慶應大学文学部 小論文1989年 過去問題の解説

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1989年度 慶應大学文学部 小論文過去問題の解説

 

こんにちは。 牛山です。

 

本日は、1989年度慶應大学文学部小論文問題解説です。

 

【1】問題概要

 

(1) 解説

 

この年の問題は、A,B二つの課題文が出題されており、この課題文の両方をそれぞれ要約するのではなく、

 

なんと、、、

 

一度に総合的に要約することを求められています。

 

(2) 設問の要求

 

A,B両文の主旨を、総合的に要約しなさい。

 

このような内容になっています。

 

それでは、それぞれの課題文を要約で見てみましょう。

 

(3) 課題文A

 

 若い学生から人生について聞かれることは、まず最近皆無と言ってもいい。第一、社会にクライシスのないところで「人生をいかに生くべきか」などと悩むわけがない。
 日本は大きく経済発展した。日本の経済的優位は当分の間覆ることはあるまい。
 私が青年時代の昭和二十年代前半はいわばクライシスの連続だった。だからこそ、私は『善の研究』を買うために徹夜をして並んだものである。
 ではこの時代にまったく人生論など求められないのであろうか。いや、そうではあるまい。今の日本は、「不満は無いが、不安が充満している社会」だと感じる。
 第一の不安は長寿社会への不安である。現代において、人生はながく、この人生のフルマラソンは相当にしんどい。
 第二の不安は、未曾有の繁栄が自分の生きている間に続くわけがないという不安である。
 人生論を必要としている40代の人たちが今日求めているのは、若い人たちが持っている向上心に満ちた人生論ではない。彼らには、離陸の人生論ではなく、この先いかにうまく着陸して、人生を終わることができるか、いわば着地の美学が必要なのである。生き方ではなく、まさに死に方の哲学が必要なのである。
 高度のハイテク大国日本が豊かさのドロ沼に足を取られずに末永く生きのびるためには、大人の哲学を持つことが必要だろう。それは、とりもなおさず、中高年のための人生論なのである。

 

(4) 課題文B

 

 現代日本社会には、どうやら必要の限度を越えて、物や情報が氾濫しているようである。
 私はそれを豊かさだとは思わない。豊かさとは、もっとゆったりと落ち着いたものだ。
 食料自給率が低い我が国に食べ物があふれ、グルメと称してうまいものへの欲望をさらに刺激する。もうこれは狂っているとしか言いようのない状態である。
 マンガやゲームなどの商品が、私達の生活を侵食しているのである。
 私はこれらの商品は害であると忠告している。そして、「断ちもの」のすすめをしている。
 茶断ち、女断ち、バクチ断ち、などのように、自分が好むものを一時断つのである。
 これは商品に対する抵抗力をつけることに他ならない。
 私の友人の女性は、自分の子供にはゲームなどを買い与えず、自然の中で遊ぶことを教えている。
 今世界でもっともエネルギーに富み真剣に学んでいるのは、中国や韓国である。
 日本の若者も、まだ日本が発展途上国であった時代は、大変勤勉であった。
 しかし、現代の日本の若者は、苦労をせず欲しいものが手に入る時代に生まれており、努力しなければ手に入らぬものがあることを知らずに大きくなってしまった。
 本当に必要なものではなく、あってもなくてもいいものがあふれた時代におのれを守るには、断ちものをしてみるのが有効ではあるまいか。

 

(5) 考え方

 

共通点をまず探してみましょう。

 

(1)現代の若者の危機意識の無さ
(2)現代の日本は恵まれている
(3)哲学的考察

 

以上の3点は、上記の二つの課題文に共通する内容であるため、解答に含めることを検討しましょう。

 

(6) 解答例

 

