慶應大学の小論文対策

難問を解いても合格できない理由

 

こんにちは。
牛山です。

 

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【1】問題を解くことをそもそも求められていない?
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先日出したメルマガに反響がありまし
た。

 

問題を解くことが必ずしも、合格に
結びつかないということです。


そもそも、大学とは、知性がある人を
集める性質があり、問題を解くことが
できる人を集めたいとは限りません。

 

ケンブリッジ大学の医学部で、

 

「なぜ細胞は死ぬのだね?」


と面接の第一声で質問されるのは、
あなたが問題をどれだけ解くことがで
きるかを見たいからではありません。


あなたの知性を知りたいのです。


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【2】日本では問題を解くことができる=頭がいい
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日本の教育は減点主義教育です。

点数を取れば頭がいいのです。


点数を取るためには問題を解くことが
できればいいということになります。


どんなクイズにも答えることができれ
ば、点数が高いわけです。

 

日本の数学の問題を見て、ハーバード
の学生が


「日本はクイズを出してるのかい?」

 

と質問したことがあるそうです。


クイズができる人が頭がいいというの
が日本の教育です。


東京大学を二度卒業している脳科学者
の茂木健一郎氏は、


「東京大学はこんな問題を作ってちゃ
だめだ。この問題で優秀な生徒を集め
られますか」と講演で述べたことが
あります。

 

ちょっとした爆弾発言かもしれません
が、ここで述べていることと似ています。

 

知性を本当に推し量りたい場合、東大
の問題は一定程度有効に機能しますが
東大を二度卒業している茂木氏が警鐘
を鳴らすように、もっと別の方法が
ありえるということです。


小論文はこのような類の知性を推し量
る大変有効な手段になり得ます。


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【3】優等生的な答案で不合格に?
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優等生的な答案でも、合格はできま
す。


問題を解くことを大切にして、問題を
そつなく解くことはけっして悪いこと
なのではありません。


しかし、そのような出題方式そのもの
にあきあきしている知の巨人がいるこ
ともまた確かなのです。


事実、海外ではクイズ形式の問題を
解くことができる人を高く評価しませ
ん。


神経衰弱モドキのクイズゲームができ
ることだけが知性なのでしょうか。


そう考えていない人もいるということ
です。


問題をそつなく解いているのに、高い
評価にならないパターンというのは、
日本の教育にどっぷりとつかり、

問題を解くことが目的化してしまった
答案に、このような問題意識を持った
大人が刺激を受けない場合です。


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【4】社会に出れば問題を解けない
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ある東大の学生が、教授に授業で質問
されて、

 

「先生は質問しなくていいです。僕に
答えを教えてください。解き方を教え
てもらえれば、僕は問題を解きます。」

 

と答えたそうです。これは高校までの
勉強で学問ではないのです。

 

学問とは問いを学ぶと書きます。
自分で問いを学ぶことが学問なのです。


また、ある東大卒の社会人が会社に
入り、仕事を頼まれた時に


「結果を出すのは出せます。結果の
出し方を教えてください」

 

と答えたことがあるそうです。

それを考えるのが仕事なのです。

 

つまり、日本の高校までの教育がどっ
ぷり骨の髄まで染み込んでいると、

与えられたパターンで問題を解くこと
こそが、知性の発揮方法や実力の発揮
方法だと考えるようになってしまうの
です。


一歩社会に出れば、問題を解決する際
に、自問自答し、その問題を解決する
ために考えなければなりません。


パターンにはめるフォーマット思考で
はなく、事実を分析し、新しいものを
生み出していくことが必要になります。


頭の使い方が逆なのです。

 

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【5】正解ではなく、あなたなりの正解に価値がある
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世の中で成果を出していくときに大切
なのは、正解ではありません。

 

正解は無限にあるのです。


しかし、多くの受験生は、小論文でも
たった一つの正解にたどりつこうとし
てしまいます。


あなたなりの正解を生み出すことを
しないのです。

 

大学側が小論文を課しているのは、あ
なたの正解、あなたが妥当だと見なし
た考えを見せてほしいからです。

 

ところが、たった一つの正解を書き、
優等生の答案を作ろうとしてしまいます。


この時の残念な気持ちと言ったら
言葉にできません。


あなたが芸術大学の教授だったとします。

絵を描くことを学生に求めました。

 

