慶應大学 法学部 2003年小論文過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2003年度慶應大学法学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、2003年度 慶應大学法学部小論文問題解説です。

 

【1】問題概要


今回の問題は、臓器移植をテーマにした課題文が出題されています。

 

臓器移植は特別な意味を持つことが、課題文では述べられています。

 

課題文の著者は、臓器移植によって、人の身体は公共化すると述べているんですね。

 

身体の公共化とは、例えば、脳死状態になった場合に、法の規定によって、自動的にその体が「公共利用」の対象となることなどを指します。

 

臓器移植という医療行為がある以前の社会ではこのようなことはなかったのですが、臓器移植技術が向上することにより、事実上、身体の公共利用が一般的になりつつあり、その公共利用はどのような意味を持つのかということを著者は考察しています。

 

設問では、以下のようなことが問われています。

 

----------ここから----------
著者の議論を踏まえて「公共化される身体」という考え方に関するあなたの意見を述べ、それと関連づけて、公共性の問題一般について、自由に論じなさい。
---------ここまで-----------

 

課題文の概要について確認してみましょう。

 

【2】課題文概要

 

 臓器移植が特別の意味を持つのは、そ れが単にひとりの患者を救うという医 療行為であるにとどまらず、臓器提 供、つまりは時宜にかなった不特定の 他者の死を前提とし、それが「死の 認定」に関わる社会的慣行の変更を 要請するからである。人間の身体は 益々機械になぞらえやすくなり、機械 が順調に動くかどうかというように 考えられるようになる。このような 社会では、誰が「当事者」なのか。 臓器提供者は死亡しなければ、臓器を 提供できない。同時に、移植手術を 受ける人も、医師に可能性を示さなけ れば、その選択はない。従って当事者 とは、「公共の福利」や「人類の幸 福」を代行する公共的な医療システム の全体ではないだろうか。ここでもの を言うのは、個々の医師ではなく、 避けがたく産業システムとして効率と 利潤を求めて機能する、巨大な医療 システムの方であり、そのシステムこ そが「身体」の公共化を要請している のである。現代では、政治が無名の 「公共性」によって担われている。 私たちの身体は今、生きる「わたし」 から遊離して、その「公共性」に委ね られようとしている。

 

【3】解説

(1) 前半

 

----------ここから----------
著者の議論を踏まえて「公共化される身体」という考え方に関するあなたの意見を述べ・・・・
---------ここまで-----------

 

と、設問で問われていますので、著者の考え方について、あなたの意見を述べる必要があります。

 

ここでは、著者の見解(上記の課題文概要をご覧ください。)について、ある程度はっきりと賛成か、反対かを述べる方がいいでしょう。

 

もちろん、それなりに気の利いたことを言えるのであれば、どのようなことを述べても構いません。

 

「身体の公共化」とは、単なる一つの解釈論ですから、もう少し別の見方ができれば、そこで起こっていることについて、別の角度から新しい概念で説明をすることもできるでしょう。

 

ただ、このような議論を自分ひとりで展開する場合、中途半端になりやすいです。

 

自分で新しいことに言及していき、中途半端なことを述べて了解してもらえないことを述べるくらいなら、著者の議論に参加し、自分の見解を述べることが大切です。

 

(2) 後半

 

設問の内、、、、

 

著者の議論を踏まえて「公共化される身体」という考え方に関するあなたの意見を述べ、、、、

 

という部分については、これでいいですね。

 

それでは、後半ではどのようなことが問われているのでしょうか。

 

----------ここから----------
それと関連づけて、公共性の問題一般について、自由に論じなさい。
---------ここまで-----------

 

解答の方向性を3秒程度でもいいので考えてみましょう。

 

考えてみましたか?

 

よく分からないという場合は以下を読んでみてください。

 

 

 

 

公共性の問題一般とは、公共性という概念そのものについて、という意味であり、同時に、具体的な事例がある方がいいでしょう。

 

あまりに抽象的なことをクルクル述べすぎても、

 

(何言ってんの?意味が分からん!)

 

となるのがオチです。

 

従いまして、具体的な事例をもってきて、その中で公共性一般について、「公共性」とはどのような性質を持ちどのように私たちは考えるべきなのかを述べる方がいいでしょう。

 

練習する場合は、今下書き用紙を用意して、考えてみてもいいですよ。

 

 

OKですか?

