慶應大学文学部 小論文2011年 過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2011年度 慶應大学文学部 小論文過去問題の解説

 

こんにちは。牛山です。
今日は慶應大学の文学部、2011年度の過去問題の解説です。
ご興味がない方はここでメールを閉じてください。

 

【1】論理思考

(1) 概要

 

2011年度の文学部の問題では、設問Ⅰはオーソドックスな説明問題、設問Ⅱは、文学部の問題としては珍しい、3択の立場選択(どの立場を取るか)の後に論述するというスタイルの問題でした。

 

課題文の内容は、「日本的感性」がテーマです。

 

日本に特有の感性というものが存在するのかどうかについて、絵画を例に課題文では考察が展開されます。

 

日本絵画に特有の空間構成は、海外の絵画には見られないものであり、海外で発展した遠近図法(客観的かつ正確な空間描写の技法)とは違い、自分自身がその絵画の中に参与することを通して空間を認識するという日本人に特有のものの感じ方を基軸とした技法が日本では発展してきた経緯が考察されています。

 

同様に、万葉集の歌にも、このような日本的感性が表れていることを事例を通して指摘し、西洋の客観的論理とは対照的に、感性的な論理が日本的な感性の特徴と符合すると著者は説きます。

 

 

(2) 設問

 

今回の設問Ⅱでは、著者が論じているような、日本的感性について、次の3つの中から立場を選んだ上で、なぜそう考えるのかを論じることを求められます。

 

(1)日本的感性は無い。
(2)昔はあったが失われた。
(3)日本的感性は今も存在する。
※選択肢の内容は圧縮しています。

 

どの立場を取れば正解というように、正解が決まっているわけではありません。

 

どの立場を取ったとしても、しっかりと論理的に考えることができていれば大丈夫です。

 

慶應大学を受験する人は、ここでメールを見るのを止めて、少しだけ練習だと思って考えてみましょう。

 

・・・少しだけ考えてみましたか?

 

(3) 解答例(設問1)

 

 日本的感性の空間性とは、空間の側に存在する客観的な論理ではなく、個々の経験に先立つ構造である。さらに、認知されるよりも感じられるものである。この感性的な論理は、日本的感性の特徴と符合し、日本的空間性において遠景を支えるのは身体的近景である。日本的感性に固有の空間性とはこの触覚的な接触を基調とする空間性であり、中景を飛ばして遠景と近景を結ぶ空間性である。

 

(4)解答例(設問2)

 

 私は3の立場をとる。日本的感性は時代を超えて現代にも存在していると私は考える。
理由は大きく3点ある。第一の理由は感性の形成過程である。日本の近代化により日本人として特徴が失われつつあることは事実である。しかし、感性とは、人が育つ環境、文化、思想等の影響を受けて育まれるものである。日本が欧米等と比較しまったく違った文化を持つ以上、日本的感性は残り続ける。近年大ヒットした「ラスト侍」という映画では、日本人が桜を見て、花が散る姿から人の命の短命さと、生きる意味を短歌に込めて舞うシーンがある。日本には、万年炎天下の地域とは違い四季があり、四季から生まれる思想もある。第二の理由は、日本の特徴である。常に物事は変化し続ける気候的特徴は日本的特徴である。第三の理由は、今も残り続ける日本文化である。芸能、文学、古都、音楽、宗教的慣習など、極めて他国と比して特徴的な文化が日本には存在する。日本人が花見と称して、桜の花の下で桜を感じながら宴会をする風習は、桜に対する特別な想いから生まれている。欧米人が桜を美の対象として見ることがあったとしても、自身が一体となり桜と宴会、宴を感じることは無い。

 

【2】編集後記 北斎

 

 葛飾北斎は、日本を代表する画家の一人です。

 

北斎が描く絵を見てみると、人がその風景よりもかなり小さく描かれているのが分かります。

 

実際の大きさよりも小さく人を描くことで、自然をより大きく見せる技法が用いられています。

 

また、この技法は単なる技術的技法ではなく、自然に対する北斎の畏敬の念が込められているのだとか。

 

北斎は自然を師として、絵に接したそうです。北斎の絵画の優美さや壮大さは、そのような思想から生まれているのかもしれませんね。

 

ちょっと書いていると詳しく知りたくなってきたので、調べてみると、以下のようなエピソードもあるようです。

 

-------ここから-------------------
北斎は晩年になっても画法の研究を怠らず続けていた。 

 

北斎は「人物を書くには骨格を知らなければ真実とは成り得ない。」とし、接骨家・名倉弥次兵衛のもとに弟子入りして、接骨術や筋骨の解剖学をきわめ、やっと人体を描く本当の方法がわかったと語った。

 

弟子の露木為一の証言では、「先生に入門して長く画を書いているが、まだ自在に描けない・・・」と嘆いていると、娘阿栄が笑って「おやじなんて子供の時から80幾つになるまで毎日描いているけれど、この前なんか腕組みしたかと思うと、猫一匹すら描けねえと、涙ながして嘆いてるんだ。何事も自分が及ばないと自棄になる時が上達する時なんだ。」と言うと、そばで聞いていた北斎は「まったくその通り、まったくその通り」と賛同したという。
-------ここまで-------------------

 

まさしく、達人的な思考ですね。小論文の勉強や、論理思考の勉強にも通じるところがあります。

 

小論文の添削を受けて、なかなかうまく点数が上がらないと嘆いていた人は北斎の言葉を思い出してがんばりましょう。

 

 

 この他いくらでもあるのですが、この辺で辞めておきます。右に列挙した2を見てください。人にものをはっきり伝える力、これが大変重要です。政治家になっても、企業の中でリーダーになっても、このような力が無いと世界で活躍できません。この意味で、問題設定をするのは、試験のテクニックではなく、社会に出てからも人材として活躍する為の力を養成する意味や、試験で最低者に対して礼を尽くす意味もあるのです。

 

 

 

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