慶応大学の小論文過去問題解説

 

 

 

こんにちは。牛山です。

 

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【1】概要
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今日は2012年度の、慶応大学環境情報
学部の小論文の問題を解説します。

興味がない方は、ここでメールを閉じ
ていただければと思うのですが、慶応
大学志望者は、ぜひ読んでみてください。

 
今夏の問題はある意味で、環境情報学
部らしい問題ということができるので
はないかと思います。

問題の1では、今までに印象的な関わ
りを持った生活用品を一つ挙げて、そ
の生活用品に対して説明する問題でした。

 
問題の2では生活用品の開発をどのよ
うにするかということを提案する問題
でした。

受験した方はいかがだったでしょうか。

 
おそらくですが多くの人が混乱するの
は、何を書けば評価されるのかという
点ではないかと思います。SFC の問題
では、分析が重要ということを教わっ
ていた方は、一体今回の問題から何を
分析するのかということが分からず頭
が混乱してしまったのではないかと思
います。

 
今回の問題は、特に分析力が重要とい
うわけではありません。もちろんいつ
も必ず分析力が重要ではないというこ
とではありません。

今年の問題を解説するために、話をわ
かりやすくしたいと思いますので、背
景も含めて重要なことを順番にお話し
ていきたいと思います。

 

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【2】出題意図の背景
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(1) 時代の移り変わり
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慶応大学でこのような問題が出題され
ているのはなぜでしょうか。このこと
を理解するには、人類が形成している
社会がどのような経緯で形成されて、
今後どのようになっていくのかという
ことを理解しておく必要があります。

人類の社会が大きな転換期を一番最初
に迎えたのは18世紀に起こった、農
業革命です。その後19世紀頃には産業
革命が起こります。人類は、工業化に
よって社会を大きく変化させてきました。

ものを大量に作り、生産性を引き上げ、
それによって海外と貿易をし、戦争を
して、世界の独立国家が覇権を争い、
現代社会の基盤となる社会が形成され
ました。

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(2) 権力と力の時代 ~近代化以前~
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かつてまだ、この世の中が力によって
支配されていた時代においては、この
社会のパワーの源は、権力と力でした。

戦争が近代化される以前は、戦争は肉
弾戦でしたから、力が強い者は、社会
で英雄として優遇されて、その社会に
おいて高い地位に就くことが多い時代
とも言えます。

このような事は、日本史の教科書でも、
世界史の教科書でも解説されないこと
ですが、今世の中で何が起こっている
のかを正しく理解するためにもう少し
我慢してこの文章を読んでみてください。

ところが・・・

農業革命や産業革命によって人類の社
会が近代化するにつれて、今までには
存在しなかった力が、社会のパワーの
源になりました。

 

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(3) 知識と経済が力の源の時代
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 近代化によって生まれた新たな力の
源泉とは知識と、経済(富)です。

人口が少ない国家であっても、高い技
術力(知識)を保持し、他国へ価値を
提供できる国家は、その知識と経済の
力によって、強大な軍事力を保持し、
世界の各地を支配するようになりました。

かくして、人類は、二度の世界を巻き
込んだ大戦を経験し、その教訓と大き
くなりすぎた核を含む科学技術の力を
コントロールする為に、世界にさまざ
まな機構を作り始めます。

国連やEUはその典型です。

世界経済を動かす世界銀行や、IMF
という、各国政府に影響力を与える世
界の統治機構が中心となり、世界の経
済が動いてきました。

各国の政治経済の力の源は、知識(技
術力)と経済という事ができます。

 

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(4) 情報通信とプラットフォームが力の源の時代
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ところが、長い人類の歴史の中でほん
のわずかな期間の内に、世界の国家と
政府の力の源泉であった知識と経済が
力の源泉ではなくなる事態が発生しつ
つあります。情報通信革命の誕生です。

インターネット環境の発展と、ソーシ
ャルメディアによる、世界の人類の緊
密なつながりは、単なる情報の共有で
はなく、文化と思想の共有となり、民
主主義の根幹となる議員代表制などの、
統治の仕組みとあり方を根本的に変え
る力を持つようになりました。

それまでの独立した国家の集合体が世
界を構築しているのではなく、それら
の国家と、世界の国民をつないだフェ
イスブックやツイッターのような企業
との、複合体が、世界を構築するよう
に変わりました。

