慶應大学 法学部 1994年小論文過去問題の解説

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1994年度慶應大学法学部 小論文過去問題解説

 

こんにちは。
牛山です。

 

本日は、1994年度 慶應大学法学部小論文問題解説です。

 

【1】問題概要

 

(1) 問題概要

次の文章を読んだ上で、筆者のいう 「すき間」の意義を、あなたの実生活 に即して論じなさい。

 

(2) 課題文の要約

 

 かつて、「すき間」が都市のところ どころにあった。たとえば、路地や神 社の境内といった都市の「すき間」 は、老人や子供たちの格好のたまり場 であり、「対話」の場であった。子供 たちがそこに行けば、近所の様々な年 齢の友達と出会うことができた。
 この春、兵庫県に私が設計を担当し た兵庫県立看護大学が創設された。こ の学校の設計にあたって私が最も重視 したのが、都市からも社会からも、そ して人生からも失われてしまった「す き間」をこの建物にどれだけ取り戻せ るかということだ。「すき間」とは、 文字通りモノとモノとの間にあって、 機能をもたないゆとりの空間(あるい は時間)のことである。
 看護には、心の看護というものがあ る。一人一人の気持ちを読み取りなが ら、ていねいな看護をしていくことが 患者には何よりも大切だ。そこで重要 なのは、人間同士の対話である。それ が人々の間に交わされる場として、こ の学校に設けられたのが「すき間」で ある。
 高度経済成長期以来ここ二十年ほど の間に、日本人の価値観は一変し、す べてを金で測る拝金主義がまかり通る ようになってしまった。だが経済にと って無駄に思える機能の「すき間」に あるあいまいなものの中に、人間にと ってかけがえのないゆとりがあった。 かつて、育ち盛りの子供たちの生活の 「すき間」であった放課後は今、勉強 するための時間にとって代わられてし まった。現代社会の中で、われわれは 何を本来必要としているのかを再確認 しなければならない。知識は平均的に 行きわたったが、どの方向に向けて、 どう生かすのかという思考力は低下し ているとさえ思えるほどだ。まして合 理的な目的意識から外れた「すき間」 や「対話」は見向きもされない。
 今こそ生活や都市の中から失われた 「対話」や「すき間」を見直すときで はないか。何の役にも立たないような 「すき間」や、そこに生まれる 「対話」を大事にすることから始める ことだ。それが今我々にとって必要だ と私は考える。

 

【2】考え方

 

(1) 解き方

 

今回の課題文の筆者は、日本を代表する建築家である安藤忠雄氏です。

 

今回の問題では、「意義」を問われていますね。

 

「意義」を問われる問題は頻出なのですが、受験生はここに弱いことが多いです。

 

辞書による定義は、

 

「その事がらにふさわしい価値や値打ちのこと」

 

ということになるそうです。

 

イメージしにくい場合は、

 

意義とは、社会的な価値のことだと考えてもいいでしょう。

 

その理由はそもそも、意味ではなく、意義を問う場合、価値や値打ちが上がることについて問われていることが多く、それは突き詰めると社会性に行きつくことが多いためです。

 

それでは、設問で問われている、

 

「すき間」の意義とはどんなところにあるのでしょう。

 

少し考えてみましょう。

 

少し困ったら、社会的な価値を考えてみるのでしたね。

 

原義は覚えておいてください。

 

その事がら本来の価値と、考えた上で社会的な価値も考えるといいということですよ!

 

(2) 注意点

 

----------ここから----------
次の文章を読んだ上で、筆者のいう「すき間」の意義を、あなたの実生活に即して論じなさい。
---------ここまで-----------

 

という設問の要求になっていますので、自分の実生活に即して論じる必要があります。

 

それでは、考えてみましょう。

 

10秒でも、3分でもいいので、何を書くべきか考えてみましょう。

 

それでは、解答例をご紹介します。

 

【3】解答例

 

  著者が述べる「すき間」の意義とはどのようなものだろうか。「すき間」の意義とは、より充実した人生をデザインするものであると私はと考える。 「より充実した人生」とは、享楽 的ではなく、限られた生の時間を意義 あるものとすることを指す。著者が述 べるように、経済効率を第一義的な価 値としたものではなく、時には道義的 な価値観や、生の意味を問うことが、 「より充実した人生」とここで表現し たものである。
 会話の際に、間が悪いことを「間抜 け」と呼ぶと、ある有名な芸能人は述 べた。話術の達人は、会話の際に間を 重視する。同様に、デザインの世界で は、何を詰め込むかよりも、いかに空 白を作り、その空白をデザインするか について、センスが問われると言われ ている。話術、デザイン、建築等に共 通する余白の重要性は、人生において も同じではないだろうか。著者は「空 間のすき間」だけではなく、「時間の すき間」も重要であると述べている。 このような隙間は、人生に余裕を与え るものであり、より良い生にとって重 要な意味を持つ。
 私は塾の生徒と人生について話をす ることがある。当然このような人生相 談に関する指導は、受験とは一見すれ ば無関係であるため、意味が無いとい う考えもあるだろう。無駄なすき間の 時間は、時として大きな意味を持つ。 合格だけを目標とした受験生は、受験 勉強の途中でなんのために受験をがん ばっているのかについて、目的を見失 うことがある。無駄を徹底的に省くこ とにより、目先の合格だけにフォーカ スし、そもそも何のために受験をやっ ているのかが分からなくなるのであ る。人生に関して「すき間」とも言え る人生相談の時間を設けることや、人 生について考える時間を持つことによ り、人生でもっとも大切なことは何か を考えるきっかけが生まれる。合理性 を追求した塾では見過ごされがちな時 間は、人生をデザインする時間を生徒 に与える。具体的には、生徒一人一人 にとって、より充実した人生や意義の ある人生とは何かを考える時間を私達 は提供している。
 以上、私は「すき間」の意義は、よ り充実した実り多い人生をデザインす ることにあると考える。

 

 

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