 

それでは、解答例を見てみましょう。

 

【4】解答例

 

 公共化する身体という著者の考え方 は果たして妥当なものだろうか。私は 著者の洞察は理にかなっていると考え る。根源的には、法制度そのものが、 なんらかの公共性を前提として構築さ れる性質があることに、「身体の公共 化」の問題は起因すると考えられる。 言い換えれば、公共性は常に個人に対 して個人の諸権利を一定程度譲歩する ことを要請する性質を有していると言 える。年金制度や各国で規定されてい る納税や兵役の義務はこの類である。 医療制度も当然例外ではない。一方で このような言説に反論する言説は、 「個人の意思は、諸権利を主張するこ とができる」というものである。ただ し、その権利を主張する根拠となる法 制度そのものが、各時代において、公 共性の要請を受けて立法される性質が 民主主義国家では存在する。ゆえに個 人の権利範囲は常に公共性の要請を受 けているのである。
 上記の考察を基に、私は教育の公共 性について考察したい。課題文で述べ られているように、公共性の名のもと に、個人の権利が著しく侵害されてい く構図は教育の世界には無いのだろう か。私は教育の分野にも公共性が個人 の諸権利を奪うことはあると考える。
 社会正義を究極的な目的とした教育 論では、教育の公共化は必然であると 説かれることが一般的である。確かに 教育機会の不均等などの深刻な社会問 題は改善しなければならない問題であ る。しかし、一方で、平等だけが究極 的な目的となる教育論は、はたして妥 当だろうか。各個人が望む教育を得る 機会がかき消され、世界の教育が画一 化され、教育内容に何の特色もなくな り、工業製品のように同じ教育を等し く受ける教育のみが重視される社会で は、意見の多様性や考え方の多様性が 必然的に失われていく。個人の「自由 に学びたいことを学ぶ」という権利 も、「独善的になりやすい公共性」の 要請を受けることで、一定程度失われ ていく仕組みは存在する。公共性に関 する言説は著者が課題文で指摘するよ うに、本質的に社会正義論の後ろだて を得ることにより、個人の権利が社会 的要請により削り取られるように減少 していく性質を有する。もっとも重要 なことは、このような公共性による強 行的な言説は、正義の立場を常に取 り、個人の権利を失わせる過程を民衆 が盲目的に受け入れる風潮を作り上げ る危険性を常に有していることであ る。
 以上、公共性の名のもとに個人の権 利が削り取られる構図は教育の世界に も存在すると私は考える。

 

【5】何が出るか分かっても意味が無いとは?

 

 

今回の問題を見て感じたかもしれませんが、何が出るかを仮にあてることができたとしても、ほとんど意味がありません。

 

のらりくらりと、時間内にさっさと書ききることができて、合格です。

 

今あなたは、小論文をうまく書けないことや、模試の成績が悪いことで悩んでいるかもしれません。

 

なぜうまくいかないのでしょうか。

 

うまく考えることができない人は、うまく書くこともできません。

 

小論文は書く試験や読む試験だと思いすぎている人は、どうやればいいのかについて混乱していることが珍しくありません。

 

小論文がうまくいかない人はこちらのページを読んでみてください。

http://presidentfamily.com/juken/4025

 

根本的な理解が無く、スキルが無い人は、

 

型にはめてもうまくいきません。
文章を読んでも問題は解決しません。
過去問題をやっても合格できません。

 

何が自分に足りないのかを知らずに、対策をしているからです。

 

よく問題集の使い方や過去問題の使い方について、私は質問を受けます。

 

その際に、質問する側が、そもそも何を目的とすればいいのかについて混乱していることが少なくありません。

 

学習アプローチや、小論文の勉強を深く学ぶ必要があるのは、多くの勘違いが原因で、物事に適切に対処できない人が多いからです。

 

型にはめて合格するのは一部の人です。

 

ネタをはめることで合格するのもごく一部の人です。

 

過去問題をやることで合格するのもごく一部の人です。

 

現に合格者はごく一部でしょう。

 

全員合格していますか?

 

5人か10人に一人が合格していませんか?

 

難関試験では、競争率の関係でどうしても一部の人しか合格しません。

 

皆型にはめて落ちているのです。
皆ネタを仕込み落ちているのです。
皆過去問題をやり落ちているのです。

 

何が違いを作っているのでしょうか。

 

その学部に必要なスキルの量とレベルです。

 

大事なことは、あなたが受験する学部に合致したスキルレベルを上げることです。

 

ここで問題はスキルレベルを上げる方法です。

 

野球のスキルを引き上げるにはどうすればいいのでしょうか。

 

朝から晩まで甲子園球場で試合をしているチームが甲子園で優勝することがあるでしょうか。

 

このチームは弱いチームではありませんか?

 

甲子園で勝つには甲子園球場で実践形式でやることが大切だ。なぜならば甲子園球場でやることがもっとも実践に近いからだ。

 

こういう考えは意味がありません。

 

スキルレベルを上げる方法はいくつもあります。

 

あらゆる手段を尽くしてスキルアップしていくのです。

 

この確かなカリキュラムがあるかどうかが、大切です。

 

試合オンリーチーム

朝から晩までバットを振るチーム

 

これらは弱いチームです。

 

 

 

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