フェイスブックのユーザー数は10億
人とも言われています。代表者のマー
クザッカーバーグの個人資産は既に小
規模の国家の予算を超えています。

数兆円の個人資産を有し、企業価値は
10兆円近い価値となっています。今
後もさらに膨れ上がるかもしれません。

 
重要な事は、このフェイスブックのよ
うなソーシャルメディアは、アメリカ
の大統領の選挙にも大きな影響力を与
えるということです。

フェイスブックの仕組み一つで情報の
伝達様式が変わり、大統領が誰になる
かまで決まる可能性があるということ
です。

世界で最も強大な力を持つ国家の大統
領選だけではなく、その他の先進国の
選挙にも当然大きな影響力を持ちます。
ハーバードもケンブリッジも含め世界
のすべての大学、著名人、政治家、資
産家、財界人をつなぐパイプのインフ
ラになったのがフェイスブックと言え
ます。日本の文部科学省も、フェイス
ブックのページを作っています。

力の源泉が、力から、経済と知識に、
そして今、情報革命によって情報通信
とプラットフォームに移ったという事
です。

新しい国家の誕生です。

 

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【3】新時代の政治と経済、統治機構の在り方と世界の共同体
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~すべてが変わる、社会のあらゆるも
のの再定義の連続が始まった~

ソーシャルメディアの新しい社会では、
政治も経済も、統治機構の在り方すら
も、すべてが根本的に変わります。

パラダイムシフトが起こったのです。

環境情報学部の資料文で述べられてい
るように、アップルが世界に無料で提
供したアイチューンというソフトがア
ップルの成功の秘訣です。

ユーザー数は、1億人を超えます。そ
の結果アップルは時価総額世界一の会
社になりました。

重要な事はそれだけではありません。
今後この動きと流れはさらに加速する
という事です。

今我々の世界の一番の変化と言えば、
みなさんはスマートフォンや、インタ
ーネットの環境、ソーシャルメディア
だと思われているかもしれませんが、
今後は省エネと、自宅のサーバーを中
心とした、街全体がIT化によって強
く結びつくスマートシティー構想の実
現、(アメリカ政府は既に動き出しま
した。)ICタグの普及による、位置
情報の革命によって起こる、ユビキタ
スコンピューティングの世界、言語の
垣根が無くなり、デジタルとアナログ
の垣根が技術革新によって無くなる世
界のコンテンツ統合の時代になります。

今以上に世界中の数十億人の人間が強
く結びつき、思想や文化を共有するよ
うになった時に、果たして国家という
単位そのものの存在意義がどこまであ
るのか?という問題も浮上してきます。

 
~国家の変容~

 
一国の経済と政治単位でものを見た場
合、中央集権型の国家が中央の官僚の
利権の為にいかに国民の血税を無駄に
使い、一国の経済の生産性を低下せし
め、奇抜で柔軟な政策能力を失い、国
家が衰退するかも良くわかります。今
の日本はその典型です。

国は少しずつ変わっていきます。

大坂の橋本氏は、大坂都の実現の為に
孤軍奮闘していますが、この様に地域
単位で経済を構築するように統治のあ
り方を再構築したり、企業の経済活動
は、国をまたいでの、クロスボーダー
でのM&Aや、経済活動が当然で当た
り前になりました。インターネット上
の海外での経済活動の機会は今後ます
ます増えるでしょう。ソーシャルメデ
ィアで、国境をまたいで世界中の友人、
知人、取引先に一瞬で情報が同時に伝
わるようになりました。

 
国家という単位そのもので物事を見る
事の意義が今薄れようとしています。

経済活動だけではなく、政治の世界も
例外ではありません。国や政府が前提
での統治のあり方が少しずつ変わって
きています。アラブの春と呼ばれる大
規模な反政府運動は、その運動そのも
のの結果に焦点を当てても、大事なこ
とは見えてきません。重要なことは、
インドのハンスト運動に見られるよう
な反政府運動を行う事ができる環境が
今整いつつあるということなのです。
まだ情報通信革命の入り口にしか我々
は立っていません。

今ですら、国民の怒りは一瞬で数十万
人、百万人に達します。今後はさらに
加速するでしょう。

 
~慶應SFCが目指すもの~
慶應SFCが志向するのは、未来の社
会を模索して、問題を解決し、ここで
紹介したようなマークザッカーバーグ
のように、新しい時代を創る事です。
政治や経済の社会で起こる様々な問題
を解決する人材を欲しており、このよ
うな時代の変化に対応できる人材を小
論文試験で選定しているという事を理
解しておかなければ小論文の出題意図
は理解できなくなります。

