慶應大学 法学部 1996年小論文過去問題の解説

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1996年度慶應大学法学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、1996年度 慶應大学法学部小論文問題解説です。

 

【1】問題概要

 

(1) 設問の要求

次の文章を読み、著者が述べる「擬似現実」について、あなたの考えを自由に述べなさい。

 

(2) 課題文

 

 今回出題されている課題文の内容を要約してみました。

 

 現代社会は「他の世界」というもの の存在を強く実感できる社会である。 特に先進諸国においては、この傾向が 顕著である。例えば、今日の日本社会 における衣食住の場面には、実に多種 多様な「他の世界」が取り込まれてい る。他国の衣服、料理、住環境を我々 は日常生活で実感することができる。 このような現状をもたらしたのは、第 一に交通の発達であり、第二に、通信 の発達である。我々は科学技術的なメ ディアである放送、新聞、週刊誌等を 通じて、いわゆる「写し(コピー)」 により、現実世界を知っている。否、 知っているつもりになっている。「写 し」は「オリジナル」と一緒ではな い。「写し」がどこまで「オリジナ ル」に近いかは、一律には論じられな いが、「現実」が「オリジナル」であ る場合、その「写し」としての情報は いずれにしてもいわば「疑似現実」で ある。この「疑似」という重大な性格 は、情報という疑似現実の場合には、 避けることができない。情報メディア というものは、単なる伝送メディアで はなく、必要に応じて変形したり加工 したりするメディアであるからであ る。情報の変形と加工は、極めて組織 的に、また「公的に」なされることす ら、ありうる。それゆえ、現代の我々 が「他の世界」をどう見るか、見てい るかということは、重要な次元で社会 体制とも関係がある。従って情報メデ ィアを制するものが人々の世界観を制 するという事態にもなりかねない。我 々は自分なりに知識を積み重ね、自分 の責任で判断をしているつもりになっ ている。しかし、どこかでその必要に 応じて変形されたり加工された、本質 的に同じ情報によって、多くのひとび とが同じ方向へと方向づけられている ということになっているかもしれな い。現代はその意味で「他の世界」が 実ははなはだ見えにくい時代であり、 現代人が抱いている世界観は、少なく ともこの意味ではなはだ危ういもので しかない。

 

(3) 考え方

 

今回の文章は面白い文章ですね。

 

今回の問題は、著者の考えを踏まえて述べよ・・・というような要求がありませんので、ある程度自由に問題を設定することが可能です。

 

注目すべきポイントは、著者が持っている問題意識です。

 

情報を操作することにより、私達は知らない間に、特定の方向に考えやものの見方が方向付けられているかもしれないという部分は、大切なポイントです。

 

どのような論点をもってきて、問題設定をしてもいいのですが、できれば課題文の筆者が持っている問題意識に近づけることを検討してみましょう。

 

その上で、

 

現代社会に照らし合わせて、何が言えるでしょうか。

 

ここを考えてみましょう。

 

それでは、いつものように、少しだけ考えてみましょう。

 

ちょっとした練習です。

 

あなたは、「擬似現実」について、どのように論文を作りますか?

 

 

 

 

それでは、解答例を見てみましょう。

 

【4】解答例

 

 著者は、我々が住む社会における情 報は、疑似的な現実であり、その生成 過程は、情報の変更、加工等が意図的 に行われる性質があると述べている。 換言すれば、我々が一般的に見ている 世界は、いわゆる「疑似現実」であ り、時には公的機関や特定の組織によ る情報の方向付けが行われることさえ あり得るということである。
 果たして我々にとって、情報が加工 され、意図的に操作される社会におい て、より妥当な判断を継続的に行うこ とができる社会を作り出す上での、障 害とはどのようなものだろうか。私は 情報発信者間の利害調整が難しいこと が大きな障害になっている可能性に注 目したい。
 公的機関による情報規制は、中国共 産党の一党独裁体制が行ったインター ネット情報規制が記憶に新しい。グー グルなどの世界トップレベルの検索精 度を持つ検索エンジン運営を公的に中 国政府は拒絶した。日本においても、 古くはキリスト教の布教活動全面禁 止、検閲制度など、国家による思想・ 宗教の弾圧は継続的に行われてきた。 情報統制を国家が行うメリットは、国 家体制の維持である。日本政府にとっ てのメリット、アメリカ、中国政府に とってのメリットは違う。したがって 国際的にはプロパガンダ政策の競争が 行われており、従軍慰安婦の記念碑が アメリカに建てられるなど、思想の戦 いは政治的に行われてきた。
 同様に、経済の分野では、「アービ トラージ」という言葉で情報戦の意味 を説明可能である。本質的に経済活動 とは、組織的に「個人ではできない活 動」を特定の企業が代替することによ って成立する。しかし一方で、ほとん どの場合、どのような分野の企業であ っても、アービトラージという情報格 差を利用した形で事業運営が成され る。例えば法務サービスを提供する弁 護士は、法的知識格差を利用して法務 サービスを提供する。海外と日本の賃 金格差を利用した英会話サービス、海 外で安価に仕入れ、人件費の安い国家 で製造し、販売するのも同様の原理で ある。したがって情報の戦争は経済的 利益を確保するために継続的に行われ る仕組みがある。この仕組みはコング ロマリットも財閥企業も例外ではな い。
 以上、情報格差は、国家的かつ経済 的に継続的に意図的に作られる仕組み が存在する。その理由は主に、国家 間、企業間の利害調整が困難を極める ためであると考えられる。

 

【3】編集後記

 

私達が住んでいる社会では、何が本当なのかが大変分かりにくくなっています。

 

その理由は、今回の解答例にも書いたとおりです。

 

誰かにとって「不都合な真実」が常に存在するためです。

 

本当のことをばらされてはたまったものではない・・・・

 

と思っている人がいるということです。

 

経済的に利益を得ているから、そう思っているということが少なくありません。

 

例えば、●●が健康に悪いという真実があったとします。

 

●●を販売している人にとっては不都合な真実です。

 

だから●●が悪いという真実を話す人が、間違ったことを言っていると思わせようとします。

 

ところが、真実や本当のことをあえて言っている人もいます。

 

見分けることが出来る人は、得をしますが、見分けることができない人は大変な損をします。

 

例えば、早慶の問題は、ナビゲーター世界史から9割でているので、ナビゲーター世界史をやればいいというアドバイスは、参考書をルートで教えている人にとっては、便利な指導理論です。

 

ところが実際には、仮にそこから出ていても、記憶に根付かないとどうしようもありません。

 

かくして、ナビゲーター世界史をひたすら音読していた人は、10点しか過去問題で取ることができませんでした。

 

不都合な真実はこのように隠されて指導が行われます。

 

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