「先生、正解の絵を教えてください」

 

こう質問したとします。


「今日は好きに描いてみましょう」


こう先生が述べても、生徒は正解を
求め、より一層エリートとして評価
される正解の絵の書き方を求めるのです。


この時の残念な気持ちはそのまま評価
に表れます。


この逆の思考回路を見せてほしいと
大学側は思っています。


りんごを描く授業があったとします。

問題を解くことこそが素晴らしいと
思っている人は、


「なんだ、リンゴの絵ですか、簡単
ですね」


と言ってしまいます。


リンゴを本当に描くということが
どういうことか、一瞬でも考えれば
このような考えは出てきません。


リンゴを切ってもいいです。

上に放り投げて写真を撮り、その写真
とリンゴを見比べて絵を描いてもいい
です。

 

リンゴを食べてもいいのです。リンゴ
を食べて自分がリンゴをかみしめた
時にどのような感覚に陥り、どのよう
なことを思うかを抽象的に表現しても
いいのです。

 

リンゴを冷凍庫に持って行っても、
別の表情を見せます。

 

リンゴをホームレスで食べることに
困っている人にあげてもいいのです。

そこでにっこり笑顔が返ってくれば
それを絵にしてもいいのです。


リンゴと虫でもかまいません。

リンゴを落として重力を表現しても
かまいません。

 

リンゴを宇宙に持っていき、無重力
を表現することもできます。

 

リンゴを地球の前に置くとどんな景色
が広がるでしょうか。


どんなメッセージをそこに持たせます
か。

 

宇宙の中にリンゴを置いてもかまいま
せん。

 

月まで持っていくという発想もあるか
もしれません。


銀河系を超えてリンゴを表現すること
もできます。

 

ブラックホールの中にリンゴを入れる
と時空を超えるのでしょうか。

 

ブラックホールとリンゴでもいいので
す。

 

時間と空間がゆがむ世界では、リンゴ
はどのように表現すべきでしょうか。

 

リンゴを表現すると言っても、無限に
表現方法があります。

 

これを簡単だと言ってしまうというこ
とは、問題意識が欠如しかけている
ということです。


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【6】問題
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あなたが日本社会を変えるために必要
だと考える政策を提案してください。

 

このような問題が出たとします。

問題の解き方に意識が向かうのは悪い
ことではありません。

その前が大切です。

 

あなたは、どのような問題意識を持っ
ていますか。


どうしたいのですか。

それはなぜですか。

それが見えない質問です。

どうするのがいいんだろう。
どんな社会が理想なのだろう。
今どんな問題があるんだろう。
なぜこんなことになるんだろう。
どうして解決できないのだろう。
どうすれば解決できるのだろう。
どのような成功事例があるのだろう。
どんな失敗があるのだろう。

そもそもなぜ社会を構築するのだろう。

わずかに改善するのではなく、劇的に
改善するにはどうすればいいのだろう。

本当に自分には何もできないのだろうか。

自分が社会を変えるのであればどうや
るだろうか。

日本だけではなく、世界を変えるとし
たら、どうすればいいのだろう。

何百万、何億とい人の苦しい気持ちや、
何百億、何千億という生き物の生活
環境が破壊されて苦しんでいることを
どのようにあなたは感じるでしょう
か。

 

 

 

ところが、

「いや、無理なんじゃない?」

 

 

と考えることもできます。

無理なんじゃないかと考えれば、
好奇心が無くなります。

 

そして、考える力も無くなってしまう
のです。


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【7】問題を解くのではなく、考えよう
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試験は必ず問題として形式上は出題
されます。

 

しかし、大学側が欲しいのは問題を
解く人ではなく、考える人です。


露骨に慶應大学の医学部では、

今年はあなたに問題を作ってもらいま
すという問題が出題されたことがあり
ます。

 

どのような問題であれば、そもそも
試験として望ましいのかということを
考えることができない人は対応できな
くなる問題が出題されています。


形式上は問題を解くので、言葉で考え
れば、問題を解けば受かると考えて
しまいがちです。


逆説的ですが、問題を無視してきち
んと考えた人が合格してしまいます。


まずは正解っぽい答えを書くことも
大切です。

 

正解っぽい答えを書くのではなく、
より一層考えた内容を書きましょう。

そうすれば、それだけ合格しやすくな
ります。

 

 

 

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