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問題集はどれもやるのが理想
 問題集にお勧めはあるかと言われれば、無いことはない。しかし、べつに駿台を使っても、代ゼミを使っても、河合を使ってもいい。

 そんなところで差がついているわけではないという認識が重要だ。そして、それ以上に重要なことは、問題集のやり方である。どのように効率よく、効果的にこなしていくことができるかが重要なのである。問題集はなるべく多くやることが重要だ。

 しかし、「もっと少なくてもいいよ」と悪魔のようなささやきをあたなに投げかけてくる人はこれからもいるだろう。無視することである。

 慶應大学に4学部合格した辻本君は、50冊以上問題集をこなし、覚えきった。どの問題集も覚え込んだのである。これだけやり切れることが優秀なのだ。ほとんどの人は、ここまでできない。

加速度的にスピードは速くなる
 しっかりと記憶していけば、問題集は覚えれば覚えるほど、次の問題集は覚えるべきポイントが減っていく。問題集を処理するスピードは加速度的に速まる。

 

 

 

 

どれをやるかではなく、どうやるかが大切
 問題集をどうやるかを考えよう。そして、その時に大事なことは、どうやるかについても、相当個人的かつ、感覚的な意見があふれているということだ。
大体適当に語られがちだ。

 私が他の人と学習アプローチについて違うことを言う理由は、大きく二つある。

  1. 各学問の分野での研究を元にしている。
  2. 問題解決のアプローチで、記憶や学習の問題を統合的に分析し、対策案を立案している。

 物事の分析というのは、大体適当に成される。分析した・・・と言われるとき、分析ではなく、なぞっただけということが世の中では多い。受験業界では特にこの傾向が強い。私は大学院で、マッキンゼー流の分析を学んだ。毎週60枚程度のスライドで、定量的に前提を整理し、その上で、問題解決学の手法により問題点を定義し、問題解決の原理に基づき、対策案を立案されるのを見てきた。戦略的に効果が見込める点を突く方法論を2年間学び続け、そしてMBAを取得した。分析の難しさを痛感した2年間である。

私たちがやっているのは、「リサーチ済みのこと+問題解決のセット」
 私が学習アプローチを推奨するとき、リサーチ済みのことと、問題解決を組み合わせて方向性案を提案している。「単なる個人の経験談」や、「思った対策」、「調べてみた上で思ったこと」を土台とはしていない。

 そもそも参考書に良いもヘチマもありはしないとも表現ができる。要はそれをどう使うかなのである。

 どう使うべきかは、すでに言語学の領域で研究が進んでいる。どのようなアプローチが最も学習の波及効果が高く、学習の効果が高いのかは分かっている。さらに言えば、記憶を大量にすることができないという問題を問題解決学的に分解し、どのような対策を行えば対策案が機能するのかも大体分かる。もちろん・・・そんなことはできないのだという意見もあるだろう。

 屁理屈である。

 そもそも、ケチをつけるだけならば、いかようにも、この世の中のあらゆる諸現象について、ケチをつけることはできる。しかし、ケチをつけても、実態や原理はそこにある。ガリレオが異端扱いされようとも、地球は太陽の周りをまわっていたように、原理や実態を否定したり、ケチをつけることに、何の意味もありはしない。

 速読の研究も然りだ。広島大学や東京大学で研究が行われている。分かっていることはある。

分かっている効果が実証済みのことから、問題解決の手法によって、カリキュラムを組み直す。そうやってできた学習アプローチを私は推奨している。その結果が、日本でトップレベル続出の成果なのである。

 従って、どの参考書や問題集がいいのかという問いに対しては、このような考え方の先にある「適用可能な問題集」が良い問題集、参考書ということになる。このようなやり方を進めることで、慶應大学文系4学部合格の実績(2年連続)や、3学部合格の実績、慶應SFCダブル合格、慶應文学部、商学部合格などの実績も出ている。もちろん、大阪大学大学院首席合格や、国立法科大学院次席合格なども同様の対策から生まれている。

どの参考書・問題集をやるのがいいのか?
 私が推奨するのは、原則として「編み直しているもの」である。問題集をもっとも手早く作る方法は、各大学の過去問題を引っ張り、それを連結するものだ。

 これはもっとも手間暇をかけない問題集の作り方であり、ざっくりつなげるだけで終わるので、さっと出版可能である。著作権である頒布権や口述権を無視しているものも多い。解答をつければそれが問題集になってしまう。

 ただ、やっていることがそもそも手抜きだ。数研出版や、山川出版、Z会、学研のように、細かく何らかのコンセプトや学習理論に基づいて、組み直されているわけでもなんでもない。

 試験の問題は、学生の学力を推し量るために、問題にばらつきを与えるのが一般的である。つまり、絶対に解けない問題、まず解けない問題、典型的な問題、易しい問題というように、ばらつきを与えなければならない。

 この時に、絶対に解くことができない問題だけで構成されても、優しい問題だけで構成されても、試験は機能しなくなってしまう。従って、受験戦略としては、一般的に典型問題の穴を無くすことを最優先にする方が、点数は高くなる原理原則がある。

 力が付く問題集が何かを問う前に、良質な典型問題がキッチリおさめられたものを使う必要がある。さらに言えば、過去問題をざっくり雑に集めたものではなく、それらの過去問題を使わずに、内容を精査したうえで、端的にコンパクトにまとめられたものを選ぶことが重要である。

 例えば「早稲田の英語」というように、早稲田大学の過去問題を集めたので、早稲田の分析ができましたという類が「もっとも分析ができていない」典型と言える。集めただけだからだ。点数は記憶の量と質、解答力で決まる。小論文に関しては各スキルレベルで決まる。

 昔から「薄い問題集であればあるほど点数は短期間で上がる」と言われるのはこのためである。薄い問題集は頻出事項しか掲載されていない。従ってペラな問題集(30日完成シリーズなど)はコストパフォーマンスの観点から言えば、大変高いのが一般的である。

 しいて言えば、資金力があり、問題集を編み直している、桐原、Z会、学研、山川、数研出版などが出している薄めの問題集をベースとすれば、マチガイなく試験の原理原則からいって実力が付きやすい。過去問題連結型の問題集と違い、重要事項を網羅している。またそれだけの資金力や労力が割かれている。自社内でそれをやり上げることに、この手の出版社の意味があるのである。あとは、色物も使いたい人は使っていくといいだろう。

 難関大学受験する人はこれらの骨太の出版社のスタンダードな問題集を消化し、その問題集を5回程度繰り返して完璧にした後、良問が収められた難しめのものに手をつけることが大切だ。(科目によっては3回)

 

最後に
 私立大学を受験する人は、拙著『慶應大学絶対合格法』『難関私大対策の急所』を読んでいただければ、どのような問題集、参考書を使い、どのように勉強していけばいいのかをすべて書いている。

 





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