慶應大学文学部 小論文2015年 過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2015年度 慶應大学文学部 小論文過去問題の解説

 

こんにちは。牛山です。
今日は慶應大学の文学部、2015年度の過去問題の解説です。
ご興味がない方はここでメールを閉じてください。

 

【1】問題概要

 

さて、今回の課題文では、科学的な知識ということがテーマの課題文が出題されました。

 

何が科学的で、何が科学的ではないのか、こういうことについての考察というよりも、その際の言葉の使い方についての考察が主体になっていますね。

 

【2】課題文の流れ

 

課題文の内容をざっくり見ていきますと・・・ 

 

まず、私達の感覚の話があります。私達はどのようにものを感じているのかという感覚器官についての話ですね。

 

そして、私達が感じる感覚を、他の人も感じるだろうという推測を前提として、コミュニケーションが成り立っているというお話があります。

 

その後、擬人化や植物の話に、話は展開されますが、その後、他人に何かを伝える際に、何が大切になるのかという考察文があり、比喩の話に至ります。

 

比喩で伝えると人の話は伝わりやすい・・・ということですね。

 

ざっくり言えば、比喩で伝えると誤解があるので、気をつけようということです。

 

【3】設問1

(1) 解説

 

設問1は実質的な要約問題になっています。 

 

上でご紹介したような流れを落としてまとめていけば、作文できます。あまり難しく感じた人はいなかったのではないでしょうか。

 

ポイントは、最終的に筆者が最も言いたかったことに、つなげていくことです。

 

(2) 設問1 解答例

 

 私達のコミュニケーションは推測により成立している。人が何かを伝えようとする時、しばしば比喩的表現が用いられる。これらの表現は理解の助けとなるが、しばしば誤解がつきまとう。この時、人が理解している内容は、実は誤解であることが多い。このように、本来の数学や物理学の言葉のイメージを借用して、本来の言葉の定義とは異なった用法により、言葉が用いられることが一般的である。こうした傾向は、世俗的なレベルでより顕著である。1つの言葉が文脈によって異なった意味を持つわけだが、それを逆手にとって恣意的な言葉遣いをすれば、そこに誤解や歪曲が生じることになるのである。

 

【4】設問2

(1) 解説

 

設問2では、人間にとって科学的な知識とはどのようなものなのかについて、自分の考えを述べる問題ですね。

 

(2) 設問2 解答例

 

 人間にとって科学的な知識とはどのようなものだろうか。私は科学的である知識のことを科学的知識と呼びたい。科学とは、本来未解明なこの世の中の諸現象について、何らかの理論及び論説が立証性を十分に有する物を指す。同時に符号的に言語があらゆる面で完全であることは言語の多様性より不可能である。一方で、科学的であるとされる対象が反証可能性を有していることが重要であることは論を待たない。科学的である知識とは、このような科学の根本をなす思想及び実態に則した知識のことを指す科学的である知識のことである。ゆえに、非科学的な対象には、主張のボトムラインに対して反証できることが重要である。この反証も科学的知識である。

 

(3) 反証できるなら科学的

 

言うまでもありませんが、反証できるなら、その言説は科学的です。また、実証性があるものは、科学的です。

 

今回の課題文では、厳密な言葉の用法に焦点が当てられていましたね。論文や研究では、言葉の使い方が大変重要ですので、その意味で課題文に述べられていることは、正しいと言えるでしょう。

 

ただし、論点を含まないものは論文ではありませんし、言葉を並べている羅列文は当然科学的とは言えません。では何が科学的なのかと言えば、何らかの仮説を含む論説文、論文ということになります。

 

その論文の中に、、、、中心命題(最も主張したい、言いたいこと)を含むものからが、科学的な見解のスタートラインです。
したがって、

 

Aだと思う、
Bだと思う、
Cだと思う、
根拠ないけど、、、、

 

というのは、論文ではありませんし、言うまでもなく、科学的ではありません。

 

言い換えれば、何らかの見解に対してその主張のボトムラインがどこにあるのかということ以外は実質的には重要ではないと言えるかもしれません。

 

もちろん、些末な論点が重要ではないということではありませんが、重要度の比重から言えば、9:1程度です。なぜならば、本来が論文なり研究というものは、少なくとも、主張のボトムライン以外に反論しても、

 

『えっ?そんなこと言ってませんけど?』

 

となるのがオチだからです。言い換えれば、論点がズレた反論は科学的知識という観点から言ってもレベルは低いということになりそうです。

 

なぜそんなことになるのでしょうか。

 

その理由は、1つの主張のボトムラインを支える理由が複数あるからです。主張のボトムラインを支えている理由が、1~5まであったとしますね。

 

その場合、あなたが主張している、理由1についてなのですが、コレコレの理由から、不適切であると考えられます。

 

と指摘があったとします。そうですか、しかしながら、残りの2~5についての理由についても、反論がありますか?

