないという
ことは、違法行為に関わる人物を論評
するということです。

 

これは大変危険なことなのではないか
と私は考えます。

 

その理由は、自分が相手の冤罪も含め
て議論するという責任を回避している
からです。

 

対岸の火事のように、向こう側で起こ
っていることを論評することは、大変
安全で時には居心地がいいことかも
しれません。

 

「あいつは死刑だ」

 

という人は、冤罪の可能性もある、
死刑を宣告されつつある犯罪者の死刑
執行のボタンを押す勇気はあるでしょ
うか。

 

自分が死刑を執行するということは、
その死刑を執行することに関する何ら
かの責任を自分が持つということで
す。

 

この原理原則は、あらゆる法域に、
当てはまることではないかと私は考え
ます。

 

皆さんはどう考えますか?

 

 

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