 

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【4】2012年度の環境情報学部の問題の意味
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SFCの問題はここまでに述べたよう
な事を踏まえて作成されています。本
当に聞かれた事に対してそのまま、答
えても評価はされません。

生活用品を例に挙げたり、体験を述べ
たり、改良の工夫を発明コンテストで
述べるように、何かアイディアを言っ
てみるという事では、まったく意味が
ありません。ここに気を付けて、試験
にのぞむことが大切です。

私が主催する慶應クラスでは、この様
な点も含めてどのように書けば評価の
対象になるのかを指導しています。要
するに、単なる小論文指導の塾ではあ
りません。慶應合格の為の小論文評価
基準解説機関としての役割もあるとい
う事です。細かい文章の書き方だけを
指導する作文教室ではありません。

 

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【5】デザインとは何か?
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上記の点を踏まえてデザインを考える時、

・デザインとは、モノの形だけの問題ではありません。
・デザインとは、機能性の形の事だけではありません。
・デザインとは、美しさだけではありません。
・デザインとは、アナログの範囲の事だけではありません。

 
デジタルとアナログだけではなく、ク
ラウドも含めての、未来の(政治・経
済・社会の)カタチの事です。未来は
どうなっているのか?どのような社会
になっているのか?

こういう事を間接的に聞かれていると
考える事が今回の問題を解く上でも極
めて大切です。(あくまでも間接的に)

今回の問題は【提案しなさい】となっ
ています。提案するというのは、単に
提案だけをしても何の意味もありませ
ん。提案というのはソリューション
(解決策)でなければなりません。
今回の問題で言えば、最低限、今の社
会を部分的に変革する可能性がある解
決策、提案ということです。

 
そして、その提案方法も評価されてい
ます。提案内容だけではありません。

~コンピテンシー能力~
コンピテンシー能力とは、ある特定の
タスクを遂行する力の事です。学力の
事ではありません。今経営学の世界で
は、このコンピテンシー能力が大変注
目されています。勉強ができるのに、
仕事ができない人が多い為です。なぜ
仕事ができないのでしょうか?そうで
す。頭がいいはずなのにです。

頭の良さと仕事の間にあまり関係がな
いのです。逆に、コンピテンシー能力
(できる人の能力)と仕事の達成能力
には大きな関係があるわけです。もと
もとコンピテンシー能力とは、結果に
つながる能力の事ですから当然ですね。

 
例えば英語が抜群にできる人を海外に
送り込んでも、仕事ができない、交渉
で決裂する、リーダーシップを発揮で
きないなどで、まったく仕事ができな
いことがあります。それに対して英語
はできなくても、下手でも、コンピテ
ンシー能力がある人は、交渉をまとめ
たり、リーダーシップを発揮して、マ
ネジメントする能力があったり、業務
をきっちり遂行する力があるわけです。

このようなコンピテンシー能力の一つ
として大変注目されているのが、プレ
ゼンテーションの能力です。アップル
のスティーブジョブスもこのプレゼン
テーションの達人でした。今では伝説
の経営者です。世界を変えた人物であ
り、マイクロソフトのビルゲイツを震
え上がらせた天才です。

このようなコンピテンシー能力を今回
のプレゼンテーションでは、見られて
いるという事をしっかり理解しておく
必要があります。

 

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【6】続きは次回かその後で・・・
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今回は少し長くなりましたので、続き
は次回にしたいと思います。

 
ところで、今回の内容は、私が大学院
で学んでいる知見も踏まえての内容と
なっています。

私が学んでいるのは、大前研一氏です。
大前先生は一国の経済のコンサルティ
ングを行う人物であり、世界のTOP
企業のコンサルティングを行うマッキ
ンゼーという会社で、TOPを務めて
いた人物です。政治と経済に精通し、
長年のコンサルティングファームでの
経験が豊富な方ですから、日本の国の
レベルの先生ではなく、スタンフォー
ドなどの世界TOPスクールの先生です。

 
大前先生のこのような経験を活かして
書かれた新・資本論という書籍は興味
があったらぜひ読んでみてください。

今の時代の経済を規定する4つの経済
空間と国と経済が発展するモデルが説
かれています。

 
1)実態経済
2)ボーダレス経済
3)マルチプル経済
4)サイバー経済

の4点です。旧世界の人間は、実態経
済しか見えません。民間のファンドが
資金を集めて、マルチプルの力によっ
て国家の経済をデフォルトに追い込む
力すら有する時代に、日本を含む他の
国家も、自国の経済力だけでなんとか
しようとしているのが今の政府の経済
政策です。

