慶應大学文学部 小論文2004年 過去問題の解説

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このページでは、メルマガで流した慶應大学の文系学部の小論文問題の解説を掲載しています。 慶應クラスでは、構造ノートや構造議論チャートを使ってもっと詳しく細かく各学部の過去問解説を動画で行っています。

2004年度 慶應大学文学部 小論文過去問題の解説

 

こんにちは。 牛山です。

 

本日は、2004年度慶應大学文学部小論 文問題解説です。

 

【1】問題概要

 

今回の問題は、少し変わった問題です。

 

問題用紙には以下のようなことが書かれています。

 

----------ここから----------
あなたはこれからディベートに参加します。しかし、今回のディベートは少し変わっていて、あなたはディベートのテーマは前もって知らされていません。

 

あなたの役割はディベートの相手の鈴木さんの主張をよく聞いて、鈴木さんの議論に反論することです。

 

鈴木さんの主張を簡潔にまとめて論破してください。

---------ここまで-----------

 

【2】解き方

 

今回の問題は、要約をした後に、論述する形です。

 

ディベートということですから、論理構成は、私が本でも紹介しているピラミッドストラクチャーでもいいでしょう。

 

ピラミッドストラクチャーとは、

 

理由は3つある・・・

 

というように、自説を補強する理由を3つ程度にまとめて、論述する構成のことです。

 

課題文の内容はどのような内容だったかと言いますと、ちょうど要約内容である解答例がそれにあたりますので、前半だけ解答例をご紹介します。

 

【3】 解答例 前半


 鈴木は英語の発信力を高め、自分及 び日本のことを英語で書き、話す能力 の育成が重要であると説く。またこの 目的達成の為に効率を引き上げること を狙いとして、他国の文学や文化を学 ぶなどの国際理解に費やす時間等を授 業から取り除くことを主張している。 論拠は以下の三点である。第一に少な い時間では、国際理解が得られないこ とである。第二の論拠は、英語を用い て学習する以外に日本語を用いて学習 するという代替手段があることであ る。第三の理由は、日本は昔と違い、 超大国になったため、今度は自国から 積極的に情報を発信していかなければ ならないという鈴木の考えである。

 

【4】 解説

 

概ねこのような↑ 内容が課題文に書かれていました。

 

要約は、「もっとも言いたいこと」をおさえて、その主張に至る理由を入れていくことを考えます。

 

ところで、今回の問題はディベートです。

 

どうやって、この主張に反論していけばいいでしょうか。

 

ディベートは大変奥が深く、議論力の授業は、私が運営する塾でも、それだけで約4時間ほどあります。

 

議論を徹底して学ぶわけですね。

 

最大のポイントは、相手の論拠に反論
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
するということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

よく相手の論拠に反論しない議論というのがありますね。

 

あれは、大変弱い議論です。

 

言ってみれば、ケチをつけているだけで、批判しているだけ、十分な論拠が無いのに、

 

「あんなのダメだ」

 

とか言ってしまっているだけというパターンです。

 

議論に弱い人はこういうのに、コロッと騙されてしまいがちなのですが、議論に強い人は見抜いています。

 

相手の論拠を折れば、相手側の立場は大変弱いものになります。

 

見るべきポイントは以下のようなものです。

 

(1)相手の論拠が主張とのつながりが弱いかどうか
(2)データが無い場合、(単なる憶測や個人的持論になっている場合)
(3)理由から主張へのつながりが薄く、確率的に考えて妥当性を欠く場合、
(4)議論の目的が妥当ではない場合、

 

など、が主な攻めどころとなります。

 

議論に弱い人はこのあたりがスケルトンで見えていません。ですから議論に弱くなってしまうのです。

 

慣れてくると、だんだんディベートもやりやすくなってきますよ。

 

ところで、反論する方法として、「確かに~しかし」を使う人も多いですね。

 

これってどんな意味があるかをよく理解してあなたは使っていますか?

 

もしかして、

 

「確かに~しかし」を使うとそれだけ説得力が高まると思っていたり、これで合格するなんて思っていませんか?

