慶應大学絶対合格って本当なの?

 

3 数学的に受験業界で初めて合格率を計算する
 ここにご紹介した内容が分かりやすくなるので、もう一つ短い記事を紹介する。私が「難関私大対策の急所」という本に書いた内容である。


------ここから引用----------

たくさん受験しても無駄なのは、力がない時です。実力を十分につけた場合は、併願すればするほど、不合格になりにくくなります。これは確率計算をすれば簡単に計測できます。

【興味が無い人はここは読み飛ばしましょう】
例)合格55%の人が3つの大学すべてに合格率55%であった場合、すべてに
不合格になる確率は0.45×0.45×0.45=0.091 したがって9.1%です。
どれかに合格する確率は、すべてに不合格になる確率を全体から引いた確率です。合格率55%で3つの大学のどれかに合格する確率は、0.909となり、
9割がた合格することになります。

併願による合格率を計算する時には、すべての施策(ここでは受験)が成立(合格)しない確率を計算することになります。受験校すべてに不合格になる確率を全体から引けば、どこかに合格する確率を算出することができます。

原則としてある程度の力があるのであれば、このように受験すればするほど、
合格する確率は高まっていきます。
定性的に(勘や憶測で)、たくさん受験しても無駄と考える前に、数学的に絶対的な真実としての確率を計算してみましょう。もちろん、力をつけずにやみくもに受験しても良い結果は得られません。
------ここまで----------

 

 以上が、私が本に書いた内容である。あなたに聞きたい。

 私がここに書いていることは、特定の簡単な方法を使えば、100%合格するという内容だったか?

 違うということがお分かりいただけるはずだ。重要な点は2つある。

 

 

(1)全体レベルの100%は無いと断言している
 第一に全体の100%はありえないと断言している。それにもかかわらず、「慶應大学に絶対合格する方法があると嘘をついている人がいる」などと述べている者がいる。

 これは、一種の詭弁の手法である。

 詭弁とは、人を欺く論理のことだ。聞いている側は論理に弱いと、詭弁の餌食になる。

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牛山は、全体レベルの絶対合格はありえないが、個人レベルの99%程度まで合格率を高めるアプローチは存在しうると述べた。
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 この内容を詭弁の論者は変更する。

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牛山は、100%絶対に合格する方法があると述べている。
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 このようにして捻じ曲げた後に、

 100%絶対に合格する方法があると述べているが、そのような方法は存在しえない、なぜならば・・・・

 と続けるわけだ。

 事実をねじ曲げた後に、いかにも牛山が嘘をついているかのように見せかけるための論法なわけだが、実際に嘘をついているのは、「極論化」という手法を用いた、最初の論者であることは言うまでもない。

 まとめるとこうである。 以下のような場合、


 AはBである。(成立する)
 A´はBである。(成立しない)

  1. AをA´とすり替える
  2. A´=Bは成立しないと述べる。

 私はご丁寧に以下のような文章まで書いているのである。

-------------ここから引用開始-------------
もちろん1、直前からなら全部不合格になる確率99%
もちろん2、勉強できないなら、全部不合格
もちろん3、実力がつく手順でやらないなら理論上の合格率は達成されない
もちろん4、他の予備校の塾等を使ってカリキュラムが崩れるなら必ず実力がつくという理論も崩れる
もちろん5、小論文が引きあがらなければ1学部の合格率は80%にはならない
もちろん6、同様の理由で1つの科目の合格レベルが届かないと合格率は一気に50%かそれ以下に落ちる。
もちろん7、早稲田も例外ではなく、記憶量が絶対合格レベルを超えれば個人レベルでの合格確率は99パーセントを超える
もちろん8、これは個人の理論上合格確率で(受験生・生徒)全体では絶対にありえない数字である
もちろん9、小論文の実力が低い事が圧倒的に多く、最初は10〜20%の合格レベルの人がほとんどである。
-------------ここまで-------------

 

(2)特定の方法などを提案しているのではなく、アプローチ(戦略)を提案している

 「慶應大学絶対合格法」は、単発の方法ではなく、戦略軸の提案(提言)である。政策提言なのだ。その政策提言の内容が、確率計算を伴ったものであり、99.9%まで確率を高めていくことを理論上可能にするアプローチなのである。

 当然本書の意義は、やみくもに勉強を進め、併願もせずに実力があるにもかかわらず慶應大学に進学できない進学希望者を救うことにある。メリハリをつけて、どこに重点を置き対策をすればいいのかについて、事細かに記述したことに、本書の意義がある。このような意義を無視して、揚げ足を取るのが、詭弁を用いる人間の常套手段である。ましてや、ここでは、揚げ足ですらない、揚げ足ではなく、事実の捻じ曲げと捏造の結果詭弁を用いているに過ぎない。

 慶應大学に絶対合格する方法はないなどとわざわざ事実を捻じ曲げて、目をそらさせようとしても受験生にとって何の得もない。多くの受験生を不幸に導く言説と言わざるを得ない。

 

 








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