今回のメールマガジンでも紹介した内
容は、サイバー経済の内容とボーダレ
ス経済です。

したがって新世界のサイバーやマルチ
プルの世界が見えない人は旧世界の石
器時代の論理で今の時代を見て、判断
をします。

SFCを受験する皆さんは、そうであ
ってはなりません。時代が変化してい
ることを見極めた上で、いかにすれば
国家が発展するのか?いかにすれば、
経済が発展するのか、そして我々が暮
す社会の問題を解決できるのか?

ここを真剣に問う時代になっており、
その激動の変化の転換期にあるという
事を踏まえて、慶應SFCは受験する
必要があります。

 
追記
今回の問題解説は総合政策学部の20
12年の問題にも通じるところがあり
ますね。時代の流れがどうなっている
のか、SFC受験生は、未来を予測し
てみましょう。今の時代の政治や経済
の論理が根底から覆される違う世界が
そこにあるのかもしれません。

 

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【7】解答例
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【問題1】
私がこれまでに印象的な関わりを持った生活用品はiPhoneのノートアプリである。デフォルトでインストールされているアプリだ。このアプリの特徴は、自分のノートを一覧表示できることである。小さなブラウザ上で、限られた文字スペースしかないが、限られた表示域を効果的に用いて、一覧性が担保される表示形式となっている。このノートアプリの良質な体験が生まれた理由は、一覧性による美しさと機能性にある。従来的なノートやノートアプリは、機能美という点において、このアプリに劣っていた。
アプリケーションとの接触が感動的になるためのポイントはシンプルさである。Twitterが今もなお多くのユーザーに利用される理由もここにある。ソフトウェアとユーザーの接触の瞬間について、極めてシンプルに設計されることで、ユーザーは直観的に操作をすることができる。そして、そのソフトウェアの価値が利用者に伝わる。以上、シンプルさから生まれる機能性、機能美という付加価値こそが、感動的な体験の正体であると私は考えた。

 

【問題2】 
もしも私がノートアプリの開発に着手するとすれば、物事の構造をシンプルにまとめることができるように、アプリケーションを設計する。名前は構造ノートと名付ける。
従来のノートアプリの問題点は、エバーノートなどの有名なアプリも含め、複雑であることだ。もちろん、使用方法が複雑なわけではない。ドラッグ&ドロップ等の簡単な操作で、ノートをつけることができた。しかしながら、肝心かなめの記録された内容は、極めて複雑なままである。どのような意味合いがあり、どのような情報の階層構造があり、どのような情報の関連性があり、どのような論理関係があるのかについては、はなはだ不明確な情報が雑然とノートに記録されていた。このようなノートはいくらつけることが簡単であっても利用可能性という点において、価値が低い。単なるスクラップブックである。理解しにくく、記憶しにくく、復習にしくいという3重苦のノートと言える。
そこで私は、情報を構造化し、構造化された情報を端的に見直すことができるシンプルなノートを提案する。この構造ノートと名付けたノートは、クラウドで管理する。スマートフォン、PCにアプリケーションをインストールし、クラウド上の情報と常に同期することができる仕組みである。
このノートを使用することでユーザーは次のような体験をすることができる。ノートの内容がスッキリと整理されているため、ノートの内容を理解しやすい。また、ノートの内容を素早く復習することができるため、利用者は対象を記憶しやすい。また同期可能であるため、利用者はさまざまなデバイスを通してこのソフトウェアを利用することができる。
したがってデバイスの機能性、閲覧性、アクセス性等の観点から、このノートソフトは復習しやすいノートである。復習しやすいということは、必然的に記憶へも残しやすいということになる。
このノートの特徴は図式化にある。この図式化は2つの方法で行う。一つは論文の執筆の際のインデント機能をデフォルトでノートに持たせる方法である。この機能により、ノートの文章は階層構造で記録される。第二の方法は、文字通りの図式化である。矢印等を
自由に引くことができる機能を設け、記述内容を簡単に図式化できるようにする。
以上、従来の記憶、理解、復習という難点を解決するため、情報を構造化する構造ノートを提案した。

 

 

 

 

 

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