小論文の対策 無料ウェブブック(「小論文にセンスが不要と考える危険性」と「センスを磨く7つの対策」

 

W いかにして差を埋めるか

(1)センスが無ければ勝てないのか
 センスがなくとも、小論文の難関試験に合格することはできる。単に合格しにくいだけである。決して絶望的な差というほどでもない。私の経験から言えば、センスが無くて、スキルアップすることも放棄するのに近い人は、何度アタックしても合格できない事例があるが、仮にセンスが人より劣っていても、きちんとスキルアップした人は例外なく、皆慶應大学であっても合格してきた。小論文の添削指導と真逆の書き方をするなどの無謀な受験をしない限り、原則として合格できる。

(2)先天的な能力差は「スキル」で埋める(基本戦略)
 それでは、センスがある人とのギャップをあなたはどのように埋めればいいのだろうか。一番の対策はスキルアップを目指すことである。才能がある人でも、空手の修練を積んだ人には勝てないように、スキルアップすれば、才能を超えた力をあなたは得ることができる。

 

 もっとも意味が無いのは、むやみに対策を行うことである。空中に向かってパンチを繰り出して練習するようなもので、このような量をこなすだけの対策は空を切りやすい。

 

 

 従って段階的なスキルアップのカリキュラムに沿った対策が望ましいのは言うまでもない。

 

(3)後天的な感性を伸ばせるだけ伸ばす(補足戦略)
 スキルアップの次に重視してほしいのは、感性を磨くことである。センス・感性の磨き方を後に紹介する。

 

(4)なぜハウツーではなく、スキルなのか
 ハウツーとは「小手先のテクニック」である。スキルとは熟練した技である。ハウツーとスキルの違いは、脳科学的に言えば、脳内のニューロンネットワークが十分につながっているかどうかとも表現できる。

 脳内の神経細胞は、何らかの経験によって生まれた記憶が活性化することによって、複雑に神経細胞が伸び、他の脳内の神経細胞とつながる。厳密には、電気的な信号が流れるようになる。スポーツや音楽、勉強によって生まれた記憶が根付いたものがスキルである。

 

 

 

 このような熟練した状態とは対照的に、頭の中がスカスカな状態が、小手先のテクニックである。テクニックとスキルを根本的に勘違いしている人は、このような脳内の状況をイメージできておらず、教育においても十分な経験を積んでいないことが予想される。私が小論文指導の際にも、「ハウツーで考えないようにしましょう。」と言う理由はここにある。

 

 小手先のテクニックであなたの頭の中がスカスカの状態で受験日を迎えることは極めて危険だからだ。

 

 

 











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