 

この譲歩構文は、本来相手の主張に譲歩することで、感情的な反発を一定程度受け流すことに本来の意味と価値があります。

 

別に譲歩する必要は本来無いのです。

 

しかしながら、人は感情の生き物です。

 

ほとんど理性的に考えず、感情的に考えるところがあります。

 

そこで、相手の主張の妥当性を一定程度認めるということが、効果的に働くこともあるわけなんですね。

 

特に、読み手がどちらの側に賛成しようか迷っている場合や、あなたとは反対の考えを持っている時に、一定程度効果が見込めます。

 

ただし、このような感情に配慮する説得方法は、人を説得する要素の内わずかな部分でもあります。

 

これは、「慶應小論文合格バイブル」でもご紹介していましたね。

 

持っている人はもう一度開いて確認してみてください。

 

情緒的な説得力を与えるアプローチは悪くはありませんが万能ではありません。

 

特に受験生に多い失敗は、

 

「確かに~しかし」

 

と述べているけれども、情緒的な説得力も生まれておらず、主張の単なる繰り返しになっているパターンです。

 

譲歩構文をうまく使えているのは、全体の約2割の学生であり、ほとんど墓穴を掘ってしまっているパターンになっているという印象があります。

 

さらに悪いことに、無理に構文を使おうとして、日本語が不適切になっていることもよくあるのです。

 

加えて言えば、情緒的な説得力を高める手法はまだまだほかにたくさんあります。

 

それを分かっていてあえて「譲歩構文」をチョイスするのと、やみくもに構文にはめるのでは、天と地の差が生まれてもおかしくはありません。

 

構文を使うことは悪くはありませんが

 

何の目的のために、使うべきかや、何の効果があるのか

 

等を教えてもらわずに、とにかくこれで書けばよいと教えられている受験生は問題に対応できずに自滅してしまうことがあります。

 

十分な実力がある受験生が自滅するパターンは慶應受験では珍しくありません。

 

そういう失敗を避けて短期間で合格したのが、近年の事例では竹内さんや、(経、商、環合格)三村さん(文学部合格)です。

 

http://www.skilladviser.com/base/sixyouron/sr-2/keiou-crass-setumei.html

 

ピラミッドストラクチャーについては短い論述で威力を発揮しにくいケースもあります。

 

ただし、それはあくまでも「ケースバイケース」の話です。

 

つまり、臨機応変に変えていけばよいということになります。

 

何が説得的であり、何が説得的ではないかは、時と状況、論証材料やテーマによります。

 

従って適宜変えればいいのです。

 

しかし、大切なことがあります。

 

論理の原理原則は

 

漏れなく、重複なくです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

論理に飛躍が無い状況をいかにして作るかが重要であり、論理的な説得力は必ずここで生まれます。

 

従って弁論技術の観点から言えば、まずは原理的に絶対的に重要な部分が論理の構成であり、その構成に原理的にそっているのが、ピラミッドストラクチャーなのです。

 

私はこのピラミッドストラクチャーを日本の小論文界に初めて持ち込んだ人間です。

 

メリットとデメリットがあり、なぜ大切なのかも継続的に発信していく必要があると考えています。

 

それでは、解答例を見てみましょう。

 

【5】解答例

 

 はたして、鈴木の主張は妥当なもの だろうか。私は反対の立場を取りた い。理由は大きく3点ある。第一に、 鈴木が最も重要だとして取り上げてい る英語の学習目的が、極めて功利主義 的なものであることだ。英語学習の目 的は功利的な「進歩主義の精神」で行 われることが妥当と言えるだろうか。 国際理解を軽視してまで追い求める功 利性は妥当とは言えない。第二に生徒 の学習意欲が無視されている点が挙げ られる。一般的に英語学習には効率よ りも意欲の方が結果に結びつく傾向が ある。第三の理由は鈴木が述べる論拠 は、その多くが一般原則ではなく、個 人的な考えにすぎないことである。
 鈴木の主張を支える論拠は個人的持 論に過ぎず、教育目的が妥当性を欠 き、生徒の意欲など全体像が考慮され ていないため、私は鈴木の意見に反対 である。

 

【6】解説 後半

 

論文では、敬称等は使いませんので、鈴木と呼び捨てにしても大丈夫です。

 

むしろ一般的な表記法です。

 

実用本やメルマガ、SNSではありませんのでね。

 

 

 

 

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