 

という話になった時、

 

ムググググ

 

となるのであれば、その研究や論文については、実証性が一定程度担保されているということになります。

 

また、この際に、残りの理由2~5について、統計学の手法により、検定作業が行われており、いわゆるP値というものが、5%以下になっている場合などについては、やはり科学的に(かつ数学的に)その研究なり論文の内容が、妥当性が高いと考えやすいということになります。

 

イメージ的に言えば、このような形です。
http://structure-notebook.com/premium/public.php?id=6338

 

言い換えれば、少なくとも、ケチをつける態度は科学的態度とは言えません。

 

反証できるなら、それは科学的です。反証を試みることは誰でもできますが、しっかりとできれば、それだけレベルが高いと言えるでしょう。

 

【5】ディフェンスできるかどうか

 

研究についてのプレゼンの場では、反論があるのが一般的です。 

 

そのような反論については、真摯に対応しなければなりません。

 

私自身大学院の卒業論文のプレゼンでまさしくこのような反論を受けたことがありました。

 

研究内容にツッコミを入れるのも、大学の先生の仕事ですからね。その時に、私が答えた答えの方針は、論文のボトムラインに話を戻すことです。

 

つまり、研究内容の些末な論点や追調査は、その研究の本旨ではないということです。

 

その上で、論文に記載した仮説のボトムラインがなぜ妥当であると考えられるのかについて、統計学の検定作業をもとに説明をしました。

 

その際に、統計学上、P値と言われるものが、5%を切っており、優位な差が認められることを示唆していることを説明した記憶があります。

 

論文を書くということは、今回の課題文にあるように、実態をベースに、論理的に考察した内容や研究を論理的に説明するということです。

 

したがって、意見の連発やケチをつけるだけにならないように、小論文試験を受ける際にはぜひ気をつけてください。

 

【6】同じことを二度書いてはいけない?

 

私が若い子に論文添削をする際に、例えば、大論述の1000~1500文字の小論文試験があったとします。

 

この時に、同じ言葉を使いましょうと指摘することがあります。1つの論文の中で同じ定義の言葉について、別の言葉に変換して書かれている場合、論旨の一貫性を保ちにくくなるからです。

 

ところが、若い子は、同じことを二度書くのは、一度書いているので、間違っているのではないか?と質問をすることもあります。

 

今回の課題文にもあるように、言葉の使い方には、大変厳しい態度を取られるのが一般的です。 

 

論文試験や論文を書く際には、言葉の使い方にぜひ気をつけてみてください。

 

私も昔大学の先生に指導されたことです。

 

(牛山さん、同じ言葉を使う方がいい ですよ・・・という具合にですね。) (;^_^A
まだまだ修行が足りんですよ。

 

 

【7】過去の掲載記事(プレジデントFamilyClub様)

 

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第1回 ⇒「従来の教育法では慶應に益々合格しにくくなる」

第2回 ⇒「慶應大学合格に必要な要素と中核」

第3回 ⇒「慶應大学合格に有効な受験対策(前編)」

第4回 ⇒「慶應大学合格に有効な受験対策(後編)」~「受け身の学習」から「攻めの学習」に変化させる~

第5回 ⇒「慶應小論文対策で失敗しないための根本的対策」

第6回 ⇒「信頼関係と素直な心で慶應受験に強くなる」

 

【8】編集後記:大変奥が深いところも

 

私は本当のことを言いますと、仕事ですからやっていますが、論文というのはね・・・

 

というようなことはあまり言いたくはないとも感じることがあります。その理由は、大変奥が深いからです。換言すれば恥ずかしいことでもあると言えます。

 

大学の教授ですら、相当慎重に話すか研究についての難しさを痛感されている方もたくさんいらっしゃいますのでね。

 

また、博士課程修了者なので、論文を自在に書ける・・・というものでもないと私は考えています。大学の先生ですら、学術論文の場合は一生かけて技を磨いていくのではないでしょうかね。

 

そういう大変奥が深い部分が、論文作成にはあると思います。どう研究するかというリサーチデザインの問題などもありますので。

 

したがって、本日のお話はあくまでも小論文を勉強する若い人たちのために、論文の書き方や考え方について、お話をしたものとご理解ください。

 

 

 

 

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