 近年若い人から人生論について問わ れることはまず無い。昭和二十年代前 半は社会全体が危機の連続であったが 今は違う。現代の我が国の社会は豊か になり過ぎており、同時に社会不安に 覆われた時代である。このような時代 にあっては、いかに衰退に備えるかと いう観点から考察することが生きる上 で重要である。
 同時に単に生きるだけではなく、物 や情報が氾濫した状態を豊かさと錯覚 せず、自然と触れ合うなど、心を豊か に生きることが重要だ。
 今の時代は、「死に方」を含めた人 生哲学を持ち、物質主義的な価値観か ら脱却する「断ちもの」の考え方を取 り入れるなど、個々人が生き方を問う ことが求められている。

 

【2】問題2

 

(1) 設問の要求

 

A、B両文に対するあなたの意見を述べなさい。

 

(2) ポイント

 

今回の問題は、やや変則的な問題です。

 

二つの文章についての、あなたの意見を述べなさいって・・・

 

ある意味で、論点がボヤボヤです。

 

論点とは論じる点のことです。

 

言い換えれば、AはBであるという命題のことです。

 

そのポイントが今回は、ボヤけていますね。

 

従って、

 

ある程度、自由に問題設定することを許されています。

 

明確な論点が無い以上、論旨から、話の流れを抑えた上で、外れ過ぎない程度に、自分なりに考えた問題設定を行いましょう。

 

あなたは今回の課題文を読み、どのような問題意識を持ちましたか?

 

素直に解く場合、今回の問題は、いわゆる「豊かさ論」として捉えるのが王道です。

 

豊かさの意味と価値について、あなたが考えることはどのようなことでしょうか。

 

課題文の中で述べられているのは、物質主義的な価値観の否定です。

 

物質主義的な価値観の後は、生き方と哲学的考察がくるのがお決まりのパターンです。

 

心穏やかに生きることと、生きがいをどのように位置づけるかが、一般的な論点ですが、豊かさ論とは、幸福論と紙一重であるために、幸福論について言及することは一つの手です。

 

ただし、単純な幸福論を述べれば、新規性が無い、単なる課題文の焼きまわしのような意見になってしまうリスクもあります。

 

月並すぎる意見で、あえて述べるまでもないような意見になると、当然何も考えていないのかと思われてしまいます。

 

そこで一定の新規性を加えることが
重要になってきます。

 

大事なことは、自分が考えた内容を書くことです。

 

「小論文技術習得講義」や「小論文の教科書」などの本には思考技術を書いていますので、一度手にとってみてもらうと参考になることがあるかもしれません。

 

課題文では、

 

・努力しなければダメだ。
・現代の若者はダメだ。
・生き方が大切だ。
・生き方より死に方の美学だ。
・自然とふれあうことが大切だ。

 

というようなことが述べられています。

 

人の幸福とは何か、どういうことが幸せなのかについて考察を深めていきましょう。

 

課題文では、価値観が各時代の背景によって影響を受けることについて言及されています。

 

従って、時代ごとに、価値観が違うことについて、考察するのも面白いでしょう。

 

それでは、いつものように、10秒だけでも考えてみましょう。

 

10秒でも、3分でもいいので、少しだけ考えてみましょう。

 

 

考えてみたでしょうか。

 

それでは、解答例をご紹介します。

 

(3) 解答例

 

 人の生き方に関する価値観とはどの ように変遷するのか。この点につい て、トルストイはその著書「人生論」 の中で、死生観をリアルに感じること から大きな変化が生まれると説く。ま た夏目漱石は、人の価値観について、 概ね理想主義と現実主義の比率が時代 ごとに変わるであろうと説いた。
 課題文では、危機意識、物質的、経 済的豊かさが、人の価値観に大きな影 響を与えると説いている。文豪の知見 と課題文が重なるのは、個人の意識が 何らかの自分自身の自由にならない物 事によって大きく影響を受ける時に、 人の価値観は変わるということであ る。これは私自身の病苦の経験と意識 の変遷とも符合する。
 したがって私は、人の生き方に関す る価値観とは、環境、遺伝子その他、 病気、老い、死など、自分の自由にな らない状況に直面した際に変わるもの であると考えた。

 

 

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